下りのエスカレーターが危ない理由2022年11月03日 03:47

 昨日、駅そばの下りエスカレーター降り口で年配の女性が転ばれた。
以前、知り合いが下りエスカレーターで転び足を痛めたこともある。
 なぜ、下りエスカレーターが特に危ないのか。

 理由は単純である。地球の重力加速度のためである。

 ガリレオの発見により、地上の物体は常に下方向に9,8m/秒の加速度を受けることが知られている。即ち下向きに力が加わっている。
 一方、下りエスカレーターでは、エスカレーター自体が下方向に移動している。即ち、下り速度が1m/秒であれば、加速度、即ち下方向への力は約10%減少する。もし、9.8m/秒であれば、宇宙空間と同じ自由落下になる。
 通常、このような下りエスカレータでは、約10%下方向への力が減るのだが、降り口では、いつもの地上での重力に戻る。この瞬間が危険である。足の筋肉の弱い方は、瞬間的な10%重力増加に耐えられず、転んでしまうのである。
 従って、降り口では、足に力が加わることを予測して、足を緊張させて踏み出す必要がある。

 この下りエスカレーターで足が楽になる現象は、山スキーで実感できる。(最近では山ボード)
 昔、北アルプスで約30キログラムのザックを背負い、新雪の中を滑ってきたことがある。通常のスキーなら緩斜面のほうが滑るのが楽なのだが、その時は、なぜか急斜面になるほで楽に滑れるのである。
 後で気がついたのだが、これは、急斜面ほど自由落下に近づくので、荷物の足への負担が減ったためであろう。
 しかし、最後の平坦地で止まろうとしたときは、足に体重と荷物の荷重が加わり、耐えられず大転倒をしてしまった。上記の下りエスカレーター降り口での出来事と同様の事を半世紀前に経験していたのである。反省すべきことである。

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