マニュアルモードの方がスリップが防げるわけ2022年12月12日 07:09

 あるイタリアの知人が、アルプス越えでスキーに行くのに、ノーマルタイヤでチェーン無しでもOKだという。何故か。
 当時、欧州車はマニュアルが普通だった。それが理由だろう。
 マニュアル車はエンジンとタイヤが常に直結している。即ち、加速しているか、エンジンブレーキが掛かっているかのどちらかという状態にコントロールができるわけである。
 加速しているときは常にタイヤから雪面に後ろ向きの力がかかる。そのため、坂道を登っているのと同様にスリップしにくい。(急坂ではスリップすることになるが、それ以外ではスリップしにくい。)
 エンジンブレーキが掛かった状態とはどういう状態か。
 これは、タイヤに前向きの方向(転がる方向と逆方向)に力がかかる状態である。即ち、車体の減速加速度による力が、シリンダー内のガス圧縮力に変換され、タイヤを通して雪面に前向きの力を与える状態になる。この状態も雪面にタイヤを押し付けていることになるのでスリップしにくいことになる。
 これら二つの中間の状態、即ち、加速も減速もしない状態が一番スリップしやすい。それは平坦な直線路で行えばよい。
 多分、このようなテクニックでノーマルタイヤの雪道走行が可能になっているのであろう。

 幸い、今所有している車は、マニュアルモードが付いている。エンジンとタイヤが直結状態にできるはずである。今度雪道を走る際はマニュアルモードを多用しようと思う。

 このような走行は氷結路ではどの程度有効なのだろうか。
 以前、富士山の氷結路で、車体姿勢装置の付いた四駆のスタッドレスでスピンしたことがある。完全氷結の場合はどうやってもスリップするそうだ。
 そのような路面では旭川市の市街地のようにスタッドレスでも、平坦地であっても低速走行する以外に解はないように思う。ただ、マニュアルならノーマルでもスリップしにくいとは思うが、交通違反になるので、スタッドレスでマニュアルというのが最適解ということだろう。
 そのために、今からマニュアル運転になれておく必要はある。

 EVの場合は、アクセルを緩めた場合に自動的に回生発電ができるような仕組みになっているのだろうか。昔の千代田線では回生ブレーキが効きすぎて乗り心地は最悪だった。EVも雪道モードを付ける必要があると思う。