悪夢と認知症2025年03月02日 07:26

今朝、悪夢を見た。

学会で九州に旅行したのだが、旅館から学会に出かけたのち、温泉町で道に迷うのである。明日は発表日だ。急いで旅館に戻らないと資料もない。しかし、旅館に帰る道は分からない。旅館の名前も覚えてはいない。大学の友人たちはそれぞれ食事に行ってしまった。通りがかりの人に旅館街への道を聞くと歩くのは大変だという。
 歩き始めると道はぬかるんでいて足もいたい。おなかも空いてきた。どこか食事を出来るところはないだろうか。なかなか見つからない。どうしたらよいかと途方に暮れているところで目が覚め、夢だったのかと安心した。

 こんな夢を見たのは、理解しにくい統計論の本を読みながら寝入ったせいでもあるが、理解しなければ困るというプレッシャーもあったのである。

 目覚めて気づいたが、このような夢の話は、認知症になった時の話と似ていると思った。

 即ち、自分がどこにいるのか分からない。どうやって家に帰ればいいのかもわからない。どうしたらよいか途方に暮れるのである。ついに来たのかもしれない。

 どうせ認知症になるのなら楽しい認知症になりたい。何処にいるのか分からないが、いつも笑ってニコニコしている認知症、それが理想だ。そんな話は聞いたことがないが、もしあるのならその方法を知りたいものだ。

ChatGPTによれば、そういう認知症もあるそうだが、それって本当にいわゆる認知症でしょうか?

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Q:
コニコ笑っていられる認知症はありますか?なければそのような認知症になる方法はないですか?
ChatGPT:

「ニコニコ笑っていられる認知症」という明確な分類はありませんが、認知症の症状や進行の仕方は個人によって大きく異なります。中には、終始穏やかで笑顔が多い方もいます。特に以下のような要因が関係することが考えられます。
穏やかで笑顔が多い認知症の特徴

前頭側頭型認知症(FTD)の一部
初期症状として、社交的になったり、感情が鈍感になったりすることがあります。
陽気な性格の変化が見られることがあり、無邪気な笑顔が増える場合も。

アルツハイマー型認知症の軽度~中等度
性格によりますが、もともと温厚でポジティブな方は、病気が進行しても笑顔が多い傾向があります。
環境が安定していると、不安や混乱が少なく、ニコニコしていることも。

幸福感を伴う認知症(「ハッピー・デメンシア」)
高齢者の中には、病識が低下し、不安や恐怖を感じにくくなることで、いつも穏やかに笑っている方がいます。

「ニコニコ笑っていられる認知症」にする方法

認知症になったときに穏やかでいられるかは、環境や接し方が大きく影響します。以下の工夫が役立つ可能性があります。

ポジティブな環境づくり
家族や介護者が穏やかに接する
好きな音楽や楽しい会話を取り入れる
笑顔やユーモアを意識する

ストレスの少ない生活習慣
規則正しい生活を心がける
軽い運動(散歩やストレッチ)を続ける
良質な睡眠をとる

もともとの性格や考え方を活かす
ポジティブな考え方を習慣づける
笑いや感謝を大切にする

結論

認知症の種類や進行の仕方によって、笑顔が多いケースもあります。また、環境や接し方次第で「ニコニコ笑っていられる認知症」に近づけることも可能です。本人が安心できる環境を整えることが大切ですね。

ポアソン分布とポアソン回帰の怪奇な関係2025年03月03日 10:34

 物事を理解するには、受け身ではなく、積極的に理解しようとする内容を出力することだという話を聞いた。出力するとは英語なら口に出したり、書き出したりすることである。統計論なら、分かりにくいポアソン分布や回帰分析とは何かということを書きだしてみることだろう。以下は直感で書いたこれらの事柄である。

 統計の教科書でポアソン分布の最初に掛かれていることは、サッカーの点数とか、馬に蹴られて死亡した数とかがポアソン分布に従うという話である。まずここで普通は何のことかと思ってしまう。
 これを自分なりに解釈すれば、こういうめったに起こらないことが、一定の時間内に何回生じるかを計測すると、ポアソン確率分布に従うということである。では、この場合、何が確率変数で、何がその確率分布なのかーこれが具体的なイメージができなかった。

 この関数は確率変数xとその事象の平均生起回数λの式になっている。
P(X=x)= exp(-x)・λ^x/x!(1)
という理解しがたい式である。
 
この式の導出は教科書に譲るとして、
λは平均生起回数なのでサッカーならば多数の試合の得点の平均値であることは理解できる。ではxとはなにか、それが確率変数なのか、ここがまず分かりにくい。

