シンプソンのパラドックスとがんパラドックスの関係性2023年09月27日 09:21

統計論ではシンプソンのパラドックスというものがあるそうで、
治療法          方式A               方式B
効 果   なし   あり   あり割合   なし    あり   あり割合
女      3     37    0.925      1    19     0.950
男      8    12    0.600      12    28     0.700
合 計   11   49     0.817     13     47     0.783

の表で女性、男性とも方式Bが方式Aより優れているが
女性と男性の合計で見れば方式Aのほうが方式Bより優れているということになる。
出典)https://www.krsk-phs.com/entry/simpsonparadox

この解釈はいろいろあるそうだが、仮にY染色体上のDNAに治療Aの治療法が作用し、方式BがX染色体上のDNAに作用していると考えれば、Y染色体を男性より2倍持つ女性がより恩恵を受けるため、上記の結果になっても不思議ではない。

 特性の異なる女と男を合計すること自体が無意味なのである。

これと同じかどうかはわからないが、がんパラドックスというものもありうる。

これは、1ミリシーベルト以上でがん発生リスクがあるという法律の下、放射線を恐れながら、1000ミリシーベルト以上の放射線の被ばくでがん治療を受けるというパラドックスのことである。

このパラドックスの元は、国際放射線防護委員会(ICRP)の決めた放射線防護基準に各国が従っているためである。ICRPは広島・長崎の原爆生存者のがん発生率が、被ばく線量で300ミリシーベルト~4000ミリシーベルトの範囲で、1000ミリシーベルト当たり30%程度増加することを根拠に被ばくが数ミリシーベルトでもリスクがあるとして、1ミリシーベルトの基準を設定した。

しかし、原爆による放射線は爆発時間1ミリ秒以内で受ける放射線量である。

一方、がん治療では10時間程度(36000秒程度)で最大60000ミリシーベルトの放射線を照射する。即ち、時間当たりの線量率は、1.7ミリシーベルト/秒となる。広島・長崎被ばく者では最小でも時間当たりの線量率は、300000ミリシーベルト/秒である。

この時間当たりの線量率の差ががん発生を生じるかどうかの違いなのである。人類は太古から放射線を浴びてきたが、その結果、数ミリシーベルト/秒程度の線量率に対してはがん発生に対する免疫機能を持つようになった。しかし、原爆のような時間線量率が高い被ばくは人類の歴史にはなかったことである。したがって、300ミリシーベルト程度の被ばくでもがん発生を生じたのである。この時間線量率の両者の大きな差を無視して、ICRPは被ばく基準を原爆被ばく者のがん発生データを根拠として設定した。

これが、このパラドックスの原因である。

このICRP基準は必ずしも安全側ではない。時間線量率を無視しているがゆえに、近年増えている航空機利用での高空での被ばく、特に、太陽フレアの発生時の瞬間高エネルギX線被ばくによるがん発生を防ぐことができない。成田とニューヨークの往復飛行で被ばくする線量は平均0.2ミリシーベルトであったとしても、太陽フレア発生(これは太陽表面での異常核融合爆発に由来する)時には原爆と同様の瞬間的な高線量率被ばくを受ける。これが米国で報告されているCAの異常な乳がん発生率の増加の原因と考えられる。

出典)https://www.arpansa.gov.au/cancer-prevalence-among-flight-attendants-compared-general-population

2025年はこの太陽フレアの頻発期となっている。早めに基準の見直しをすべきであろう。

補足)がんが放射線治療で治る理由は、がん細胞が正常細胞より放射線に弱いためである。がん細胞はがん抑制遺伝子がなくなっている異常な細胞であるが、その結果、細胞の増殖周期が正常細胞より数ケタ大きい。即ち、細胞分裂の頻度が高い。細胞分裂時には核内のDNAが安定な2重らせん構造がほぐれる必要があるので、一重らせんになる。この一重らせん状態の時間が長いのでがん細胞は放射線により簡単に損傷を受け、がんが消滅することになる。一方、正常細胞はがん抑制遺伝子が機能するので、がん化が抑制される。この組み合わせにより、がん治療の適切な照射条件が決まる。

太陽フレアの本当の怖さ2023年08月23日 03:50

江戸川区のサイト
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e007/bosaianzen/bosai/oshirase/taiyou-furea.html
によれば、地球への影響は、

