低温化による新型コロナウイルス対応2020年02月04日 06:54

その昔、厳冬期に蔵王山中に山スキーに行った。前日、麓の温泉宿で寒い中、風邪気味なのに風呂に入ったのがいけなかった。翌朝は完全に発熱し、冬山装備を担ぎ、スキーを履いて深雪の井戸沢を越え、ふらふらになりながら標高1500mの山小屋にたどり着いた。
その晩は寒く、多分氷点下20度にはなっていただろう。赤々と燃えていた薪ストーブの火があまりの寒さに自然に消えるほどである。冬山用の寝袋ではあったが、寒さに耐えられず薪に火を付けるために何度か起きた。
そして、極寒の朝を迎えたとき、昨日感じていた頭痛は完全に治っていた。体が寒さでやられる前に、体内のウイルスが極寒で活動停止したのだと思った。小屋の周りの風雪による適度な湿気が喉に良かったのかもしれない。
それから十数年後、小松左京の「復活の日」の映画を見た。あらすじは今回の新型肺炎の感染源の噂になっているような軍事施設が絡む以下のようなものであった。

「軍の研究施設で開発された生物兵器を積んだジェット機がアルプス山中に墜落し、割れた試験管からウイルスが拡散した。その感染力は強く、パンデミックの結果、世界中の人間が死に絶えたかのように見えた。しかし、各国から来ていた南極越冬隊員(約30人)だけが南極の極寒のおかげで生き残った。寒さでウイルスが活動できなかったのである。しかし、彼らには別の危機がせまっていた。北米防衛ミサイル網の自動発射装置が核ミサイルを南極を含む全世界に向けてセットされていたのである。このスイッチを切るために、日本人隊員(草刈正雄)は南北アメリカ大陸縦断の旅にでることになる。草刈はただ一人、無人となった大陸を徒歩で縦断してコロラドの地下米軍基地にたどり着き、なんとか任務を終えて南極に帰還した。しかし、そこに待っていたのは、人類を滅亡から救うための男女越冬隊員たちの機械的な生殖行為であった。全員が人類の滅亡を防ぐために合意した方法であった。彼が愛する米国の女性隊員(オリビエ・ハッセイ)が他の隊員と一夜を過ごすのを草刈は黙認するしかなかった。
そして、多数の混血の新生児が生まれ、人類が復活する日を迎える。」

というシナリオである。

2月8日現在、横浜沖に新型コロナウイルスの罹患の可能性がある数千人の乗客がおり、検査結果が陰性であれば全員帰宅させるという方針であったが、数十名の陽性者がでて、陽性者、患者は各地の病院に運ばれたが、それ以外は全員船に留め置かれることになった。米国人は米軍のサポートで日本に上陸することなく、船から救出されるようであるが、日本人を含む他の国民は罹患者になるか、残留者が全員陰性と判明するまでは、船から出る方法はないことになっている。

今年の中国春節には武漢から1万人以上が日本を訪れ、日本感染症学会などは、新型コロナウイルスについて、「国内にウイルスが入り込み、すでに市中において散発的な流行が起きていてもおかしくない状況」との見方を示したそうである。
ウイルスが寒さで活動停止できるよう、早く志賀高原にでも山スキーに行きたいが、蔵王の経験から半世紀、ウイルスよりも先に、体のほうが活動停止するかもしれない。