コロナの死者数と他の肺炎の死者数比較2020年05月06日 07:18

日本のコロナ死者数は他の病気の死者数に比べ大した数字ではないので自粛など必要ないという議論がある。実態はどうか。
2018年度の日本の死者数原因別リストは
第1位は悪性新生物(腫瘍)で37万3547人、第5位が肺炎で9万4654人となっている。
https://gemmed.ghc-j.com/?p=26845

これから、肺炎関連の日本の一日当たり死者数とニューヨーク州のコロナ肺炎の一日当たり最大死者数を比較する。
日本全体で従来の肺炎関係による死者は年間10万人として、一日では約270人となる。一方、下表のように今年の4月16日のニューヨーク州でコロナ肺炎死者は一日で約750人だった。

東京の人口を日本の1/10とすると東京では一日に約27人死亡となる。人口規模が同等で医療崩壊したニューヨーク州では一日750人なので一日に2018年の25倍(750/27)程度の死者が発生することになる。

(ニューヨーク州と東京の人口が同程度という前提)

勿論1日当たりの死亡者数比較なので医療崩壊の日数が短ければ年間では大きな増大にはならないが、医療崩壊の最中では治療を受けられずに死亡する人が大多数になる。これがベッド数や医療機器、医療者など医療資源の余裕の少ない日本での自粛必要性の根拠であろう。
ただし、ニューヨークではアフリカ系アメリカ人の人口比が27%なのに死者中の割合は60%なので、医療アクセスの容易さの程度も死亡者数に影響するかもしれない。




4月半ばでの試算例

医療崩壊が起こったニューヨーク州の4月16日のコロナの死者は752人だった。
仮に日本での従来肺炎の死者が年間10万人とすると一日274人相当なので、日本の人口とニューヨーク州の人口比を考えると同じように医療崩壊したら大変である。

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State Total Cases New Cases Total Deaths New Deaths
New York 214,648 +11,525 11,586 +752

詳細は下記リンク。
https://covid19tracker.health.ny.gov/views/NYS-COVID19-Tracker/NYSDOHCOVID-19Tracker-Fatalities?%3Aembed=yes&%3Atoolbar=no&%3Atabs=n

ウイルス、マスクサイズと感染閾値2020年05月06日 11:03

くしゃみの飛沫もマスクをしていれば捕捉可能なので心配する必要はありません。
なお、これは公的情報に拠っています。
以下の表は鳥取県のHP(https://www.pref.tottori.lg.jp/39478.htm)からとったものですが、これによれば不織布マスクは飛沫(5ミクロン以上)を捕捉できます。
医療用マスクならば更に小さい空気感染物質である飛沫核(0.3ミクロン)も捕捉できます。
通常は、飛沫を防御できれば十分ですが、長期間3密状態だと飛沫核サイズを吸い込むことになるのではないかと思います。
また、一度に粘膜が浴びるウイルス個数の感染閾値はインフルエンザでは百万個だとされていますが、(これはどこかで読んだので公的かどうかは不明)としても何度もウイルスを浴びると体内の免疫が耐えられなくなり感染することも考えらます。これは放射線影響の短時間効果と蓄積効果の関係に似ています。即ち、同程度の被ばく量であっても、原爆(1マイクロ秒レベルので被ばく)と福島事故での長時間被ばくでは同じ被ばく量でも、人体影響が逆になることもあり得ます。


マスクの種類と捕捉粒子
製品           捕捉粒子の大きさ 捕捉可能粒子
不織布製(市販製品) 5ミクロン以上     飛沫
N95(医療用)     0.3ミクロン以上 飛沫核
ナノフィルター(市販) 0.03ミクロン以上 ウイルス


飛沫などの大きさ
インフルエンザウイルス粒子の大きさ(A、B、C型) 直径0.08~0.12ミクロン
ウイルスを含む気道からの飛沫 5ミクロン以上
ウイルスを含む気道からの飛沫核 0.3ミクロン以上


* 1ミクロンは1mmの1000分の1、インフルエンザウイルスは約0.1ミクロン
* 飛沫核物質:ウイルスを含む飛沫粒子が直径2ミクロン以下になると、空気中で水分が蒸発し、乾燥縮小した飛沫核になり、長時間空気中に浮遊し、これが吸入される(=空気感染)



なお、感染に必要なウイルス数は感染症により大きく異なり、100万個というのはインフルエンザ相当です。