プラセボ効果とノセボ効果の利用方法2024年02月06日 06:33

カリン・イエンセン著、中村冬美訳「予測脳 Placebo Effect 最新科学が教える期待効果の力」(日経BP)という本に詳しく説明されているが、いわゆるプラセボ効果の反対にノセボ効果というものもあるらしい。

 プラセボ効果は、有効成分の無い薬剤であっても、薬と認識していれば、心理的な効果で被験者の病気がが治ってしまう効果であるが、逆に、ノセボ効果は、薬を飲むことによるネガティブな効果のことであり、偽薬なのだが、いわゆる副作用が被験者に表れてしまう現象だそうだ。

 プラセボ効果はそれが偽薬だと被験者が分かっていても、心理的な効果で病気が治ることもあるということなので、かなり利用価値が高い。医者が信頼できている場合には、高価な薬を使わなくても投薬効果があるので、医療費削減には有効だという論文まで米国では出ているそうだ。

 上記の書籍によるとプラセボ効果は薬剤だけではなく、手術のような外科治療でも生じる。即ち、患部を正しく手術しなかったプラセボ手術場合でも、手術をしたことで、痛みが軽減するという魔訶不思議な現象が峰ミネソタ州のメイヨー・クリクックで現に観察されている。医師との信頼関係がそのような現象を生じさせるのだろう。

 そうなると、医師との信頼関係がない場合には、投薬されてもノセボ効果で本来の薬理効果が出ない場合もありうる。現在、飲んでいる薬があまり効いていていないと感じるが、その医者にちょっと信頼できない言動があったからなのではないだろうか。

 このような現象を拡大解釈すれば、医者の評判こそが最重要となる。その医療機関で受けた治療で治ったことが事実であるかは実はあまり問題ではない。その評判の良し悪しで、治りやすかったり治りにくかったりするということなのだ。まるで、美味しいという高価なワインのラベルが同じならば、中身が安物ワインでも美味しく感じるという効果が出るのと同じである。一歩間違えると似非科学の世界でもある。

 医食同源という言葉もある。このような現象は社会的、経済的に問題があるが、検討に値するだけの利用価値はある。

 同書によれば、これまで世界中で投薬された薬で最大のものはプラセボ薬だということである。即ち、薬剤の効果が客観的には証明されていない成分を持つ薬が多いということなのである。

 このプラセボ効果、ノセボ効果は単に医療関係だけではなく、スポーツでのパフォーマンス向上や受験合格率向上など社会的な事象にも利用されている。即ち、心理と身体能力の相互作用に関係する重要で未開拓な現象のようだ。法律や規則、倫理に触れない範囲で、信じることで好成績を達成できるという心理効果をうまく利用することには様々な価値がある。

 ただ、横断歩道での歩行者用プラセボボタンというものがあるそうだ。押したからと言って実際に歩行者用信号が早く青になったりはしないが、心理的には有効に働き、信号待ちでのイライラを抑えるそうだ。(これがヨーロッパの話であり、日本にはプラセボボタンがないことを願う。)

 この話を知ったので、桜木町近くの新横浜通りの歩行者用ボタンを押す気にはなれなくなった。(これはノセボ効果というのだろうか?所轄の見解を聞きたい。)

楽に排泄する方法2024年01月19日 11:28

寒くなってきた。この季節に力むと血圧にも良くない。
最近は大抵洋式だろう。和式でも同じ方法がある。

それは座り込まないで、中腰で排泄する事である。

中腰だと直腸と肛門が直線的になり、腹圧が便本体から下方に掛かった時に、容易に押し出される。

多少の個人差はあるが、試してみる価値はある。

動物にとって座るという体勢は不自然なものなのだろう。
ヒトも排泄するときは動物の姿勢に戻らなければならない。

前立腺がん治療の選択方法2024年01月08日 13:18

 ある知り合いが前立腺がんの診断を受け、近く手術をするそうである。親戚が前立腺がんになったのだが、IMTRという放射線治療で緩解したので、放射線治療のほうがいいのではないのか、という話をしたら、放射線は怖いというのである。
 
