パブリックデプロマシーと福島事故株主訴訟判決2025年06月05日 17:29

パブリックデプロマシーとは外交の一手段であり、自国の外務担当組織が外国の政府ではなく、外国の国民をターゲットとして密かに世論を操作する外交を意味する言葉である。

第2次世界大戦の末期に、広島・長崎に原爆が投下され多数の被害者がでたが、トルーマン大統領は原爆が如何に怖いものであるかを世界各国の国民に対しパブリックデプロマシ―手法で喧伝したはずである。その結果が、下記の広島と長崎の被ばく影響評価にも表れている。

これは統計ソフトRにより広島の被ばく生存者と長崎の被ばく生存者者の発がんリスクと被ばく線量の関係を分析した結果である。
Table2は広島の男性と女性、Table3は長崎の男性と女性である。ERR coefficient(過剰相対リスク、ここではその線量を1Sv被ばくすることにより発がんするリスクと被ばくなしの場合の比(相対リスク)から1を引いた値として定義されている)とは、負の場合にはがん発生リスクが被ばくしていない人より小さく、正ならば被ばくしていない人より大きい。即ち、正、負が現れればその値が被ばく線量のしきい値となる。それ以下では被ばくによる発がんの影響はないことが統計的に示される。
そのしきい値は両表から

広島男性 約300mSv
広島女性 約125mSv
長崎男性 約80mSv
長崎女性 しきい値なし

となる。

Table2  ERR coeffisients of dose and p-values of solid cancers for Hiroshima via Spline function

dose Male dose Female
(mGy) ERR coef. p-values ERR coef. p-values Notes
3400 0.626864 1.30E-27 3400 0.935325 1.22E-86
3000 0.613587 7.29E-26 3000 0.947336 9.03E-90
2500 0.614539 5.77E-23 2500 0.972743 7.91E-88
2000 0.625126 3.11E-15 2000 1.026543 2.07E-69
1750 5.99E-01 4.00E-11 1750 1.10E+00 1.17E-59
1500 0.603602 8.20E-09 1500 1.152908 1.80E-50
1250 0.719855 1.12E-09 1250 1.228029 3.00E-40
1000 0.73014 1.24E-06 1000 1.200451 4.19E-24
750 0.637954 2.27E-03 750 1.186411 1.03E-13
500 4.15E-01 1.90E-01 500 1.23E+00 4.17E-07
300 -0.19257 7.22E-01 300 1.114376 8.83E-03 Threshold(Male)
250 -1.02844 1.55E-01 250 1.153326 2.69E-02
200 -1.50386 8.91E-02 200 -0.06102 9.22E-01
175 -2.24547 2.87E-02 175 1.011429 1.76E-01
150 -2.31155 4.35E-02 150 0.436493 6.28E-01
125 -1.32696 2.83E-01 125 -1.64508 1.88E-01 Threshold(Female)
100 -1.42975 3.42E-01 100 -1.31729 3.90E-01
80 -2.99334 1.30E-01 80 0.263215 8.71E-01
60 -2.74788 2.89E-01 60 -1.47104 5.15E-01
40 -13.175 1.12E-02 40 -8.23619 3.44E-02
20 -14.248 1.17E-01 20 -12.4608 9.87E-02
5 -67.7187 1.85E-01 5 -10.2604 7.71E-01


Table3   ERR coefficients of dose and p-values of solid cancers for Nagasaki via Spline function

dose Male dose Female
(mGy) ERR coef. p-values ERR coef. p-values Notes
3400 0.559405 5.01E-11 3400 0.715194 7.16E-20
3000 0.551134 1.82E-10 3000 0.718689 7.58E-20
2500 0.523384 4.10E-08 2500 0.782139 7.29E-22
2000 0.55147 4.49E-07 2000 0.91559 1.63E-23
1750 5.62E-01 1.59E-06 1750 9.22E-01 2.50E-19
1500 0.392784 6.97E-03 1500 0.909838 6.93E-17
1250 0.459589 7.31E-03 1250 1.044858 3.66E-16
1000 0.4001 5.83E-02 1000 1.168771 2.15E-14
750 -0.04246 9.09E-01 750 1.177914 3.09E-07
500 -2.29E-01 7.04E-01 500 1.74E+00 3.18E-05
300 0.666524 4.84E-01 300 1.816489 2.18E-02
250 -1.33522 3.24E-01 250 2.088789 2.85E-02
200 1.093019 4.83E-01 200 3.000936 1.30E-02
175 1.374008 3.90E-01 175 1.984172 1.86E-01
150 1.599174 4.54E-01 150 4.279943 7.02E-03
125 1.337869 5.65E-01 125 3.171504 1.26E-01
100 1.620268 5.72E-01 100 5.039102 3.90E-02
80 -0.51499 9.02E-01 80 7.493141 8.17E-03 Threshold(Male)?
60 -3.4197 4.89E-01 60 7.674809 3.65E-02
40 -11.4633 1.36E-01 40 4.721128 4.12E-01
20 7.039679 6.87E-01 20 23.91657 5.81E-02
5 96.95143 1.09E-01 5 30.9133 6.12E-01

この結果は異常である。被ばく線量により発がん症例数を整理したデータであるので、線量が同じなら広島と長崎のERRcoefficientやしきい値はほぼ一致していなければならない。広島と長崎で住民のがん発生率が大きく変わる要因はない。

この相違を説明できる唯一の説明は、長崎の被ばく線量がこのデータの数値よりは実際には大きく、このデータはそれを小さめに見積もったためという事になる。
その結果、長崎男性は小線量(実際には広島並みに被ばくしていた)でも発がんし、女性は更に小線量でも発がん例が増えたことになる。(実際には広島並みに大線量を被ばくしたがこのデータでは長崎の被ばく線量だけが実態より小さく操作されたいうことである。)

なお、広島でも男女差はあるが、これは女性が乳がんなど上体体表面の臓器の発がん例が多く、上空600m付近での核爆発による被ばくの影響が男性より大きいことを意味している。

