スキー世界王者が雪崩れに巻き込まれたワケ2023年02月01日 05:01

天狗原付近で雪崩れに巻き込まれた米国人は、フリースタイルスキーの世界チャンピオンでプロモーションビデオの撮影もしていたらしい。何故、そのようなプロが、春には一般人も多く滑るようなエリアでの雪崩を避けられなかったのだろうかか。

雪と斜面があれば雪崩の可能性は常にあるが、プロならば、雪崩とと共に高峰の急斜面を滑るようなYOUTUBEも良く見かける。

今回の現場は、標高2000メートル付近の私でも滑れる普通の斜面である。しかも灌木も生えている。安心したのではないだろうか。

その標高の低さが仇になったと思う。3000メートル級と異なり、この程度の標高では、日射により雪表面が溶け、夜には氷結する。その面が上下の積雪を分離する弱層になる。その弱層の上に日本独特の重い雪が大量に積もる。そしてスキーのエッジにより鉛直方向にも切断され、緩斜面でもあっても雪が流れ落ちることになる。
このような状況は、米国のスキー可能なエリアではほとんど起こらないので、油断していたのではないかと思う。

実は、昔々、天狗原の斜面よりかなりなだらかなあるゲレンデ横の斜面を滑っていて雪崩を起こした事がある。まさかと思ったが、ゆっくりと表面の10センチメートル程度の春の重い雪が200メートルほど流れ下っていった。幸い誰も滑っていなかったので、被害はなかったが、人がいたら、転倒はしていただろう。

確かに雪と斜面と多少のショックで雪崩は起こりうるものである。
それがどんなに緩斜面であっても、そして、起こりそうにない雪質であっても。

マンションでの簡単な防寒対策2023年02月01日 11:19

 マンションの場合、外気の冷気が室内に侵入する主な経路は鉄製の玄関ドアであろう。
 (熱伝導率к[W/m・K]を比較すると、鉄は83.5、ガラスは0.55~0.75、木材0.15~0.25です。)

 従って、ドアに木材の板などを張ればいいのだが、見栄え良く作るにはかなりの費用が掛かる。玄関から居間に通じる廊下に防寒用アコーディオンドアを付けるのが事前の策だが、それも1万円では済まないし、手間もかかる。

 そこで、もっとも簡単でほぼ0円の対策として、夏に部屋の入口にかけていた幅約1m長さ約1mの暖簾を付属の伸縮式突っ張り棒ごと廊下の途中に付けた。手が届かないので、上部には約10㎝の隙間ができている。しかし、重要なのは、その下に大きな風呂敷を繋げ、床面に引きずる程度の長さになるよう、暖簾にクリップ止めすることである。すべて手持ちなので、費用は0円だった。(突っ張り棒は100円ショップで入手したものである。)やることはこれだけである。

 その結果、玄関と居間、風呂場の間には仕切りができ、玄関からの冷気はぼぼ遮断できた。よく見ると、暖簾の下にクリップ止めした風呂敷が玄関から居間方向になびいているが、風が侵入するほどではない。重い冷気が暖く軽い居間側の暖気と混合しないようにこの費用0円の仕切りが作用しているのである。

 これだけで、ヒートショックを全く感じないようになった。また、この仕切りは玄関からも見えない位置に配置できたので、見栄えも気にならない。早くこの方法に気づくべきだった。

 工業用赤外線温度計での測定結果

 玄関ドア内側:13.8℃
 仕切り外側廊下壁:16.0℃
 仕切り内側廊下壁:17.6℃

 以上

性とは絶対的なものか?2023年02月02日 06:49

 岸田首相が同性婚を認めると社会が変わってしまうという趣旨の答弁をしたらしい。

 同性、異性、婚姻は全て、生殖にかかわるものである。そして、ヒトを含む生物は社会を構成している。最近の植物学では、植物でさえ、互いにコミュニケーションを行い、ある種の社会を構成するそうである。

 また、有性生殖というものは、生物の特性である、子孫を残すために変化した一生殖形態ではあるが、必ずしも有性生殖をする必要はなく、DNA配列に多様性を効率的に生じさせるための方策として変化したものである。従って、ある種の生物は、有性生殖と無性生殖を状況によって変化させ、また、7つの性分類を有する生物まで存在する。(二河成男「生物の進化と多様化の科学」放送大学出版会)

 従って、男、女と動物を2分類することはかなり恣意的、一時的なものである。生物が進化し、アダムとイブが祖先であるヒトがその頂点だというキリスト教的な発想に立つならば、同性婚は認めたくはないだろう。