 ちょっとデータが古いが、
https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes1952/52/7/52_7_363/_pdf

によれば、例えば子宮頸がんは日本では8割以上が手術だが、日本では2あり程度である。東大の中川先生の言われるように原爆による放射線アレルギーが強いようだ。どこかの音楽関係者もそのような発言をしていたように思う。

 では、原爆による放射線とがん治療による放射線は同じなのだろうかーという話になる。実は、原爆よりも放射線がん治療のほうが被ばく放射線量は1桁程度高いのである。広島・長崎の被爆者生存者の最大線量は約4Gyである(これより多く被ばくした人は原爆時に亡くなっているのである)が、例えば前立腺がんでは通常60Gy程度照射する。

 だからがんになりやすいのかと言えば事実は逆である。広島・長崎の生存者で4Gy程度被ばくした男性の約6割はがんを発症している。しかし、前立腺がんで放射線治療をした人の8割は治癒し5年以上せいぞんしている。

 これはどうなっているのかーという問題である。その理由は、単純に言えば、原爆の被ばくは原爆の爆発時間約1ミリ秒で被ばくした瞬時被ばくであり、がん治療での被ばくは10時間程度での被ばくの結果なのである。
 
即ち、被ばく線量は問題ではなく、被ばくした時の時間線量率が重要なのである。上記の例でいえば、単位時間当たり線量率は、

 原爆   :4000Gy/秒
 がん治療:0.0016Gy/秒

ということになる。この差がなぜ大きいのかと言えば、細胞の免疫機能に関係してくる。

 原爆では瞬時に被ばくし、DNA損傷を瞬間的に生じたので、がん抑止機能が十分機能しなかったのである。免疫とは化学反応であり、DNA修復には有限の時間がかかるので、損傷を受けた細胞がどうしても残ってしまう。
 このような瞬時被ばくは人類が発生して以来一度も受けたことがない線量率なのだから、免疫機能が機能しなくても当然である。

 一方、がん治療では、がん細胞以外の通常細胞に被ばくさせないように工夫しているとはいえ、X線の透過力は強くどうしても通常細胞も被ばくしてしまう。それでも明確ながん発症は見られていないのである。これは、生物、人類が数億年の期間に蓄えてきた低線量率放射線に対する免疫機能故のことである。がん細胞の方は、がん免疫機能を失った細胞であり、細胞サイクルが短いので、分裂時にDNAが損傷しやすく(分裂時はDNAが不安定な1本鎖になるので)、がん組織だけが選択的に損傷することになる。

 これらのメカニズムを含めて、がん患者に説明すれば、日本も放射線治療を受ける割合が欧米並みになるだろうが、医学界の様々な事情で時間はかかるのかもしれない。

 一方、がん細胞の位置を検査するためのPET検査で使われるテクネチウム-99mは体内に注入されたのち、テクネチウム‐99という半減期20万年の放射性物質に崩壊する。この放射性物質は年間2×10の12乗ベクレルという量が、注入された患者の排泄物から市中に拡散している。放射線がん治療が嫌な患者はこちらの方はなぜ問題にしないのだろうか。不思議な国である。医学界ではこのテクネチウム₋99は安定核種として扱われているようだが、れっきとした長半減期放射性核種である。原発使用済み燃料の中のテクネチウム‐99は長寿命核種として、使用済み燃料を地中処分したとしても、将来漏れ出てくる核種として問題にされている。不思議な国である。

新年の誓い2024年01月01日 05:14

(1)体重を5kg落とすこと。
(2)統計論をマスターすること。
(3)ピアノを左手で弾けること。

2024年1月1日 新道

電磁波過敏症の分析2023年12月29日 07:28

 先日アップした無線マウス使用と携帯非接触充電器による指痛だが、ある知人によるとこのような感覚はバカな人間とおもわれるらしい。しかし、電磁波過敏症という日本に100万人はいるといわれる保険の利かないかもしれない症状(すなわち、公式には病気と認められていない、あるいは心因性とみなされている症状)でもあるらしい。米国の博士が最初に報告したらしいが、今も何のコンセンサスもない。