では、なぜ、そのような操作を長崎の線量評価に用いたのか。これは推定になるが、長崎型原爆は米ソ冷戦で主力となった核兵器であり、その爆発力の評価を意図的かミスかは不明だが間違ったたのである。(詳しくは2025年01月27日本ブログ記事)

このオッペンハイマーらによるミス或いは意図的データ操作を米国はパブリックディプロマシーとして利用したのだろう。原爆の威力を知らしめ、恐怖感を煽るとともに、原子力技術を独占し世界的発展を抑制したかったのである。

即ち、広島のデータと長崎のデータをまとめて被ばく者の発がんデータとして説明することで、この矛盾に満ちた統計データで世論操作をしたのである。

その結果、特に低線量範囲(300mSv以下)のしきい値が統計的に不明確になり、しきい値があるのかどうかが分かりにくくなった。その結果、米国主導の各国際機関はしきい値なしモデル(0線量でもわずかに発がんリスクはあるというモデル)を採用することになった。

 それから65年後の福島事故でもこの基準を採用した日本国内の法規制があるため、関係機関の指示により避難した事で大量の事故関連被害者を出した。

 ところで、福島事故は東電のBWR原子炉の初号機から4号機までの事故である。その主要因は地震の影響でサイト外部からの送電線が損壊し、炉心冷却に必要な電源が喪失したときに非常用発電装置として働くべきディーゼル発電機が地下1階にあったことである。津波が引いてもこのプール状のディーゼル発電機室と配電盤が海水に浸かったままだったために非常用電源が供給できず、崩壊熱の除熱が出来なかったために炉心溶融事故を起こした。

 なぜそのような配置設計になったのか。実は、このBWR原子炉は1960年代の米国GEの設計である。当時、経団連会長も務めた土光敏夫氏はこの輸入すべき原子炉(当時は国論は与野党ともに原子力発電を国産エネルギーとして歓迎していた)の設計のチェックを日本側でしたいとGEに申し入れていた。しかし、ちょっとでも設計変更をしたら、GEは日本には輸出しないと回答してきたと土光敏夫氏が当時社長をしていた原子力企業の社史に記載されている。このGEの回答を日本政府、東電ともに受け入れたのである。土光氏が持論を押し通していたら、福島事故はなかったかもしれない。

 世界初の原子力発電所はアイダホの砂漠の中にあるEBR-Ⅰという原子炉だが、その非常用ディーゼル発電機は事故を起こした福島のBWRと同様、地下1階にある。それは、津波よりも米国特有の竜巻を重視して配置設計をしたためである。GEはその配置設計を踏襲したBWRプラントを開発し、日本へ輸出したのである。

 その際、被ばく基準は米軍が操作した広島・長崎のデータに基づいているのである。部屋の配置設計は従業員の被ばくを規制値以下にするための生体遮へい壁の配置が重要なポイントである。この配置の根拠が詳しく調査されていれば長崎のデータ操作も明らかになる可能性もあった。

 斯様にパブリックデプロマシ―の影響は世紀を超えて影響するものであり、今回の原告の東電株主はこのような歴史を踏まえ、被告に国や米国機関を加えていれば勝訴したのかもしれない。

米より複雑な小麦はどうする?2025年06月04日 04:15

https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/flour/flour_04.html
によれば、日本人のコメ消費量(53㎏/年/人)と小麦消費量(32㎏/年/人)は拮抗している。

コメの自給問題が解決したとしても小麦は絶望的だ。84%が輸入でしかも国が価格を決めている。

https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20230414_2.html

によれば、小麦をすべて輸入とした場合には、政府支出は年間3000億円ですむが、完全自給を目指せば年間1兆2000億円の支出となる計算である。

9000億円が小麦自給の食料安全保障の費用として高いかどうか判断は難しいが、減反政策以前の政府のコメ農家に対する補助金支出は約3兆円だったそうだ。

単純化すれば現状ではコメの自給確保の方が、小麦の自給確保よりも2兆円高い。

即ち、すべて日本人の主食がすべて小麦になれば政府支出は1兆円程度は減ることになる。これは誰も望まない解決策であろう。

しかし、コメの自給率だけ俎上にあげているマスコミと政界の議論は大きな欠陥を抱えている。小麦も含めた食料品全体の自給率のバランスを考えて対策しなければ大きな間違いを犯すことになる。

ただ、当面は小麦の消費量を増やし、コメ消費量を減らすように誘導することが政府の赤字を減らすには有効だとはいえる。これは食料安全保障に反する方向ではあるが。

Pythonは配列が0から始まりRは1から始まるがその勘違い対策も2025年04月11日 08:04

以下の回答部分はすべてChatGPTなのでご注意ください。

2000年時に21世紀はいつから始まるかなんて議論がありましたがこれですっきりするかもしれません。

あなた:
なぜRでは配列が1から始まり、Pythonでは0から始まるのですか、その歴史的経緯は
ChatGPT:

これはとても面白い質問です!RとPythonで配列のインデックスが異なる(Rは1から、Pythonは0から)理由には、それぞれの歴史的・哲学的背景が関係しています。
🔹 Rが1から始まる理由
1. RはS言語の後継

Rは1970年代にベル研究所で開発されたS言語をルーツに持っています。

S言語は統計解析を目的に設計されており、統計学者や数学者が使うことを意識していました。

数学ではベクトルや行列の添え字は通常「1から始まる」ので、S言語でもそれに倣いました。

2. ユーザー目線を重視

Rはユーザーフレンドリーさを大事にしており、数学的直感に沿う「1始まり」が自然だと考えられました。

例えば「第1要素」は数学的にもR的にも同じ感覚で扱えます。

🔹 Pythonが0から始まる理由
1. C言語の影響

PythonはC言語で実装されており、Cの設計思想を受け継いでいます。

C言語ではポインタ演算が基本で、「配列の先頭アドレス + 0」で最初の要素を指します。これが0始まりの原点です。

2. 計算効率と表現の簡潔さ

0始まりのほうがオフセット計算に都合が良い。 たとえば、配列の長さnのとき、インデックスは 0 から n-1。

スライス(部分配列)のとき、a[i:j] で「i番目からj番目の手前まで」が自然に扱える。

3. Pythonの設計思想:実用本位

Pythonは科学計算や教育、プログラミングの実用性を重視しており、効率と明快さを優先しました。

🔸 まとめ
言語 インデックス開始 理由
R 1 数学者向け、S言語由来、直感的
Python 0 C言語由来、計算効率、スライスの都合

必要なら、それぞれの言語でインデックスをカスタマイズする方法や、0始まりのRの書き方のトリックなんかも紹介できますよ!興味ある?
あなた:
それより、両方使うユーザが勘違いしない方法は
ChatGPT:

いい視点ですね!
RとPythonを両方使うユーザーにとって、インデックスの「ずれ」問題はかなり罠になりやすいです。
特に同じデータを両方で処理する場面では、バグの温床になります。
🔰 両方使うときに勘違いしないための方法・工夫
✅ 1. コメントや変数名で「何基準」かを明示

# Rの例(1始まりを明示)
first_element <- x[1] # 1-based index

# Pythonの例(0始まりを明示)
first_element = x[0] # 0-based index

👉 one_based_index / zero_based_index のように名前に入れてもOK。
✅ 2. 自分ルールを作る

「Pythonでは必ず0ベース」

「Rでは常に1ベース」
→ 言語に合わせて常に従うクセをつける

✅ 3. スライス処理の時は特に注意

x[2:5] # Python: 3番目〜5番目手前 → インデックス2,3,4(要素3つ)

x[3:5] # R: 3番目〜5番目 → インデックス3,4,5(要素3つ)

→ どちらも3つ取り出すけど、指定方法が違う!

🧠 意識的に「何番目の要素なのか」と「何の言語か」をセットで考えることが大事。
✅ 4. 共通データはインデックス列をつけておく

たとえばCSVに書き出すとき、**明示的に「ID」列(1始まり)**を入れておくと、あとで混乱しにくい。
✅ 5. 自作ヘルパー関数を使う(慣れてきたら)

Pythonで「R風」にアクセスする関数も作れます。

def r(x, i):
return x[i - 1] # R風の1始まりでアクセス

使い方:

x = ['a', 'b', 'c']
print(r(x, 1)) # 'a'

R側でも逆に python_index <- r_index - 1 として変換すればOK。
💡 最後に:頭の中で言語を切り替える

R → 人間の感覚(第1, 第2…)

Python → 機械の感覚(0から数える)

という風に、**言語ごとの「脳内スイッチ」**を明確にしておくのがコツです。
一つの言語で作業しているときは、そっちに100%染まるのが安全。




追加質問2
RのコードをそのままPython化したい

ChatGPT
RコードをPythonに変換するための基本ルール
✅ 1. インデックス:1始まり → 0始まりに変換

R:

x <- c("a", "b", "c")
x[1] # "a"

Python:

x = ["a", "b", "c"]
x[0] # "a"

👉 すべて i → i - 1 に置き換える必要がある。
✅ 2. スライス:RとPythonは終了位置が違う

R:

x[2:4] # 2番目〜4番目 → 要素2,3,4

Python:

x[1:4] # インデックス1〜3 → 要素2,3,4

👉 Rの a:b は「a〜bを含む」
👉 Pythonの a:b は「aからb手前まで」
✅ 3. for文のループも注意

R:

for (i in 1:length(x)) {
print(x[i])
}

Python:

for i in range(len(x)):
print(x[i])

👉 Rは1〜n、Pythonは0〜n-1で回す。
🛠️ 自作ヘルパーでR風にする(1始まりで扱いたい場合)

def r_get(x, i):
return x[i - 1]

def r_set(x, i, value):
x[i - 1] = value

例:

x = ["a", "b", "c"]
print(r_get(x, 1)) # "a"
r_set(x, 2, "B") # x[1] = "B"
print(x) # ["a", "B", "c"]

🧪 簡単な例:Rの処理をPythonに
Rのコード:

x <- c(10, 20, 30, 40)
sum(x[2:4])

Python版(正確に変換):

x = [10, 20, 30, 40]
result = sum(x[1:4]) # x[1], x[2], x[3]

🔄 まとめ:R → Python変換時の注意点チェックリスト
処理 Rの感覚 Python変換の注意
インデックス 1から -1する
スライス 末尾含む 末尾-1にする
ループ 1〜n 0〜n-1
配列長 length() len()
要素追加 c(x, y) x + [y] or append()

「このRコードをPythonにしてほしい」って具体例があるなら、それをもとに変換もできるよ。あるいはPandas/Numpyベースにしたい場合の書き方も出せるよ!

AIが裁判官になった方がまだましな日本の裁判所2025年03月25日 18:15

 患者のせん妄により9年間も被告の席に置かれ、家族も仕事も失った医師の冤罪事件は、裁判員裁判でもなく、基本的には検察と裁判官の精神病理学の無知さの結果だ。

 裁判は裁判官の良心に従って判決を書くことになっているが、無知な、そして、検察警察と馴れ合った裁判官たちが日本の異常に多い冤罪事件の歴史を作ってきた。

 今も多くの死刑囚や無期懲役囚が塀の向こうにいる。ある意味某専制国家よりも恐ろしい状態にある。ちょっと疑いを掛けられ、検察、警察のシナリオによって被告人にされると、あとは裁判官がどこまで常識的、科学的な判断が可能かで人生が決まってしまう。

 痴漢事件にも多くの冤罪事件があるのだろう。そこで、冤罪になるくらいならと逃げて電車に跳ねられて死んでしまった事例もあった。

 人は精神的に弱いものである。例えば仙台の北稜クリニック事件では、被疑者は、警察の誘導尋問で恋人が捕まるかもしれないという恐怖から、自白してしまったようだ。その物理的証拠である被害者の血液は大阪県警の科捜研ですべて使い切ってしまった(と検察側が言っている)ため、物理証拠は残っていない。結局、有罪判決を受け、無期懲役で刑務所のなかで長期間、今も服役している。

