確率計算のできる野球とできないサッカー2022年12月04日 08:10

 さんざんポアソン分布を用いて、勝敗確率を計算してきたのでこんなことを言うと叱られそうだが、野球とサッカーの大きな差は確率計算が有効かどうかであろう。野村監督は確率を上げることで三冠王や優勝監督に数回なった。そのノートは確率を上げることに費やされていた。
 野球で可能なのにサッカーで難しいのは何故なのか。

 結論から言えば、野球が2体問題であるのに対し、サッカーは3体問題だからである。3体問題は物理学で今でも予測計算ができない問題である。
 野球の勝負の基本は、ピッチャーとバッターの二人の体が勝負をする問題である。ボールとバットもあるがそれは二人の従属変数であり、自由度はない。他の選手はほぼ静止しているので勝負には関係が無い。
 一方、サッカーは、本大会での得点シーンを見ても分かるように、ストライカーとキーパーよりも重要なのが、アシストである。アシストが如何にストライカーにパスするかで得点できるかどうかが決まる。即ち、三つのBODYが関わっている三体問題なのである。これは、原理的に物理学的計算は出来ない。それゆえにサッカーの得点は予測計算ができないということになる。

 サッカーで予測計算できるのは、ストライカーのドリブル突破力が強く、キーパーと一対一対決が容易にできる状況が作れる選手の場合である。一対一になれば、野球に比べサッカーはストライクゾーンが広い。それができるのがマラドーナやメッシなのだろう。三苫選手もドリブル突破力があるので、そのような選手に化ける可能性がある。今後4試合でそれが現実になれば、日本の世界一も夢ではない。