ストレスとは ― 2025年11月06日 02:20
基本的なストレスとは寒さのことであるーという説がある。
最近の寒さは、ストレスとは何かを考えさせてくれる。
もともと人間が温かい地方で生まれ寒い北国に移動してきてストレスを感じるようになった。即ち、慣れない環境に晒されたときにその反応として定常性を保ち、生きるために生体に生じる反応のことである。
これが度が過ぎると異常な反応が生じる。これがストレスによる病状ということになる。ストレスによる胃痛は異常な反応が体内で起こっていると脳に指令し、そのストレスから遠ざかるように仕向けるためのヒトに備えられた特性である。
物理的なストレスだけでなく、現在のヒトは心理的、人間関係上のストレスを脳機能の向上とともに感じるようになっている。これもヒトの特性の一つであろう。
井口晃「人生の9割は逃げていい。」(スバル舎、KINDLE版もあり)
なる本があるが、環境を変えて健全に生きるためには、ある人間関係から逃げることもヒトの生存のためには重要であることを教えてくれる。
デジタルデトックスなる言葉もデジタル社会から逃げることでストレスを解消するヒトの本能なのかもしれない。
最近の寒さは、ストレスとは何かを考えさせてくれる。
もともと人間が温かい地方で生まれ寒い北国に移動してきてストレスを感じるようになった。即ち、慣れない環境に晒されたときにその反応として定常性を保ち、生きるために生体に生じる反応のことである。
これが度が過ぎると異常な反応が生じる。これがストレスによる病状ということになる。ストレスによる胃痛は異常な反応が体内で起こっていると脳に指令し、そのストレスから遠ざかるように仕向けるためのヒトに備えられた特性である。
物理的なストレスだけでなく、現在のヒトは心理的、人間関係上のストレスを脳機能の向上とともに感じるようになっている。これもヒトの特性の一つであろう。
井口晃「人生の9割は逃げていい。」(スバル舎、KINDLE版もあり)
なる本があるが、環境を変えて健全に生きるためには、ある人間関係から逃げることもヒトの生存のためには重要であることを教えてくれる。
デジタルデトックスなる言葉もデジタル社会から逃げることでストレスを解消するヒトの本能なのかもしれない。
ムヒで痛み止め ― 2025年10月29日 04:52
ムヒは手軽な痒み止め塗り薬だが痛み止めとしても使える。
それはαメントールが入っているかららしい。痒みと痛みは本来別の神経細胞に由来する事が最近分かったがそれでも共通の薬理作用も利用できる。
山での装備品削減に利用できるかもしれない。
それはαメントールが入っているかららしい。痒みと痛みは本来別の神経細胞に由来する事が最近分かったがそれでも共通の薬理作用も利用できる。
山での装備品削減に利用できるかもしれない。
老人と海(現代日本版) ― 2025年09月30日 07:07
湘南の海を見に行こうと片瀬海岸に行った。
白髪の老人が、砂に置かれたチェアで一人静かに海を見つめていた。
私も年齢だけは立派な後期高齢者だがあのような様にはならない。
興味を持って声をかけた。
彼はシラス漁船を6隻も所有する船主だった。
海上に浮き沈みする数十人のサーファーが波を待っていたが。その遠浅の海の沖で、彼の所有する船の操業を浜辺から見守っている。
シラス漁は水深3m程度の海上で行うとのことだ。
昔はサーファーとのトラブルもあったが、両者間で協定ができ、今は彼らの存在が漁の邪魔になることはない。
問題は海の高温化だ。
近年はシラスは生育が悪いだけでなく、赤い小エビが混ざる。この小エビは味が良くなるという人もいるが、子供たちのアレルゲンになるので、分離する手間もかかるようになった。
彼の孫も小エビの入ったシラスは食べられない。最近の食品に含まれる添加物を沢山食べているのが原因だろう。
彼は言った。
「昔の子供は、平気で地面に落ちた食べ物も拾って食べた。それでいろいろな免疫ができてアレルギーなど珍しかった。今の子にアレルギーは多いのは清潔すぎるからだろう。
温暖化で江の島の磯の海藻がなくなり、アワビや貝もいなくなった。
アメリカのニュースを見ていると温暖化対策に後ろ向きのようだが、トランプも気が変わるかもしれん。日本の政治家も総裁選びで政局をもてあそんでいるような場合ではないのではない。」
ヘミングウェイの時代とは異なり、現代の老漁師は海を見つめながら、環境問題や子供たちの将来のことを考えていたのである。
白髪の老人が、砂に置かれたチェアで一人静かに海を見つめていた。
私も年齢だけは立派な後期高齢者だがあのような様にはならない。
興味を持って声をかけた。
彼はシラス漁船を6隻も所有する船主だった。
海上に浮き沈みする数十人のサーファーが波を待っていたが。その遠浅の海の沖で、彼の所有する船の操業を浜辺から見守っている。
シラス漁は水深3m程度の海上で行うとのことだ。
昔はサーファーとのトラブルもあったが、両者間で協定ができ、今は彼らの存在が漁の邪魔になることはない。
問題は海の高温化だ。
近年はシラスは生育が悪いだけでなく、赤い小エビが混ざる。この小エビは味が良くなるという人もいるが、子供たちのアレルゲンになるので、分離する手間もかかるようになった。
彼の孫も小エビの入ったシラスは食べられない。最近の食品に含まれる添加物を沢山食べているのが原因だろう。
彼は言った。
「昔の子供は、平気で地面に落ちた食べ物も拾って食べた。それでいろいろな免疫ができてアレルギーなど珍しかった。今の子にアレルギーは多いのは清潔すぎるからだろう。
