第5回目接種ワクチン(ニ価mRNAワクチン)とBQ株感染2022年12月26日 20:14

先日新聞で紹介された、コロンビア大学とミシガン大学の論文の概要は以下のようなものだった。

なお、これらの結果は全て試験管内での実験結果である。

SARS-CoV-2 の最近の BQ および XBB 亜変種は、二価mRNAワクチンを複数回受けた人または予防接種を受けており、以前にオミクロン感染症にかかったことがある人から採取されたものでも、中和抗体を回避した。
さらに、 BQと XBB はベブテロビマブに対し、完全に耐性が見られた。
以上の所見は、これらの変異株に対して有効な認可された治療用抗体はないということを意味している。

重要な点は、
• BQ.1、BQ.1.1、XBB、および XBB.1 は、これまでで最も耐性のある SARS-CoV-2 変異株である。
• 二価ワクチンのブースター接種者からのものを含め、血清中和度は著しく低下した。
• すべての臨床用モノクローナル抗体は、これらの変異ウイルスに対して不活性化された。
• これらの変異株の ACE2 親和性は、親株と同様だった。

―ーということは、今回のワクチンの対外試験では、感染予防効果が見られなかったということを意味している。

但し、臨床試験をする必要があること、従来、コロナワクチンにより、重症化や入院の事態を防いできたという事実は重要であるとも強調している。

即ち、今後、感染は拡大するが、ワクチン接種による重症化防止効果はこれらの変異株に対しても期待できるということである。

感染者数を抑制するには、新しい変異株に対するワクチン開発が望ましいが、従来ワクチンのブースター接種も重症化予防上は重要ということである。

コロナワクチン5回目接種で感染率が上がる?2022年12月15日 12:59

浦和神経サナトリウムの院長先生のブログ

https://urawasanatorium.com/%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3%e3%81%af%e5%8a%b9%e3%81%8f%e3%81%8b%ef%bc%9f/

によると、最近(14日まで)の1週間の各県の感染率と5回目接種率には、正の相関があるかもしれないとの記載があった。
 即ち、ブログ内でも疑問を呈しているが、人口当たりの感染者数は、5回目接種率が高いほど増えるという話になる。

 ここでは、同じ厚労省とNHKのデータを用いて、何が問題なのか検討してみた。

 まず、5回目接種率計算では、11月までの各県接種率を用いた。12月の接種者はまだ免疫が十分ではないという前提とした。最近1週間の各県人口当たり感染率は上記ブログと同じデータから求めた。

 結果を図に示す。
(A)は47都道府県のすべてを対象にピアソン相関係数を計算した結果である。確かにこの図では接種率と人口当たりの感染率は正の相関を示している。
(B)は特殊な条件にあると考えられる沖縄県を除外し、46都道府県を対象にしたものである。このケースでは相関係数がほぼ0で感染率にワクチン接種率は関係していないということになる。
しかし、
(C)の太平洋岸にほぼ接した都市圏の10都府県(茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県)で同じ相関係数を求めると、負の値になる。

 即ち、比較的温暖な都市部では、やはり、ワクチン接種率が高いほど、感染率は低いという傾向があることが示されている。

 これは、寒冷地や農村部では、換気が十分でない家屋内で過ごすことが増え、感染機会が増加していると言われていることの反映なのかもしれない。

 なお、各ケースの正確なピアソン相関係数とそのP値は以下のとおりである。P値が大きいケースは信頼性が低いことに留意する必要がある。
               相関係数  回帰係数のP値
(A)47都道府県対象  0.005778   0.068
(B)46都道府県対象  0.000514  0.8764
(C)10都府県対象   -0.002229  0.6295