 スマホの電磁波基準を耳周辺の温度上昇で1度とすると、耳周辺の対象重量を1kgとした場合、その必要エネルギーは4.2ジュールであるので、このエネルギーはガンマ線なら4.2グレイに相当する。これは死亡する可能性もある、あるいは発がんがほぼ確実なエネルギーではある。電磁波とガンマ線は波長が異なるが、同じ光子という素粒子がエネルギーを運ぶ。
 いったい、真実はどの辺にあるのか。

 そこで、痛みとは何かから調査してみた。
モモタロウ痛みのクリニック
https://www.momotarou-painclinic.com/sick/reason/
のサイトに基本的なメカニズムが書かれている。
 痛みの悪循環というものが慢性疼痛の主要因らしい。痛みを慢性化しない、痛みを忘れるというのが重要だ。

 そういう意味で、電磁波で痛みを感じたら、電磁波を受けないよう、無線マウスから有線マウスに変える、非接触型充電器から手を遠ざけるというのは有効だったのだろう。今では、ほぼ、指の痛みは感じなくなった。それが心理的なものか、何らかの物理的、生理学的メカニズムが働いているのかは今の科学では分析が困難だ。だが、それをバカな話だという認識をするほうがバカなのかもしれない。
 電磁波はOKで放射線は×とか、その逆とかもあり得ない。
アルコールやウイルスと同様、これらもすべて定量的な最適点がある。それが地球上で何十億年も環境の変動に耐えながら、進化してきた人間、生物の持つ免疫機能のなせる業である。

 宇宙の95%は未知の物質またはエネルギーでできている。これは現代宇宙論の常識になっている。

 どんなエネルギー物質が指先に影響しているのだろうか。ETの指先から光が放たれる映像が象徴している。

広島・長崎の被ばく者データを見直す必要性2023年12月23日 05:09

放射線に絡む全ての社会現象は、国際放射線防護委員会(ICRP)の被ばく防護に関わる勧告・指針に依拠した法律・基準に大きく影響されている。今回の福島事故処理水放出騒ぎも同じである。

この大元であるICRP勧告自体が間違っている可能性が大きい。その被ばく基準の科学的根拠は、広島・長崎の被ばく生存者のがん発生調査に大きく依存している。しかし、広島と長崎では、放射線量とがん発生率の関係が異なっている。それが単に定量的に違うだけならまだよいが、定性的にも違う。即ち、広島ではある線量範囲でがん発生率が減少するのに、長崎では増加しているのである。その時の比較対象者は、原爆投下時に各市の中心から20キロ以上離れた市外位置住民であり、被ばく線量は0と評価されている。

なぜこのようなことが生じるのか、原因は二つ考えられる。

一つは、調査データに不整合がある場合である。例えば、市外位置住民のがん発生データの見積もり方と被ばく住民ではがん発生数の評価方法が両市の間で異なっていた事が考えられる。
がん発生数と言っても単純では無い。そのがんが、同一人の別の場所から転移したものか、無関係に次のがんが発生したものかは、当時の医学レベルでは医師により判断が異なっていたことは大いにありうる。
被ばくゼロでのがん発生数が数倍異なれば、被ばく効果は逆転しうるのである。なぜなら、被ばく以外の効果が勝るからである。その多くは、喫煙によるもので当時は多くの日本人が、女性も含め喫煙習慣があった。がんが喫煙によるものか、被ばくによるものか、新陳代謝によるものかは今でも分からない。

更に両市で異なるのは、原爆のタイプである。広島は濃縮ウラン型で、長崎広島はプルトニウム型である。このため、原爆の構造が大きく異なる。ガンマ線の被ばくが線量の多くを占めるとはいえ、中性子の寄与がどのていどだったのか、地形の影響がどうなのか、今でも議論のあるところである。悲しいことに、軍事機密ということで、その評価の詳細は、米国から日本にはかいじされていない。当時はソ連との冷戦が予想されており、トルーマン大統領が、簡単に大量生産できると思ったプルトニウム型の実験を長崎ですかさずやりたがってのは理解できなくも無い。
しかし、線量評価の詳細、特に、ファットマン原爆の構造も含めて日本側に開示すべきだろう。今も、肝心の放射線線源データは簡単な1ページの表のみであり、担当は米国人に限られている。

