ヒトはなぜ滑るのか2022年11月07日 02:53

 これも、前回に引き続き、試験に落ちたり、スキーやスケートボードなどで滑るという話ではない。単に、歩いているときに滑って転ぶのはなぜかという話である。ヒトは躓いても転ぶが、滑っても転ぶ。前者は前方に転び、後者は後方に転ぶことが多い。
 一昨日、知人の躓きの検討をしていたら、昨日は自分が斜面で滑ってひじを打ってしまった。恐るべき偶然の不一致である。

 滑る原因は、足裏と地面との摩擦が喪失することが殆どである。他には、接触面積が少なすぎる場合、接触面の鉛直方向との角度が大きい場合、即ち、急斜面の場合などに摩擦力が荷重による圧力に耐えられない場合である。

 なぜそうなるのか。原因は2つある。
(1)接触面の摩擦係数が小さい。
 今回の場合、地面がコンクリートで苔が薄く覆われた上、側面から水が流れており、サマージャンプのシャンツェ状態だった。
(2)斜面である。
 平面でも滑ることは滑るが、横方向にはヒトが意識的に力を加えない限り大きな力は働かないのでほぼ滑らることはない。しかし、わずかでも斜度があると、重力の効果で受動的に滑ることになる。

 では滑らないようにするにはどうするか。
地面表面に滑りやすい物質(水、苔など)がある場合には、その表面物質を突き破って、地面に到達できるような方策を靴底に付けるのが簡単である。即ち、車のタイヤであれば、金属チェーンの装着である。
 靴底用のチェーンというものは札幌などでは一般的である。問題は、ふだん履きの靴底にそれを付けられるかということである。スタッドレスタイヤ用のゴムでできた靴底の靴があれば、購入したいところである。接触面の水を排除して、滑りにくくしてくれるだろう。
 次の重力対策であるが、体重を軽くする、即ちダイエットをするのが良さそうだが、それが一番難しい。従って、次善の策としては、荷物を軽くして重力を減らす、又は、バルーンを背負って、地表への荷重をできる限り減らすなど、ほぼ、実現困難な方策しかなさそうだ。

 現実的な解決策としては、
(1)片足に乗らない。できるだけ両足に均等に体重がかかるような歩き方をする。例えば小股で細かいステップで歩く。前足が滑るかどうかを感じつつ、滑った感触があったら、その前足に体重を載せるのを中断するという歩き方である。
(2)前方を注視する。今回これを怠り、友人と話しながら歩いていてこの災難に会ってしまった。兼好法師を読み直さないといけない。
(3)片足でも滑っていけるようにする。滑ること自体は実は問題ではない。そのまま滑っていけるなら、転ばないで済むからである。昔々、オリンピック選手だったトニーザイラーは、映画「白銀は招くよ」の中で、山の中でスキーの一方を失ったのち、麓を目指し片足だけでどこまでも滑って行った。前方に崖などがなければそれで転倒を防ぐことが可能だ。或いは両足で滑っていく方策もある。
 いずれにせよ、瞬間的なバランス感覚と脚力が重要だ。今回、一瞬バランスを持ち直したのちに、耐え切れずに転倒したため、一応、受け身の体勢が取れて、大けがには至らなかった。
 この方策を実際に適用するには、普段からバランス感覚と脚力を鍛えておかなければならない。やはり、山スキーは続けることにしよう。
 以上、反省と教訓の一日でした。

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