温暖化で江の島の磯の海藻がなくなり、アワビや貝もいなくなった。
アメリカのニュースを見ていると温暖化対策に後ろ向きのようだが、トランプも気が変わるかもしれん。日本の政治家も総裁選びで政局をもてあそんでいるような場合ではないのではない。」
ヘミングウェイの時代とは異なり、現代の老漁師は海を見つめながら、環境問題や子供たちの将来のことを考えていたのである。
瞬時少量暴露と長期少量暴露の違い ― 2025年09月06日 08:45
暴露とはある外部環境に対し、生体がさらされた場合に影響されることをいう。
その外部環境は何でもよいが、ここでは飲食物と放射線を取り上げる。
飲食物の中には薬も含まれる。医食同源ともいうように、体内に摂取するあらゆる物質は飲食物である。
一般に薬は、摂取間隔に厳密な時間間隔を設定し、一度に大量摂取しないように制限されている。これは、たとえ健康に良いといわれる飲食物であっても、瞬時に大量摂取することで悪影響を及ぼすことがあるためである。
わかりやすい例でいえば、醬油を一度に2リットル飲むと、死亡することがある。酒の一気飲みと同じである。しかし、醤油も毎日少量摂取することで、健康を維持できる。
紫外線はどうか。紫外線は適度に毎日浴びることで、ビタミンDが体内に生成され、健康維持に役立つが、紫外線発生器で強力な紫外線を浴びれば瞬時であってもがん発生リスクは上昇する。
では放射線はどうか。これも紫外線や飲食物と同様なのではないだろうか。
広島・長崎の被ばく者のがん発生リスクはある被ばく線量以上では明らかに増加している。
原爆被ばくは瞬時(1マイクロ秒以下)の被ばくである。爆発時間は放射線影響研究所の線源評価報告書DS02に示された値である。
瞬時被ばくの例としては、年に数回起こる太陽フレアの発生時の瞬時X線被ばくがある。この瞬時被ばくは光速で太陽フレア発生後地球上空に到達し、宇宙飛行士はX線被ばくを受ける。(谷口義明「太陽と太陽系の科学」(放送大学出版会)p.32)
一方、空気によるX線の減衰は減衰係数μと透過する距離dの積の指数関数として表せる。
I=Io×exp(-μ・d)
μは空気の全吸収係数で約1.08㎝2/g(プライス、西口監修、関野訳、「放射線計測」、(コロナ社)、p.29)であり、密度を乗じることで単位長さ当たりの減衰係数に出来る。
各コードの空気密度から減衰係数を単位計算して求めると
高度 密度 ρ (kg/m3) μ (/cm)
Sea level (0 km) 1.225 2.21E-4
10 km (ジェット巡航高度) 0.4135 7.45E-5
100km 1.0E-7 1.80E-16
200km 2.0E-9 3.6E-8
400 km (ISS付近) 1.0E-12 1.80E-11
となる。ここでE-4は10のマイナス4乗を示す。
透過中の平均密度をその平均高さでの密度とし、これを上式を用いて各位置間の減衰を求めると、
ISS(国際宇宙ステーション)でのIをIoとすると
I(10㎞)≒Io
I(海水面)=I(10㎞)*3.57E-71
となり、ISS高度とジェット巡航高度では差は殆どない。
一方、海面レベルでのジェット巡航高度に対する比率は3.57E-71倍 となり、大きく減衰するのである。
大気圧は地表で1kg/cm2だから鉛の比重を10g/cm3とすると空気が鉛厚さで1m程度の遮へいと同等の効果となる。
これが8月25日の記事で書いた女性客室乗務員(CA)のがん発生率が一般人(海面レベルで殆どを過ごす女性)の3倍程度(下記サイト)になる理由だと考えられる。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29940975/
しかし、瞬間被ばくはCAや頻回高空旅行客だけの問題でも、被ばく者だけの問題でもない。特に日本人は医療被ばくで瞬間被ばくを受ける機会が多い。
それもX線撮影が多い。CTやがん治療は瞬間ではなく、数分から数時間かけた被ばくだが、X線撮影だけは数μ秒の瞬間被ばくである。
もちろん、医療での被ばく量を低減する努力は行われているし、総線量に対する制限は満足している。
しかしそれは年間総線量に対する制限値である。瞬間被ばくはそれでは規制対象にならない単位時間当たりの被ばく線量である。 年間総線量制限は満足していながら、数マイクロ秒で被ばくする高線量率被ばくなのである。現在の国際放射線委員会(ICRP)勧告による法規制には線量率に対する規制条件はない。即ち、海外旅行者や頻回X線撮影を受ける人々に対する瞬時被ばくによるがん発生リスクの防護措置はなされていない。
一方、福島事故などの長時間被ばく(年間)被ばくに対する基準は厳しく存在している。これが放射線被ばく基準の矛盾した現状であり、21世紀を生きる我々、即ち航空機利用や医療被ばくで瞬間被ばくを受ける我々にとって、無益な規制を強いていていることになる。
なぜなら、福島事故のような年間数百mシーベルトレベルの被ばくには人類の歴史の中で免疫が出来ている。P53など数十のDNA修復遺伝子が知られている。
しかし、DNA修復は細胞内の化学反応であり、時間がかかる。瞬間的に大量に被ばくを受けると免疫機能が間に合わない。
原爆も上空での太陽フレア被ばくもX線撮影も20世紀になって初めて人類が経験する被ばく形態なので、免疫がないということである。
その外部環境は何でもよいが、ここでは飲食物と放射線を取り上げる。
飲食物の中には薬も含まれる。医食同源ともいうように、体内に摂取するあらゆる物質は飲食物である。
