いま日本に最も必要なことは地震対策ではなかったのか2022年12月10日 11:14

コロナやウクライナ戦争、ワールドカップ、円安で明け暮れた2022年、忘年会をやっても地震対策の話は出てこない。

今朝も家の本棚が揺れた。マンションなのだが、かなり立て付けの悪い本棚のガラス戸が、隣県で震度1以下でもカタカタと振動し、微小地震を教えてくれる。ここ数日、また、微小地震が増えている感じだ。

以前から言われているように首都圏直下型地震は周期的に起こる。大正も昭和も遠くなった。ということは首都直下型地震の確率が増大していることと同じである。

地震そのものよりも、その後の物流や情報の混乱による被害の方がずっと大きくなるはずである。東日本大震災では大型トラックの通行が可能になるまでに2週間以上掛かっている。

首都圏の2千万人のための物流が2週間ストップしたら、かなりの健康被害が出るだろう。それよりも、政府、自治体の機能の殆どが暫くは働かないことを覚悟しておく必要がある。その混乱は、関東大震災以上のものになる。人口は東京、横浜とも5倍以上に増加しているが、道路面積は大きく変わってはいない。またそれも地震で大被害を受け、少なくとも1か月は十分機能しないであろう。

頼みの綱は新幹線だけだろう。しかし、神奈川県内で高架が一部でも破損したら、「のぞみ」は絶たれる。首都圏の人間はほぼ移動手段も、食料も絶たれたまま、1か月暮らすことになる。

最も大変なのは、水がないことである。そのためにトイレが使えない。
最近は殆どが水洗なので、水なしでは使用不可能である。たとえ風呂にお湯をためてあっても、各家庭のトイレは数日で使用不可能になるはずである。トイレの洗浄には従来型トイレで一日一人当たり20リットルは必要であることがある民宿での水汲みで実証できた。必要な飲み水の10倍である。

想像するにも困難な事態が首都圏住民には待ち受けている。生き延びられる可能性は、関東大震災時よりも一桁小さくなっているだろう。

では、どうするか。簡単な解は、数十年前に議論だけは盛んだった首都移転である。少なくとも、政治と経済の中心は分離したい。簡単なのは、官公庁や大企業の本社が米国のように地方都市に移転することである。

コロナ禍で、殆どのソフト的作業はリモートワークが可能なことが実証されている。政治に求められるのは、官公庁をすべてリモートワークにするよう、そして、勤務先をバーチャルにするよう法改正することである。

ネックとなるのは政治家への官僚からのレクチャーと国会質疑対応である。政治家はリモートワークができないと思い込んでいる。また、対面でしか交渉したことがないので面倒くさいとも思っている。

岸田政権が人気を回復したいのであれば、デジタル庁などという見通しが付かないことを推進するよりも、官公庁を地方都市に移転するように動くことである。そうすれば、関連する企業群の本社も地方都市に移転できる。

京都や横浜にごくわずかだが官公庁の一部が移転したことがあるのだから、組織の本体も決断しだいで移転可能だ。何なら、おひざ元の広島でも良い。できるだけ、関東地方から離れることで日本の安全性が大幅に向上でき、歴史にも名を残せる宰相になれるだろう。