カルロス・ゴーン氏の逃亡手段の再考2021年10月18日 06:16

 昨日のサンデージャポンのデーブ・スペクター氏の話では、によれば、カルロス・ゴーン氏が楽器の箱に入って関空を通過した際の手口は、楽器のチューニングがX線で狂うので検査しないよう依頼したら、税関職員が検査せずに通過させたということである。ここが日本脱出計画での最大のポイントだったそうだ。
 これは初耳だった。
 当時のニュースでは、二つの同じ楽器箱を用意して、一方だけの検査で済ませてもらったという話だった。実際にはチューニングが狂うという点を持ち出していたのである。
 ところで、X線照射で物性が変わることはあるのか。
 通常、胸部X線検査での被ばく量は0.05ミリシーベルト程度である。
 関空のX線検査装置のデータはないがこの2倍程度であろう。
 即ち、0.1ミリシーベルトである。エネルギーとしては1kg当たり0.1ミリジュールを受けたことになる。

 ところで、航空機で日本からニューヨークに飛行した場合の宇宙線による被ばく量は0.1ミリシーベルトといわれている。

 即ち、X線検査でチューニングが狂うのならば、飛行機での大陸間の運搬は不可能である。この点だけでもゴーン氏の逃亡請負人の説明が嘘でだったことが分かるであろう。

 関空の税関職員だけでなく、日本人の平均的な放射線に対する無知さを元米軍グリーンベレーである請負人に逆手に取られたのである。

 ところで、1ジュールは1秒間1ワット/秒の熱エネルギーを受けた場合のエネルギーである。従って、0.1ミリシーベルトの照射は楽器1㎏あたりその10000分の1の熱エネルギーであり、それで楽器の物性が変わるか、常識的に考えれば疑わしいことが分かるであろう。

 一般の日本人に対し、放射線影響に対する常識レベルを上げる必要がある。
 但し、シーベルトという分かりにくい単位をいろいろな意味で今も用いている放射線関係者も反省すべきであろう。