携帯電話やテレビなどの放送が視聴不可
カーナビゲーションシステムの機能不全
電力設備で誤作動が起き、広域停電の発生
等とされている。

 しかし、図をよく見れば、太陽フレア発生後8分後にX線や電磁波が最初に地球に到達することが分かる。これはインパルシブ相と呼ばれ、光と同じ速度で到達するので、事前の予測ができなければ、その被ばくは防ぎようがない。

 現在、宇宙天気予報などと騒がれてはいるが、太陽フレアの発生頻度が11年周期であることなどが分かっているだけで、正確な発生日時が予測できないのは台風の発生日時が事前よそくできないのと同じである。即ち、現在の宇宙天気予報では、太陽フレアを地球で観測した後の放射線による影響の身を対象としてその影響が予報できるだけである。

 (この図の放射線は、陽子や中性子などの素粒子、プラズマは荷電粒子や電子と称している。これらは、電磁波よりも遅れて地球に到達する。即ちX線や電磁波は光の速度で到達するので、その発生は、発生日時の正確な事前予測ができなければ、X線の被ばくは防ぐことが不可能である。)

 特に上空にいるヒトは、地球大気による遮へい効果の恩恵を受けられないので、X線をもろに被ばくすることになる。

 天文学事典 図8-17によれば、このX線は硬X線(高エネルギーX線)なので、上空のヒト(飛行中の旅行者、パイロット、CA等)はかなりの被ばくを受ける。

 パイロットは太陽フレア発生時に飛行していたことが分かると、所謂勤務調整を受けるので、年間平均被ばく量はそれほど増加しない。問題は頻回旅行者やCAである。米国ではCAの乳がん発生率が一般人の1.5倍であることが報告されている。

https://www.arpansa.gov.au/cancer-prevalence-among-flight-attendants-compared-general-population

 このインパルシブ相は太陽における核融合爆発から発生する高エネルギーX線被ばくであり、広島・長崎の原爆爆発によるガンマ線被ばくと同じものである。(ガンマ線は核分裂生成物から発生する高エネルギー電磁波、X線も高エネルギー電磁波であることに留意)

 2025年は平均年数回発生する太陽フレアの頻度増加の次回ピーク年に当たる。広島・長崎の被ばく者のがん発生増加が観察されているように、今後も頻回飛行機旅行者やCAにおけるがん発生の増加がみられるだろう。

 インド南西部やブラジルの一部などの地上での「年間」線量は、事故後の福島東部の「年間」線量よりも一桁高いが、がん発生率は世界平均を下回っている。
 一方、「単位時間線量率」(1秒あたりの被ばく線量率)は、太陽フレア発生時にCAが受ける「単位時間線量率」の約5桁程度下であると見積もれる。広島・長崎の被ばく者が受けた「最大単位時間線量率」もCAが太陽フレア発生直後に受ける「最大単位時間線量率」と同程度であると考えられる。

 アルコールの一気飲みの害と年間アルコール摂取の害(量に依っては益)を一緒にすることは大きな誤解を生むが、どのマスコミも政府(放射線安全規制検討会等)も国際放射線防護委員会(ICRP)もきちんとその差を認識していない。これは免疫学の知識の不足によるものではないだろうか。

精神崩壊と神経崩壊2023年08月20日 09:00

 小倉智昭氏の闘病ニュースを読んで思った。三途の川はあるとのことだが、私もいろいろ思い当たることがある。それはともかく、最近は神経が崩壊しているのではないかと思えてきた。一月前は右目が突然半分見えなくなり、眼科に行ったらこれは内臓を治すしかないと言われた。最近は、右手がつって時々中指に痛みが出る。これはマウスが手にあっていないということなので古いマウスに戻してみたが、すぐに効果が現れるとも限らない。神経系がやられているのだろう。

 こんなことを思い悩むのは神経崩壊というより精神崩壊に近いのかもしれない。精神神経科というクリニックもあるのだからそのうち訪ねてみよう。ただその前に合法的なドラッグである美味しいワインと吟醸酒を嗜んでみたい。最近、信州ワインと手ごろな浦霞も手に入れた。この組み合わせでこれらの崩壊が防げるならば安いものだ。
 (実は前回の血液検査で肝臓の数値が30年ぶりにすべて正常に戻ったのでついアルコール飲料に気が緩んでしまったわけです。)