もう一つの要因としては、被ばくデータやがん発生データが正しいとしても、その統計処理法が、間違っている場合である。

例えば、喫煙効果と放射線効果は個別のものとして評価されているいる。タバコには、燐酸肥料を通して花崗岩にあるポロニウム210という放射性物質が含まれている。この喫煙にがん発生は、喫煙効果なのか、被ばく効果なのか判然とはしない。仮に、両市の住民のタバコ原料に違いがあれば、原爆の被ばく影響と喫煙効果を混同した評価になっていても不思議ではない。

いずれにせよこのような疑問点だらけのICRP基準でマスコミや政府が福島事故や原発を議論している事態を見直すことから始めなければ日本に将来は無い。日本は科学技術しか頼れない資源小国なのだから。

ドライアイの安全、安価な治し方2023年12月16日 05:37

 ドライアイの原因は上下瞼の内側に数十個並んでいるマイボーム腺が詰まり、本体、瞳表面を覆っている涙の膜の表面にあるべき油分が薄くなって、涙が蒸発してしまうことにある。

 これは眼科医や薬局でドライアイ用の目薬で一時的に治すこともできるが、このマイボーム腺の詰まりの原因である固形油分を溶かしてしまうことが根本的な治療法になる。固形油分は瞼付近を体温以上に温めればよい。やけどするほど熱く温める必要はない。

 温めるだけだから目薬よりも安全、安心で副作用も考えられない。

 しかし、瞼を温める手軽な方法がない。朝晩風呂に入ってゆっくり蒸しタオルを使えればよいがそれも時間と手間がかかる。

 ところで、蒸しタオルマシーンという、家庭用の小型マシーンがネットでは3千円から購入できる。(サイトと年式で大幅に価格が異なるので注意が必要ですが最新式でなくても機能に大きな差はない。)

https://item.rakuten.co.jp/zakkaya-bigsmiles/rt_0063_towel_warmer/?variantId=r-sku00000002&scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868&icm_agid=&gclid=Cj0KCQiAj_CrBhD-ARIsAIiMxT9SFv-hVxgItvZgF9xUkobR959XVWhz5XU67oMFXrqfT_kQUCLCMq4aAk-9EALw_wcB&ifd=57&iasid=wem_icbs_&icm_acid=255-776-8501&icm_cid=18507537738



価格が高いのはこれに付属している圧縮紙タオルの専用パッケージで、プラスチック容器に圧縮紙タオルが入っているのだが、紙パック20枚入りで1000円程度はするようだ。しかも、これはどこで購入できるのかよくわからない。

 しかし、この蒸しタオルマシーンの構造を調査したところ、この専用カートリッジは上記の目的のためには不要であることが分かった。

 本来の専用パッケージを装着する孔に、小さな圧縮紙タオルを上部から落とし、タオル感知部の上部にタオルを置けば、普通に動作する。

 その際、落下させる圧縮紙タオルとしては、直径2㎝のものを一個使う。百均で売られていたもので、20個入り110円なので、正規パッケージ品の10分の1の価格である。

 この直径2㎝の圧縮紙タオルは、近くの百均で見つけたが、もしなければ、下記サイトから見つかるはずである。
https://monolog.r-n-i.jp/item/4972822411332

 これを1個上記マシーンの孔に落として、上の押しボタンを三回長押しすると不思議なことに下のトレイが開き、お湯と膨張途中の紙タオルが出てきた。ここでもう1個紙タオルをトレイのお湯の上に置けば、2個の円筒状の蒸しタオルが出来上がる。

