WCアルゼンチン―フランスPK戦Rによる失敗確率計算結果2022年12月20日 10:29

18日の記事に記載したように、過去のWCデータから、アルゼンチンーフランス戦はPK戦になる確率が高いことはある程度予測できたが、では、PK戦ではどちらが勝つと予想できただろうか。
 すでに結果が出ているので面白みは無いが、ポアソン回帰分析を用いて、過去のWCデータから計算してみた。
 ただし、PK戦そのものの回数が少なく、また、あまり古いデータも使えないので、1982年以降2018年までの両国のWCでのPK戦データを用いた。
 出典はhttps://worldcdb.com/
である。
 
 ポアソン回帰分析では、生起確率の少ない事象を対象とするので、ここでは、PK失敗数を調査した。また、延長戦までの合計得点が選手疲労をよび失敗確率が上がるだろうことを仮定し、失敗数は合計得点の関数であると仮定した。

関連するデータを整理すると以下のようになる。

         本戦合計得点  PKシュート数 失敗数
         (point120m) 

アルゼンチン     0       9        0
              1       8        2
              2       4        0

フランス         0       4     1
1       4     1
3       4     1


データ数が少なすぎるので信頼性はないが、一応、統計ソフトRでは両国の失敗確率が計算できるので、上記データで計算してみた。

 結果は以下の通りである。

アルゼンチン

Coefficients:
    Estimate  Std. Error  z value  Pr(>|z|)
(Intercept) -2.7081 1.1547 -2.345 0.019 *
point120m 0.4055 0.9128 0.444 0.657


フランス

Coefficients:
   Estimate     Std. Error   z value Pr(>|z|)
(Intercept) -1.386e+00 9.129e-01 -1.519 0.129
point120m -1.923e-16 7.071e-01 0.000 1.000


(注)本データの意味等は11月23日記載テキスト参照。

本データより、両チームの本戦得点3点における4本シュート時の予測失敗数を計算すると、

アルゼンチン:0.900
フランス   :1.000(平均値と同じ)

となった。
もう少しデータ数が多ければ信頼性があがるだろうが、それでもWCの過去データの統計処理によりアルゼンチン優位という予測は出来たはずである。