踏み間違い事故におけるイベントデータレコーダーと足元ドラレコの差2023年01月09日 12:58

 イベントデータレコーダーは車の運航状況に関わる様々なデータを記録している、飛行機事故で言えばブラックボックスのような機能を有する記録装置である。事故時の車の状態を調べることができる。
 一方、足元ドラレコは足元の画像を撮影して、事故時の映像を記録できる装置である。(恐らくまだ一般には発売されていないだろう。)

 最近、再度、高齢者によるアクセル、ブレーキ踏み間違い事故が何件か発生した。この問題に関し、以前にもちょっと触れたが、あるディーラーとのハイブリッド車での異常事象に関する議論を思い出した。

 ネットの一部では、事故時における客観的証拠として、足元ドラレコの開発を推奨しているものがある。

 これに対し、すでに主要メーカーではイベントデータレコーダーが設置されているのだから足元ドラレコは不要だという意見もある。

 私のハイブリッド車の異常事象は、スタートボタンを押した際に、エンジンが高回転となり、ブレーキペダルから足を離そうとした瞬間に急速に発進しようとしたものであった。それが1か月の間に2回ほど生じた。

 これは車の異常ではないかと思いディーラーに持って行ってイベントデータレコーダーを含め、検査してもらった結果、回答は、ブレーキとアクセルの2重踏みというものだった。

 昔、マニュアル車で急速発進するために、トゥーアンドヒールという足を斜めにして2重踏みをするテクニックがあったが、それと同じ状態が2回測定されたというものである。
 確かに、発進時にエンジンが高回転ならば、アクセルを踏んでいるとイベントデータレコーダーは解釈するのであろう。

 ディーラーの工場責任者に「ではその所見を書面にしてくれ」と頼んだがそれは拒否された。
 仕方なく、その車はすぐに手放した。どこかの裁判事故みたいな高齢者の踏み間違い事故と同じになる事態を避けられるのであれば、車など安いとものだ考えた。

 仮にその車が、アクセルが踏まれたことを機械的なリレーで検知しているとしても、そのリレーが故障して接触不良ならば、イベントデータレコーダーの事後解釈は間違ってしまう。しかし、工場責任者の見解に反論できるだけの客観的証拠はこちらも持ち合わせていなかった。

 このような場合、足元ドラレコがあれば、実際に運転者の足がアクセルに触れているかどうかがはっきりできる。アナログではあるが、イベントデータレコーダーの解釈が信頼できないという客観的な証拠となり得ると今では思う。

 メーカーや国交省は困るかもしれないが、運転の邪魔にならない小型で安価なカメラが普及している現在、本当に踏み間違いなのか、車側の問題なのかより明確にできる足元ドラレコをオプションで設置できるよう法改正すべき状況になっていると思う。

 今後も高齢者による踏み間違い事故?は増える。池袋事故のような長期裁判を防ぐ意味でも、また、安全装置の多重化という意味でもこのような装置の開発と設置、法改正が望まれる。