一般に薬は、摂取間隔に厳密な時間間隔を設定し、一度に大量摂取しないように制限されている。これは、たとえ健康に良いといわれる飲食物であっても、瞬時に大量摂取することで悪影響を及ぼすことがあるためである。
わかりやすい例でいえば、醬油を一度に2リットル飲むと、死亡することがある。酒の一気飲みと同じである。しかし、醤油も毎日少量摂取することで、健康を維持できる。
紫外線はどうか。紫外線は適度に毎日浴びることで、ビタミンDが体内に生成され、健康維持に役立つが、紫外線発生器で強力な紫外線を浴びれば瞬時であってもがん発生リスクは上昇する。
では放射線はどうか。これも紫外線や飲食物と同様なのではないだろうか。
広島・長崎の被ばく者のがん発生リスクはある被ばく線量以上では明らかに増加している。
原爆被ばくは瞬時(1マイクロ秒以下)の被ばくである。爆発時間は放射線影響研究所の線源評価報告書DS02に示された値である。
瞬時被ばくの例としては、年に数回起こる太陽フレアの発生時の瞬時X線被ばくがある。この瞬時被ばくは光速で太陽フレア発生後地球上空に到達し、宇宙飛行士はX線被ばくを受ける。(谷口義明「太陽と太陽系の科学」(放送大学出版会)p.32)
一方、空気によるX線の減衰は減衰係数μと透過する距離dの積の指数関数として表せる。
I=Io×exp(-μ・d)
μは空気の全吸収係数で約1.08㎝2/g(プライス、西口監修、関野訳、「放射線計測」、(コロナ社)、p.29)であり、密度を乗じることで単位長さ当たりの減衰係数に出来る。
各コードの空気密度から減衰係数を単位計算して求めると
高度 密度 ρ (kg/m3) μ (/cm)
Sea level (0 km) 1.225 2.21E-4
10 km (ジェット巡航高度) 0.4135 7.45E-5
100km 1.0E-7 1.80E-16
200km 2.0E-9 3.6E-8
400 km (ISS付近) 1.0E-12 1.80E-11
となる。ここでE-4は10のマイナス4乗を示す。
透過中の平均密度をその平均高さでの密度とし、これを上式を用いて各位置間の減衰を求めると、
ISS(国際宇宙ステーション)でのIをIoとすると
I(10㎞)≒Io
I(海水面)=I(10㎞)*3.57E-71
となり、ISS高度とジェット巡航高度では差は殆どない。
一方、海面レベルでのジェット巡航高度に対する比率は3.57E-71倍 となり、大きく減衰するのである。
大気圧は地表で1kg/cm2だから鉛の比重を10g/cm3とすると空気が鉛厚さで1m程度の遮へいと同等の効果となる。
これが8月25日の記事で書いた女性客室乗務員(CA)のがん発生率が一般人(海面レベルで殆どを過ごす女性)の3倍程度(下記サイト)になる理由だと考えられる。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29940975/
しかし、瞬間被ばくはCAや頻回高空旅行客だけの問題でも、被ばく者だけの問題でもない。特に日本人は医療被ばくで瞬間被ばくを受ける機会が多い。
それもX線撮影が多い。CTやがん治療は瞬間ではなく、数分から数時間かけた被ばくだが、X線撮影だけは数μ秒の瞬間被ばくである。
もちろん、医療での被ばく量を低減する努力は行われているし、総線量に対する制限は満足している。
しかしそれは年間総線量に対する制限値である。瞬間被ばくはそれでは規制対象にならない単位時間当たりの被ばく線量である。 年間総線量制限は満足していながら、数マイクロ秒で被ばくする高線量率被ばくなのである。現在の国際放射線委員会(ICRP)勧告による法規制には線量率に対する規制条件はない。即ち、海外旅行者や頻回X線撮影を受ける人々に対する瞬時被ばくによるがん発生リスクの防護措置はなされていない。
一方、福島事故などの長時間被ばく(年間)被ばくに対する基準は厳しく存在している。これが放射線被ばく基準の矛盾した現状であり、21世紀を生きる我々、即ち航空機利用や医療被ばくで瞬間被ばくを受ける我々にとって、無益な規制を強いていていることになる。
なぜなら、福島事故のような年間数百mシーベルトレベルの被ばくには人類の歴史の中で免疫が出来ている。P53など数十のDNA修復遺伝子が知られている。
しかし、DNA修復は細胞内の化学反応であり、時間がかかる。瞬間的に大量に被ばくを受けると免疫機能が間に合わない。
原爆も上空での太陽フレア被ばくもX線撮影も20世紀になって初めて人類が経験する被ばく形態なので、免疫がないということである。
AIは生物でないのに愛情を持つことができるのか ― 2025年08月26日 11:34
今日の天声人語には、今回のChatGPTのバージョンアップの背景として、ユーザーがAIにも優しさを要求するようになったという趣旨の話が出ている。
AIは感情を持つことができるのだろうか。長崎で幼少期を過ごしたノーベル賞作家カズオ イシグロ氏のSF小説「クララとお日さま」にはAIロボットであるクララが病弱な英国の少女の友人として、その少女の母親にロンドンのAIロボット店で購入され、クララと仲良しのロボットとして成長していくさまが書かれている。そして、その少女が命の危機に陥った時、クララの体内にある潤滑剤が少女の命を救える薬剤として使えると知って、自殺を図ろうとすることを暗示する描写も出てくる。これはヒトとAIロボットの愛情物語ともいえる話である。