 しかし、ヒトは生物でもある。即ち、過去の生物の進化の歴史をそのDNAに併せ持つものである。個体によっては、過去の痕跡である雌雄性の混同が表面化した、即ち、LGBTXという個体も当然生じるものである。性意識が自分ではどうにもならない、即ち、教育や学習では容易に変えられないものであることは各自が認識していると思う。
 
 日本社会がその生物としてのヒトを分け隔てなく受け入れる進化した社会となるためには、岸田首相も我々も社会が変わることを認めなければならないだろう。

バックカントリースノーボーダーの必携品2023年02月03日 05:18

 それは、雪山を歩くためのスノーシューとストックである。登山用品店には、手ごろなサイズのスノーシューと、折りたたみ式のスキー用ストックが置いてある。ネットにもあるが、できれば自分の手足にフィットするものを探したい。数万円で命が助かるなら安いものである。

最近、バックカントリーでのスノーボード中の遭難が増えている。スノーボードは深雪で特に楽しい。また、慣れればゲレンデよりも楽に滑ることができる。そこで、バックカントリーに踏み入りたくなるのはよく理解できる。

 しかし、一旦コースを間違え谷に入ると、登り返しが難しくなる。登ろうとして、ボードを外した途端、足が深雪に潜って、身動きが取れなくなる。
谷は日も当たらず、柔らかい雪のところが多いのである。スノーボードの表面積は
 30㎝×150㎝=4500㎠
程度であるが、靴の裏は
 10㎝×25㎝×2=500㎠
程度なので、ボードで10㎝潜る雪なら、ボードを脱いだ途端1m潜ることになる。即ち、身動きは取れない。従って、尾根まで戻ることは不可能となる。

 スキーの場合は、まだ、ストックを使って登り返すことは不可能ではない。(それでもスキーシールやスキーアイゼンは必携だが)

 スノーボードの場合、深雪の中をわずかの距離でも上るためには、雪の中で潜らないよう、スノーシューとストック(但しリングの大物もの)を用意しておく必要がある。それをザックに入れ、背負って滑ることである。

 ネットで欧米の高峰を空身で滑る動画がよく見られるが、日本の場合は、深雪のレベルが違う。登り返せないのである。

日本では、欧米の真似をして、地域差を考えないで大失敗をする例が多い。福島の原発事故も、竜巻を重視した米国の設計のままに建設し、津波に飲まれてしまったために起こった。

 自然を相手にするならば、原発であれ、遊びであれ地域差を良く考えて準備をする必要がある。

テルミナートルがレオパルト2供与の理由なのか。2023年02月04日 06:35

 ロシア国営通信スプートニクによれば、テルミナートルと呼ばれる戦車支援戦闘車が2022年末から2023年初めにウクライナ前線に投入されたらしい。
https://sputniknews.jp/20230202/14792791.html

 これが、ウクライナ歩兵を狙い撃ちしてロシア側が有利な戦いになる可能性が強い。この戦闘車を叩くには、優秀な戦車が必要だというのが、NATOのレオパルト2など新型戦車供与の一つの理由だろう。

 ネットで調べると、テルミナートルの生産工場の位置はニージニー・タギル市にあるということまでわかる。ロシア側も情報戦では負けてはいない。

  このような強がりをニュースで流すその根底にあるのは、ロシア国民の潜在意識にある他国への恐怖感だろう。この国は歴史的には常に南方からの軍事圧力を感じてきた。ナポレオンやナチスの侵略がその典型である。

 21世紀になり、今度はNATOが怖くなってきた。そして、プーチンは圧倒的な国民支持率を背景に、ロシア帝国の再現が可能だろうとウクライナに攻め入った。しかし、ウクライナの国民の意識はNATOよりもロシアが怖いという逆転現象が起きていることに気づかず、現在の膠着状態に陥ってしまっている。

 日本は現在、自民党の圧倒的な議席数の元、敵基地反撃能力まで保有するという歴史的な防衛戦略変換を行いつつある。

 国民の支持という名のもと、多くの歴史的な失敗が繰り返されてきた。ナチス台頭も、今回のウクライナ侵攻も、太平洋戦争もすべて、国民の支持のもとに行われた行為である。

 かえって、米国のように、二大政党による捻じれ政治のような状況が歴史的には良い結果を生じるということなのだろう。

 そういう意味では、ショルツ首相が連立政権の中でレオパルト2の供与を渋ってきたことも良く理解できる。

 今後は、ロシア国内で、プーチンの独走を押さえられる勢力が伸長することを期待せざるを得ない。それは、ワグネルのような民間軍事組織や現政権への反対勢力の存在である。この民間軍事組織がなぜ存在できているのか。それも、ロシア国民の潜在意識にある恐怖心のためである。モスクワ近郊の闇市では横流し品の武器が白昼堂々と売買されている。それだけ、国民の中に自衛意識が強いということだろう。

