熊との遭遇2023年10月20日 20:28

 私はクマと実際に遭遇したのは1回、その気配を感じたのは3回ある。

 実際に遭遇したのは、約10年前、仙台市西北の北泉ヶ岳付近のスキー場敷地(但し、閉鎖後の春)である。北泉ヶ岳に近道しようと春のスキー場敷地を登っていたら、100メートル先に例の黒い熊影が見えた。そこで、どうするか判断に迷ったが、この距離ならいいだろうと大声を出した。そしたら、熊は逃げて行ったが、怖かったのはそのあとについていた子熊がいたのである。親子熊なら声を出さないほうが良かったのかもしれない。
 スキー場敷地はユリの花が咲いており、百合根の宝庫である。食料を得るには手ごろなところだった。

 慌てて山をおり、登山用品店で熊鈴を購入した。

 ほかに熊には直接はお目にかかっていないが、秋田の森吉山に秋に行った時には藪の向こうにガサゴソ音がして、確かに熊の気配がしたので、音を立てながら同行者と二人でその場を離れたことがあった。これも7,8年前のことである。

 さらに昔になるが、半世紀前に、単独行をしていて宮城ー山形県境の南面白山付近でも熊の気配を感じた。同じころ、北海道の知床半島の羅臼岳の登山路でもヒグマの気配を感じたことがある。この時は、二人だったが、熊鈴は携帯していなかった。

 いずれも、熊の気配を感じたのは、二人以下で静かな山行の時であった。数名なら、どうしても会話や動作音で、熊も近づかなかっただろうと思う。

 数名いるような集団で大きな音をだしたり、複雑な音(簡単に言えばラジオの音など)を鳴らしながら山を歩けば熊との遭遇は避けられるのだろう。

 
 仮に熊と直面した場合であるが、北海道で数回ヒグマと遭遇して生還したプロの話では、ヒグマも色々いるが、若いヒグマはヒトを恐れないので、戦いは避けられないとのことである。その戦いの方法は、ナタを持参し死に物狂いで戦う以外にないそうである。

 本州のツキノワグマも親子熊ならその可能性はあるのかもしれない。
熊鈴をつけていても単独行や数名以下なら、音響機器以外に、ある種の武器は持っていた方が良いだろう。ストックも役に立つのかもしれないがうまく使わなければナタほど相手にダメージを与えることはできない。
 
 マンションで野鳥がフンをしに来るので刺激性のあるカビキラーを撒いたらその後近づかなくなった。ひょっとしたらツキノワグマに効果があるのかもしれない。

 クマよけスプレー剤は市販されているが、唐辛子入りでかなり高い。カビキラーを誰か試してもらえないだろうか。(効果が無くても責任は負いかねるのでご了承ください。)

 一番効果的なのは、ハンター犬を同行することであろう。ご主人様のためならば、クマと戦ってくれる相棒を育てることである。

 もう一つの案は、クマの出没時期には九州の山を集中的に登ることである。

 九州にはクマモン以外の熊はいないと言われている。
(関門海峡トンネルや橋を不法侵入する熊は原理的に排除できないので保証はできないが。)

躓くのは足を上げないからだという誤解2023年10月18日 08:00

 時々一寸した道の出っ張りに引っかかることがある。
 何故なのか、歩きながら考えた。明治の文豪のようには文学作品はできなかったが、その理由が分かった(つもりになった)。

 それは、足が上がらないからではない。着地するときにつま先が上がっていないからだーということにやっと気が付いた。(これは常識らしい。)

 いつも躓くのは右足で、左足ではなかった。実は左足のほうが0.5㎝程長いのだが、躓くのはいつも短い右足のほうである。足が上がらないのが原因なら左足が躓くはずなのだ。だが、躓くときはいつも右足なのだ。

 これは、左足が利き足なので、右足のほうが多少力がはいらないためだ。力が入らないので、右足のほうはつま先が上に向いていない状態で歩いていたことになる。

 即ち、右足のほうは、無意識のままでは足首に力が入らないので、つま先が上を向かないまま着地する。その結果、右足の下をすりながら着地して躓きにつながる。

 そういえば、スキーでも左ターンが不得意だった。これは、右スキーの先端が十分に浮かないためだった(と思う)。右足が短いためとか、左腕の振りが弱いためと思っていたのは誤解だった。右のつま先を上に向くように足首に力を入れながらターンすればよりスムーズに曲がれるはずだ。(カービングスキーでも悪雪では先端を浮かせる必要がある。)今シーズン雪が降れば試してみたい新説(新雪)である。