 このようにしてパソコン脇の机上で作った2個の蒸しタオルを広げて両目に載っければ、ドライアイはなくなる。
 
 但し、マイボーム腺の詰まりがすぐに消えるわけではなく、これを数日間朝晩続ける必要はある。

 今のところ、この治療を断続的に続け、痛みは消えた。また、医者の目薬をつける必要もほぼなくなった。

 これまで、何万円かを眼科医と目薬に使ってきたが、この蒸しタオルマシンと百均の圧縮紙タオルのセットで安い費用で治療できたことになる。
特に、医者のドライアイ目薬をつけると目やにが目じりに固まって気になるが、これはその心配がない。

 また、このセットは、簡単な眠気ざましやお肌に優しい簡易パックとしても使えるかもしれない。使用後、キーボードなど机の周りを清浄に保つのには最適である。ティッシュペーパーの消費量も大幅に下がることになるのでお勧めである。

 なお、この蒸しタオルマシーンは水タンクに水を入れて使うが、水を貯めっぱなしにしておくとカビやウイルスの増殖が進む。最近は浄水器と称して、塩素を除去した水を供給する蛇口が多い。この蛇口から出た水を貯めておくと、浄水器なしの蛇口の水、即ち塩素入り水道水よりも危険である。数日貯めた水は廃棄して清潔を保つことが重要だ。

指痛と無線マウスの関係のその後の状態2023年12月15日 06:25

 11月25日の記事で、下記のように書いた。
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 半年前から右手中指の関節間に痛みを感じるようになった。きっかけはスマホの非接触型充電機能があるスマホフォルダーがダッシュボードについた車で長時間運転をした時である。そのフォルダ-と右手の距離は数センチメートルだった。

 その後、中指の痛みは治まらず、時々痛みの個所も中指の中で移動するようになってきた。また、その痛みも耐えられないほどではないが強くなってきたような気がする。

 そこで、これには無線マウスから発する電磁波が関係するのではないかと思いつき、先日、有線マウスに取り換えてみた。(キーボードは有線のままである。)

 その結果、なぜか右手中指の痛みは治まったのである。
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 その後の経緯であるが、使っていた有線マウスが家人のパソコンで必要になり、別の有線マウスを100円ショップで購入した。(本当に110円で買えた。)

 この有線マウスを現在使用しているが、指痛は再発していない。

 ただ、パソコンとは関係ないが、先日、車のダッシュボード近くで、携帯を充電しながら運転していたら、若干の指痛を感じ始めたので、携帯充電は中止した。

 これは電磁波過敏指になってしまったらしい。本当にこんな病気はあるのだろうか?それとも電磁波プラセボなのか?謎は深まるが、ともかく無線マウスと充電携帯から指までの距離を取っていれば、指の痛みは感じないので安心である。電磁波強度は距離の2乗の逆数に比例するのである。

 聞いた話では、携帯の電磁波強度は耳近傍の温度上昇が10分で1度以下にするようにしているらしい。
 これは、身体を水と近似すると、耳近傍で1kg当たり4.2Kジュールのエネルギーが吸収されたことになる。
 一方、放射線では定義により、1グレイ(1シーベルト相当)は物質1kg当たり1ジュールのエネルギー吸収なので、スマホ電磁波は4.2グレイのエネルギー放出に相当する。
 放射線での致死量近くのエネルギーが携帯の電磁波のエネルギー基準ということになる。エネルギーだけで比較すると携帯電磁波も放射線レベルであり、危険なのかもしれない。

JCO事故による被ばく健康影響の再考2023年12月12日 05:05

http://www.murasugi.com/contents/document02-004

には元新潟大学安保教授による被ばくと健康影響の図(ホルミシスを提案した米国ラッキー教授案)が引用されている。放射線ホルミシスはまだ定説にはなっていないが、物質による生体影響は一般に最適点があるので放射線である光子にも最適点があって不思議ではない。