 X=xとは何を意味しているのか。じっくり考えるとxとは生起回数、即ち、一般的なサッカー試合における得点数ということである。これが1点ならばX=1であり、上式でxに1を代入すればあるサッカー試合で1点しか入らないという試合になる確率がでる(ことになっている)。

 では、上式でλとはなにか。これは平均生起回数であり、1点なのか2点なのか3点なのか、2.5点なのか統計データが無ければ決めることはできないということである。

 逆に言えば、多数の試合のデータがあり、その平均得点数λが真の値として得られたのちに、その後の同様の試合で、その試合の得点が1点(X=1)なのか、2点(X=2)なのか3点なのか(x=3)・・・・・・・をP(X=x)として計算できるということに過ぎない。

 即ち、確率変数Xとはある試合における予想得点数であり、0から無限に近い数までのどの数になるかは任意である(現実的には0点から5点くらいの範囲であろうが)ーということを示す変数である。
従って、ポアソン分布では確率変数Xが大きくなるとPは無限小に近くなるグラフが一般的である。但し、各Pの合計は1になる。ようにP式はできている。

 では平均生起回数(=平均得点数)はどうやって求めるのか。
これがポアソン回帰分析の役割である。

 真のλというのは現実には得られないので、これまでの多くのサッカー試合の得点数を調査し、そのリストを作成する。そして、例えばあるワールドカップの試合の得点予測をするのであれば、ワールドカップクラスの過去の全試合の対戦国、ホーム・アゥエー、リーグ戦かトーナメントかなどの説明変数xjおよび目的変数(得点数)λiを対象に回帰分析をする。その回帰モデルは、

λi=exp(β0+Σjβjxij)(2)
とし、各試合ごとの合計が最も過去の実績に近くなるような分析法(最尤法)を用いて平均λを求める。ここで最尤法とは(1)式を使ったiについての積をまず求める。
これは尤度関数と呼び、この回帰係数により求められた確率関数の積は回帰係数値により変化する。
この尤度関数が最大になれば確率関数の積が最大になるので最も有りうる回帰係数になる。
直接これを求めるよりもこの尤度関数を対数変換した対数尤度
l(Θ)=Σi(-λi+xilog(λi)-log(xi!))
が最大になるような(2)式のβj(回帰係数)を計算機により繰り返し計算で求める方法である。これは尤度関数自体を最大化する計算では尤度変化が小さく計算誤差が大きくなるためである。
 なお、この対数尤度の最大化計算は解析的には困難で、計算機による数値計算を繰り返すことで最適化した回帰係数を得る。

なお、サッカー試合では延長戦がなければ時間が同じなので得点率も試合ごとに同じ時間と仮定できるが、例えば、個人のがん発生数など時間依存の場合は、その個人iの生存年数tiの対数をオフセットとして(2)式の対数変換式の右辺に加えることで時間幅の相違まで考慮したポアソン回帰解析により平均λを計算できる。この場合は生存期間を暴露量として考慮したがん発生数としてλが評価できる。ポアソン回帰解析ではこの生存期間の対数値はオフセット量と呼ばれている。

また、得られた回帰係数の検定として帰無仮説と対立仮説を
H0:βk=0
H1:βk≠0
とする両側検定を行い、検定統計量は
Z=βk/標準誤差(βk)
とする。統計ソフトRでは
|Z0|としてp値を返す。このp値が有意水準α(予め0.1,0.05,0.01などを設定する)よりも小さければ帰無仮説を棄却する。
ここで

標準誤差(βk)=√(U^2/Σ(Xi-Xa)^2
  ここで
     U^2=Σei^2/(n-2)
     ei=Yi(観測値)-Y(回帰値)
Xq:Xiの平均値
     n:観測数

となる。


参考資料1)Rで学ぶ統計データ分析、本橋永至(オーム社)
参考資料2)回帰分析入門、豊田秀樹(東京図書)

インソール調整で股関節痛が治った2025年03月04日 17:17

 インソール、いわゆる靴の中敷きを調整した結果、このふた月ほど困っていた歩行時の右の股関節付近の痛みが治ったようだ。

 使い古しのインソールがあったので土踏まずから先を切って、かかと部分のみ残し、元のインソールの下に敷いて、右靴を10㎜程度のハイヒールにしたのである。

 左靴はバランスをとるため、古いインソールを薄く削り、5㎜m程度のハイヒールとした。(元々左足の方がやや長い傾向があったので、この程度の差は逆に良かった。)