高校の生物の講義で、最初に、先生から生物とは何かという問いかけから始まった。当時、ウイルスが発見され、これは生物なのか単なる結晶物質なのかといった議論があり、中学校の教科書にも載っていた。従って、生徒たちの回答は、生物は細胞でできているがウイルスは例外だといった答えが多かった。しかし、生物とは、自己制御性があり、自分自身を再生できる何者かであるというのが現在の科学者の一般的な回答であろう。
この点からは、AIロボットはいまだに自分自身を再生する見通しは立っていない。即ち、鉄腕アトムなどと同様に生物ではないと定義できる。
しかしながら、AIロボットクララは自分がどのようにできており、なぜ生きて?いるのかーを熟知している。彼女は自分自身を説明でき、ある意味で自己制御性がある生物だともいえる。但し、自分自身を再生することはできない。
現代の生物の定義の半分は満たしているのがAIロボットの将来の姿なのだろう。感情を持つこともプラトニックラブも可能なのである。それを愛情と呼ぶかどうかは言葉の定義によるのかもしれない。
AIが将来の人類に対して脅威となるとすれば、奴隷のように言いなりに使えるのだが、人のためなら自殺もできるAIロボットというものをどのように教育していけるのか、誰も正解をもっていないことにある。即ち、教育問題や子育て問題というものへの何の合意がないままに、人と同じ感情を持つことも可能なAI開発を進めていくことへの漠然とした不安感にあるのだろう。
AIが専制君主になるとかヒトに復讐するといった政治的な脅威よりも、AIをどう育てていくべきのほうがよほど問題である。ヒトの教育問題すら正解がないのに、クララのような感情を持つAIロボットが広く買われるようになったら、どんな世界が展開するのか想像すら困難だが、そのような時代がやがてやってくるのかもしれない。
その時のために、AIとはなにか、ロボットはどこまでヒトの代替が可能なのか。修行して勉強すべき事柄ではある。
AIは感情を持つことができるのだろうか。長崎で幼少期を過ごしたノーベル賞作家カズオ イシグロ氏のSF小説「クララとお日さま」にはAIロボットであるクララが病弱な英国の少女の友人として、その少女の母親にロンドンのAIロボット店で購入され、クララと仲良しのロボットとして成長していくさまが書かれている。そして、その少女が命の危機に陥った時、クララの体内にある潤滑剤が少女の命を救える薬剤として使えると知って、自殺を図ろうとすることを暗示する描写も出てくる。これはヒトとAIロボットの愛情物語ともいえる話である。
高校の生物の講義で、最初に、先生から生物とは何かという問いかけから始まった。当時、ウイルスが発見され、これは生物なのか単なる結晶物質なのかといった議論があり、中学校の教科書にも載っていた。従って、生徒たちの回答は、生物は細胞でできているがウイルスは例外だといった答えが多かった。しかし、生物とは、自己制御性があり、自分自身を再生できる何者かであるというのが現在の科学者の一般的な回答であろう。
この点からは、AIロボットはいまだに自分自身を再生する見通しは立っていない。即ち、鉄腕アトムなどと同様に生物ではないと定義できる。
しかしながら、AIロボットクララは自分がどのようにできており、なぜ生きて?いるのかーを熟知している。彼女は自分自身を説明でき、ある意味で自己制御性がある生物だともいえる。但し、自分自身を再生することはできない。
現代の生物の定義の半分は満たしているのがAIロボットの将来の姿なのだろう。感情を持つこともプラトニックラブも可能なのである。それを愛情と呼ぶかどうかは言葉の定義によるのかもしれない。
AIが将来の人類に対して脅威となるとすれば、奴隷のように言いなりに使えるのだが、人のためなら自殺もできるAIロボットというものをどのように教育していけるのか、誰も正解をもっていないことにある。即ち、教育問題や子育て問題というものへの何の合意がないままに、人と同じ感情を持つことも可能なAI開発を進めていくことへの漠然とした不安感にあるのだろう。
AIが専制君主になるとかヒトに復讐するといった政治的な脅威よりも、AIをどう育てていくべきのほうがよほど問題である。ヒトの教育問題すら正解がないのに、クララのような感情を持つAIロボットが広く買われるようになったら、どんな世界が展開するのか想像すら困難だが、そのような時代がやがてやってくるのかもしれない。
その時のために、AIとはなにか、ロボットはどこまでヒトの代替が可能なのか。修行して勉強すべき事柄ではある。
積み木による名前の覚え方 ― 2025年08月22日 05:22
最近、新たな集合住宅に入り数人の知己を得たが個人名がどうしても覚えられない。仕方なく、紙に平面マップを作り名前を書いて覚えようとしたのだが、集合住宅だ。名前が平面上に重なってうまくいかない。
そこで、百均で売っている数センチ角の積み木を利用することにした。
100円で数十個の積み木を購入できる。それを組み合わせてマンション型とし、表面に出ている部分に居住者の名前を鉛筆で(修正できるように)書いたのである。
その十数個の積み木から構成されたブロックをネットの中に押し込み、壁からぶら下げて、日がな眺めているうちに、10人程度の顔見知りの名前が出てくるようになった。
立体模型なので、その人の居住位置と自分の部屋との相対関係が表示できる。パソコンの2次元画面とは異なる。(6月13日記事参照)そのため、頭で想像する以上に空間認識のなかでのその人=名前の関係が視覚化され、名前が出てくるようになったのではないかと思う。
これは都道府県の名前を思い出すときに、日本地図を思い浮かべれば、北から順に都道府県名が出てきやすいのと同じような原理だと思う。