コロナ第7波の特長2022年07月28日 05:38

 日本だけが感染者が急増しているのかと思っていたら、REUTERSの情報では台湾やオーストラリアなど昨年まで抑え込んでいたと考えられる国も最近急増している。
https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/
 結局、欧米の多くの国では昨年までのパンデミックでほぼ集団免疫ができ、体力のない高齢者はいなくなり、安定した状態になったが、それをすり抜けた変異ウイルスが新たな生存地域を求めて、日本や台湾に上陸したというところではないだろうか。
 日本や台湾、オーストラリアなどは、抗体を持たない若者や、或いは免疫機能の劣る高齢者が残っており、欧米等で変異したウイルスは感染力が強化されているので、この第7波の大波が発生したと解釈できる。台湾も今年はついにこの感染力の強い変異ウイルスの侵入を許してしまったようだ。
従って、日本は昨年、一昨年の欧米諸国のような状況になることを想定しなければならない。多少弱毒化しているとはいえ、大量の感染者と患者で病院は溢れることになる。
 ファクターXなどないと思って、ニューヨークやロンドンで昨年までに起こっていた医療ひっ迫の様子を思い起こす必要がある。
 大阪で高齢者への自粛要請がでたようだが、今も毎日通勤している多くの高齢者はどのように自粛するのか心配だ。満員の車内でいじめにあわないだろうか。そこまで考えて大阪府知事にはコメントを出してもらいたかった。
 女性専用車両のように、高齢者専用車両の設置など実行可能な対策はいくらでもあるだろう。

ワクチン接種を嫌う2つの理由2022年07月26日 07:41

 周りの様子を見聞きすると新型コロナワクチン接種を嫌がるのに2つの理由がある。
 一つは副反応の影響が大きい人々である。これはよく分かる。感染したほうがましだと思えるほど副反応に悩まされる。それでも仕方なく指示に従って打って、発熱などに耐える。
 もう一つは、「ワクチンとは人工物だから、体内に注入するのは自然に反する。人間は自然のままであるべきだ」という理由で撃たない人々である。
 この主張には哲学的な課題が含まれる。即ち、人間は自然なのか、人工物とは自然のものか否か」という課題である。
 西洋哲学では歴史的に自然と人間を対立した見方をしてきた。
そして、西洋科学の粋とでもいえるワクチンは人工物の最終形態であろう。実際、ワクチンにより、自然生物の原子形態ともいえるウイルスに立ち向かうのである。この戦いは、自然と人間の戦いの究極の姿であろう。
 そして、反ワクチン派は、この戦いは不自然だからワクチン接種などすべきではないと主張する。何となく同調したくなる。
副反応も、将来の体への影響も不安である。
 しかし、ワクチンを人間が作り出した最高の成果物であるとみる見方もできる。人間は自然のなかで生き抜くために多くの工夫をしてきた。その多くは人工物である。即ち、人間は人工物を作る生物として自然の中で進化してきたということである。
  言いたいことは、自然物も人工物も人間に対する影響という点では哲学的に簡単に区別をすることはできないということである。それは、人間も自然により作られたものだから、人間の作ったものはある意味自然の産物でもあるからである。
 この見方をすれば、人工物を一律に否定できないし、当然、自然の中には人間に害悪を及ぼすものもある。それにはある種のウイルスも含まれる。

 それならば、頭からウイルスを否定することなく、その時の状況で個々人にとって、社会全体にとって、ワクチンを含む人工物への適切な態度をとることができるようになるだろう。

 すでに子どものころから、我々は大量の人工物と自然物の洪水のなかで、生き抜いてきたのであり、その中には多くのワクチン注射も多くのウイルス被ばくもあったのである。

コロナ第7波対応策2022年07月19日 05:14

 第7波の主流であるBA.5株については、
https://soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/omicron-ba4-ba5/
がもっとも詳しく解説しているようです。
 これを簡単にまとめれば、重症化リスクはBA.1と同様全世代平均で約1%程度であり、ワクチン接種による重症化の低減効果は大きいが、ワクチン接種で感染や重症化を防げるわけではない。第6波のBA.2株よりも症状は重く、特に肺下部で炎症が強く出るよう変異しているようだ。

 ではどうするか。

 やはり、従来通り、三密は避けたい。特に、密封空間をさけるべきである。また、換気の重要性は従来以上だ。
 高齢者は第4回接種を受けるべきで若年者も許される限りワクチン接種をしたほうが良い。自然免疫強化のためにもワクチンを接種すべきだろう。
 ワクチンの副反応問題は依然としてあるが、感染による死亡リスクよりは、ワクチン接種の副反応リスクが小さいので、体調が良いときにワクチン接種を受けるべきであると考える。
 ワクチンや感染による生体反応は個人差が大きく、種々の抗体の生成過程もいまだに解明されているとはいいがたい。そのような因果関係がはっきりしていないところがリスクといわれるゆえんでもある。ここは自己責任であり、体調が良いときにワクチンの接種をするのがベストだと思う。

