憲法第8条の解釈改憲を!2021年10月02日 05:48

 自民党政権は憲法第9条の解釈改憲をしたが、いま日本に必要なのは第8条の解釈改憲であろう。
 GHQが戦後皇室財産を接収し国有財産にし、皇室から経済的自立を取り上げた根拠は、現憲法の第8条にある。GHQの自作自演にも見える。

 8条
「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。 」
 第88条には皇室財産は国有財産であると書かれているのであるから、皇族は常に経済的不安定さの中にあると言っていい。今回のご結婚に関し、皇族以外の国民がクレームをつけ、女性皇族だけでなく、男子皇族までもが精神的に不安定になるよう根本的な原因はこの条文にある。
 
 韓国では、大統領が変わるたびに大きな混乱が生じている。宗教的な統一感のない国家においては、共和制を採用することは難しい。日本も同様に共和制が上手くいくとは思えない。象徴天皇制による立憲君主制のままでいくのが現状では唯一の解であろう。

 そう考えると、上記のような皇族方の不安定性は大きな政治的課題であり、TVショーや週刊誌に任せておくような問題ではない。

 第8条における、国会の議決に基づくという部分を、皇室典範に規定と解釈すればよい。第2条で皇室典範は国会が議決していることになっているので、皇室典範に皇族が財産を保有し、運用することを認めるように記載しておけば、今回のご結婚事態においても皇族内での自主的な経済的運用が可能になる。
 第88条のすべての皇室費用が国会議決を必要とするという条文も、世襲財産は費用から除外するという解釈をすれば(これがGHQの憲法原案であったが)、問題にはならなくなる。
 このようにして、経済的にも精神的にも皇族方の国民からのバッシングに対する防衛と安定性が得られる。
 今回の事態の延長線上に考えられる、若い男子皇族が皇室を離れたいと言い出されるような将来の事態も避けられるであろう。

 野党もこのような観点から、守旧勢力による天皇論議のこのような弱点を対立軸に新しい国家観を打ち立てれば、多少は政権に近づけるのではないだろうか。

 SNSでは、天皇制が例外的なものだとして、皇族の自由が縛られるのは仕方がないなどという意見があるようだが、憲法で規定しているのは天皇による国事行為だけである。皇族の基本的人権は尊重されるべきであり、自由が国民の世論に縛られてもいいなどと言い出したら、だれも天皇や皇族になりたがらなくなるだろう。