記憶するなら、読むよりも議論がいい!2022年06月07日 05:55

 メールや手紙を読んでも、内容はすぐに忘れるが、電話やZoomで話し合ったことは、同じような内容でもしばらくは記憶に残る。
 この差は何なのであろうか。

 記憶に関する研究では、イベント記憶のほうが、学習記憶よりもはるかに長く覚えているそうである。即ち、体験したことは深く記憶に刻まれる。
 これは、単純に読書などで目から入ったことよりも、実際に体験した場合には、その時の状況、やり取りなど多くの感覚器官が脳に情報を同時に送るので、長く記憶に残るのであろう。
 そうならば、面倒だが、重要な案件は、メールでやりとりするよりは、電話でイチイチ確認するほうが安全なように思う。
 証拠として、或いは、後で確認するためという目的なら、メールのほうが有利だが、単に記憶に残すためならば、逆に、電話でその件に関し話し合いながら確認するほうがお互いに良いということになる。
 ただし、年齢を重ねると耳が悪くなり、細部で勘違いも発生する。
 面倒だが、電話やZoomで話し合ったのちに、メールやLINEで確認するというのが最良であろう。
 これが面倒なら、LINEを一回限りにせず、何度も同じようなやりとり、議論をするのも記憶の増強には役立つであろう。

 また、この記憶と記録性の関係を利用すれば、相手にとっていやなことを、波風立てずに伝えることもできる。即ち、電話やZoomなどで話すのではなく、メールでその言いにくいことをさりげなく文章にして送るのである。
 かつて、ネットのない時代、マクルーハンはテレビはクール、ラジオはホットなメディアだと言ったが、ネット時代にはメディアのクール度の見直しが必要だろう。