定量化と安全設備が含む危険性2021年03月12日 04:34

3.11の津波では、気象庁の出した3m以上の津波警報を聞いて、3mなら大したことはないと思い避難しなかった人の多くが犠牲者になった。これが大津波警報や津波警報だけ出して3mという定量的な数値を出さなかったらどうなっていただろうか。
一般に定量化は分かりやすいので、説得力があり、政治家もよく使う方法だが、このような危険性も含んでいることを認識する必要がある。人間は最も重要な点(ここでは以上という部分)を良く見落とし、分かりやすい部分だけで判断しがちだ。
では、安全という言葉はどうだろうか。安全設備がついているから安心だという常套句は常に注意したほうがよい。新しい安全設備は予想外の大きな事故の危険性をはらんでいるからである。
それで思い出すのは、中国が建設中の新型原子炉である。この原子炉は流体浮上型制御棒という冷却材流量が低下すると自動的に挿入される制御棒を設置している。これは安全だと思われるかもしれないが、チェルノビル型の事故を発生する可能性がある。チェルノビルの事故の原因は現在では低出力状態での制御棒挿入で、下部にあった水(中性子吸収材)が押し出され、制御棒下部についていた黒鉛(中性子減速材)に置き換わることで大きな反応度が挿入され爆発した。これと同じように、流体浮上型制御棒が炉心の上部から挿入される際に、制御棒チャンネルから漏洩しているはずの中性子の流出を上から蓋をする形で抑制することで、同じように爆発する可能性がある。このような新たな安全設備の導入はより注意して評価する必要があるだろう。

免疫と放射線被ばく2021年03月12日 05:13

 免疫のメカニズムは複雑で、免疫力という言葉が入ったコピーは信用しないと言っている医療関係者もいるようだ。
ワクチンによる免疫力?強化は統計的に証明されているようだが、放射線被ばくに対する免疫力はどうだろうか。
 ショウジョウバエと違い、哺乳類のほとんどはDNAの2重らせん構造により遺伝情報、細胞生成情報を保有しているので、がん細胞にはなりにくいと言われている。DNAのらせんのどちらかが放射線により損傷を受けても追となっているペプチドの作用で損傷が正しく補修されるのである。但し、放射線の密度が大きすぎると補修が間に合わず、がん化する可能性が増加する。その密度が問題となる。放射線を時間積分した絶対量は殆ど問題にはならない。
 では弱い放射線を浴びることにより免疫力?が付くのだろうか。玉川温泉、三朝温泉、多くのラドン温泉など健康によいと言われている放射線温泉は多い。もともと温泉のエネルギ源が地中の放射線物質の崩壊によるエネルギなので、放射線を出さない温泉のほうが不思議であるが。
 このような仮説はどうだろうか。
 弱い放射線を受けることで、DNA損傷の修復のトレーニングをすることになるのだが、修復のための原料元素(N、H、C)のポリペプチド構成分子の細胞内での生成が起こりやすくなるよう種々のラジカルが生成され、細胞液の組成が変わるといったものである。
 詳細な機序は分からないが、放射線により種々のラジカルが生成されることは化学的に証明されている。