各地に住んでいる知人の名前も同様にうまく覚えられるかどうか、2次元地図では小さくて印象も薄いので、今度百均で、視覚に訴える日本列島の立体模型のような適当なものがないか探してみたい。
そこで、百均で売っている数センチ角の積み木を利用することにした。
100円で数十個の積み木を購入できる。それを組み合わせてマンション型とし、表面に出ている部分に居住者の名前を鉛筆で(修正できるように)書いたのである。
その十数個の積み木から構成されたブロックをネットの中に押し込み、壁からぶら下げて、日がな眺めているうちに、10人程度の顔見知りの名前が出てくるようになった。
立体模型なので、その人の居住位置と自分の部屋との相対関係が表示できる。パソコンの2次元画面とは異なる。(6月13日記事参照)そのため、頭で想像する以上に空間認識のなかでのその人=名前の関係が視覚化され、名前が出てくるようになったのではないかと思う。
これは都道府県の名前を思い出すときに、日本地図を思い浮かべれば、北から順に都道府県名が出てきやすいのと同じような原理だと思う。
各地に住んでいる知人の名前も同様にうまく覚えられるかどうか、2次元地図では小さくて印象も薄いので、今度百均で、視覚に訴える日本列島の立体模型のような適当なものがないか探してみたい。
グリッパーの効能 ― 2025年08月20日 11:53
ヒトは2足歩行だが本来は4足歩行だったはずである。
即ち、手と足は深いところで連動しているはずだ。
そんなことは運動生理学では常識なのかもしれないが、気が付いたのはトイレの中である。取っ手を握りしめると下半身に力が入りやすいのである。
では、山などで最近よく使用されるストックはどうなのか。スキーのストックとスキーの回転操作は連動するのか。
これまでスキーの小回りであるウエーデルンやこぶのような凹凸斜面の回転ではストックを突くことが回転の起点として重要だと教えられてきたが、実はストックをグリップして、手を握りしめる動作のほうが足にスムーズに力を入れられるという意味で重要なのではないか。そこを忘れていたような気がする。
では、登山道でよく使われるストックのほうはどうなのか。これも実は同じなのではないか。登りでも下りでも、ストックが必要になるのは厳しい登り、下りの場面である。そこで体のバランスをとるには実は腕よりも脚にスムーズに力が入ることが重要である。
勿論、ストックによる補助的な安定感確保も有効だが、ほとんどの体重は脚に掛かっている。脚がポイントであることは同じだ。
では、ストック無しでこれらの脚へのスムーズな力点注力はできないだろうか。山の場合、ストックは狭い手を使うような下りでは周辺の灌木や脚に当たり邪魔になることもある。できればストックなしで歩きたい。
そこで、ストック代わりに掌で握りしめられるグリッパーは使えないだろうか。グリッパーといっても、握力訓練のためのばね付きグリッパーではなく、単なるストックの握り部分だけでよい。手に力を入れられるだけでよいのである。
グリッパーとして、手のひらサイズの丸棒に落下防止のための紐をつけた握り棒か軽い円柱形のプラボトルが良いだろう。
試しにプリンター用のインクボトルを空にして、両手で握ってみた。なんとなく脚にも力が入り、スムーズに階段の昇り降りができるような気になった。気のせいだろうか。
即ち、手と足は深いところで連動しているはずだ。
そんなことは運動生理学では常識なのかもしれないが、気が付いたのはトイレの中である。取っ手を握りしめると下半身に力が入りやすいのである。
では、山などで最近よく使用されるストックはどうなのか。スキーのストックとスキーの回転操作は連動するのか。
これまでスキーの小回りであるウエーデルンやこぶのような凹凸斜面の回転ではストックを突くことが回転の起点として重要だと教えられてきたが、実はストックをグリップして、手を握りしめる動作のほうが足にスムーズに力を入れられるという意味で重要なのではないか。そこを忘れていたような気がする。
では、登山道でよく使われるストックのほうはどうなのか。これも実は同じなのではないか。登りでも下りでも、ストックが必要になるのは厳しい登り、下りの場面である。そこで体のバランスをとるには実は腕よりも脚にスムーズに力が入ることが重要である。
勿論、ストックによる補助的な安定感確保も有効だが、ほとんどの体重は脚に掛かっている。脚がポイントであることは同じだ。
では、ストック無しでこれらの脚へのスムーズな力点注力はできないだろうか。山の場合、ストックは狭い手を使うような下りでは周辺の灌木や脚に当たり邪魔になることもある。できればストックなしで歩きたい。
そこで、ストック代わりに掌で握りしめられるグリッパーは使えないだろうか。グリッパーといっても、握力訓練のためのばね付きグリッパーではなく、単なるストックの握り部分だけでよい。手に力を入れられるだけでよいのである。
グリッパーとして、手のひらサイズの丸棒に落下防止のための紐をつけた握り棒か軽い円柱形のプラボトルが良いだろう。
試しにプリンター用のインクボトルを空にして、両手で握ってみた。なんとなく脚にも力が入り、スムーズに階段の昇り降りができるような気になった。気のせいだろうか。
ヒグマとの遭遇と対処法 ― 2025年08月14日 14:56
報道によれば知床羅臼岳の登山者がヒグマに襲われ行方不明だそうだ。
同行者の話しではオホーツク展望と呼ばれる岩尾別温泉から極楽平への登山路の途中で襲われたらしい。