(注)マスコミなどで、ワクチンは感染の予防効果はないが、重症化を防ぐのには有効であると言われている。これは、現在国内で流通しているワクチンはオミクロン株感染防止用ワクチンでないが、現状のデルタ株用ワクチンであっても、コロナウイルスに対する様々な抗体が作られ免疫能力の強化がなされるため、オミクロン株に感染した場合の重症化リスクが低減するということです。

 今秋には、オミクロン株感染防止のためのワクチンやコロナの特効薬ができると予測されている。日本の医療体制をすぐに変えるのは難しいようなので、もう半年は密封空間で感染の可能性のある者との飲み会は我慢するのが良いということだろう。

参議院選挙で誰に投票すべきか?2022年07月08日 04:58

 今回の参院選では、すでに3人の知人から投票依頼を受けた。それぞれ、異なる政党、異なる候補者である。その主張も公約も異なる。勿論私の意見と一致してはいない。
 どの候補者も私の考えとすべての論点で一致しているような人はいない。そのような状況が一般的であろう。
 その場合、誰に投票すべきだろうか。
 政治というものは、あらゆる観点から社会的最適化を行うためのシステムだということを前提に考えたい。
 そうすると、少なくともすべての争点に関して意見を表明している候補者でなければならない。ある争点に関し、意見無しであれば、その候補者は当選後誰か他人の意見に左右されて議会で投票することになる。それは議会制民主主義の趣旨に反する。単なる投票マシーンである。
 従って、マスコミによるアンケート調査で回答しない項目のある候補者は除外したほうが良いだろう。
 次に、その候補者の考え方がどの程度社会的、科学的に妥当性を有しているかを問題にしたい。全知全能ではない我々だが、自分の知性で考える限り、明らかに根拠のない主張、理屈に合わない主張をしている候補者には投票したくはない。
 この2点だけでもかなり投票先は絞られる。
 そして、選挙後の政治動向を左右するはずの政党ごと当選者数の予想まで考慮して、当選しそうな候補者に投票すべきかどうかである。これはかなり難しいが、私としては、数合わせは考えず、自分の考えに一番近い候補者に投票したい。そのほうが、気持ちがいいし、民主主義の趣旨に結果的にも合うだろう。マスコミによるアナウンス効果もこの考えなら影響はしない。
 最終的にその選択が政治的に失敗だったとしてもそこが民主主義の限界であり、将来、人々がその失敗の歴史から正しく学ぶことができるだろう。
 単純に言えば、他人の意見に左右されることなく、自分の現在の知識でもっとも社会を良くするだろうと考えられる候補者に投票すべきだということになる。
 3人の知人の推薦者がそれにあっているかどうか、或いはそれ以上の候補者がいるのか真摯に考えたい。

オミクロン株の感染速度を考慮した感染者数増大2021年12月08日 05:42

 オミクロン株の感染速度(感染してから他の人に感染させるまでの時間)はデルタ株の半分程度であるとの報道があった。
 ここでは、デルタ株の感染速度を3日、オミクロン株の感染速度を1.5日として、原子炉動特性方程式を応用した指数関数式により感染者数増大を予測した。
 他の仮定として、初期感染者数10人、集団免疫レベル(Do、抗スパイクタンパク抗体を十分保有している住民割合)を0.7とした。0.7であれば感染者数は増減しない一定値になる。

 結果を図に示す。

 抗体保有者割合0.5の場合、オミクロン株では、感染者数は1か月以内に急速に増加する。
 一方、抗体保有者割合0.6の場合は、オミクロン株での感染者数は、デルタ株での抗体保有者割合0.5の場合と同程度の増加である。
 デルタ株の場合は、抗体保有者割合が0.6であれば、増加速度は非常に遅い。

 従って、オミクロン株がデルタ株を凌駕するのであれば、抗体保有者割合が半分程度になると考えられる年末までには、追加ワクチン接種を行うべきであろう。

先進国だけワクチン接種しても無意味だった2021年11月27日 05:19

南アフリカでスパイクタンパクに多数の変異のある新型コロナウイルス株(オミクロン株)が見つかった。南アフリカやインドなど人口が多く、ワクチン接種が進んでない国では、ウイルスの絶対量が多いはずだから、変異も比例して多くなる。DNAやRNAの変異は、単に終種類の核酸のコピーミスだから(10憶コピーに対し、1回といわれている)、ウイルス絶対数が多いほど変異は多数生じ、その変異株が生き残り拡散される可能性も増えることになる。