 それにしても、ヒトの体は神経系統も含め不可思議なものだ。ハトのように直感に従って生きれば良いのかもしれない。
 
 しかし、一昨日、散歩していたら、ハトが熱いアスファルトの道の上で身動きせず横たわっていた。この暑さでハトも神経系統がやられているのかもしれない。
 彼らにクーラーはないし、水辺で泳ぐというようなこともできないだろう。
 地下鉄構内に巣作りするツバメを保護しなければならないように、都会のハトも温暖化に対する保護が必要になるのかもしれない。

高度を下げれば太陽フレア被ばくリスクは避けられるのか?2023年08月18日 04:42

https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021-08/20210902-yamashiki-775a07a81c9971d9973e87661b5ba0a1.pdf
によれば、航空機の巡航高度を現在の12キロメートルから9キロメートルにさげることで、太陽フレアによる危険な線量率(80μSv/h)の被ばくを避けられるらしい。

 しかし、問題はこの線量率の設定である。これは過去の巨大な太陽フレア発生時の「地表レベル」での線量率から評価したものである。

 一方、天文学事典図8-17では、太陽フレア発生時の詳細な観測結果として、インパルシブ相と称するフレア爆発の初期において、硬X線(高エネルギーX線)の1分程度の幅のピークがみられる。この線量率変化は秒速で変化する大きな値である。この初期ピークにおける線量率変化が上記80μSv/h(80μSv/時間)の制限では考慮されていない。これは、単位時間幅が3600倍(時間と秒の比)も異なることから明らかである。

 X線は大気層で3桁以上の減衰を受ける。

 上空ではこの硬X線のインパルシブ相における高線量率被ばくが地表の数千倍になり得る。これが、CA等の乳がん発症の主要因ではないかと考えられる。

 上記論文に関しては、この効果も含めて基準を見直してもらいたい。高度12キロから3キロ下がった程度では、空気によるX線遮へい効果には大差はないのである。

哺乳類の性の数は最大いくつか?2023年08月17日 09:07

 CNN報道によれば、レバノン政府が映画「バービー」について、同性愛を助長し国家の価値観に反するとして、映画館での上映を禁止したらしい。
 このような動きは、ヒトの性が男と女だけだという先入観や宗教観のよるものだと思う。

 二河成男「生物の進化と多様化の科学」(放送大学出版会)p.232によれば、遺伝的に性がきまるとされている哺乳類や昆虫でも、XY、YY染色体以外に様々な性染色体の組み合わせが発現するそうである。
 また、ある種の魚では6種類の性が環境に合わせて発現し、最適な増殖条件になるように自動調整されるらしい。

 ホモサピエンスがこれら生物進化の頂点にあるとするならば、これらの性変化におけるDNAの記憶はどこかに保存されているはずである。
 その候補は、通常の細胞核内の染色体ではなく、単性生殖の名残ともいえるミトコンドリア内のDNAによるものではないだろうか。即ち、精子と関係なく、女系遺伝で伝わるDNAが性染色体の発現のコントロールをしていると想定すれば、ヒトであってもXY、YY染色体の組み合わせで決まるといわれている性染色体内部のDNAに典型的な男、女以外の性をしている可能性は否定できないであろう。これらの染色体内のDNAを調査することで、今の男、女という性区分以外の性の多様性がDNAレベルで明らかになる日も遠くはないだろう。

 魚でも6種の性を持つ種が見つかっているのだから、ヒトの性は少なくとも6種はあるはずだ。この数は、偶然にもGLBTに符合している。

放射線によるヒト細胞の新陳代謝活性化条件2023年08月15日 05:18

 ある大学OB会誌に紹介されていた下記論文にはある意味で驚くべき結果が示されている。

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0199117

この論文での結果には、
「低線量 によって引き起こされる遺伝子発現の変化を調べるために、0.1 Gy の X 線に曝露し、その後 24 時間培養したヒトの U937 細胞のマイクロアレイ分析を実施した結果、試験管内のU937細胞におけるCARD9、HIST1H2BH、およびmir4497遺伝子の発現が増加(1.8倍以上の変化)する一方、減少を示す遺伝子は存在しなかった。」
と記載されている。
これらのヒト遺伝子(CARD9、HIST1H2BH、およびmir4497遺伝子)がタンパク質活性化に関わるものだそうで、新陳代謝の活性化のためのものである。