 その結果、歩行時にややつま先立ちの姿勢になるので、腰が直立して、股関節部の幾何学的配置が変化したようだ。速足になっても以前のような痛みは全くない。逆に、腰が直立する結果、早く歩かざるを得ないようだ。一石二鳥のインソール修正だった。

 恐らく、腰が直立した結果、股関節の内にある軟骨の当たる部分が変化し、痛みがなくなったのではないかと思う。

 ただ、問題は左足に生じた。今度は左膝に時々軽い痛みを感じるようになったのである。これは昔越後のスキー場で無理にウエーデルンをして、上半身は曲がったが、膝から下は重い雪に埋まったままで捻じってしまった怪我の後遺症である。この後遺症が最近出ていなかったのは右足に負担をかける歩き方をしていたからであろう。この膝の軽い痛みが出る方が、正しい歩き方なのかもしれない。この痛みは歩く速度に影響するほどの痛みではないので。

PCのバッテリー交換後のファン不具合対策のその後2025年03月07日 10:39

 2月28日に上記のHPパソコンの電池交換後のファン不具合問題を挙げた。

 しかし、BIOSなどどこをいじっても起動時のファンエラーは消えない。無視してエンターを押し、ファンなしで起動することはできるが、加熱が心配だ。

 そこで、ChatGPTに裏ブタの開け方を聞き、T5ドライバーを購入(計1000円ほど)して思い切って開けてみた。

 そしたらなんと、ファンの上に小さなねじが転がっていた。

 このねじを拾い、裏ブタを締めなおして、無事問題なく再起動できた。安い街のパソコン修理屋さんを使うときは、メモリーを消されないのはいいが、引き取るときにきちんと再起動できるか若干の注意が必要だ。

 現在の気がかりはそのねじがどこについていたのか不明なことだ。あと5年はこのPCが動いてくれることを期待するが、東北新幹線切り離し事故も修理した半年後に2度目が起こった。このPCはどうなることだろう!!機械的な不具合と電気的な不具合はどこかで連動ずるらしいから。
 ねじの締め付け力も微視的には電子同士の化学結合力に依存しているのだから。

ところでT5ドライバーというのはT型ねじ(トルクスタイプねじ)を締めるためのドライバーでねじの頭は星形である。なぜこのようなマイナスでもなく、プラスでもなく、六角でもない特殊な溝のねじを使うのか。

トルクス(Torx)ねじの発明

Camcar Textron は1967年に Torx(トルクス)ねじ を開発しました。トルクスねじは、六角星型(★型)の溝を持ち、従来のプラス(+)やマイナス(−)ねじと比べて、以下のようなメリットがあります:

カムアウト(工具が外れる現象)が少ない
トルクの伝達効率が高い
ねじ頭の損傷が少ない

ということで、小さなねじに向いているようだ。T5はその中でも最小で、パソコンの裏蓋を締めるには最適なのだろう。

 実は、山スキー用の締め具で用いられている軽量のTNTという締め具もこのねじを使っている。但し、サイズはT15で3倍程度太い。このぐらいの太さはスキーと人体をつなげるためには必要なのだろう。断面積当たりの負荷は太さの2乗に比例するからである。

 問題は、マイナスでもプラスでもないので専用のドライバーを携行しないと緩んだ時にどうしようもないということである。ただ、その太さは2.5㎜程度なので通常の5㎜程度の太さのドライバーに比べれば4分の1である。通常使わない道具は軽いに越したことはない。

新たなe-Tax関係フィッシングメール2025年03月19日 09:53


一応念のためにこんなメールが来たことを挙げておきます。

【重要】税金未納に関する重要なお知らせ
e-Tax (国税電子申告·納税システム)
平素よりご協力を賜り、誠にありがとうございます。
この度、お客様の所得税(または延滞金)について、未納の税金が確認されましたので、お知らせいたします。
これまで自主的な納付をお願いしておりましたが、期日までに納付の確認が取れておりません。
つきましては、速やかにご対応いただきますようお願いいたします。
なお、このまま未納の状態が継続する場合、税法に基づき、不動産·自動車等の資産や給与·売掛金などの債権に対し、差押処分を実施する場合がございますので、予めご了承ください。
納税確認番号:****
滞納金合計:1,290円
納付期限:2025年03月20日 (延長不可)
納付ページへ
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※本メールアドレスは送信専用です。ご不明点がある場合は、
国税庁ウェブサイトをご参照ください。
【公式お問い合わせ先】
国税庁
電話: 03-4581-5161 (国税庁代表)
※このメールに心当たりのない場合は破棄してください。
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簡単にネイティブらしく聞こえる話し方2025年03月21日 03:23

