ロシアの核とアメリカの核2022年09月29日 13:54

 ロシアが南部4州を併合し、ロシア領にするとプーチンは考えている。
これで、プーチンは核使用がより容易になった。自国領での核使用には国外以上に国際条約上の制約がない。まして、ウクライナを自国領から追いだし、自国の兵士の死者を減らすこともできる。
 この論理の一部は、嘗て米国が、広島・長崎への原爆投下の正当性を説明する際に用いたものである。
 仮にプーチンが核を用いた場合、その正当性を、広島・長崎の原爆投下での米国側主張に準えるであろう。
 即ち、自国の死者をできるだけ少なくして、戦争を早く終結するにはこれしかなかったーという論理である。米国はどのように反論するだろうか。そして、日本政府はどう反応するだろうか。

 太平洋戦争の経験から考えると、もっとも狙われる可能性があるのは、ウクライナの中核都市である。日本政府、米国政府は、早急に、ウクライナの中核都市における市民の死者を防ぐ方策をウクライナ政府に伝える必要がある。
 私見では、核爆発が地上で起こっても、その時点で1メートル程度のコンクリート壁、土壌に遮へいされていれば、即死や重症は免れる。爆発後の残留放射能(フォールアウト、核分裂生成物)による影響は数時間もすれば問題はなくなる。
 即ち、窓のできるだけ少ないコンクリートの建物内か、地下街、地下鉄内にいて暫くそこに滞在すれば、生き延びられるのである。
 仮にその瞬間に地上にいたとしても、爆発中心から直視できない位置の建物、大型車などの陰に隠れられれば、少なくとも即死は免れる。直視位置にいる場合、核分裂によるガンマ線は被ばくするが、殺傷力の強い中性子線は、1キロ離れれば到達まで0.1秒程度は掛かるので、閃光を見た瞬間に物陰に隠れられるかどうかが生死を分ける。
 これらの詳細データは、広島・長崎の生存者の被ばく時状況を詳しく調べた米国ABCC委員会(原爆傷害調査委員会(げんばくしょうがいちょうさいいんかい、Atomic Bomb Casualty Commission、ABCC)のデータとして残っているはずである。米国はソ連との核戦争を想定し、米軍死者を減らそうとしてこの広島・長崎の生存者の状況を詳しく調べたのである。
 このABCC委員会データを早くウクライナ政府及び市民に公開し、プーチンの核攻撃の脅威に対応すべきである。日本政府も広島の放射線影響研究所などに多少はこの関係のデータがあるはずだから、可能な協力を我が国独自で行うことが出来る。

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