インドや南アフリカで発生した変異株が世界中に広がるのは、人口も人口密度も高い一方、感染者も多く、それだけ拡散できる変異株が発生しやすいということである。

このような地域にこそワクチン接種を進め、変異株が生じにくい環境を作る必要がある。しかし、現状は逆に先進国でのワクチン接種率が高い。

先進国がワクチン接種を進めても、ブレークスルー感染を生じやすい変異株がこれらの地域で発生し続けるならば、いつまでもコロナ禍は収束しない。鎖国が不可能な現在、まずは、ワクチン増産と接種推進支援を日本政府も含む各国政府が優先すべきであり、GOTO何とかの優先順位は低くするべきだ。

抗体保持者割合と感染者変化の関係2021年11月14日 06:47

抗体保持者割合と感染者数変化
 時間依存量評価用指数関数式を集団免疫レベルをパラメータとする感染者数時間変化に適用し、平均的な抗体量が半減した場合の感染者数増加速度を計算してみた。
 結果を上の図に示す。
この図の横軸は、時間経過(日数)、縦軸は最初に一人の感染者がいた場合の、感染者人数である。
 感染者数(Φ)の評価式は、以下の指数関数としている。

   Φ(t)=exp((D0-D)/l×t))

  ここで、
     D0:集団免疫状態(感染者が増減しない集団免疫状態)
 この図では住民の70%(D0=0.7)が十分な抗体を持つ場合にこの状態になると想定した。 
 
     D:抗体保持者割合
       0.8の場合、80%の住民が十分な抗体を持つ。
       0.6の場合、60%の住民が十分な抗体を持つ。
       0.5の場合、50%の住民が十分な抗体を持つ。

     l:感染者が他の住民に感染させるまでの平均日数。
 ここでは、3日とした。体内でウイルスが十分増加する日数が2日程度であることから3日と設定した。
  
     t:ある抗体保持者割合になってからの経過日数(日)

 抗体保持者割合については、日本では、ワクチン接種者が70%程度であり、更に、第5波の無症状感染者が報告数の10倍程度であるとすると、現状は80%以上(D=0.8以上)あると考えられる。
 今後、ワクチンの追加接種をしないと、抗体数の減少に比例して、抗体保持者割合が0.6、0.5と低下するが、それまでの期間が問題となる。

 政府の委員会では、ワクチン接種後8か月を有効期間の目安にして計画しているが、相馬市の調査では、~3か月で半減する例も見られたそうである。従って、ワクチン接種完了日を平均的に9月末とすると、この図で、D=0.5となる初期日は最悪、12月1日ということになる。

 政府の計画では、12月は医療従事者の第3回接種日になっているが、一般人も含めた半数以上が12月に第3回接種を開始しないと第6波が年末年始に来襲するということである。
(2021.11.19 免疫レベル、抗体保持者割合等実態に合わせ修正)

日本のみコロナ流行が収束した理由の推定2021年11月09日 06:40

 相馬市のWEBサイトや相馬中央病院の坪倉医師の話などから、ワクチンの効果である抗スパイク抗体の量は数か月で半減するらしい。
即ち、ワクチンだけで集団免疫を作ろうとしても数か月しか持たないと思われる。
 しかし、日本では、6月ごろから9月頃までの短期間に人口の半数近くがワクチン接種を受けた。
 更に、8月の第5波で感染者が増加したが、日本ではPCR検査が保健所などに限られていたこともあり、無症状感染者はその10倍程度いる可能性がある。彼らも大量の抗体を持っているはずである。
 即ち、10月時点では人口の80%程度が一時的に抗スパイク抗体を保有しており、集団免疫状態になっていると推定される。
 菅前首相のワクチン接種推進策とPCR検査抑制策が相まって、日本では現在集団免疫が期せずして成立していると推定される。

 坪倉医師の話から推定すると、ワクチンによる抗体は数か月レベルで低下していくので、仮にコロナ感染者の抗体が長期に維持できたとしても、12月ごろからは集団免疫状態は解消し、新規感染者が増大すると予測できる。これは、新たな変異ウイルスが持ち込まれなくてもそうなる可能性が大きい。

 日本はこのような特殊事情にあるのだから、他国よりも第3回目接種を急ぐ必要があると考えられる。