筆者も1968年の夏に岩尾別温泉から羅臼岳に友人と登ったことがある。当時は単なる藪のなかの登山道で、オホーツク展望とか極楽平などといった洒落た名前はついていなかったはずだが、その時もクマの気配を感じた。風もないのに行く手の笹が動き、ざわめいたのである。そこで、大声を出して我々の所在を知らせた。地図で見るとその場所がちょうど現在のオホーツク展望の近辺だった。岩尾別温泉から30分ほど登ったところである。今回登山者を襲ったヒグマはあの時のヒグマの子孫がなのかもしれない。
今朝のNHKBSの知床連山登山番組を見ているとテント泊の登山者はキャンプ地で持参した食料は地元関係者が設置した特製の保管庫に隔離して入れることになっているらしい。食料を狙ってテントを襲うヒグマへの防護措置のようだ。
半世紀前には思いもつかないほどヒグマが人を恐れなくなった現状が分かる。最近の登山者は多量の食料を持っていることを当時のヒグマの子孫はこの数十年間で学習したらしい。当時は登山者も少なく、知床連山を縦走するには冬に雪山を山スキーを使ってで踏破する以外になかったが、今は途中まで夏道もできたので、ヒグマが人と遭遇する機会も圧倒的に増えたのだろう。
飢えたヒグマは登山者の食料のにおいを覚え、それがおいしく、容易に入手できることを知ったのである。叫んでも音を出しても平気で襲ってくるようになったのである。
ヒグマへの対処をどうすればよいのか。その後、何度か北海道に行く機会があり、いくつかの関連資料を読んだことがある。
その中で最も印象に残ったのは、ヒグマと3回闘ったことのある、山のプロの記事である。
彼の話では、人を襲うヒグマは、子づれの親クマ、突然人と遭遇したクマ、そして、人をからかってくる若いオスのクマの三種類だそうで、当時は、若いオスグマ以外はあえて人を襲うことはなかったそうだ。
しかし、現在では人の食料の味を覚えたのでどんなクマも人を恐れなくなっているのかもしれない。
かれのヒグマとの闘い方とは大声で脅すことでも、睨みあうことでもスプレーをかけることでも、まして死んだふりをすることでもない。
それは、鉈を持って、必死で相手と戦うことであるという。当時は登山者で鉈を持っているものは多かった。木を切って火をおこし、コメを炊くのが標準的なキャンプでの火の起こし方だったから、登山用品店では鉈を普通に売っていた。現在ではスイスアーミーナイフ程度しか刃物は扱っていないかもしれないが、当時は木の鞘に入った重い鉈が手ごろな価格で手に入ったのである。
確かに鉈ならば、クマとの格闘でうまく相手の鼻を狙えば一撃で相手の戦意を喪失できるだろう。その山のプロはそうやって北海道の山でのヒグマとの遭遇に対処して生き延びてきたのだった。
現在、鉈は登山用品店にはないだろうが、通販などで入手できるようだ。街場で裸で持ち歩いていると捕まるかもしれないが、単独で山に入るときには護身用にザックの深くに忍ばせておくのもありかもしれない。
街場や公共交通機関での鉈の持ち歩きが問題なら、小型のピッケルやアイスバイルなども候補になるかもしれない。
開発と地球温暖化が進み、クマとの棲み分けが不可能になった現在、多少のリスクがあってもこのような護身の手段を真剣に検討しなければならない時代になった。クマにもヒトにも厳しい時代ではある。
同行者の話しではオホーツク展望と呼ばれる岩尾別温泉から極楽平への登山路の途中で襲われたらしい。
筆者も1968年の夏に岩尾別温泉から羅臼岳に友人と登ったことがある。当時は単なる藪のなかの登山道で、オホーツク展望とか極楽平などといった洒落た名前はついていなかったはずだが、その時もクマの気配を感じた。風もないのに行く手の笹が動き、ざわめいたのである。そこで、大声を出して我々の所在を知らせた。地図で見るとその場所がちょうど現在のオホーツク展望の近辺だった。岩尾別温泉から30分ほど登ったところである。今回登山者を襲ったヒグマはあの時のヒグマの子孫がなのかもしれない。
今朝のNHKBSの知床連山登山番組を見ているとテント泊の登山者はキャンプ地で持参した食料は地元関係者が設置した特製の保管庫に隔離して入れることになっているらしい。食料を狙ってテントを襲うヒグマへの防護措置のようだ。
半世紀前には思いもつかないほどヒグマが人を恐れなくなった現状が分かる。最近の登山者は多量の食料を持っていることを当時のヒグマの子孫はこの数十年間で学習したらしい。当時は登山者も少なく、知床連山を縦走するには冬に雪山を山スキーを使ってで踏破する以外になかったが、今は途中まで夏道もできたので、ヒグマが人と遭遇する機会も圧倒的に増えたのだろう。
飢えたヒグマは登山者の食料のにおいを覚え、それがおいしく、容易に入手できることを知ったのである。叫んでも音を出しても平気で襲ってくるようになったのである。
ヒグマへの対処をどうすればよいのか。その後、何度か北海道に行く機会があり、いくつかの関連資料を読んだことがある。
その中で最も印象に残ったのは、ヒグマと3回闘ったことのある、山のプロの記事である。
彼の話では、人を襲うヒグマは、子づれの親クマ、突然人と遭遇したクマ、そして、人をからかってくる若いオスのクマの三種類だそうで、当時は、若いオスグマ以外はあえて人を襲うことはなかったそうだ。
しかし、現在では人の食料の味を覚えたのでどんなクマも人を恐れなくなっているのかもしれない。
かれのヒグマとの闘い方とは大声で脅すことでも、睨みあうことでもスプレーをかけることでも、まして死んだふりをすることでもない。