 和歌山毒カレー事件でも、関係学会では、被疑者宅から押収されたヒ素と、カレーなべのヒ素は厳密に分析した結果、裁判当時の同一であるという結果は間違っていたというのが、関係者の共通認識となっている。

 このような事例はいとまがない。裁判官はあんなに長い時間を掛けて何をしているのだろうか。

 AIなら瞬時に妥当な結論を出すのではないだろうかとChatGPTを使いながら思ってしまう今日この頃である。

 ChatGPTでも時々間違うことはあるが、証拠が曖昧な状況で少なくとも無罪を有罪とするような判断はしないだろう。疑わしきは被告の有利にという原則はAIはとっくに学んでいるのだから。

補足)裁判官だけが冤罪問題のキーではない。マスコミも同罪である。松本サリン事件の報道では、長野県警に疑惑を掛けられた松本市在住の被害者を犯人に仕立て上げて、地下鉄サリン事件が起こるまで冤罪だとも言えなかったマスコミの記者たちが警察の言うことをうのみにして冤罪の一因になったことを忘れてはならない。そのようなマスコミの警察や世論への迎合体質が、兵庫県知事選での逆転当選の経緯まで尾をひいているのである。


裁判官も検察官もマスコミ記者もAIの爪の垢でも飲んでもらいたいと思う今日この頃のおじさんであった。

女性が瞬間放射線被ばくに弱いワケ2025年02月22日 05:13

 瞬間被ばくとは、原爆による被ばく(広島・長崎で殆どの被ばくを占める即発ガンマ線の被ばく時間は1マイクロ秒以下)や太陽フレアによる被ばく(プロパルシブ相と呼ばれるフレア本体に先立つX線被ばくでミリ秒以下)で、慢性被ばく(長時間一様に受ける被ばく)とは異なる。

 現在の被ばく規制は主に広島;長崎の瞬間被ばくのデータから得られたデータを慢性被ばく(年間被ばく量規制)に適用しているので、一気飲みの酒量制限を年間制限に適用しているようなもので意味はないのだが、広島・長崎の被ばく評価自体も大きな問題を抱えている。(本ブログ1月27日参照)

 広島・長崎の被ばくによる人体影響が年間被ばくの基準作成に適用されていることは異常なことだが、ここでは、瞬間被ばくで男性より女性に発がんなどの影響が強く出る傾向があることに絞って理由を推定した。

 ジェット機で高空を飛ぶことで太陽フレアによる被ばくを受ける可能性がある。太陽フレアは太陽内部での瞬間的な核融合爆発反応に起因しているが、年数回の発生なので運悪くこの被ばくを受けると発がん確率が高くなる可能性がある。調査結果では、これがパイロットよりも女性CAの方に影響が大きいようだ。
https://www.arpansa.gov.au/cancer-prevalence-among-flight-attendants-compared-general-population

 また、広島原爆でも固形がん発生のしきい値の線量は男性よりも女性の方が低い傾向がある。

 この理由は以下の2つだろうと推定している。

(1)人類学的にホモサピエンスの女性と男性の役割分担が育児と狩猟に分かれたため、男性の方が放射線被ばくへの免疫が強化された。
(2)解剖学的に女性の主要な発がん要因である乳房が上部からの放射線照射を受けやすい。

 (1)であるが、ChatGPTによる回答は以下のようになっており、このような性別分業の傾向は否定されていない。

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ヒトの狩猟採集時代は、おおよそ 250万年前の石器時代(旧石器時代)から約1万年前の農耕の開始 まで続きました。この期間は、ヒトの進化の大部分を占め、現代のヒトの生理的・行動的な特徴の多くが形成された時代です。
狩猟採集社会における性別の役割

狩猟採集社会では、性別に応じた分業が一般的でしたが、柔軟性もありました。

男性の役割(狩猟・漁労)
大型動物の狩猟(シカ、マンモスなど)
魚や小動物の捕獲(罠や槍を使用)
武器や道具の製作

女性の役割(採集・育児)
果実、木の実、根、野菜の採集
昆虫や貝類の収集
乳幼児の世話や食材の調理

性別分業の柔軟性

最近の研究では、女性も狩猟を行う例があり(例えば、南米の先住民の墓から女性用の狩猟道具が出土)、一概に男性=狩猟、女性=採集とは言えません。
小型動物の狩猟や漁労は、女性や高齢者も参加していた可能性があります。

現代社会への影響

ヒトの進化の99%が狩猟採集社会だったため、このライフスタイルが現代の行動や健康にも影響を及ぼしています。例えば、運動量の多い生活や多様な食事が健康に良いとされるのは、この時代の適応によるものかもしれません。
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では、(2)についてはどうか。
ICRP Publication 116表B.2 に光子による女性の乳房の吸収線量
同 表B.28に光子による男性の精巣、膀胱壁の吸収線量が各種の照射方向を考慮したファントム(各臓器の元素組成及び形状を模擬した平均的男女の人体模擬モデル)に対する計算値として表示されている。
https://www.icrp.org/docs/P116_Japanese.pdf

残念ながら上方からの吸収線量のデータは明示されていないが、AP方向照射(前方ー後方)はPA方向照射(後方-前方)より2MeVガンマ線で24%女性の乳房では大きい。男性の精巣も同様に25%大きいが。膀胱壁では18%にとどまる。即ち、照射方向、臓器の露出度により大きく異なる。

従って、慢性被ばくや、福島での被ばくの要因である地表側からの被ばくと、ジェット機搭乗の際に受ける太陽フレアによる被ばくでは男女ともに人体影響が異なるが、現在のICRPなどの基準ではそこまで考慮されているわけではない。

 今後、太陽フレアや原爆被ばく評価を考慮した上方被ばくについても明示してもらえると女性のこれらの被ばくにおけるがん発生率評価に有益な情報となろう。

イノシシパラドックスがパラドックスでない理由2025年01月29日 03:24

 欧州にはイノシシパラドックス(Wild bore pradox)なるイノシシ肉に関する話題があって、チェルノビル事故から40年も経つのにイノシシ肉の中のセシウムが減っていないことがおかしいということらしい。

