太陽フレアの放射線が地上に達しない訳2022年07月05日 06:25

航空評論家の杉江弘氏によれば、パイロットやCAは多量の放射線被ばくを受けているらしい。
https://biz-journal.jp/2018/12/post_25921.html#google_vignette
特に太陽フレアが発生したときは対策が必要になる。
太陽フレアは太陽における核融合反応の異常爆発によるもので、重水素の核融合反応の中には陽子や中性子以外に透過性の強いガンマ線を発生する反応もある。このガンマ線は水爆と同様に瞬時に宇宙に広がる放射線でもある。
勿論、これは我々一般の旅客も同じだが、問題は顕在化してはいない。

ではなぜ地上では問題にならないのか。
それは空気による放射線遮へい効果が大きいからである。
透過性の強い放射線であるガンマ線は主として大気に含まれる電子と相互作用し、その大量の電子により遮へいされる。

大気は地上では1気圧の圧力を及ぼす。即ち1気圧に相当する空気の重量が地表を覆っている。10m深さの水圧が約1気圧であるので、水10mに相当する電子数が地表に住む人間を宇宙線から遮へいしていることになる。
これは、原子力発電所などで燃料交換作業などにおける核燃料の放射線から作業員の被ばくを防護するのに十分な厚さの遮へいである。

しかし、航空機では薄い軽合金の胴体しか遮へい機能を有していない。即ち、ガンマ線の遮へいにはほぼ効果はない。年に数回発生する太陽フレアの爆発による、高空における瞬時放射線被ばくを防ぐには非常に重い材料で機体を製造する以外良い方法がない。
ガンマ線は光速なので、地表で太陽フレアが発生したことを検知した瞬間にはすでに被ばくしているのである。

原爆と同様、太陽フレアの被ばくも人類がこれまで経験したことのない、即ち、免疫を獲得していない外部事象であり、放射線治療による慢性長時間の被ばくとは比べものにならない少量でも危険な被ばく現象なのである。

現在の年間総量規制による被ばく基準を、瞬間被ばく量規制による被ばく基準に早急に改正する必要がある。