 それは英語を話すときに、舌に力を入れることを意識することである。舌がある程度緊張していると舌が顎側に付く形になる。この結果、口腔内が丸まり、空洞が口の中に容易に構築できる。そして、喉から出た音が口腔内で増幅されるようになる。この結果、ネイティブのように奥行きのある声になることが自分でも実感できる。

 これは物理的には弦楽楽器の構成と同じである。振動装置である弦だけでは、音は小さいままであるが、そこに筐体が加わることで奥行きのある大きく響く音になる。即ち、声帯部が振動装置であり、最初に音が出る部分であるが、口腔が丸く緊張した状態が楽器の筐体になって奥行きのある声に変わるのである。

 この癖をつけておくことで発音が良くなるだけでなくヒアリングにも強くなる。いつもネイティブの声を自分のスピーキングの声として聴いているのでネイティブの声も聞き取りやすくなる。これはお勧めできる。

日本人はLとRの区別が付かないのも、舌の位置が力が入らないため、中途半端なためである。Rは舌の裏側を奥歯につけるが、Lは舌を上歯茎につけなければならず、普段の舌の位置を敢えて変えなければならない。このため、ネイティブには別の音になるし、聞こえ方も異なる。これも舌を意識して力を込めていればすぐに日本人でも区別ができるようになる。

大量出力表データのエクセルによるn行おき合計表の作り方2025年03月22日 05:19

あるWINDOWS用のデータ処理コードで作成された繰り返しのあるテキストデータリストをエクセルに張り付け、n行おきに合計したまとめ表を作る際のやり方をまとめた。
一般には下記の13.14.の繰り返しコピペの際のカーソル移動テクニックと15.以下に記載したsumproductにおけるn関数の使用方法とそのChatGPTの解説が役立つと思う。


某コードの出力データに対するエクセルによる合計処理方法
1. WINDOWSで某コードを流す。最初に入力ファイルフォルダのフォルダマークをクリックし、cmd とコマンド行に入力した後、表示されるコマンド窓でコマンドスクリプトファイルを実行する。
2. 出力されたデータファイルのテキストデータを丸ごとコピーする。
(この出力データは約3万行からなるが、最初に約100行の頭部分があり、その後、約200行のND部分が空白行を挟んで約150回繰り返される構成になっている。
以下ではこの繰り返しで繰り返される各ND部分を上からND1部分、ND2部分などと称する。)
3. エクセルの新規シートに張り付け
4. 頭の部分の主要データラインのみ固定長フィールドで区切る(数値区切り個所がND区切りと一致していないため)
5. 後ろに繰り返し続くND部分(途中空白行が規則的に挿入されている)を最期まで選択(C+S+↓を数回繰り返すとエクセルの最後まで選択されるが、一回C+S+↑を押すとデータの最後の行まで戻る。
6. 全体のコピペが終了したらコンマ、タブ区切りでND部分を区切る。
7. その際、空白に加えて、指定区切り文字として"("を追加する。これは"("に続く数値が後でエクセルでの計算に用いるためにその部分を1セルの数値セルにするためである。
8. ND1部分を対象に以下の処理をする。
    まず、このセルを参照するセルを右側の空セルでリンクし、その列の空欄のND1データの記載個所の行全体にコピペする。
9. 次の列にはMID関数を用いてND1内の文字列から得た数値を表示する。
10. 更にその右側列にこの数値と上記の”(”に続く数値とND1内の対応するセルの積で求めたセルを作成し、ND1領域全体を対象にコピペする。
11. この表の上に各列の解説セルをもとの左側のデータのセルを参照して作成する。
12. このようにしてND1領域の右側に作成した表全体をコピーし、ND2領域以下の右側に繰り返しペーストする。
13. ND領域数が150回繰り返されるので、10回程度ペーストしたらその10領域分をコピーしなおして、ペーストする。
14. その際にC+S+↓の繰り返しののちに、C+S+↑を一回行い、↓を押すとペーストすべき最初の空白行にカーソルを移動できる。
15. エクセルではこの繰り返し表の中のデータを指定した行間隔ごとに合計する必要が出てくる。その際は以下の関数を使う。
  =SUMPRODUCT((MOD(ROW(R11170:R34190)-ROW(R11170),240)=0)*(N(R11170:R34190)))
  これはR列の11170行から34190行までを対象に240行おきのセルを選び、そのセルが数値の場合だけ(文字や関数でない場合だけ)の合計を計算するようになっている。即ち、*(N(R11170:R34190)を乗じることで、文字や関数が対象領域のセルに含まれる場合に生じるエラーに防ぐようにできている。
この式の動作を解説してください
ChatGPTが解説すると、以下のようになります。