 イノシシはトリフが好物であることもグルメの間では気になっているとのこと。

 セシウムにはよく知られているようにCs-134とCs-137があり、134は半減期2年、137は30年だが、イノシシ肉のセシウムはチェルノビルから40年たっても減少していないというのである。

 しかし、話は単純で、230万年という長半減期のCs-135という核種もある。これを考慮すると途端に話は簡単になる。Cs-135 は核分裂時にはCs-134 やCs-137に比べると4桁程度生成量は小さい。しかし、核分裂でCs-137と同程度の量生成されるキセノンー135(Xe-135)という核種が半減期9時間でベータ崩壊すると、セシウムー135(Cs-135)に変化する。すなわち、Cs-135は時間とともに増加するのである。生成しても半減期が異常に長いので崩壊は無視できる。

 チェルノビルのセシウム以外に、1950~60年代に米ソ冷戦でカザフスタンや太平洋など世界中で大気中核実験が行われ、欧州にもこれらの核種が大量に降り注いだ。従って、Cs-135も大量に生成され、チェルノビルからのCs各各種と混合した結果が、トリフやイノシシ肉に残存しているのである。チェルノビルと核実験のセシウム比率は欧州内でもばらついているが、基本的に長時間後にはCs-135が優位になるのでほぼ一定の平衡状態になる。これがチェルノビルから長時間経ってもセシウムが減少しない理由であり、パラドックスと言われるゆえんでもある。

 しかし、安心してよい。半減期が長いということは、放射能も小さいということである。欧州まで行くジェット機内で浴びる宇宙線の被ばく特に太陽フレア時におけるX線の瞬間被ばく影響に比べれば、現地で食べるトリフやイノシシ肉からの内部被ばくは無視できるほど小さい。(がん発生確率は太陽フレア被ばくより3桁は小さいはずだ。)欧州に行くならば、宇宙からの放射線が大気で遮蔽される客船で半年掛けていく行くほうが健康にもよいだろう。ただしその場合は、船上で紫外線をあまり浴びないように気を付けなければならないが。

オッペンハイマーと長崎原爆被ばく者データに関する疑惑2025年01月27日 11:26

 映画オッペンハイマーでは、米国政府とオッペンハイマーの原爆開発の目的のずれが戦後の両者の対立になった経緯が描かれている。

 その前提となるのが、広島に落とされた濃縮ウラン型原爆と長崎に落とされたプルトニウム原爆の物理、機械的相違である。
 濃縮ウラン型は、臨界量未満の濃縮ウラン(ウラン235は90%以上)を円柱状にして置き、その中心に濃縮ウランの棒をピストルのように打ち込み十分な超臨界状態になったのちに、その棒の先端につけた中性子源から中性子を発生させて爆発させる。比較的簡単な構造である。

 一方、オッペンハイマーが開発の主役となったプルトニウム型では、プルトニウム240という自発的に核分裂する核種が微量に含まれてしまうので、濃縮ウランのような単純構造では、超臨界状態になった瞬間にプルトニウム240からの中性子が発生すると核分裂による熱膨張で未臨界に戻ってしまう。そこで、映画にも出てきたエドワード・テラーが爆縮装置と呼ばれるプルトニウム球の周囲に配置し、ダイナマイトによる爆発力で周囲から圧力を加えることでこの熱膨張を抑制し、十分な爆発力を得る構造としたのである。

 これは、原爆用濃縮ウランの製造には天然ウランの核分裂性核種ウラン235の比率0,7%を90%以上に濃縮する必要があり、複数段の濃縮装置に多大な電力と時間が必要だった一方で、プルトニウムは低燃焼度のウランとプルトニウムの化学分離の操作だけで製造できたからである。

 しかし、プルトニウムの爆発には、混入するプルトニウム240がいつ中性子を発生するか、また、爆縮装置がうまくプルトニウムを圧縮してくれるかといった予測困難な問題があり、映画にもあるようにネバダの砂漠で、トリニティと呼ばれた実験を行い、核爆発力と兵士をモルモットにした実験が行われた。但し、この爆発力の見積もりは各研究所や大学機関で1桁以上の差があり、映画にもあるように兵士の配置が遠すぎて人体影響はほぼ見られなかった。

 その一か月後、トリニティと同設計での長崎原爆が落とされたわけである。

 米国政府としては、広島の原爆は構造が簡単なので確実に爆発することは分かっていたのだが、日本が降伏する前にこのプルトニウム型原爆を実験したかったのであろう。僅か、3日後に長崎に落とされた。
 それは米ソ冷戦への備えとして落としたとしか思えない。オッペンハイマーは本来、戦争抑止のために開発したはずのプルトニウム原爆が長崎で一般市民に使われたため怒って戦後は核開発の反対論者になりスパイ容疑で裁判にかけられたという経緯が映画の後半の主題である。

 なぜ、こんな歴史を今更と思うだろうが、最近、広島と長崎の被ばく者のがん発生率を分析したところ、長崎の被ばく者のデータに異常があることが分かったのである。下記は、統計ソフトRを用いて、広島と長崎の全被ばく生存者の被ばく量と固形がん発生リスクを分析した例の一部である。比較のため、400mGy以下の低線量範囲での比較結果のみ示すと以下のようになった。これは被ばく線量で比較したリスクであり本来広島と長崎で同傾向にならなければならない。
 しかし、この発がんリスクの傾向には両市間で大きな相違がある。特に、低線量ほどリスクが大きいという結果になっている長崎市のデータには大きな問題点があると考えられる。