リニア新幹線問題の簡単な解決方法2023年07月27日 18:39

 静岡出身の知人によれば、リニア新幹線トンネル掘削工事による大井川水系への影響についての静岡県知事の問題提起は水利権に関わる歴史的経緯を考慮すれば、故無きものではないということである。

 しかし、JR東海による静岡県民心理の読み違えが問題の本質であろう。これを解決するのはある意味簡単である。

 それは、静岡県内にリニア新幹線の駅を設置することである。リニア新幹線の静岡南アルプス駅候補としては静岡工区の千石川非常口の北にある二軒小屋付近に設ければよい。
現計画では静岡工区の千石川非常口は事故時の非常口のようだが、これを駅のある正式出口にすればいよい。これは比較的簡単に設計変更できるはずである。
 この新駅設置をJR東海に静岡県から申し込むだけで殆どの問題は解決するし、静岡県の面子も立つ。
 二軒小屋には元々静岡県の関連林業企業などが設置した宿泊施設があり、南アの中核的登山基地である。昔、ここに泊まって、大井川のイワナ釣りを楽しんだことがあるが、上高地に雰囲気が似ている。
 畑薙ダムから歩きだと丸一日かかるが、ここに東京から1時間で行けるとなると、日本有数の観光スポットになる。

 首都圏の登山人口比率を1%としても毎年少なくとも十万人がリニア新幹線の二軒小屋駅を訪れる。
 また、二軒小屋は今は休業しているが。上高地のように帝国ホテルなどを呼べば、南アルプスの屈指の観光地になる。
 更に、荒川岳にロープウエイなどを延ばせば、日本のグリンデルワルトにもなり得る。
地元では南アルプスの良さが分からないのかもしれないが、静岡県は県を挙げてこの新駅をJR東海に要求すればよい。

 大井川の水流問題などは、二軒小屋に隣接する田代ダムの水の富士川側への流量を減らせば簡単に解決する。富士川の発電所は東電所掌なのだから、JR東海にこの水利権交渉を任せれば簡単に解決する。

 ともかく、県知事も支持する県民も地元の観光資源の良さに気づいていない。JR東海は東京と名古屋しか頭にないので、更に悪い。スイス人の頭の良さを見習ってほしい。そして、最近の日本人の自然志向にちょっとは気づいてもらいたい。ビジネス客だけが乗客ではない。

バックカントリースノーボーダーの必携品2023年02月03日 05:18

 それは、雪山を歩くためのスノーシューとストックである。登山用品店には、手ごろなサイズのスノーシューと、折りたたみ式のスキー用ストックが置いてある。ネットにもあるが、できれば自分の手足にフィットするものを探したい。数万円で命が助かるなら安いものである。

最近、バックカントリーでのスノーボード中の遭難が増えている。スノーボードは深雪で特に楽しい。また、慣れればゲレンデよりも楽に滑ることができる。そこで、バックカントリーに踏み入りたくなるのはよく理解できる。

 しかし、一旦コースを間違え谷に入ると、登り返しが難しくなる。登ろうとして、ボードを外した途端、足が深雪に潜って、身動きが取れなくなる。
谷は日も当たらず、柔らかい雪のところが多いのである。スノーボードの表面積は
 30㎝×150㎝=4500㎠
程度であるが、靴の裏は
 10㎝×25㎝×2=500㎠
程度なので、ボードで10㎝潜る雪なら、ボードを脱いだ途端1m潜ることになる。即ち、身動きは取れない。従って、尾根まで戻ることは不可能となる。

 スキーの場合は、まだ、ストックを使って登り返すことは不可能ではない。(それでもスキーシールやスキーアイゼンは必携だが)

 スノーボードの場合、深雪の中をわずかの距離でも上るためには、雪の中で潜らないよう、スノーシューとストック(但しリングの大物もの)を用意しておく必要がある。それをザックに入れ、背負って滑ることである。