*******************
=SUMPRODUCT((MOD(ROW(R130:R34190)-ROW(R130),240)=0)*(N(R130:R34190)))

の(N(R130:R34190)))の意味について解説してください

ChatGPT:
(N(R130:R34190)) の意味について

この部分は、N() 関数を使ってセルの値を数値に変換する処理 です。具体的には以下のように動作します。
N(R130:R34190) の役割

Excel の N() 関数は、セルの内容を 数値化 するために使われます。
この関数は以下のような動作をします:
セルの内容 N(セルの値) の結果
100 (数値) 100
"ABC" (文字列) 0
TRUE (論理値) 1
FALSE (論理値) 0
#N/A (エラー) #N/A (変換されない)

N(R130:R34190) を SUMPRODUCT の中で使う理由
1️⃣ 文字列や空白セルを 0 にする

R130:R34190 の中に 文字列や空白セルが含まれている場合、通常 SUMPRODUCT で数値計算をするとエラーが出る可能性があります。
しかし、N() を使うことで 数値はそのまま、文字列や空白は 0 に変換 され、計算が可能になります。


もし R130:R34190 のデータが以下のようになっていた場合:
行番号 セルの値 (R列) N(R...) の結果
130 50 50
131 "A" 0
370 100 100
610 "" (空白) 0
850 200 200

➡ N() を使うことで、文字や空白を 0 にして計算を正しく進める ことができます。
2️⃣ SUMPRODUCT の掛け算でエラーを防ぐ

SUMPRODUCT の構造上、途中に 文字列やエラーがあると計算が止まることがある ため、それを防ぐ目的もあります。
具体的な動作

=SUMPRODUCT((MOD(ROW(R130:R34190)-ROW(R130),240)=0) * (N(R130:R34190)))

(MOD(ROW(R130:R34190)-ROW(R130),240)=0)
→ 240行ごとのセルだけを 1 にし、その他は 0 にする
N(R130:R34190)
→ 数値はそのまま、文字列や空白は 0 にする
* (掛け算)
→ 1 × 数値 ならそのまま数値を保持、0 × 数値 や 0 × 文字 なら 0 になる
結果として、240行ごとのセルだけを合計する

まとめ

✅ N(R130:R34190) の役割は 数値以外(文字列・空白など)を 0 に変換する こと
✅ SUMPRODUCT の中で使うことで エラーを防ぎ、意図した数値だけを合計できる
✅ 240行ごとに数値だけを抽出して合計する計算 を可能にする
補足

この N() を使った方法は、 数値と文字列が混在しているデータ範囲 に適した方法です。
もし エラー (#N/A など) を含む場合 は、IFERROR() を組み合わせるとより頑健な計算になります:

=SUMPRODUCT((MOD(ROW(R130:R34190)-ROW(R130),240)=0) * (IFERROR(N(R130:R34190),0)))

これなら、エラーがあっても 0 に変換され、計算が止まることがありません。

そんなに簡単に核兵器を持つことはできない2025年03月23日 05:24

 ネットコメントや某在京テレビ局のご意見番によれば、トランプの日米安保条約軽視発言で日本も核兵器を持つべきだなといった議論を目にするようになった。

 しかし、核兵器というものはプルトニウムさえあれば簡単に作れ維持できると誤解されているようだ。これは大変な金と時間と技術が必要なのである。北朝鮮のように貧乏な国になる覚悟が必要だ。

 まず、日本が保有しているプルトニウムは爆発しない。ちょっと燃焼するだけである。これはプルトニウム240という自然に核分裂し中性子を出す同位体が20%以上混ざっているためである。どうしてそれが混ざると爆発しないかと言えば、核分裂することで熱膨張し、原子核間の距離が広がって中性子が漏洩するため、すぐに未臨界になるためである。原子炉が爆発しないのはその効果によるものが半分は占めている。(福島の爆発は燃料を包んでいる被覆管が高温水と化学反応した結果で生じた水素の爆発で核爆発ではない。)そのため、映画オッペンハイマーにあったように、原爆ではこの熱膨張を抑えるためにプルトニウムの塊の外側から、プルトニウムが臨界になると同時に、周囲においたTNT火薬を爆発させてプルトニウムに内向きに大きな圧力をかけることで©超臨界を一定時間維持し核爆発を生じさせているのである。このプルトニウム塊の外側からの火薬による圧縮を一般に爆縮と称している。日本のプルトニウムはオッペンハイマーのアリゾナ砂漠での実験や長崎の原爆のプルトニウム240の10倍以上の比率を持っているので、TNT火薬の量はその100倍以上必要である。長崎原爆の図を見れば、それはB-29はもちろん、ジャンボでも運べない直径10メートルは超える代物になる。運べない原爆を作ってもかえって自国が危険になるだけなのである。