 この0.1Gy(100mGy)という放射線量は、一般人のガンマ線被ばく制限規制値1mSv/年の100倍、福島立ち入り制限地区設定値の20mSv/年の5倍である。
 (Gy値とSv値はガンマ線、X線では同じ値となる。ガンマ線は放射性物質からの放射線、X線は加速器などからの放射線であるが同じ電磁波である。)
即ち、一般人制限値の100倍被ばくしたほうが新陳代謝は活性化するということになる。

 この論文での照射した時間条件など詳細は不明だが、1年はかけていないだろう。即ち、がん治療などと同様の数時間程度の短時間照射による結果である。

 一方、福島など現規制値の元となっているICRP(国際放射線防護委員会)の基準値は、広島・長崎の原爆被ばく者の健康データから設定しているが、低線量領域(200mGy以下)での放射線影響は明確になっておらず、300mGy以上の高線量被ばく者データを単に0に外挿した値を用いているに過ぎない。

 原爆でのガンマ線照射時間は1ミリ秒以下の瞬間被ばくである。このような瞬間被ばくでの影響と数時間又は1年間のゆっくりした被ばくを同一視して設定していることに大きな問題がある。

 上記論文の研究者には被ばく時間を数秒レベルにした場合での影響の検討もしてもらいたいものである。

 なお、8月8日午後のTBSーBSの放送で「原爆直後に広島に入ったKGBの職員が放射線障害で死んだ旨ロシアの歴史学者がコメントした」そうだが、2022年8月9日 18時10分の朝日新聞デジタルの記事では、「最初にソ連のスパイ2人が広島、長崎に入ったのは1945年8月16、17日だ。日本の敗戦が発表された翌日で、原爆を投下した米国の調査団よりはるかに早い時期だった。
 うち1人は被爆地で残留放射線を浴びたためか、急死した。2人は報告書を当時のソ連の最高指導者スターリンらに上げたとされるが、現在は所在不明だ。」
 となっていて、死亡原因は不明である。おまけに他の一人は死んではいなかったということになる。
 このようにTBSは事実誤認したらしい歴史学者のコメントで、放射線影響の誤報を行ったのではないだろうか。朝日ですら正確に記載しているのに。
 これも瞬間被ばくと長時間被ばくの影響を混同しているためだろう。彼らはアルコールの一気飲みと通常の飲酒の影響の区別も同様につかないのかもしれない。

スマホ充電器によるバネ指症状発生疑惑2023年08月12日 19:08

 先日、長時間車を運転した際、突然右手の中指に痛みを感じ、指が硬直した状態になった。その後、帰宅した翌日も運転した途端に同じ個所が痛み出し、バネ指のような症状で、関節から音が出るとともに勝手に曲がったり、伸びたりした。

 それから三日後、同じ車を運転して、直ぐに同じ症状がでた。

 その時、気が付いたのである。この車のハンドルの右側に、スマホホルダーを兼ねた非接触型スマホ充電装置があり、電源が入れっぱなしであったこと、それが、右手から5㎝程度の距離に配置されていることをである。このスマホ充電装置からの電磁波が、右手中指の間接に作用し、痛みと誤動作の原因になったに違いない。

 そこで早速電源を切り、充電装置から電磁波がでないようにした。そしたら、右手中指の違和感が消えたのである。

 最初に右手中指の不調に気が付いたときは、前夜飲みすぎていたので、昔飲みすぎ後に感じたように中風気味になったのだろうと思い込んでいた。そして、酒を多少は控えようかなとも考えていたのである。

 しかし、スマホ充電装置の電源を切ったとたんに中指の不調が消えたのである。これは酒の影響も多少はあったのかもしれないが、主犯はスマホ充電装置からの電磁波だろう。

 いつもはスマホフォルダーとして、スマホを充電装置と右手の間に配置しているが、最初に痛みを感じたときも、今日もスマホはポケットにしまい込んだままで、電磁波をもろに右手の甲で受けていたのである。

 イージス艦は電磁波を発車する時にはアンテナの前から人員を排除するそうである。非接触型充電装置も人体を近づけると何らかの影響があるということである。もろに充電装置からの電磁波を受けないよう、注意が必要である。