 ネットで欧米の高峰を空身で滑る動画がよく見られるが、日本の場合は、深雪のレベルが違う。登り返せないのである。

日本では、欧米の真似をして、地域差を考えないで大失敗をする例が多い。福島の原発事故も、竜巻を重視した米国の設計のままに建設し、津波に飲まれてしまったために起こった。

 自然を相手にするならば、原発であれ、遊びであれ地域差を良く考えて準備をする必要がある。

スキー世界王者が雪崩れに巻き込まれたワケ2023年02月01日 05:01

天狗原付近で雪崩れに巻き込まれた米国人は、フリースタイルスキーの世界チャンピオンでプロモーションビデオの撮影もしていたらしい。何故、そのようなプロが、春には一般人も多く滑るようなエリアでの雪崩を避けられなかったのだろうかか。

雪と斜面があれば雪崩の可能性は常にあるが、プロならば、雪崩とと共に高峰の急斜面を滑るようなYOUTUBEも良く見かける。

今回の現場は、標高2000メートル付近の私でも滑れる普通の斜面である。しかも灌木も生えている。安心したのではないだろうか。

その標高の低さが仇になったと思う。3000メートル級と異なり、この程度の標高では、日射により雪表面が溶け、夜には氷結する。その面が上下の積雪を分離する弱層になる。その弱層の上に日本独特の重い雪が大量に積もる。そしてスキーのエッジにより鉛直方向にも切断され、緩斜面でもあっても雪が流れ落ちることになる。
このような状況は、米国のスキー可能なエリアではほとんど起こらないので、油断していたのではないかと思う。

実は、昔々、天狗原の斜面よりかなりなだらかなあるゲレンデ横の斜面を滑っていて雪崩を起こした事がある。まさかと思ったが、ゆっくりと表面の10センチメートル程度の春の重い雪が200メートルほど流れ下っていった。幸い誰も滑っていなかったので、被害はなかったが、人がいたら、転倒はしていただろう。

確かに雪と斜面と多少のショックで雪崩は起こりうるものである。
それがどんなに緩斜面であっても、そして、起こりそうにない雪質であっても。

AIによる雪崩発生予測は可能か?2023年01月31日 07:44

 また、外国人による遭難騒ぎがあったようだが、冬山では雪崩による死亡事故が最も多い。居住地でも雪崩による災害は、雪下ろしも屋根の雪崩であることを考慮すれば多数を占めるだろう。
 日本は山岳地形が8割を占める。土砂崩れを含め、顆粒状の物質の崩落事故が自然災害の多数をしめることは明白である。

 そこで、様々な物理モデルによる雪崩事象の分析が行われているが、今のところ、高精度の雪崩予測ができたとの話は聞こえてこない。短期の天気予報では近年かなりの精度で予測できるようになってきたが、雪崩予報は、県ごとに積雪地は全て雪崩注意報が出っぱなしというお寒い状態である。雪崩警報とか、雪崩緊急速報などというものは聞いたことがない。

 そこで、仕方なくAIを用いた雪崩予測が可能かということになる。ここでAIとは、多数のデータをもとに計算機に条件と結果を学習させ、どのような状態であれば、雪崩の確率が増えるかをある程度定量的に評価させ、それによって、特定の地域、時間、積雪状態、その他の条件ごとに雪崩の確率を予測させることである。

 昔から、雪崩が起こる場所とか、天気状況、斜度など、いくつか経験的に言われてきたことがある。また、雪をある程度掘って、内部の滑り面の結合強度を腕の力を使って調べ、雪崩可能性を評価する弱層テストなどといった方法もある。しかし、このような半経験的な方法だけで、精度良い予測をすることも難しそうだ。

 この際、疫学的な流行予想と同様、AIを活用した雪崩予報システムを全国的レベルで開発してもらいたい。
 そのためには、まず、データの収集である。衛星による全国の画像分析から、雪崩の発生地点、発生規模、前後の状況、天気データを人工雪崩、住宅での雪下ろし中の雪崩落も含め、可能な限りデータを集積し、最近進歩が著しいAIを用いた統計手法で相関関係を分析する。
 そのためには、気象庁、警察、消防などの関係機関のデータベースがすべて必要になる。他の国土交通省各部署、農水省、JAXAの協力も必要だ。
 日本は日本海のお陰で、世界でも珍しい豪雪地帯である。人口密度も高い。