 では、どうやって北朝鮮や米ソはミサイルに搭載できる核兵器を作ったのか。

 一つはプルトニウム240比率が極端に小さいプルトニウムを数年かけて専用原子炉で製造したのである。オッペンハイマーの時代には数年間でやっと2発分のプルトニウム原爆ができただけなので、長崎が失敗したら米ソ冷戦には無意味になるところだった。トリニティ原爆も長崎原爆も直径2メートル近い物で、後者はFatmanと呼ばれていたがB29には載ってもICBMには載せられない重量物であった。

 そのため、米国では核兵器プルトニウム製造専用の原子炉を10基以上建設し、プルトニウム240比率の小さいプルトニウムを長期間かかて作ったのである。さらに戦後、CIAがソ連から盗んだあるレアアースをプルトニウムに混合することで爆発時の熱膨張を抑制する合金化技術である。

 しかし、これだけでは十分ではない。爆縮技術を高度化する必要がある。オッペンハイマーの時代にはテラーという天才が高度な爆縮技術を開発したが、それでも1メートルは必要だった。その後ロスアラモス研究所で、水爆の原理を応用したプルトニウム原爆と水爆の原理を組み合わせた複雑な爆発制御技術を開発し、徐々に小型化を進めていったのである。この技術が開発される前に、オッペンハイマーはっプルトニウムで米ソ冷戦を戦う困難さを主張し、ソ連のスパイとして裁判にかけられたのが映画でも描かれている史実だ。その困難さを想像すると精神的におかしくなるのも理解できる。このような開発ができる天才が現在の日本で現れる確率は相当低い。
 当時のアメリカは欧州からヒトラーに追われた天才的な科学者が多数いた。その中からテラーに加えウラムという大天才が現在につながるk型化核兵器を発明したのである。その装置はプルトニウムの爆発による高温高熱状態で水素の核融合を生じさせ、そこから発生する中性子を反射させてプルトニウムの核分裂をさらに増加させる正のフィードバック機構を10のマイナス7乗秒という短時間で制御して利用しているのである。これで遠距離から核攻撃が可能になった。

 ただし、これらの新型核兵器で絶滅できる範囲は直径10キロ程度である。現在の米ロの所有核兵器をすべて使っても地球の陸地面積の1%以下である。数発で他国に脅威を与えようとすれば、ロケットの制御技術が核兵器技術以上に重要になる。

 このような核兵器体系を開発するには優れた制御技術と高精度の機械的、電気的製造技術が必要だがそんなものは現在の日本には存在しない。開発するにしても十年はかかる。北朝鮮のように、白昼他国人を誘拐できるような諜報員が世界中にいる国でもそうなのだから日本ではもっと時間がかかるだろう。

 爆発時の熱膨張を抑制するレアアースにしても日本はないに等しい。ほとんどが中国からの輸入である。レアアースの管理は厳しい、核兵器に利用するレアアースを輸出してくれる国が世界のどこかにあると核武装論者は本気で思うだろうか。北朝鮮のように国家が密輸する国はできるかもしれないが。

 そんな不経済でリスクのあることをしているので北朝鮮のように経済は疲弊するのである。ソ連は米ソ冷戦による軍事費増大のために経済が破綻した。中国はソ連の技術を譲渡されただけだし、ウクライナは核兵器の維持の大変さを知っているのでロシアに引き渡したのである。米国は核兵器体制維持のために膨大な軍事費が必要になり、現在は、トランプの発言にみられるように他国の防衛まで面倒は見ないという状況になった。

 これらの主要因は核兵器の維持には非常に金がかかることにある。なぜなら、まず、プルトニウムというものは放射性物質なので崩壊していく。プルトニウムはリンゴや野菜と同じ生ものである。プルトニウムに含まれるプルトニウム241の半減期は14年である。これが最初に2%あったとしても、14年で1%に自然に減るのである。遅発中性子割合という爆発に必要な反応度(臨界性を示す指数)は0.4%である。これだけ臨界性が減ったら爆発しなくなる。従って、最近報道でたまに見かけるが臨界前核実験という爆縮を簡易的に模擬し、爆発に必要な臨界性が維持できているか定期的に実験しているのである。

