エネルギー概念把握のための理解図2022年04月08日 10:51

エネルギーとは何か。漠然として概念がつかみにくい。
まして、ポテンシャルエネルギーは負だという。エネルギーに負というものがなぜあるのか。
これらを概念としてつかむための図を作ってみた。
まず、負のエネルギーがあるのなら、ゼロエネルギーというものがあるはずである。それをここでは空エネルギーと称してみた。
即ち、宇宙空間のみである。以下、以下のような分類が良く教科書に出てくる。

質量エネルギー
運動エネルギー
重力場ポテンシャルエネルギー
電磁場ポテンシャルエネルギー

これは、それぞれ、
宇宙に質量Mkgの物質が存在、
質量M、速度vの物質の持つエネルギー、
距離rにある2つの質量M,mの重力場が有するエネルギー、
距離rにある2つの電荷Qクーロン,-Qクーロンの電磁場が有するエネルギー、

ということである。
問題はポテンシャルエネルギーが負になる理由である。

重力によるエネルギーの場合、
距離rに逆比例する、即ち、rが無限大の時に0となるのは理解できる。重力があるのだから、物質を引き離すのに仕事(正のエネルギー)が必要となるはずである。これから、rが有限長の場合には、系が持っているエネルギー、即ち、重力場のポテンシャルエネルギーは負の値とならざるを得ないのである。

電磁場のポテンシャルエネルギーも同様に負であることが説明できる。

これらのエネルギーは全て㎏m2s-2の単位を持つ。これは、エネルギー保存則が成立することと等価である。

水素原子のエネルギー順位図では、正の電荷の原子核に対し、負の電荷をもつ電子が励起した場合のポテンシャルエネルギー順位が示される。それはいずれも負値になっており、励起レベルが高いほど、負の値が小さくなっている。逆に励起レベルが低くなるには、電磁波を発生させて、そのエネルギーが失われた分、ポテンシャルエネルギーはより負側になるということである。

宇宙全体の重力場のポテンシャルエネルギーは単純には増える一方となる。これはエネルギー保存則に反する。しかし、宇宙は膨張し続けているので、物体間の距離が延び、重力場ポテンシャルエネルギーは保存されているということなのであろう。
電磁場ポテンシャルエネルギーはどうなっているのだろうか。核変換が起こらない限りは宇宙の電荷は一定のはずだが、励起レベル変化の際の電磁波放出と吸収でバランスしているということなのであろう。