 国内に民間軍事組織があり、武器も容易に入手できるということは、もしもロシア国内に戦火が及んだ場合には、現政権は容易に倒れる可能性が強いということでもある。この場合の混乱を考え、西側も戦場がウクライナ国内に治まることを願っている。最新戦闘機をウクライナに供与できないという理由でもある。

中国人にとっての面子は日本人の空気のようなものか2023年02月06日 04:38

 中国の気球が米国東海岸で撃墜され、中国政府は面子を潰されたと反発を強めているらしい。

 下記サイトによれば、中国人の面子とは、日本人の所謂「空気」のようなもので、明確に規定はされていないが、社会生活で最も重要なものだそうである。
https://note.com/stwtcpld/n/nefedd50a9766

 現在の日本の政権の行方は、自民党内の空気で決まり、中国の習近平政権は面子を保つことで維持されていると言えば分かりやすいのかもしれない。

 どおりで、習政権がゼロコロナ政策の突然転換したりこれまでのコロナ対策が成功だったと強弁するのも面子を保つためであったことが理解できる。

 面子を保つことは、単なる威厳や心理的満足感ではなく、彼の国の複雑な人間関係のなかで、優位や権力を維持するための最も重要な事柄なのである。面子を潰されることは、優位性や権力を失い、生活自体に直接影響することなのである。

 そうならば、今回の気球事件は米中関係に深刻な影響を及ぼす可能性が強い。米国人の平均的な気質は、面子を重んじるという心理とは全く逆だろう。すべては契約であり、合理性が最重要と建前ではあるが思っており、面子のために合理性や約束を無視することはしない。

 この両国の国民性の差異は、台湾問題に端的に現れるだろう。それは、与那国島だけでなく、米軍基地を多数抱える日本にも影響を与える。

 日本政府は、面子の重要性を米国人よりはよく理解しているはずである。今回の中国政府の反発を軽視しないよう、また、撃墜された気球の扱いについても中国の面子をこれ以上潰さないよう、米国政府に忠告すべきである。

オフレコ破りの是非よりオフレコ会見自体の是非が問題だ2023年02月10日 20:22

 荒井補佐官がオフレコ会見でLGBTへの批判的発言をし、毎日新聞の上層部がオフレコ破りを指示してマスコミが一斉報道し、岸田首相が荒井補佐官を更迭する事態に至った。
 
 この結果、オフレコ破りをすることの是非がネットで話題になっている。確かに発言がひどいが、オフレコ破りも信義則違反だというわけである。そのオフレコ破りをしたのはマスコミが第三権力となっているという自覚の無さでもあり、批判すべき対象であるというわけである。

 しかし、もっと需要な論点は、オフレコ会見なる日本独特のなれ合い制度である。メディアと政治権力は常に緊張感をもって是々非々の関係でなければ、御用メディアにすぐになってしまう。

 オフレコ会見なるものを餌に、メディアを手なずけるのが権力側の常とう手段である。即ち、秘密情報を特定の記者にのみ知らせ、その優位性を確保してあげる代わりに無言の圧力をメディアに加えることを狙っている。

 自分で調査能力のないメディアは、この権力側の餌に簡単に食いついてしまうのである。これは一種の談合ともいえる国民への裏切りである。メディアは電波や運輸、独占取材、独占的スポーツ興行など多くの便宜を受けている。それは、メディアが国民のために権力の暴走を防ぐことが暗黙の了解事項になっているからである。

 その独立性が高いと期待されているメディアが談合まがいのオフレコ会見を行い、政府高官と個人的な関係を深めれば、だれが、公正な報道をしてくれるのだろうか。

 今回は毎日新聞の上層部がたまたまひどすぎるという判断でオフレコ破りをしたが、常にそうとは限らないし、その基準が特定の会社の特定人に依存しているという状態自体が極めて不健全である。

 すぐに政府と特定のメディアのオフレコ会見なる談合体制は止めるべきであり、それが民主的で平等な透明性のある社会の第一歩となる。これはLGBT差別が問題になるような非民主的な社会だからこそありうる慣習である。

 従って、オフレコ会見なる慣習を許してきた毎日新聞を含む大手メディアもLGBT拒否派の保守政治家を民主主義の根幹のところでは大きな差はないと言えよう。

統計用言語Rの問題2023年02月15日 09:56

 AIの活用の重要資産であるPythonやRでは、関数のパッケージ化が進んでおり、簡単に複雑な関数を利用できる。
 これは非常に便利で時間節約にもなり、通常は使い勝手が良い。

 ただ、計算時にエラーが出るとその原因追及が難しいことがある。
現在、Rによりある特殊で複雑な統計解析を行っているが、その際に原因不明なエラーがランダムに発生した。