 では、その核兵器が爆発できなくなるとわかったらどうするか。腐ったリンゴと同様廃棄せざるを得ない。現在、世界には1万発以上の原爆があるが、過去に製造された原爆はその10倍はある。それは爆発できない状態のまま、廃棄解体されたことになっている。(詳しくは多田将「核兵器」明幸堂参照)

 その原料ですらレアアースを含め現在の日本には自給するすべはない。日本の軽水炉では原爆用プルトニウムの生産も不可能である。

 こんな不経済な防衛システムに予算をかけてどうするのだろうか。米国ですらその負担にあえいでいる。日本は外交努力と経済力の増強で他国から侵略されにくい国になる道しかない。北朝鮮のような国になるというなら話は別だが。
 
 小国では、防衛リスクはどうやっても生じるが、核兵器を持つことによるリスクのほうが持たないリスクよりも大きいのは明らかだ。

長崎原爆が福島でも被害を広げたワケ2025年03月24日 05:15

 昨日、記したのオッペンハイマーの映画では、彼がトリニティ実験を行った後、同じ型のプルトニウム原爆を長崎に落とすよう依頼されるまでの経緯が描かれていた。

 オッペンハイマーはネバダの砂漠でトリニティと呼ばれる、長崎の原爆のための爆発実験を責任者として行ったわけだが、その際に、爆心から数キロの距離に兵士を多数配置し、被ばくの影響を調べる様、軍部から依頼されていた。トリニティの実験は成功したのだが、その出力は精度よくわかってはいなかったので兵士は3キロほどの距離にいたため、殆ど急性の症状はでなかったのである。映画でも各研究者がバラバラの出力を予測したことが描かれている。

 日本の敗戦ののち、米ソの冷戦が本格化すると考えていたトルーマン大統領は、原爆が兵士に及ぼす影響のデータを確実なものと従ったのだが、プルトニウム原爆はプルトニウム240のために、濃縮ウランほど確実には爆発しない。そこで、広島で濃縮ウランで確実に日本にダメージを与えた3日後に長崎にプルトニウム原爆を落とし、被ばくデータを日本人を使った人体実験を再度行ったのである。

 従って、米軍首脳としてもオッペンハイマーらにとっても、長崎原爆とトリニティの爆発力は同一でないといけないはずである。現に、現在、両者の爆発力をネットで調べると、
 
長崎原爆(ファットマン):約 21キロトン(21,000トン)
トリニティ実験:約 20キロトン(20,000トン)

と5%の差しかない。これはプルトニウム原爆の不安定さ(プルトニウム240などの自然崩壊の統計的変動や爆縮装置の微妙な差)を考慮すれば異常なほどよく一致した値となっている。
トリニティか、長崎原爆かどちらか或いは両方とも間違った値になっていることは以上の経緯からほぼ確実である。

 このよく一致した数値は米政府向けに当時の米軍やオッペンハイマーらロスアラモスの上層部が相談して作った数値だとしか考えられない。

 これを現在でも証明できる方法を見つけることができた。

 広島の放射線影響研究所(RERF)が公開している広島・長崎の被ばく者発がんデータを各市毎に分けて分析すると最後の表に示したように、全く異なる結果になることが分かったのである。

 このデータの被ばく線量はRERFの米国人側担当者が評価した値なのである。(原爆の爆発力は軍事機密ということで日本側は米側から供給されたデータをそのまま受け取ることしかできない仕組みになっている。)

 ところが、RERFから公表されている人体への被ばく影響関連データは、広島;長崎の両市のデータを合わせた評価値だけである。各市毎に分離して評価したデータは出されていない。
 この結果、低線量領域では、発がんの被ばく線量にしきい値があるのかないのか不確かになっているのである。本来、被ばく線量により両者を評価しているのだから、被ばくの場所でこの値が異なることはあり得ないはずで、どちらかのデータが操作されたとしか考えられない。広島の被ばく生存者と長崎の被ばく生存者の数は同程度である。

 この表の低線量領域(1000mGy以下)での発がんに関する過剰相対リスクは広島では負と長崎では概ね正で傾向が逆転している。即ち、両市を合わせて評価すれば不確かさは大きくなり、線量0でちょうど過剰相対リスクが0近くになるようにできており、線量が低くても人体影響が生じるとするLNTモデル(しきい値なし直線影響モデル)仮説を支持するかのようなデータになっている。

 上記の経緯を考慮すれば、長崎の被ばくデータ、即ち、長崎の線源データには何らかの意図的、系統的な操作がされたと考えるのが自然である。
 
 福島事故など原子力災害時の対応への影響はここから生じている。このような操作されたデータが現在の低線量での被ばく影響を法的にも保証しているLNTモデル(しきい値なし直線影響モデル)のベースデータになっている。LNTモデルはどんな低線量被ばくでも発がんリスクがあるというモデルでなのである。

