ヒトのDNAのイントロンの存在理由について2021年11月28日 07:43

DNAのイントロン部分は遺伝子として機能していないDNAの領域で、RNAに転写される際に、かけはぎ機能が別に用意されており、イントロン部分はこのかけはぎ機能により削除され、必要な遺伝子部分のみ残るようにできているらしい。(二河成男「生命分子と細胞の科学」)
このイントロンがなぜ存在しているのかは不明だそうである。
このテキストのP.118 を見るとショウジョウバエのDNAのイントロン部分は遺伝子部分に比べ非常に短い。一方、人のDNAは殆どがイントロン部分でできている。
ショウジョウバエは放射線に弱いことが分かっている。即ち、数ミリシーベルトの照射で遺伝機能がなくなるのである。一方、人は数シーベルトオーダーまで死亡することはない。この差がイントロンと遺伝子の比率で説明可能なように思える。
放射線などにより細胞中に生成される活性酸素がDNAの部分的損傷を生じるが、遺伝子部分の存在密度が高いと同じ活性酸素密度であってもDNA修復機能が十分に働かないはずである。ヒトのDNAでは殆どがイントロンなので、仮にDNA損傷があっても、遺伝子部分の損傷を修復できる確率がショウジョウバエよりも数桁高く、殆ど遺伝子そのものへの損傷が残らないものと推測できる。
これが人が放射線に強く、ショウジョウバエが極端に弱い理由であるーという仮説はどうだろうか。

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