 そのため、使用しているパッケージの解説を読むのだが、難解で悪名高いFACTOR関数や関連する説明部分の十分な分析ができない。どうやら対数関数の真が負になるためのエラーらしいと分かっても、そのデータがそうなっているか、データケースを系統的に作って何度か解析したが、エラーが発生するケースは系統性がないように見える。

 いろいろトライしているうちに、実引数を一部削除するとエラーがでなくなることが分かったが、今度はこれまで結果が出ていたケースでの影響係数が微妙にシフトする。

 そのシフトがなぜ起こるのかもまだ分析ができていない。

 それもこれも、Rでは多くの関数を複雑に取り込み、短いスクリプト行で、非常に高度な分析ができるように言語文法とパッケージ群が作られているためである。即ち、エラーが発生するケースというのはパッケージ作成者も予想しなかった特殊なデータの組み合わせを対象とする場合に生じるということで、意外にも応用範囲が狭いということである。

 パッケージ作成者はボランティア的に整備しているので、解説書を更に詳細に整備するのは大変だろうが、もう少し素人でも解読、修正が容易なスクリプトとして公開していただけると有難い。また、当該パッケージの利用上のQ&Aにおいては、コンサルタント料をとっても良いようにも思う。
 勿論、これは贅沢な悩みであるが、AI技術進展のためにも配慮していただけると有難い。

原発60年規制は安全性問題か?2023年02月16日 10:42

 報道によれば、原子力規制委員会が現有原発の60年超運転を多数決で決めたらしい。

 確かに、60年と言っても実際に稼働していたのは30年にも満たないものが多いのだろう。運転期間が安全性にどれだけ影響するのか、いろいろな考え方がある。ここで多数決というのは民主主義の一つの方策ではある。

 しかし、物理現象は完全には把握されていないし、当初の30年規制はそれだけの意味があったのであろう。物理現象というのは多数決にはなじまないものである。もう少し個々のプラントの経年劣化の分析を行い、一律に法規制を緩めるのではなく、過去の各プラントの経緯も含めて評価すべきだったのでなないだろうか。

 過去の経緯と言えば、プラント設計も安全設計もすべてが大きな影響を受ける放射線被ばく基準が実質米国製のICRP基準に従っているのを最初に見直すべきであろう。
 広島・長崎の被ばく者データをベースにICRP基準は作られているが、これは一瞬の被ばくデータの統計処理により得られたものであり、それを1年間(3か月規制もあるが)の規制に適用しているという物理的にも生物学的にも非科学的な規制である。
 即ち、時間的に高線量率で被ばくしても、年間線量が基準以内であれば、規制範囲内ということになる。一方、線量率が低い場合は極小線量でも規制に架かる。
 これが福島ではがん発生影響が不明で、一方、太陽フレアの瞬間被ばくを受けるCAや航空旅客の白血病の多さに繋がっているのではないだろうか。
 至急、この問題を規制委員会には検討してもらいたい。

先制攻撃能力の保持を止めるべきだ!2023年02月16日 20:27

 これは、政治の問題ではあるが、心理的な問題でもある。
いわゆるチキンレースに日本も参加するのか、あるいはその恐怖心から解放されて別のレースを始めるのか、という問題である。

 太平洋戦争の教訓を踏まえ、建前上専守防衛に徹してきたが、自衛隊幹部もそれが最も適切な戦略だと考えてきたはずである。ある元海上幕僚長は、好戦的な言辞を弄する後輩を何度も窘めていた。紛争の現場を経験するとどうしても好戦的かつ先制攻撃保持が必要だと思ってしまう。ウクライナの状況も対外攻撃能力を保持すべきだという意見を後押しするように思える。

 しかし、今のウクライナ政府はロシアを攻撃しないからこそ各国の支援を得ているのであり、仮に、ウクライナがロシアを恐怖に駆られて先制攻撃していたならば、ほとんどNATOの支援を得られず今よりももっと悲惨な状態になっていただろう。
 
 同様に、日本が米国に言われて先制攻撃を仮想敵国に仕掛けたら、米国は日本を守ってくれるだろうか、ということである。
 
 これは建前なのだが、建前こそが外交上重要である。日本が先制攻撃を持たないという建前になっているという状況を周辺に周知することで、日本の安全は守られるのである。実際には先制攻撃能力と専守防衛能力の区別は明確にはできないだろう。
 しかし、建前上はできる。そう表明すればいいだけである。その結果、諸外国は先制攻撃による侵略を躊躇する。
 それが抑止力として重要な働きをするのである。
 現在は中途半端に建前を変更しようとしている。最悪の政策である。