 AIの利用が進んでいる現在、日本が率先して雪崩予報システムを開発し、更には土砂崩れ予報システムに結び付けられれば新たなIT技術として世界に売り込めるのではないだろうか。

白馬乗鞍のバックカントリー遭難の考察2023年01月30日 08:16

 白馬乗鞍岳手前の天狗原で雪崩が起き、海外のスキー客が巻き込まれて遭難したそうだ。
 40年前の5月の連休に栂池スキー場から天狗原、白馬乗鞍岳、蓮華温泉を経由し、大糸線の平岩まで山スキーで2泊3日のツアーをしたことがある。5月なので、雪崩の可能性は小さく、また、栂池スキー場から白馬乗鞍岳まで、当時はやっていたヘリスキー(ヘリコプターでスキーヤーをバックカウトリー?まで運ぶサービス)もあった。また、白馬乗鞍岳の裏側にある蓮華温泉は雪の中なので徒歩かスキーでないと到達できないが、営業中であった。

 従って、栂池スキー場の上部には境界を示すロープはなく、だれでもバックカントリーの雪山に行ける状態になっていた。

 我々は冬山装備とツエルト、食料を持ち、山スキーで白馬乗鞍を目指したが、上から一般スキーヤーがたくさん降りてきて驚いたことがある。ヘリコプターで山頂まで運ばれたスキーヤーである。

 勿論、1月の降雪直後と、5月の残雪期では雪崩の起こる確率はことなるが、バックカントリーであることは同じである。

 また、スキー場の境界のロープにどれだけの意味があるかも問題である。スキー場のリフトなどを使わずにその外側から白馬乗鞍を目指すことも十分可能なのである。その場合は、バックカントリーで遊ぶことは許されないのだろうか。

 バックカントリーとは何なのだろうか。そして、遭難時の責任やワイドショウで言われているようなルールを守るという際のメールとは何なのだろうか。

 これは、登山や海の遊びでの遭難時の問題とも共通の課題である。

 要するにメディアでは、遭難した結果で、ルールを守ってないと非難しているように思う。

 登山の場合は、遭難に備え、遭難保険がある。
 バックカウントリーや海においても遭難保険に加入することは必須だ。
 登山では危険な山に対する入山規制が行われている。丹沢など低山でも遭難は起こっているのだから、零にすることはできない。厳しく登山を規制したら、かえって地元の利益に反することも多い。

 問題は、どのようなルールで規制するかであろう。登山届だけでなく、バックカントリーの場合もその届け出を義務化するだけでもかなり遭難を防げる。また、スキー場ではある程度人員も配置されているのだから、そこで、ツアー客のチェックをすることも可能だ。
 スキー場経営や外国客の受け入れのための必要経費として、チェック体制の整備をする以外にないのではないだろうか。

 そして、最も重要な了解事項は、スキー場からバックカントリ―側に出る際の注意書きである。カナダのスキー場では、境界外に出る際の立て札に、自己責任であることが明記されている。年間10人程度の遭難死がでることも珍しくない。従って、ニュースにもならない。
 遭難しても生還するのは自己責任である。
 救助隊側も決して危険を冒すことなく、自己責任で行動することになる。費用やリスクを冒した結果は保険などの契約の範囲で考えなければならない。
 このような自己責任のルールが日本社会でどこまで浸透するか、安全が担保されている日本では難しいかもしれないが、この自己責任ルールをアウトドアで徹底することが、この閉塞感のある日本をかえていく一つのきっかけになればいいと思う。

単独行が二人パーティよりいい場合2022年12月16日 21:43

単独での山行はしないよう、よく地元警察などの看板に描かれていることがある。では、二人パーティは望ましいだろうか。

昔、ある山で、男女二人パーティの遭難救助をしたことがある。岩場で女性が落石を受け、頭がい骨にヒビが入ったようで意識もうろうである。通りかかった我々が、何とか登山口まで下ろし、女性は病院に運ばれた。男性は警察に呼ばれ、1時間ほどで戻ってきたが、顔色が悪く、無口になっていた。想像するに、故意に石を落としたのではないかと尋問されたのかも知れない。