 この図では、年間被ばく量が1mGy/年~10000mGy/年の間が健康に過ごせる範囲であり、その最適値は100mGy/年ということになっている。

 JCO事故は即発臨界事故であり、瞬間被ばくをしたので、広島原爆と同様、被ばく時間は1m秒だと仮定する。
 上記の上限値10000mGy/年を1m秒当たりに換算すると

10000/(365×24×3600×1000)=3.15E-7mGy/m秒

となる。(E-xは10の-x乗を示す。)
ガンマ線なのでmGyはmSvと同じ生体影響である。

 健康維持のための下限値1mGy/年は同様に

3.15E-11mGy/m秒

であり、これ以下の被ばく量では健康上の問題が生じると上記記事では主張している。

この被ばく量が1m秒あたりの瞬間被ばくの許容限度になる。

 12月10日の本サイトの記事では、JCO事故での生存作業者の最大線量は1200mSvだった。これは瞬間被ばくなので、上記仮定から

1.2E3mSv/m秒

と同じことであり、10ケタ大きい。

逆に言えば、瞬間被ばくは慢性被ばくよりも10桁程度は危険ということになる。

 即ち、慢性被ばくであれば、許容された被ばく量でも瞬間被ばくでは許容されない被ばく形態があるということである。これは被ばく継続時間に大きく依存する。

 広島原爆では150mGy程度からがん発生が放射線影響が認められるようになっている。即ち被ばく継続時間が1m秒とすると

1.5E2mGy/m秒

でがん発生が増加する。JCO事故の生存作業者はその10倍被ばくしたのでがん発生増加はありうる。

 しかし、東海村役場に車で突入した容疑者の被ばく量は中性子とガンマ線の線質効果を考慮したうえで得られた被ばく量で33mSv/m秒
なである。しかもこの値は、容疑者がJCO事業所に隣接して住んでいた場合である。
 この数値は、上記1500mGy/m秒の0.022倍であり、がん発生は考えられないということになる。喫煙習慣があるならば、その影響による発がん確率の方がけた違いに大きい。

 彼がこのような評価を承知していたなら、村役場突入は躊躇したのではないだろうか。

 備考)広島原爆の被ばく者線量評価ではGy単位での線量評価を行っている理由は、原爆爆発位置が地上約600mで生存者までの距離が長いために、中性子の空気層などによる遮へい効果が大きく、中性子の線量効果がガンマ線の10%程度と小さいという理由でガンマ線の1.1倍が全体の線量という評価を行っているためである。但し、原爆内部での遮へい効果は軍事機密により今も未公開となっている。なお、原爆の爆発時間は1μ秒以下と書かれている資料もあるが、これは適当な数字で実際には100μ秒から1m秒程度と評価できる。

JCO事故で中性子被ばくはどの程度だったか?2023年12月10日 05:45

 東海村役場に乗用車で突入した容疑者は1999年のJCO事故で体調を崩したと話しているという。

 原子力安全委員会のJCO事故の報告書では、

  「今回の作業は「常陽」の燃料用として、平成11年度に濃縮度18.8%、ウラン濃度380gU/㍑以下の硝酸ウラニル溶液を転換試験棟において製造することを目的としていた。
 作業は3人で実施され、29日から硝酸ウラニル溶液の製造を開始している。本来であればウラン粉末を溶解塔で硝酸を加えて溶解すべきところを、ステンレス容器(10㍑)でウラン粉末を溶解した後、作業手順書をも無視して、ステンレス容器(5㍑)及び漏斗を用いて、1バッチ(作業単位:2.4kgU)以下で制限して管理すべき沈殿槽に7バッチ(約16.6kgU)の硝酸ウラニル溶液を注入したとしている。
 上記の作業の結果、9月30日午前10時35分頃、沈殿槽内の硝酸ウラニル溶液が臨界に達し、警報装置が吹鳴した。この臨界は、最初に瞬間的に大量の核分裂反応が発生し、その後、約20時間にわたって、緩やかな核分裂状態が継続したものであった。10月1日午前2時30分頃から、沈殿槽外周のジャケットを流れる冷却水の抜き取り作業が開始され、午前6時15分頃、臨界状態は停止した。その後、ホウ酸水を注入し、午前8時50分には臨界の終息が最終的に確認された。
 この臨界による総核分裂数は、沈殿槽内の残留溶液の分析結果から、2.5×1018個と評価されている。 」

