コンテストの採点は3桁にすべきだ2021年10月04日 05:25

 キングオブコントの優勝者が空気階段に決まったそうだ。出場者が10組でその中で順位を付けなければならないのだから、審査員は大変だろう。
 その採点方法が100点満点だそうだ。
 出場者は長年コントを追求した強者ぞろいだから、審査員は最低でも90点は付けたくなる。そうすると10組出場したら採点で差をつける意味がない。即ち、100点から90点までの1点差をつけるだけなので、順位をつけるのと実質同じことになる。
 しかし、コントは順番に見ていくので数人前の出場者との順位を付けられるほど記憶力、判断力のよい審査員はいない。だから、採点法を採用しているのである。しかし、差をつけようにも1点である。

 ではどうすればよいか。それは、仮に100点満点の採点なら、
 90.5点というような3桁での採点を許すことである。

 そうすれば、芸達者な10組の出場者でも微妙な差を各審査員がその記憶力が普通でも、前の出場者との差を0.1点単位で判断できれば1点差で評価するよりも正しく10人の比較を点数に示すことができ、最終的な集計で精度良い順位付けができる。

 3桁に表示板を変更するのにそれほどコストはかからない。
 日本人皆が試験は100点満点と思い込み、どのコンテスト番組もどの試験も2桁の点数で評価されている。
 多数を採用する採用試験や入学試験ならばそれでもいいのかもしれない。
 また、多数の審査員(例えば日本人全員)による審査結果なら統計学的に意味があるかもしれない。
 しかし、多くのコンテストでは少数の審査員が点数を付けその集計により順位をつけることにならざるを得ない。
 公開の場で採点したときに、人情として90点が最低ラインだろう。無理に差をつけようとして、あまりに低い採点をしたら審査員の品格が疑われることになる。
 それを回避し、しかも順位をつけるためには、3桁で採点することである。100点満点で小数点以下1桁でも良いし、1000点満点としてもよい。
同じことである。

 昔、高校の文化祭で、張り絵のクラス別コンテストがあり、先生方が採点をした。殆どの先生はどの絵も90点以上を付けたが、一人だけ新任の倫理社会の先生が、クラスごとに大きな差をつけた採点をし、その先生の採点で実質順位が決まったことがあった。しかし、学内でその先生に文句を言う生徒はいなかった。逆にその先生の個性に人気が上がり、倫理社会を履修する生徒が増えたのである。

 しかし、そのようなユニークで勇気のある人間は、新任の倫理社会の先生のように大学でインド哲学でも探求するような日本人には珍しい特別な人である。

 もし、コンテストで人に順位を付けなければならないのであれば、審査員には3桁の採点を許容すべきである。
 
 最後に、キングオブコントに空気階段が選ばれたことにクレームをつけたいわけではない。十分面白いし、トップにふさわしい。
 ただ、審査員が採点に苦労するようなコンテストでは、出場者も余計な気をつかわなければならず、実力が十分発揮できず、最終的には関係者全員が不満をもつことになるのではないだろうか。
 なお、賞金の500万円をギャンブルに使うのだけはやめた方が身のためであると、あの倫理社会の先生が審査員ならば釘をさすであろう。

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