低レベル放射性廃棄物の海外移出をどう考えるか2021年09月20日 16:25

 産業廃棄物を海外移出することは、普通に行われている。東京の産業廃棄物が他県に移送されるのとはちょっと異なる。それは、国民が選んだ政府、法律の範囲内での移送とは異なり、移送された国の住民が関わることなくその国内で移送行為、廃棄行為が合法的に行われる可能性があるということである。
 産業廃棄物としての放射性廃棄物の特別な点は、目に見えないために、その有害性が明確になりにくいことにある。従って、上記のような民主国家では不法といえる行為がさらに容易にできることになる。
 実は放射性廃棄物としては産業用以外に医療用放射性廃棄物がある。これも日本では東北地方に移送され、永久保管されているとのことである。
 原発からでた放射性廃棄物のほうは、政治問題となり、国内での廃棄、保管が難しいものとなっている。それで海外移送すればよいという話が出てきて、新聞の一面を占めることになった。一方、医療用放射性廃棄物は、国内に保管してもだれも問題にしない。
 これは、国民の知識不足なのか、原発の政治利用なのか、両方なのかもしれないが、いずれにせよ、理性的な態度とは言えない。
 
地産地消がいいとか、ゼロカーボンが目標だなどというのであれば、放射性廃棄物も、医療用、産業用を問わず、国内で処理処分できるようにすることが必要である。

 これは、憲法前文に書かれた尊敬される国民となる道でもある。
 
 そのためには、放射性廃棄物、照射線の人体影響に関わる基準を見直すことである。医療用放射性廃棄物が野放しに近い状態である一方、産業用放射性廃棄物は海外移送としなければならないような状況になってしまった規制体系を基本から見直し、広島長崎のデータによる古い非科学的ともいえる基準に依存することなく、独自の科学的エビデンスに則った基準により法規体系を整備するとともに、国民の放射線、放射性廃棄物に対する知識レベルを向上して、政党の党首選挙の争点となったり、政治問題化したりしないよう、様々な対策を練る必要がある。

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