ドラマではそのような事もあり得る。確かにふたりきりなので、何が真実なのか証明は難しい。警察は疑うことも仕事のうちである。だが、幸い、彼女は一命は取り留めた。

もし、亡くなっていたら、どのような展開になっていただろうか。二人パーティが単独行より必ずしも良いわけではないという例である。即ち、事故らなければ、二人パーティの方が、単独行より安全だが、事故ってしまうと、社会的により難しい立場になり得るという事です。

ふじあざみラインでのバス事故原因推定2022年10月14日 06:16

 14日昼頃に大型観光バスが静岡県小山町のふじあざみラインで横転事故を起こした。
 この事故の発生個所は、須走5合目から実質1.5車線の緊張する細道を降りてきて馬返しと呼ばれる地点を過ぎたのち、通常の2車線となった100メートルほど下った道路が、枯れ沢の上で一旦平坦になり右カーブとなった先の地点である。映像をみるとその地点の道路の左側から舗装面に向けてうすく土砂が2~3メートル流れ込んでいて、バスはその土砂に乗り上げたために横転しているようにも見える。ニュースでは左側のり面に乗り上げたための横転したと言っている。
 推測だが、運転手は、馬返しまで下りてきて、広い2車線になって緊張がゆるみ、下り坂でスピードがでたまま、現場に突っ込んだと思われる。沢を渡るところは平坦になっているので、バスはその平坦地でバウンドし、前車輪の荷重が減少する。この先は右にカーブしているので、右にハンドルを切ったが、左側面の薄い土砂に乗り上げ、スリップして横転したーという状況なのではないだろうか。
 この沢を渡る部分の平坦地は、左側から常に小富士側からの風が吹いており、細かい砂の粒子が堆積しやすい地点である。これが更にスリップしやすい要因になったと思われる。

 この地点は、冬にスキーで降りてきてもスピードをできるだけ落とさずにこの平坦面に入り、惰性で右カーブを切り、その先の数メートルの坂を登りきるという地点である。バスのタイヤには残念ながらスキーのようなエッジはついていない。
 ちなみに、エッジのない距離スキー用のスキー板では急カーブを曲がることはまず不可能で、スキー部のプロでも横倒しになってしまう。

 数年前の春にこの枯れ沢の付近は大雨に見舞われ、上流から大量の土石流が一帯を襲い、通行止めになって復旧工事が行われた箇所である。この工事で、沢の上部には大きな砂防ダムが数段に渡って構築された。

 事故時点で舗装面にある土砂は、砂防ダムの効果が届かない尾根の側面から、最近の雨の影響で流れ込んできたもののようにも見える。

 この事故は、山道から広い2車線に出て、油断した一瞬のスキをついて起こった、但し、その地点はスリップしやすい条件が揃っていたためだろう。バスのブレーキ、エンジンブレーキに不具合があった可能性も考えられるが、運転では安全そうに見えても常に緊張している必要がある。

 ただ、ブレーキやエンジンブレーキがこの地点で急に不具合が生じたとすることには疑問がある。馬返しよりも山側のほうが急でカーブが多いので馬返し以前で事故が起こる可能性が大きい。

 おそらく、馬返しを過ぎて道が広くなり、気が抜けたまま枯れ沢の地点まで十分減速しないまま突っ込み、ブレーキをかけたが、上記の理由でタイヤがスリップしてハンドルが効かないまま横転したということではないかと推定される。

(16:00修正追加)
ニュースによれば、運転手は事故直前にブレーキを数回踏んだが、効かなかったとのことである。これは、馬返し前の急坂部分までにエンジンブレーキを使わずにフットブレーキに頼って減速を継続してきた可能性がある。即ち、これは、数年前に碓氷バイパスでスキーバスが道路から落下して多数の学生が死亡した事故と同様である。
最近の大型バスのエンジンブレーキは特殊で、ギアを保護する回路とリンクしており、トラックなどとは異なって場合によっては効かない機構になっているようだ。この機構の特殊性を運転手が十分訓練、認識していたのか、確認する必要がある。)

