神奈川県都市部の感染者数分析2020年08月15日 05:58

 神奈川県では各市町村の新型コロナ累積感染者数をHPで発表している。
 8月12日時点の累積感染者数を対象に、ポアソン回帰分析でどのような条件で最も良く感染者数を説明できるか検討した結果が上記の図である。この分析法では、全感染者数を対象に各地域の感染者が最も良く再現できるような予測式を求めることができる。

 赤の線が各市の人口が一人当たりの感染率に影響するとした場合(全感染者数を人口で比例配分したものとほぼ等しい)、青い線は各市の人口密度が一人当たりの感染率に影響するとした場合である。
 統計論では各都市の人口や人口密度は感染者数に対する説明変数と呼ばれるものである。
 この図で縦軸はこの分析結果による予測感染者数を実際に報告された観測感染者数で割った値で、1.0に近いほどその予測が正確な予測となる。
 ほとんどの都市では、青の線のほうが1.0に近いので、人口密度が人口そのものよりも実際の感染者数を決める主要因であることを示していることが分かる。即ち、よく言われているように、密を避けることが重要であることがここからもわかる。
 特徴的なのは、鎌倉や小田原で予測値よりも実際の観測値がかなり多いことである。これは人口密度や人口以外の要因、即ち、観光地であること、新幹線の駅があることなどが影響していることが考えられる。