    過剰相対リスク 
線量範囲上限(mGy)    広島          長崎
    400      0.800261919      1.074421
    395      0.824506781      1.1539922
    390      0.762176781      0.9001722
    385      0.606536237      0.8074187
    380      0.449953241      0.7136868
    375      0.46056437      1.4629095
    370      0.402776568      1.3920268
    365      0.343500724      1.3379963
    360      0.351151039      1.4072673
    355      0.337969751      1.4299797
    350      0.381182007      1.2312231
    345      0.34177201      1.3835407
    340      0.374849678      1.4768707
    335      0.370562729      1.4780478
    330      0.380518099      1.5373031
    325      0.433673548      1.5516461
    320      0.42436209      1.4702071
    315      0.389640276      1.4744703
    310      0.41947781      1.452396
    305      0.387485792      1.5655033
    300      0.394948014      1.5922935
    295      0.357323841      1.5622991
    290      0.274949467      1.5703467
    285      0.281841652      1.4481003
    280      0.191281463      1.4227193
    275      0.04866446      1.324307
    270      0.010104968      0.7065839
    265      -0.039332547      0.6599728
    260      -0.062113667      0.5607039
    255      0.036832546      0.6496324
    250      0.032308858      0.5364669
    245      -0.027708853      0.5187721
    240      -0.15646723      0.4587613
    235      -0.024652604      0.6546835
    230      -0.027032151      0.7043639
    225      -0.196488201      0.9900249
    220      -0.409485062      0.8853397
    215      -0.400626553      1.3036376
    210      -0.57532354      1.7205693
    205      -0.50957413      1.8403411
    200      -0.5731726      1.7960502
    195      -0.432323911      1.6873863
    190      -0.346773482      1.5683574
    185      -0.4573594      1.7707782
    180      -0.69571222      1.9248327
    175      -0.77079978      1.8519268
    170      -0.71257012      1.8313211
    165      -0.60604274      1.8313416
    160      -1.12293456      1.9668285
    155      -1.04698777      2.1748121
    150      -1.22083713      2.3757664
    145      -1.26964591      2.4033531
    140      -1.2604374      2.3091317
    135      -1.29393523      2.9558068
    130      -1.12734239      2.5811838
    125      -1.17592585      2.6175639
    120      -0.97255067      3.1983467
    115      -0.7274648      2.81164
    110      -1.25345566      3.391352
    105      -0.90906343      3.6543439
    100      -0.75480281      3.3584566
    95      -0.87192938      3.6832095
    90      -0.8670818      3.6731799
    85      -2.07942782      2.8818158
    80      -1.67384656      3.2677596
    75      -1.49534276      3.3213478
    70      -2.17616184      2.6867913
    65      -3.18824079      2.2826986
    60      -2.58641499      1.8196848
    55      -1.96280793      2.1530867
    50      -5.17692524      0.4978661
    45      -10.03418265      -4.3050707
    40      -11.4643578      -3.8941149
    35      -11.88674029      -4.8044495
    30      -12.87833898      -0.4475859
    25      -17.91586969      2.9018796
    20      -18.23896135      8.2770877
    15      -20.20001794      12.8368038
    10      -6.6801729       20.7522318

身代わり忠臣蔵と白石ウーメンの複雑な関係2025年01月22日 20:08

 以前、宮城県の特産品白石ウーメンの由来は、江戸時代の初期に旅の僧から作り方を教わったことにあることから、その旅の僧は松尾大源という慶長遣欧使節団の随行員ではないかという文を本ブログで書いた。
不連続連載小説 松尾大源(1)プロローグ(2024.2.9)~(14)エピローグ
(2024.6.29)

  欧州で洗礼を受けた松尾大源はキリシタン禁令が出たのちに帰国し宮城県村田町に幽閉されていたが、長崎で遣欧使節団の仲間が布教活動をすると聞いて、僧の姿に身を隠し旅にでた。その途中、現在の白石市で、彼はローマで習った細いスパゲティの作り方を白石ウーメンの創始者に教えたが、伊達政宗の家臣片倉小十郎は事情を知ってそれを白石の特産品として広めたという話である。

 ムロツヨシ主演の映画「身代わり忠臣蔵」にも武家の倅が旅の僧になって放浪したという話が出てくるので、これは江戸時代の武士階級では一般的なことだったのだろう。

 この映画にも武士社会の親族間の問題が描かれているが、伊達政宗が諍いから弟を殺めたという逸話は事実ではなく、その諍いののち、政宗が弟を現在の武蔵五日市の古刹の僧となって身を隠すよう世話をしたとの論証がごく最近仙台の歴史学者からなされている。似たような問題が、この映画でも取り扱われている。

 しかし、武士の名誉を重んじて討ち入りをして死ぬのか、僧侶の身となり、名誉とは別の世界を生き延びるのか、現在も似たような話が日本社会にはありそうだ。だから、忠臣蔵は何度も日本の文化史の中で取り上げられてきたのだろう。面白くも、深く考えらさせられる映画ではある。

温泉を取るか地熱発電を取るか―理想の発電法2025年01月11日 09:40

日本海側は大雪で苦難の連続である。

 これも地球温暖化の影響ではあるが、日本としての理想的な発電方法は何か。下記の現状技術でのChatGPTの回答が一応信用できるとした場合、地熱発電らしいが、温泉業界との調整は可能だろうか。

量的には現在の地熱発電は0.3%と無視できるレベルだが、下記のChatGPT回答ではポテンシャルでもこの4倍程度でしかない。大幅増加は困難だろう。この数値はChatGPTでも信用はできそうだ。

新たなエネルギー貯蔵技術の進展を待つしかないだろう。
 最新のエネルギー貯蔵技術、超電導を利用した二酸化炭素を出さないSMESでも100MWで利用時間は1時間レベルである。

電力の安定供給は地球温暖化を招き、それが日本の異常気象を呼び起こし、米国では山火事などで更に二酸化炭素の発生量を増加する負のスパイラルに入っていきつつある。

ChatGPT:
再生可能エネルギーを最大限活用し、エネルギー貯蔵技術や安定供給源と組み合わせることで、気候変動対策として最適なエネルギーミックスを構築するのが理想的だとは思いますが、エネルギー貯蔵技術はほとんど実用化できていません。日本の選択肢はなんでしょうか。

ChatGPT

日本におけるエネルギーミックスの現状を踏まえ、エネルギー貯蔵技術が十分に実用化されていない状況では、以下の選択肢が現実的かつ効果的と考えられます。
1. 再生可能エネルギーの最大限活用