(16日修正追加)
 15日のニュース報道によれば、運転手は400メートル前からブレーキの効きが悪くなっていたということである。また、テレビ映像では、横転地点の手前約15メートル付近の右車線から横転地点まで白いタイヤ痕が見える。
 一方、steerlink.co.jpのサイトによれば、トラックの排気ブレーキ(乗用車のエンジンブレーキが更に強力に効くよう排気バルブをスイッチにより閉める装置)では、後輪のみに作用するので、前輪がスリップしやすくなる。
 これらのことから以下の推定ができる。

 事故地点の400メートル手前というと、馬返しの上部であり、山スキーで降りてくるとそれなりに急坂でカーブが続き気持ちよく滑れる地点である。ここまで、大型バスでフットブレーキを多用して下りてきた場合、次第にフェード現象でブレーキが効きにくくなってくるはずである。
 馬返し地点を過ぎると急に道幅が広くなり、直線となるので、安心してブレーキからしばらく足を外したのであろう。しかし、スピードが出すぎて、ブレーキを踏んだが、効かず、排気ブレーキのスイッチを入れた。そのため、後輪のみが急激にブレーキがかかり、前輪が浮き気味になった。道は右カーブしており、ハンドルを右側に切ったが、事故地点では細かい土石粒が溜まっていたため、前輪がスリップしながら左斜面に突っ込んでいった。そして、横転したーという経緯ではないだろうか。

16日のニュースでは400メートル手前から事故地点まで断続的にブレーキ痕があったということである。こうなると5合目から400メートル手前の地点までの排気ブレーキの使い方が問題となる。この長い下り坂を十分エンジンブレーキを効かせないまま下りてきて、フェード現象を起こしてしまったようだ。これは、数年前の碓氷バイパス事故と同様、ギア操作のほうに問題があったと推測される。碓氷バイパス事故のバス運転手も大型バスのギア操作に慣れておらず、低速ギアにうまく入れられなかったために十分なエンジンブレーキ効果が得られなかった。そして高速でカーブに突っ込んでしまった。
これは、徐々に低速ギアに入れないと、ギア機構の破損を守るためにギアシフトダウン操作が運転手が気が付かないままキャンセルされてしまうという危険なものである。これは当時実用化されつつあった、大型バスのオートマ機構の特長である。碓氷バイパスの事故当時もこの機構の危険性は分かってはいたが、現在までに改良されてこなかのかもしれない。

(17日追加)
17日のニュースでは乗客の事故時の証言が出ていた。すでに、馬返し地点で運転手は非常事態に気が付いていたらしい。広くなった2車線道路の右側を走り、事故地点の左側の側面に意図的に突っ込んでいったようだ。こうなると上記のような排気ブレーキ、エンジンブレーキの使用方法を間違ったか、車体に何らかの異常があったかのどちらかが原因ということになる。

山スキーでのこぶ斜面の滑り方2021年10月28日 04:44

 スキーでこぶ斜面を滑るのは疲れる。膝の曲げ伸ばしが多すぎるのである。そして、押し出しで足を突っ張るので更に疲れる。こぶ斜面はスキー場ではよくあることなので、山スキー帰りでも出会うことはありうる。
 SUGAWA SKI SPIRITというYOUTUBEでは、こぶにスキーをぶつけることでスピードを押さえるのがコツであるとのことであった。
 確かに有効そうだ。ただ、膝の曲げ伸ばしはどうしても生じるので、荷物を担いでいる場合はかなりつらい。こぶにぶつかった時の衝撃で加速度を受けるのである。
 では、どうするか。
 こぶにぶつかる前の速度をできるだけ抑えることである。
 そのために、そのこぶ(バンク)に対して、ぶつかる直前にダブルストックをつくことである。ストックで衝撃を受け止めることで、足だけで衝撃を受けるよりも大幅に衝撃による圧力を低減できる。こぶを乗り越えた際に抜重することも容易になる(はずだ)。
 問題は、ストックで受けた際に生じやすい後傾を如何に抑えるかである。そのため、ストックを平坦地よりかなり短めに持つことである。
 理論武装はできたので、実地でどうなるか今年は試してみよう。