原発60年規制は安全性問題か?2023年02月16日 10:42

 報道によれば、原子力規制委員会が現有原発の60年超運転を多数決で決めたらしい。

 確かに、60年と言っても実際に稼働していたのは30年にも満たないものが多いのだろう。運転期間が安全性にどれだけ影響するのか、いろいろな考え方がある。ここで多数決というのは民主主義の一つの方策ではある。

 しかし、物理現象は完全には把握されていないし、当初の30年規制はそれだけの意味があったのであろう。物理現象というのは多数決にはなじまないものである。もう少し個々のプラントの経年劣化の分析を行い、一律に法規制を緩めるのではなく、過去の各プラントの経緯も含めて評価すべきだったのでなないだろうか。

 過去の経緯と言えば、プラント設計も安全設計もすべてが大きな影響を受ける放射線被ばく基準が実質米国製のICRP基準に従っているのを最初に見直すべきであろう。
 広島・長崎の被ばく者データをベースにICRP基準は作られているが、これは一瞬の被ばくデータの統計処理により得られたものであり、それを1年間(3か月規制もあるが)の規制に適用しているという物理的にも生物学的にも非科学的な規制である。
 即ち、時間的に高線量率で被ばくしても、年間線量が基準以内であれば、規制範囲内ということになる。一方、線量率が低い場合は極小線量でも規制に架かる。
 これが福島ではがん発生影響が不明で、一方、太陽フレアの瞬間被ばくを受けるCAや航空旅客の白血病の多さに繋がっているのではないだろうか。
 至急、この問題を規制委員会には検討してもらいたい。

先制攻撃能力の保持を止めるべきだ!2023年02月16日 20:27

 これは、政治の問題ではあるが、心理的な問題でもある。
いわゆるチキンレースに日本も参加するのか、あるいはその恐怖心から解放されて別のレースを始めるのか、という問題である。

 太平洋戦争の教訓を踏まえ、建前上専守防衛に徹してきたが、自衛隊幹部もそれが最も適切な戦略だと考えてきたはずである。ある元海上幕僚長は、好戦的な言辞を弄する後輩を何度も窘めていた。紛争の現場を経験するとどうしても好戦的かつ先制攻撃保持が必要だと思ってしまう。ウクライナの状況も対外攻撃能力を保持すべきだという意見を後押しするように思える。

 しかし、今のウクライナ政府はロシアを攻撃しないからこそ各国の支援を得ているのであり、仮に、ウクライナがロシアを恐怖に駆られて先制攻撃していたならば、ほとんどNATOの支援を得られず今よりももっと悲惨な状態になっていただろう。
 
 同様に、日本が米国に言われて先制攻撃を仮想敵国に仕掛けたら、米国は日本を守ってくれるだろうか、ということである。
 
 これは建前なのだが、建前こそが外交上重要である。日本が先制攻撃を持たないという建前になっているという状況を周辺に周知することで、日本の安全は守られるのである。実際には先制攻撃能力と専守防衛能力の区別は明確にはできないだろう。
 しかし、建前上はできる。そう表明すればいいだけである。その結果、諸外国は先制攻撃による侵略を躊躇する。
 それが抑止力として重要な働きをするのである。
 現在は中途半端に建前を変更しようとしている。最悪の政策である。