 ヒトが最初に非接触型充電装置と接触したのは約10年前からであろう。まだまだこのような強力な電磁波に免疫は獲得していない。ある程度免疫を獲得している電離放射線よりも強力な電磁波のほうが注意が必要だ。

何故タレントの自死が後を絶たないのか?2023年07月13日 20:21

 また、有名タレントが自死をされたようだ。

 確率は一般人よりも数桁高いように思える。(勿論統計を取ったわけではないが、感覚的に非常に高いように思う。)

 その原因は3つあると思う。

 一つはいうまでもなく、心理的なストレスが強いことである。
如何にストレスが常態化している人気商売であれ、現在のSNSなどによる様々な個人攻撃は、昔の映画俳優など、一般人と別世界に生きていた芸能人とは大きく異なる。

 結局真面目にそのような攻撃を受け取るような性格の芸能人は心理的に折れるのであろう。

 しかし、他の要因の方が強いと思う。その問題は二つある。

 一つは、栄養不足である。テレビ映りを良くしようとして、基本的には痩せようとする。その痩せ方に栄養管理士がついていればバランスの良い食事をとれるのだろうが、個人商店ではそのような話は聞かない。自己流の栄養管理で痩せることで、特に非鉄金属の摂取量が少なくなる。これは、雑食をしないと取れない成分である。特に亜鉛はきれいな食事をしていては摂れないので、忙しいタレントには摂取困難なことも多い。亜鉛が不足すると人によっては、前頭葉の働きが低下し、合理的な思考ができなくなる。

 二つ目は、放送局の電磁波の強さの影響である。これも個人差が大きいが、敏感な体質の人は、放送局の大電力電子機器の発する電磁波で自律神経がやられる可能性がある。自律神経とは、結局のところ神経系の電気信号伝達に依存している。それが、ヒトに依っては外部電磁波の影響を受けて調子がくるってくるのである。

 これらの様々な外部要因が有名タレントの忙しさに加えて大きなストレスとなり、正常なヒトとしての判断を間違えさせることになる。

 結局は、大都会を離れ、慣れ親しんだ地元でゆっくり休養すべきだったのである。
そう判断できるだけの余裕もないのがマスメディアのなかで生きるタレントの真の問題なのかもしれない。

CAの乳がん発生と広島・長崎被ばく者の固形がん発生データとの相関関係2023年07月07日 09:56

 米国のCAにおけるがん発生率が一般人より1.5倍大きいとの調査報告がある。(6月11日付ブログ)

https://www.arpansa.gov.au/cancer-prevalence-among-flight-attendants-compared-general-population

 一方、広島・長崎被ばく者の固形がん発生率の女性/男性比が1.8倍であるとの研究結果が広島の放射線影響研究所(RERF)から出されている。

https://bioone.org/journals/radiation-research/volume-187/issue-5/RR14492.1/Solid-Cancer-Incidence-among-the-Life-Span-Study-of-Atomic/10.1667/RR14492.1.full
(Table5)

しかもこの女性/男性比は被ばく時の年齢が10歳上がるにつれ約20%ずつ低下するとのことである。

これらの検討結果を説明できる仮説として、以下を提示したい。

それは、両方とも瞬時被ばくによる乳がんの発生が大きく寄与しているという点である。

原爆は言うまでもなく瞬時(爆発時間は約1ミリ秒)被ばくである。黒い雨による被ばくは被ばく量に殆ど影響しないと報告されている。
一方、CAの高空での被ばくで問題になるのは、年数回発生する太陽フレアによる被ばくである。これも太陽表面での異常な核融合爆発による瞬間的な被ばくである。

RERFでは、がん発生部位まで含めた詳細な調査を進めているようだが、被ばく女性が乳がん発症率が多いのは把握されているようだ。

いずれも瞬時被ばくによるがん発生であり、長期被ばくによるものではない。
現在のICRPやIAEA、各国の被ばく基準が、瞬時被ばくと年間被ばくを区別しないで設定していることに福島汚染水放出問題の根本的な原因があるのである。
 即ち、長期被ばくでは人体のがん免疫機能により問題がない被ばく線量であっても、瞬時被ばくでは同じ被ばく線量でもがんの原因になる可能性が出てくるのである。

 コロナウイルスも高濃度で大量のウイルスに暴露されれば罹患するが、同じ量を一年に亘り低濃度で暴露されても罹患しないのと似ているということである。これを混同して合計量だけで基準を決めているのが世界的な統一基準になってICRP基準なのである。