それは、鉈を持って、必死で相手と戦うことであるという。当時は登山者で鉈を持っているものは多かった。木を切って火をおこし、コメを炊くのが標準的なキャンプでの火の起こし方だったから、登山用品店では鉈を普通に売っていた。現在ではスイスアーミーナイフ程度しか刃物は扱っていないかもしれないが、当時は木の鞘に入った重い鉈が手ごろな価格で手に入ったのである。
確かに鉈ならば、クマとの格闘でうまく相手の鼻を狙えば一撃で相手の戦意を喪失できるだろう。その山のプロはそうやって北海道の山でのヒグマとの遭遇に対処して生き延びてきたのだった。
現在、鉈は登山用品店にはないだろうが、通販などで入手できるようだ。街場で裸で持ち歩いていると捕まるかもしれないが、単独で山に入るときには護身用にザックの深くに忍ばせておくのもありかもしれない。
街場や公共交通機関での鉈の持ち歩きが問題なら、小型のピッケルやアイスバイルなども候補になるかもしれない。
開発と地球温暖化が進み、クマとの棲み分けが不可能になった現在、多少のリスクがあってもこのような護身の手段を真剣に検討しなければならない時代になった。クマにもヒトにも厳しい時代ではある。
ボケ防止用左脳の働かせ方案 ― 2025年08月04日 07:05
最近、物忘れがひどい。特に固有名詞が出てこない。
その状況を顧みるに、何らかの継続運動をしたり、あることを考えすぎた後にだれか、どこかの固有名詞を思い出そうとしたときに出なくなるようだ。
頭脳構造配置図をみると、視覚野や運動野が左右対称なのに、言語野は左側に偏っている。即ち、左脳を活性化するのが言語機能の活性につながるはずだ。
ーと思って、ニュースを聞いていた片耳用のイヤホンを、左側から、右側に移してみた。
その直後に思い出せなかった知人の名前が次々に出てきたのである。
これは偶然なのか気のせいなのかよくわからないが、例数1の実験事実である。
裏付けは右脳、左脳の機能分担データ程度であるが、今後は固有名詞が出てこなかったら、左耳をふさぎ、右耳に感覚を集中させようと思う。
試験に強いという人の例を見ても、家族のいる居間で勉強しているほうが頭に入るという話もある。適度な言語環境が左脳を活性化させ、言語記憶機能を増強させるのかもしれない。学科試験とは殆どが何らかの言語で行われるのだから。数学もITもある種の言語ではある。
その状況を顧みるに、何らかの継続運動をしたり、あることを考えすぎた後にだれか、どこかの固有名詞を思い出そうとしたときに出なくなるようだ。
頭脳構造配置図をみると、視覚野や運動野が左右対称なのに、言語野は左側に偏っている。即ち、左脳を活性化するのが言語機能の活性につながるはずだ。
ーと思って、ニュースを聞いていた片耳用のイヤホンを、左側から、右側に移してみた。
その直後に思い出せなかった知人の名前が次々に出てきたのである。
これは偶然なのか気のせいなのかよくわからないが、例数1の実験事実である。
裏付けは右脳、左脳の機能分担データ程度であるが、今後は固有名詞が出てこなかったら、左耳をふさぎ、右耳に感覚を集中させようと思う。
試験に強いという人の例を見ても、家族のいる居間で勉強しているほうが頭に入るという話もある。適度な言語環境が左脳を活性化させ、言語記憶機能を増強させるのかもしれない。学科試験とは殆どが何らかの言語で行われるのだから。数学もITもある種の言語ではある。
発がんリスクに関する長崎原爆と太陽フレアの微妙な関連 ― 2025年07月09日 07:02
長崎被ばく者の発がんリスクは広島被爆者の発がんリスクに比べ同一線量で2倍程度大きいことは1月27日の記事で書いたが、その理由は線量評価だけだろうか。
細胞内の分子は高速で移動している。二河成男「生命分子と細胞の科学」(放送大学出版会)p.173によればグルコースのような小さな分子では1ミリ秒で1μメートルは移動する。
一方、放射線を受けたDNAはP53などの細胞のがん化を防ぐ腫瘍抑制タンパク質により修復される。この修復速度が被ばくした線量率よりも十分早ければがん化は防ぐことができる。
従って、線量が同一でも線量率次第でがん化が生じたり、生じなかったりすることになる。
残念ながら、現在の国際放射線委員会(ICRP)或いは我が国をはじめ多くの規制基準には殆ど線量率に関わる基準はない。低線量なら許容値を2倍にするといった程度である。
しかし、太陽フレアという瞬時被ばく現象がある。これが、米国航空業界のCAのがん発症率を一般人女性の3倍程度に上げているという説がある。(本ブログ2月22日記事参照)
地上に暮らす一般人は太陽フレアの高エネルギーX線を殆ど受けないが、1万メートル以上の航空機に滞在するCAは太陽フレア被ばくを受ける機会が一般人の3倍以上はあるということで説明がつく現象である。
今年は太陽フレアの頻発年であるので、海外旅行ではそのリスクは増加することになる。太陽フレアX線は瞬間的な被ばくなので、時間線量は十分小さいが、線量率は大きい。しかし、残念ながらその正確な測定値は公表されてはいないようだ。
これらの事象を総合して考察すると、長崎の原爆では広島よりも時間線量率が2倍程度大きかった可能性がある。即ち、爆発時間が半分程度に短かったのである。これならば、TNT換算値に線量は比例しても線量率は倍になるので、がん発症率は高くなり、長崎被ばく者のがん発症リスクが、広島被爆者よりも大きい理由付けができる。
広島の放射線影響研究所の報告には、両原爆共に爆発時間は1μ秒以下と書かれているだけで、正確な値は公開されていない。これが発がんリスクに大きく影響することは明らかになってきているのにその最重要データすら軍事機密の闇の中である。