 これから即発臨界による瞬間被ばくであることがわかる。

 また、ガンマ線被ばくについては、
 
 「今回の事故により現場で作業をしていたJCO社員3名が重篤な被ばくをし、うち1名が12月21日に死去した。これら3名の線量はそれぞれ16~20グレイ・イクイバレント(GyEq)以上、6.0~10GyEq、1~4.5GyEq程度であった。このほか、56名の被ばくが確認された。そのうち36名についてはホールボディ・カウンタで検出され、その値は0.6~64mSv(暫定値)であった。また、フィルムバッジの測定結果により22名の被ばくが確認され、その値は0.1~6.2mSv(1cm線量当量)(ガンマ線)であった。なお、フィルムバッジで検出された22名のうち2名はホールボディ・カウンタでも検出されている。
また、臨界状態の停止のための作業等に従事したJCOの社員24名について、被ばくが確認され、ホールボディ・カウンタで検出された者の値は9.1~44mSv(暫定値)で、線量計(ポケット線量計)で測定された者の値は0.03~120mSv(1cm線量当量)(暫定値)であった。」

 とのことで、ガンマ線の被ばくは広島・長崎の被ばく者評価から、がん発症影響に関するしきい値(一部放医研研究者などの見解では150mSvと言われている)以下の値であったと考えられる。

 では、中性子被ばくはどうだっただろうか。

 容疑者は役場の対応に不満を持ったようだが、心理的影響だと切り捨てる前に、ICRP基準で、吸収線量当たりガンマ線の10倍程度の影響があると言われている中性子線に対する被ばく評価を正確に見積もる必要はあるだろう。

 Weinburg/WignerのThe Physical Theory of Neutron Chain Reactors、p.128によれば、U-235の核分裂当たりのエネルギ配分は、即発ガンマ線のエネルギーは6±1MeVで、中性子の運動エネルギーは5MeVである。
  
 一方、ICPRの線質係数は、ガンマ線1に対し、中性子約10(正確には線質係数には中性子エネルギー依存性があるが)である。

 これから、JCO関係生存作業者の中性子線による被ばく線量は、最大でおよそ

 120×5/5×10=1200(mSv)

となる。この報告書からは、ガンマ線を120mSv被ばくした作業者は、爆発時に室外にいたはずで、中性子はこれほどは被ばくしていないはずである。爆発時には室外(コンクリート壁の外側)にいたからである。

 では、容疑者はその時、どの程度被ばくしただろうか。最大1200mSvとして、JCO事業所からどの程度はなれていたかが問題となる。

 建屋や空気の遮へい効果を無視すれば、ほぼ距離の2乗の逆数で減衰する。容疑者はJCO社員ではないはずだから、敷地境界の外部にいたはずである。報告書図1からは事故のあった転換試験棟から県道連絡線まで約60mである。上記JCO社員が線源から10m位置で作業していたと仮定すると、容疑者が被ばくできる最大中性子線量は

 1200×(10^2/60^2)=33mSv

であり、上記のしきい値より十分小さい値となっている。
 ある情報では容疑者は久慈地区に住んでいたようであり、その場合には距離は1000m以上あるので0.1mSvとなり、飛行機で海外旅行をするよりも小さい。

 役場職員はこのような定量的評価値を容疑者に示した方が説得力はあったかもしれない。

 福島事故でも同じだが、放射線被ばくとは、物理化学的影響よりも心理的影響、即ち”放射線プラセボ”(放射線を浴びたという認識によるストレス影響)が効いてくるものである。今回のような思い込みによる悲劇の再発を防ぐには、放射線の人体影響及び人体の対放射線免疫機能に対する正確な知識習得と公報、ICRP基準と考え方の見直しが必要であろう。メディアも従来の報道姿勢を改め、まずは科学的な分析能力を身に着けるべきだ。