箱根の道が志賀高原より危険なワケ2026年01月24日 02:36

 箱根は標高1,438m(神山)で、雪も少ない。一方、志賀高原は標高2,307m(横手山)で豪雪地帯でもある。

 ところが、最近のニュースでも見るように箱根はたとえスタッドレスタイヤであっても車は良く滑り、事故を起こす。志賀高原もスリップ事故はあるのだが、あのニュースのようにどこまでも車が坂を滑り落ちていくという事態は少ない。

 なぜだろうか。それは志賀高原と異なり、箱根のほうが気温も地温(地面温度)も高いからである。志賀高原は温泉が少ない。箱根は温泉だらけである。このため地表温度は高めに推移する。日射もあり、気温も日中は零度以上になる。即ち、降った雪が日中は解けて、水の膜になり、明け方は日射がなく、気温、地表温度も零下になって氷の膜になる。即ち、氷の斜面の上に車が乗っかった状態になるので滑り落ちるのである。

 一方、志賀高原では常に地表温度は零下である。車の排気などで表面が零度以上になって、水になり、それが夜間に氷になることはあるが、その下は雪が残っているので舗装面全体が氷に覆われるような状況にはならない。雪と氷が混在した状態で舗装面を覆っている。雪というものは空気が混入しているので、断熱性が氷よりも高い。即ち、車が乗った状態でボイルシャルルの法則で雪面の圧力が上がり、一時的に接触面は水になる。雪が雪面に多少残っている方が地面との温度差ができるので、氷だけの場合より表面の温度が上がりやすく、水膜ができやすい。その水膜はスタッドレスのサイプ(タイヤ表面の排水用溝)が排除するので、その結果、雪とタイヤ表面が直接接触し、雪のほうが氷より摩擦係数は大きいのでスリップを防ぐのである。

 地熱のある箱根では雪が全て溶けて氷の板のみ舗装面に残っているので多少表面が溶けても、下は氷のままのため、スタッドレスタイヤでも摩擦は生じない。

 この差が箱根のほうが志賀高原より危険な路面になりやすい理由である。即ち、箱根では路面温度が零度を挟んで上下するので氷の単層が暑く生成され、スタッドレスが効かなくなる路面状態になりやすいということである。

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