最も怖い天災2023年06月19日 11:24

先ごろ、地震が滅多に起こらないと思われていたフランスでM5級の地震が起こり、多くの家が倒壊したとのニュースがあった。

 地球はどこでもなんでも起こりうるということだろう。

 地震雷火事親父とはよく言ったものである。現代の親父はプーチン大統領ではないだろうか。勝手に怒って多くの市民と財産を犠牲にしている。

 ここでは、それとは関係のないもっと怖い天災としての小天体の地球への衝突を考えてみる。

 年間10個程度は地球に隕石が落ちてきているらしい。その中には、数年前にシベリアに落ちた100kgレベルの隕石もあるし、恐竜をほぼ絶滅させたという巨大隕石もある。

 NASA等はそのような事態を検知するため、観測を続けているが、実際に小天体が衝突すると予測された場合、どのようなシナリオがありうるだろうか。

 小天体といっても大きさも重さも発生源もさまざまである。大部分は大気との摩擦でもえてしまうのだが、地表まで到達するものも確率的にはそれなりにあるので隕石が見つかるということになる。

 従って、対応シナリオといっても、どのようなサイズのものがいつ頃落ちてくるのかを分類して議論するべきだろう。

 やはり、恐竜を絶滅させたような巨大隕石が予想された場合が、最悪シナリオである。
 地球はしばらくは全面核戦争以上の運動エネルギーを受けた結果、高温状態になり、大気も殆ど失われることになる。地上にいても、地下であったも人類はほぼ死滅するだろう。恐竜も小型の鳥以外は生き延びられなかったのである。

 ここで参考になるのは、小松左京のSF「復活の日」である。映画でしかこのSFは知らないが、この映画では、人類をほぼ絶滅に追いやったのは生物兵器である致死性ウイルスである。それを積載したジェット機の墜落により世界中にウイルスが拡散し、隔離された南極越冬隊のみが生き延びることができたというシナリオである。

 このシナリオを小天体衝突に当てはめると、現在の国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士が南極越冬隊員に相当する。従って、ISSの飛行士は常に複数の男女である必要がある。これらの男女は、映画のオリビア・ハッセイと草刈正雄よろしく、男女の情を抑えて、多くの子孫を生産する義務を負う。
 地上に残された我々は、その支援を最後の日まで続ける義務を負う。分かりやすいシナリオである。

 その次に分かりやすいシナリオは影響が機微な通常の隕石レベルの小天体である。
 ある程度の確率で人や家屋に衝突するが、運が悪いとあきらめてもらうしかない。

 そして、最も分かりにくく争いになりそうなのが、その中間のレベルの小天体である。

1910年のハレー彗星接近では、フランスの天文学者の説により、地球の空気が失われるといううわさが流れ、大パニックになったそうだ。天文学の重要性が分かる逸話である。現代では、次回のハレー彗星接近でこのような間違いはないだろう。

 高性能の観測が整備されている現在、最も怖いのは、未発見の小天体が突然現れ、その小天体との衝突が避けられないということが数日~数年前に分かった場合である。数日前なら原爆シェルターか地下街に避難し、後は運を天に任せる以外にないだろう。その時点で地球のどの地点に落ちそうか分かれば、それ以外の土地や海上にヒトが押し寄せ、大混乱になるだろう。しかし、死者数を抑制するという意味では、高精度の軌道予測は重要である。

 結構対応が難しいのは、数年前にかなりの大きさの小天体の衝突が予測された場合である。衝突日は分かるだろうが、それまでのタイムスケジュールの中で、大混乱が予測される。その中身は、国際関係や国の存立を揺るがすものになるだろう。ある程度、落下位置が分かり、それが仮に日本だったとすると、再度、小松左京のSF「日本沈没」が参考になる。日本から大陸に避難しようと大勢の日本人が中国や韓国に渡ろうとするが、それまでの歴史的な問題から、入国を拒否されるのである。今、日本国は難民認定を厳しく制限しているが、このような状況が生じることを想像すれば、せめて世界の標準レベルの難民政策をとるべきだろう。

 即ち、宇宙の小天体衝突というような、非現実的とも思える状況というものが、現在国会で審議されている身近な法律問題に直結しているものであるということを再認識すべきだろう。