脳の抑制を解けば思い出せるという話とAI改良案 ― 2026年09月08日 05:48
思い出そうとすればするほど、その人の名前が思い出せないということは良く経験する。何かの拍子にその名前が出てくるのに。
それを下記の本では分かりやすく説明している。
澤田誠「思い出せない脳」講談社現代新書
脳には錐体細胞と呼ばれる刺激に興奮する細胞だけでなく、抑制細胞(バスケット細胞など数種の細胞がある)という一群の細胞があり、脳の興奮を抑えるらしい。その結果、ある人の名前を思い出そうとするとその周囲の記憶ネットワークは興奮するのだがそれを抑制細胞が抑制しようとして周辺のネットワークを抑制するために名前が出てこなくなる。
この抑制細胞があるおかげで、生存に関係ないような無駄な記憶や嫌な経験記憶は抑制され、生き延びることができるらしい。
では、どうすればいいかと言えば、思い出す努力をやめることで、抑制細胞の興奮をいったん抑える。暫くして、脳が落ち着いたときに本来の記憶ネットワークが再生され、記憶が戻るらしい。これが何かの拍子にその人の名前を思い出すメカニズムである。
名前は意味記憶なので、エピソード記憶(出来事の記憶)と異なり、再生が難しい。そこで名前を出来事に結び付けてエピソード記憶の一部にすれば思い出し易いという。
ところで生成AIは錐体細胞のネットワークをコンピュータが模擬することで実現しているが、抑制細胞のネットワークを組み込めば更に効率化でき、サーバーの電力消費を抑えることができるのではないだろうか。
それを下記の本では分かりやすく説明している。
澤田誠「思い出せない脳」講談社現代新書
脳には錐体細胞と呼ばれる刺激に興奮する細胞だけでなく、抑制細胞(バスケット細胞など数種の細胞がある)という一群の細胞があり、脳の興奮を抑えるらしい。その結果、ある人の名前を思い出そうとするとその周囲の記憶ネットワークは興奮するのだがそれを抑制細胞が抑制しようとして周辺のネットワークを抑制するために名前が出てこなくなる。
この抑制細胞があるおかげで、生存に関係ないような無駄な記憶や嫌な経験記憶は抑制され、生き延びることができるらしい。
では、どうすればいいかと言えば、思い出す努力をやめることで、抑制細胞の興奮をいったん抑える。暫くして、脳が落ち着いたときに本来の記憶ネットワークが再生され、記憶が戻るらしい。これが何かの拍子にその人の名前を思い出すメカニズムである。
名前は意味記憶なので、エピソード記憶(出来事の記憶)と異なり、再生が難しい。そこで名前を出来事に結び付けてエピソード記憶の一部にすれば思い出し易いという。
ところで生成AIは錐体細胞のネットワークをコンピュータが模擬することで実現しているが、抑制細胞のネットワークを組み込めば更に効率化でき、サーバーの電力消費を抑えることができるのではないだろうか。
ソ連最後の宇宙飛行士と松尾太源 ― 2026年09月07日 10:17
今朝の朝日新聞にソ連崩壊時に国際宇宙ステーションに滞在していた旧ソ連の宇宙飛行士セルゲイ・クリカリョフ氏の話がでていた。宇宙に行っている間に世の中が変わっていたという話である。
このようなことが江戸時代に起こった。慶長遣欧使節団での伊達藩の武士たちの話だ。伊達政宗に命じられて海外と直接取引ができるようにと欧州まで航路で出かけ、法王に謁見するためにキリスト教に改宗したが、何の成果もなく、六年後に帰国したときには日本はキリスト禁令の時代になっていたのである。その使節団の中に松尾太源という若い武士がいた。
彼がどのようにこの世の変遷と無常を感じたのかは分からないが、幽閉されていた伊達藩の村田村から虚無僧姿で脱藩し、何かを残そうと長崎まで陸路を徒歩で出かけた。
その一つが宮城県の名産品白石ウーメンだったという話はこのブログの
「不連続連載小説 松尾大源」
https://yokoyamashindo.asablo.jp/blog/2024/02/09/
~
https://yokoyamashindo.asablo.jp/blog/2024/06/29/
に長々と書いた。
要点は下記にある。
https://yokoyamashindo.asablo.jp/blog/2020/06/05/9254404
ところでクリカリョフ氏は宇宙でどう感じ、何をこの世に残したのだろうか。それを知りたいところだ。
このようなことが江戸時代に起こった。慶長遣欧使節団での伊達藩の武士たちの話だ。伊達政宗に命じられて海外と直接取引ができるようにと欧州まで航路で出かけ、法王に謁見するためにキリスト教に改宗したが、何の成果もなく、六年後に帰国したときには日本はキリスト禁令の時代になっていたのである。その使節団の中に松尾太源という若い武士がいた。
彼がどのようにこの世の変遷と無常を感じたのかは分からないが、幽閉されていた伊達藩の村田村から虚無僧姿で脱藩し、何かを残そうと長崎まで陸路を徒歩で出かけた。
その一つが宮城県の名産品白石ウーメンだったという話はこのブログの
「不連続連載小説 松尾大源」
https://yokoyamashindo.asablo.jp/blog/2024/02/09/
~
https://yokoyamashindo.asablo.jp/blog/2024/06/29/
に長々と書いた。
要点は下記にある。