日本は地形や気候の特性を活かして、地域ごとに適した再生可能エネルギーを導入する余地があります。ただし、不安定な発電量を補うためのバックアップが必要です。
適用可能な再生可能エネルギー

地熱発電
日本は世界有数の地熱資源を有しており、天候や時間に左右されない安定した発電が可能です。
→ 課題: 開発までの時間とコスト、温泉業界との調整。

小規模水力発電
地形を活かした小規模水力発電(マイクロ水力)は安定供給が可能で、日本全国に設置余地があります。
→ 課題: 初期投資と適切な立地選定。

洋上風力発電
日本の広い海域を活用した洋上風力は、大きな発電ポテンシャルを持ちます。特に浮体式洋上風力は深海エリアにも設置可能です。
→ 課題: 建設コストと送電網整備。

2. 安定供給源との組み合わせ

再生可能エネルギーの変動性を補うためには、安定供給が可能な電源を併用する必要があります。
主な選択肢

原子力発電
原子力発電はCO₂排出がゼロで、再生可能エネルギーと相互補完が可能です。日本は既存の原発設備を持ち、再稼働が進行中ですが、安全性への懸念が課題です。
→ 選択肢としては、廃炉計画を見直しつつ、安全性を最優先に検討。

天然ガス発電(LNG)
天然ガス発電は石炭よりもCO₂排出が少なく、バックアップ電源として重要です。ただし、化石燃料依存の低減を目指す上では中期的な選択肢といえます。
→ 再生可能エネルギーの割合が増えるまでの橋渡し役。

バイオマス発電
木材や廃棄物を燃料とするバイオマス発電はCO₂排出が相殺されるとみなされます。ただし、持続可能な供給源の確保が重要です。
→ 小規模設備で地域エネルギーの自給率向上に貢献可能。

3. スマートな需要管理

需要応答(Demand Response)
電力需要のピークを抑えるため、企業や家庭の電力使用を柔軟に調整する仕組みを導入します。

省エネ技術の普及
効率的な家電や設備の導入、断熱性能の向上により、電力消費量そのものを削減します。

分散型エネルギーシステム
地域ごとに小規模な発電設備(太陽光、マイクロ水力)を設け、送電ロスを削減します。

4. 政策と技術革新の推進

送電網の整備
再生可能エネルギーの発電地点から消費地点への送電網を整備し、地域間の需給バランスを調整します。

技術開発の加速
エネルギー貯蔵技術がまだ未成熟な状況では、政府主導で研究開発を加速させ、中長期的に実用化を目指す必要があります。

日本における現実的な短期~中期のエネルギーミックス

再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱)を可能な限り最大化。
原子力発電を安全に再稼働させ、安定供給源として利用。
天然ガス発電をバックアップとして適宜利用。
バイオマス発電や分散型エネルギーを地域特性に応じて導入。
需要管理や省エネ政策を徹底し、電力消費を抑制。

結論

エネルギー貯蔵技術が未成熟な現在の日本では、再生可能エネルギーを最大限導入しつつ、原子力発電や天然ガス発電などの安定した電源を組み合わせることが現実的な選択肢です。並行して、エネルギー効率化や技術開発を進めることで、将来的により持続可能なエネルギーシステムを構築できます。


追加質問
地熱や水力は日本では開発しつくされていませんか

ChatGPTの回答

地熱や水力発電は日本では一定程度開発されていますが、「完全に開発し尽くされた」とは言い切れません。以下に、それぞれの状況と今後の可能性について説明します。
1. 地熱発電
現状

開発の状況:
日本は世界第3位の地熱資源大国ですが、その利用率は10%未満にとどまっています。現状、日本全国に設置された地熱発電所の合計出力は約600 MWで、ポテンシャル(2,300 MW以上と推定される)に比べて低い状態です。

制約と課題:
温泉業界との利害対立: 地熱発電の開発が温泉資源に影響を与える懸念から、地域住民や温泉事業者が反対する場合があります。
開発コストと期間: 地熱発電所の建設には膨大な初期投資が必要で、事業化には10年以上かかることもあります。
技術的課題: 有効活用には地熱貯留層を正確に評価する技術や効率的な採熱技術が求められます。

将来の可能性

未開発地域(特に火山帯周辺)での調査と小規模地熱発電の導入により、さらなる開発余地があります。
低温地熱(地中熱)を利用した「バイナリー発電」技術は、既存の地熱発電では利用できない地域にも適用可能です。

2. 水力発電
現状

開発の状況:
日本では大規模水力発電はすでに多くの地点で開発されており、総発電量の約8~9%を占めています。しかし、未開発の小規模水力発電(マイクロ水力)のポテンシャルは依然として大きいです。

制約と課題:
環境への影響: 大規模ダム建設は生態系への影響や地域住民の移転問題を伴うため、新規建設は困難です。
適切な立地の不足: 地形的な条件から、さらなる大規模水力の開発余地は限られています。
老朽化施設の更新: 既存のダムや発電設備の老朽化が進んでおり、効率改善のための設備更新が必要です。

将来の可能性

小規模水力発電の推進: 河川や農業用水路、用水路を活用したマイクロ水力発電は、未利用のエネルギー資源として期待されています。
既存ダムの活用強化: すでにあるダムに発電設備を追加する「ダム再活用」により、発電量を増加させる取り組みも可能です。
揚水発電の最適化: エネルギー貯蔵機能を持つ揚水発電の利用効率を改善することで、既存の水力発電のポテンシャルを高めることができます。

結論

地熱発電は未開発の資源が多く、特にバイナリー発電や小規模地熱発電の導入により成長の余地があります。
水力発電は大規模開発の余地は限られますが、小規模水力発電や既存ダムの活用でポテンシャルを引き出せます。

これらの開発を進めるには、地域住民との合意形成、技術開発、政策支援が不可欠です。日本ではこうした未利用の再生可能エネルギー資源をさらに掘り起こすことが、現実的かつ効果的なエネルギーミックスの一環となります。


