非結核性抗酸菌症と低温入浴法の相関について2022年11月08日 06:05

 非結核性抗酸菌症は、肺内で抗酸菌が増殖し、肺機能を徐々に侵食する病気であるが、近年、増加の一途をたどっている。医療研究開発機構の報告では、最近の患者数は結核患者に匹敵するようである。また、治療法は確立していないようで、複数の薬の長期間の服用と種々の検査が必要である。
 
 この抗酸菌は、水や空気の中に普通に存在しているが、最近特に中高年の女性の間で増加しているらしい。
 屋内では、特に浴室に存在し、バスタブ、給湯やシャワーヘッドなどで検出され、すでに、患者との相関も報告例がある。

 ここで思い出されるのは、一時流行した24時間風呂である。あれも感染症に関係するとの話が広がり、急速に流行は終焉した。
 近年、健康情報で、長時間低温風呂に入るのが、健康増進に効果的だという話が特に女性には受けているようだ。確かに、副交感神経のバランス増進には有効のように思う。

 しかし、問題は、低温風呂における、最近の増殖とその吸入の可能性である。
 この種類の抗酸菌を吸入しないようにするには、低温浴の前に、浴室内をできるだけ清潔にし、菌の付着個所を低減するとともに、一旦湯温を50℃以上にまで高温にして、死滅させた後低温浴をするという手順を踏むことが必要だろう。