これは、原爆では爆縮した後に中性子発生装置が起動するのであるが
そのメカニズムが微妙すぎるので秘匿されているのだろうとは想像できる。長崎原爆は爆縮機構がついていたが、確実に爆発させるために中性子発生装置の強度が広島よりも強く、瞬間的に爆発した可能性もある。しかし、広島、長崎の時間線量率の区別ができなかった結果、ICRPの基準では線量率が無視されて総被ばく線量だげが発がんリスクのパラメータになってしまった。そして、太陽フレアのような瞬時被ばくだが、線量は小さく測定に掛からないような事象での発がんは見逃されるという状況が現存している。そして、福島のような低線量率長時間被ばくだけが問題にされているのである。
原爆の被ばくも高空での太陽フレア被ばくもX線撮影被ばくも人類が20世紀まで経験もしたことのない高線量率被ばくである。そのような人類が免疫機構を得ていない被ばく形態ではがんリスクも高まることは容易に想像できる。
しかし、インドのケララ地方のように、低線量率だが年間被ばく量が高い地域での発がん率が本当に低いのかといった議論だけが注目されている。
もしかするとX線検査のような高線量率短時間被ばくのほうがCTのような低線量率長時間被ばくよりも発がんリスクは高いのかもしれないが、医療被ばくの評価も結局はICRP基準に基づいており、時間積分線量のみで発がんリスクが議論されているのが悲しい現状である。
これらの議論をはっきり決着させるためにも、トランプは米軍に命令して、TNT換算値だけでなく、両原爆の爆発時間、即ち時間線量率の正確な値も日本側に知らせるべきである。
トランプが広島・長崎の原爆を肯定する発言をするならば、日本政府にはこの要求をする権利と義務があると思う。
細胞内の分子は高速で移動している。二河成男「生命分子と細胞の科学」(放送大学出版会)p.173によればグルコースのような小さな分子では1ミリ秒で1μメートルは移動する。
一方、放射線を受けたDNAはP53などの細胞のがん化を防ぐ腫瘍抑制タンパク質により修復される。この修復速度が被ばくした線量率よりも十分早ければがん化は防ぐことができる。
従って、線量が同一でも線量率次第でがん化が生じたり、生じなかったりすることになる。
残念ながら、現在の国際放射線委員会(ICRP)或いは我が国をはじめ多くの規制基準には殆ど線量率に関わる基準はない。低線量なら許容値を2倍にするといった程度である。
しかし、太陽フレアという瞬時被ばく現象がある。これが、米国航空業界のCAのがん発症率を一般人女性の3倍程度に上げているという説がある。(本ブログ2月22日記事参照)
地上に暮らす一般人は太陽フレアの高エネルギーX線を殆ど受けないが、1万メートル以上の航空機に滞在するCAは太陽フレア被ばくを受ける機会が一般人の3倍以上はあるということで説明がつく現象である。
今年は太陽フレアの頻発年であるので、海外旅行ではそのリスクは増加することになる。太陽フレアX線は瞬間的な被ばくなので、時間線量は十分小さいが、線量率は大きい。しかし、残念ながらその正確な測定値は公表されてはいないようだ。
これらの事象を総合して考察すると、長崎の原爆では広島よりも時間線量率が2倍程度大きかった可能性がある。即ち、爆発時間が半分程度に短かったのである。これならば、TNT換算値に線量は比例しても線量率は倍になるので、がん発症率は高くなり、長崎被ばく者のがん発症リスクが、広島被爆者よりも大きい理由付けができる。
広島の放射線影響研究所の報告には、両原爆共に爆発時間は1μ秒以下と書かれているだけで、正確な値は公開されていない。これが発がんリスクに大きく影響することは明らかになってきているのにその最重要データすら軍事機密の闇の中である。
これは、原爆では爆縮した後に中性子発生装置が起動するのであるが
そのメカニズムが微妙すぎるので秘匿されているのだろうとは想像できる。長崎原爆は爆縮機構がついていたが、確実に爆発させるために中性子発生装置の強度が広島よりも強く、瞬間的に爆発した可能性もある。しかし、広島、長崎の時間線量率の区別ができなかった結果、ICRPの基準では線量率が無視されて総被ばく線量だげが発がんリスクのパラメータになってしまった。そして、太陽フレアのような瞬時被ばくだが、線量は小さく測定に掛からないような事象での発がんは見逃されるという状況が現存している。そして、福島のような低線量率長時間被ばくだけが問題にされているのである。
原爆の被ばくも高空での太陽フレア被ばくもX線撮影被ばくも人類が20世紀まで経験もしたことのない高線量率被ばくである。そのような人類が免疫機構を得ていない被ばく形態ではがんリスクも高まることは容易に想像できる。
しかし、インドのケララ地方のように、低線量率だが年間被ばく量が高い地域での発がん率が本当に低いのかといった議論だけが注目されている。
もしかするとX線検査のような高線量率短時間被ばくのほうがCTのような低線量率長時間被ばくよりも発がんリスクは高いのかもしれないが、医療被ばくの評価も結局はICRP基準に基づいており、時間積分線量のみで発がんリスクが議論されているのが悲しい現状である。
これらの議論をはっきり決着させるためにも、トランプは米軍に命令して、TNT換算値だけでなく、両原爆の爆発時間、即ち時間線量率の正確な値も日本側に知らせるべきである。
トランプが広島・長崎の原爆を肯定する発言をするならば、日本政府にはこの要求をする権利と義務があると思う。
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