電子カルテが患者に嫌われる訳2022年06月27日 06:21

 電子カルテは医師ばかりでなく、患者からも嫌われている。
その理由は、患者が画面ばかり見て、患者を無視しているように見えるからだそうだ。
 それはなぜかと分析してみる。
(1)実際に画面を見る時間が長い。
 これは、メモを紙に書く場合と、スマホやパソコンに書く場合を比較すれば分かる。紙に書く場合にはすぐに書く場所が分かるので、長文でない限りは紙のほうが圧倒的に短時間で済む。電子カルテでは、最初の画面立ち上げ、設定、カーソルでの記入位置設定など、記入までに時間がかかる。また、記入後に間違いがないかなどのチェックも必要である。
 このため、紙カルテの3倍は時間がかかるのではないだろうか。患者はその間、じっと待っていなければならない。
(2)パソコン操作に対する心理的な不安感
 患者は医師が電子カルテを操作している間、医師がなにをしているのか推測することもできない。画面を読み取れれば多少はいいが、何か特殊なことをされているのではないかと不安に駆られる。その時間が長い。紙カルテなら医師が手書きで記入をしているので、内容が分からなくても何をしようとしているのかは分かり、安心感がある。

これらは、どう解決したらよいだろうか。
(1)については、電子カルテのフォーマットの改善も重要だ。
 しかし、その前に、医師が電子カルテに直接記入することを止め、テキストエディタなど簡単なフォーマットのメモ帳に思ったことを記入することで大幅に時間短縮を図ることができる。
 記入ミスはメモを電子カルテに移す際に修正すればよい。電子カルテへの転記が大変ならば、得意のAIに任せればよい。そのソフト開発は容易だ。
(2)については、心理的なものなので、患者の慣れとともに解消されるものだと思う。
 その昔、管理職その他の紙の図面や資料を手書きしていた多数派の技術者からは、CRT画面を覗いてばかりいるIT技術者は、ゲームでもして遊んでいるのではないかと視られていた。今では全員がゲームをしていると視られてもおかしくはないので、パソコン画面を見ていても周りからは変な目では見られない。逆に手書きなどをしているほうが私用をしているのではないかと思われてしまう、隔世の感である。
 患者や看護師も電子カルテやPC、スマホに慣れた世代が増えれば記入時間の短縮とともに抵抗感は薄れて、当たり前のことと思うようになる。

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