 即ち、このLNTモデルが国際放射線防護委員会が各国政府に勧告している被ばく量規制の基準の評価法に採用されており、福島事故での避難区域の線引きにも用いられている。そして多数の事故関連死者が出ている。

 日本は、長崎でも多数の被害者を出したうえ、福島事故への対応でも米軍による原爆の間接的被害を受けているのである。

 以下は、統計ソフトRによる広島と長崎の男性被ばく生存者の固形がん発症リスクの計算結果である。この表でERRとは過剰相対リスクであり、被ばくしていない住民に対し、どの程度発がん事象が生じるかの比率から1.0を引いた数値である。この値が0になった線量範囲の最大値がしきい値に相当するが両市で傾向が全く異なるのが分かる。

対象被ばく線量
範囲(mGy)  広島男性ERR   長崎男性ERR
 0-3400      0.53229    0.55920
 0-3000      0.52917    0.54893
 0-2500      0.57073    0.55257
 0-2000      0.60734    0.62076
 0-1750      0.57683    0.62492
 0-1500      0.56950    0.49506
 0-1250      0.68868    0.56793
 0-1000      0.68024    0.54412
  0-750      0.57822    0.2096
  0-500      0.36171    -0.07064
  0-300      -0.28841    0.89491
  0-250      -1.12378    -1.37368
  0-200      -1.52555    1.51706
  0-175      -2.32424    2.23158
  0-150      -2.44334    2.20752
  0-125      -1.37516    1.92733
  0-100      -1.53605    2.19552
   0-80      -3.14243    0.98108
   0-60      -2.66847    -2.03801
   0-40      -12.4006    -10.3098
   0-20      -12.6825    13.0406
   0-5       -61.4725    119.8396

AIが裁判官になった方がまだましな日本の裁判所2025年03月25日 18:15

 患者のせん妄により9年間も被告の席に置かれ、家族も仕事も失った医師の冤罪事件は、裁判員裁判でもなく、基本的には検察と裁判官の精神病理学の無知さの結果だ。

 裁判は裁判官の良心に従って判決を書くことになっているが、無知な、そして、検察警察と馴れ合った裁判官たちが日本の異常に多い冤罪事件の歴史を作ってきた。

 今も多くの死刑囚や無期懲役囚が塀の向こうにいる。ある意味某専制国家よりも恐ろしい状態にある。ちょっと疑いを掛けられ、検察、警察のシナリオによって被告人にされると、あとは裁判官がどこまで常識的、科学的な判断が可能かで人生が決まってしまう。

 痴漢事件にも多くの冤罪事件があるのだろう。そこで、冤罪になるくらいならと逃げて電車に跳ねられて死んでしまった事例もあった。

 人は精神的に弱いものである。例えば仙台の北稜クリニック事件では、被疑者は、警察の誘導尋問で恋人が捕まるかもしれないという恐怖から、自白してしまったようだ。その物理的証拠である被害者の血液は大阪県警の科捜研ですべて使い切ってしまった(と検察側が言っている)ため、物理証拠は残っていない。結局、有罪判決を受け、無期懲役で刑務所のなかで長期間、今も服役している。

 和歌山毒カレー事件でも、関係学会では、被疑者宅から押収されたヒ素と、カレーなべのヒ素は厳密に分析した結果、裁判当時の同一であるという結果は間違っていたというのが、関係者の共通認識となっている。

 このような事例はいとまがない。裁判官はあんなに長い時間を掛けて何をしているのだろうか。

 AIなら瞬時に妥当な結論を出すのではないだろうかとChatGPTを使いながら思ってしまう今日この頃である。

 ChatGPTでも時々間違うことはあるが、証拠が曖昧な状況で少なくとも無罪を有罪とするような判断はしないだろう。疑わしきは被告の有利にという原則はAIはとっくに学んでいるのだから。

補足)裁判官だけが冤罪問題のキーではない。マスコミも同罪である。松本サリン事件の報道では、長野県警に疑惑を掛けられた松本市在住の被害者を犯人に仕立て上げて、地下鉄サリン事件が起こるまで冤罪だとも言えなかったマスコミの記者たちが警察の言うことをうのみにして冤罪の一因になったことを忘れてはならない。そのようなマスコミの警察や世論への迎合体質が、兵庫県知事選での逆転当選の経緯まで尾をひいているのである。


裁判官も検察官もマスコミ記者もAIの爪の垢でも飲んでもらいたいと思う今日この頃のおじさんであった。