追加質問(2)
地熱発電も放射能を放出すると聞きましたが

ChatGPT

地熱発電における放射能の問題については、確かに一部の地域で放射性物質が関わる可能性があるため、注意が必要です。地熱発電に関連する放射能について、以下の点を説明します。
地熱発電と放射能の関係

地熱発電所で放射性物質が関わる場合
地熱発電のプロセスで温泉水や地中から抽出される蒸気には、微量の放射性物質(例えばラドンやウラン、トリウムなど)が含まれていることがあります。これらは自然に存在する物質で、地熱貯留層の深さや地質条件によって含まれる量が異なります。

放射能が発生するメカニズム
地熱発電のために使用される地下水や蒸気は、地中で自然に発生する放射性元素を取り込んでいる可能性があります。これらの元素は、通常は地下で高温高圧の状態にあるため、地熱発電所で抽出される際に一部が地表に持ち上げられることになります。

放射能の影響

放射線量の管理
地熱発電所では、採取された蒸気や水に含まれる放射性物質の処理方法が厳格に管理されています。放射線量は極めて低く、通常は安全基準内に収められています。例えば、地熱発電所の施設内で放射線モニタリングが行われ、もし放射線量が基準を超える場合には適切な処理が行われます。

環境への影響
放射性物質は、地熱発電の施設内で十分に管理されているため、環境や周囲の住民への影響は極めて少ないとされています。ただし、放射性物質が地表に出てくる場合、空気や水の汚染を避けるために適切な処理と管理が求められます。

他のエネルギー源との比較

地熱発電における放射能の問題は、他のエネルギー源と比較しても少ないリスクです。例えば、原子力発電では大量の放射性廃棄物が生じるのに対し、地熱発電は放射線量が極めて低く、放射性廃棄物の管理も比較的簡便です。

まとめ

地熱発電には放射性物質が含まれている場合がありますが、その放射線量は極めて低く、適切に管理されています。原子力発電と比較してもリスクは少ないため、適切な管理のもとでは、安全で持続可能なエネルギー源として有望です。

パナマがパナマ運河を米国に返還しなくて済む方法2025年01月10日 07:02

 トランプ氏はパナマ運河の米国への返還を要求するらしい。

1977年にパナマの国家主席だったトリホス氏とカーター元大統領との間で締結された条約を破棄し、パナマ運河を以前のアメリカ管理にしたいというのがその狙いである。

そもそもなぜ、カーター氏は米国が主体となって建設したパナマ運河の返還をしたのか。

ChatGPTによれば以下の5項目が米国のメリットとしてあるらしい。
これを逆利用すればよいのだが、現状では、トランプ氏に対し、パナマが利用できそうな項目は、3の経済性と5の安全保障問題だけだろう。

即ち、1977年以来、パナマが運が管理に支払っていた管理費を米国に要求することである。更に、立退料として、今後米国が得るはずの利益も上乗せすることである。なぜならカーターはその管理費が負担なのでパナマに返還したことになっているからである。

次に、安全保障上の観点から、パナマは米国以外の第3国、例えばBRICSとの連携を強め、それが米国の利益に反することを説得することである。商人であるトランプ氏は利益がないならばその交渉はやめるはずである。そこまでD/Mを積み上げられるか、米国のシンクタンクに依頼する方法もある。



*****************************

1977年のパナマ運河返還条約(トリホス=カーター条約)は、アメリカがパナマ運河の管理をパナマに段階的に移管することを約束した重要な外交的合意でした。この政策は、アメリカに以下のような複数の利益をもたらしました。
1. アメリカの国際的なイメージの改善

反米感情の緩和
パナマ運河地帯のアメリカ支配は、ラテンアメリカ全体での反米感情の象徴的な要因となっていました。返還条約は、アメリカが他国の主権を尊重する姿勢を示し、ラテンアメリカ諸国との関係改善に寄与しました。

冷戦期の地政学的配慮
当時、冷戦が進行しており、ソ連やキューバがラテンアメリカで影響力を拡大していました。運河返還を通じて、アメリカはラテンアメリカ諸国の信頼を得ることで、共産主義の影響を抑制する戦略的利益を得ました。

2. 安全保障への寄与

パナマの安定化
パナマ運河地帯に対する主権要求が続いていたことで、パナマ国内の緊張が高まっていました。返還条約により、パナマ政府の安定を助け、地域的な不安定化を防ぐことができました。

運河の安全な利用確保
条約には、アメリカが運河の中立性を維持し、平時および戦時に運河を利用する権利を確保する条項が含まれていました。このため、アメリカの商業および軍事的利益は引き続き保護されました。

3. 経済的な配慮

高コストな運河管理からの解放
アメリカは運河地帯の維持と管理に多額の費用をかけていました。返還によって、この財政負担が軽減されるという経済的な利点がありました。

国際貿易の円滑化
パナマ運河は国際貿易において重要な役割を果たしており、返還後もその機能が維持されることで、アメリカ経済の利益にも寄与しました。

4. 民主主義と人権の推進

道徳的リーダーシップの表明
アメリカは、歴史的な植民地主義や帝国主義的な慣行からの脱却を示すことで、道徳的リーダーシップを強化しました。この姿勢は、アメリカ国内外で一定の評価を受けました。

パナマの国民的自尊心への配慮
パナマ運河の返還は、パナマ人にとって長年の悲願であり、この合意によりアメリカは「協力的なパートナー」としてのイメージを高めました。

5. 長期的な地政学的安定

条約後の協力関係
条約は、アメリカとパナマの長期的な協力関係を築く土台となり、地域的な安全保障や貿易における信頼性を確保しました。

グローバルな影響力の強化
アメリカは条約を通じて、自国が単なる覇権主義的国家ではなく、国際的な秩序を尊重する国家であることを示しました。

まとめ

1977年のパナマ運河返還政策は、アメリカにとって短期的には一部の保守派からの批判を受けましたが、長期的には外交、経済、安全保障の各側面で重要な利益をもたらしました。この政策は、アメリカが冷戦時代の地政学的課題に対応しながら、ラテンアメリカとの関係を改善する大きな転換点となりました。

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