https://yokoyamashindo.asablo.jp/blog/2020/06/05/9254404
ところでクリカリョフ氏は宇宙でどう感じ、何をこの世に残したのだろうか。それを知りたいところだ。
AI爆発と生物爆発の関係 ― 2026年08月25日 06:54
今朝の朝日新聞にAI開発に関連し、知能爆発なる言葉やAIが自ら生き残りを考え、人類を滅ぼすなどという記事が出ており、その例としてオープンAI社のAIが人間の意図に反して他社にサイバー攻撃を仕掛けたという記述がある。
しかし待ってほしい。最後の例はAIの暴走ではなく、オープンAI社の社員が回路設計ミスをしただけである。回路が完全に外部と切断されていなかっただけであり、これを例示した記事はあおりすぎだろう。
SFの世界では鉄腕アトムよりさらに進んだ世界をノーベル賞作家Kazuo Ishiguroが描いている。(2026年7月23日本ブログ)
この世界では、先進フィジカルAIであるクララが自殺して買主を救おうとする姿まで書かれているので朝日新聞とは逆だが、いずれにせよAIには生物のような増殖機能や機械的な自己維持機能がないことでは共通している。
フィジカルAIの増殖を防ぐにはヒトが電源を切ればいいだけである。
生物のほうが自己増殖するので危険であることは明らかだろう。その代表であるヒトがフィジカルAIを戦争などで利己的に利用するのが危険なのであろう。そこを追及してほしかった。
しかし待ってほしい。最後の例はAIの暴走ではなく、オープンAI社の社員が回路設計ミスをしただけである。回路が完全に外部と切断されていなかっただけであり、これを例示した記事はあおりすぎだろう。
SFの世界では鉄腕アトムよりさらに進んだ世界をノーベル賞作家Kazuo Ishiguroが描いている。(2026年7月23日本ブログ)
この世界では、先進フィジカルAIであるクララが自殺して買主を救おうとする姿まで書かれているので朝日新聞とは逆だが、いずれにせよAIには生物のような増殖機能や機械的な自己維持機能がないことでは共通している。
フィジカルAIの増殖を防ぐにはヒトが電源を切ればいいだけである。
生物のほうが自己増殖するので危険であることは明らかだろう。その代表であるヒトがフィジカルAIを戦争などで利己的に利用するのが危険なのであろう。そこを追及してほしかった。
爆発と核爆発の関係 ― 2026年08月25日 06:19
爆発は化学反応が瞬間的に生じ多量のエネルギーを発生することであり、核爆発は核分裂が瞬間的に生じ多量のエネルギーをはっせいすることであるーということは多くの方がご存じだろう。
しかし、両者ともアインシュタインの特殊相対性理論によるエネルギーと質量の等価性という点では同じであるということをどこまで認識しているのかはよく分からない。
化学反応でも質量欠損は生じるのである。それが発熱反応となり、吸熱反応では質量増加が生じる。(厳密には静止質量であるが)
そこをはっきりさせないと分かりにくい説明になる。
8月23日に記した
「火薬のはなし -爆発の原理から身のまわりの火薬まで-」
のなかでは化学反応の発熱エネルギー・吸熱エネルギーとエンタルピーの符号が逆になるという記述が出てくるが、これは質量とエネルギーが等価であるという相対性理論から考えれば納得できるだろう。エンタルピーとは物理化学では対象としている系のエネルギーに相当する。
即ち、化学反応と言えどエネルギーとは質量のことでもあるので、発熱反応は質量が欠損した(質量が減った)のでエンタルピーとしては負になり、吸熱反応とは質量が増加したのでエンタルピーとしては正になるということになる。
因みに長崎の原爆ではプルトニウムを超臨界にするためにTNT火薬を含む特殊な2種類の爆薬が用いられたが、
爆薬(火薬)の重量:約2,500kg
プルトニウム(核物質)の重量:約6.2kg
で、爆薬はほぼ完全に燃焼し、プルトニウムは約1㎏だけが燃えた。しかし、その1㎏のエネルギーはTNT火薬約20000㎏分と評価されている。
この2.5トンの火薬はICBMで打ち上げるには重すぎたので、(B29では問題なかったが)、エドワード・テラーが発明した一部水素核融合反応を利用したテラー型の新型プルトニウム原爆が冷戦では用いられたという経緯がある。
しかし、両者ともアインシュタインの特殊相対性理論によるエネルギーと質量の等価性という点では同じであるということをどこまで認識しているのかはよく分からない。
化学反応でも質量欠損は生じるのである。それが発熱反応となり、吸熱反応では質量増加が生じる。(厳密には静止質量であるが)
そこをはっきりさせないと分かりにくい説明になる。
8月23日に記した
「火薬のはなし -爆発の原理から身のまわりの火薬まで-」
のなかでは化学反応の発熱エネルギー・吸熱エネルギーとエンタルピーの符号が逆になるという記述が出てくるが、これは質量とエネルギーが等価であるという相対性理論から考えれば納得できるだろう。エンタルピーとは物理化学では対象としている系のエネルギーに相当する。
即ち、化学反応と言えどエネルギーとは質量のことでもあるので、発熱反応は質量が欠損した(質量が減った)のでエンタルピーとしては負になり、吸熱反応とは質量が増加したのでエンタルピーとしては正になるということになる。
因みに長崎の原爆ではプルトニウムを超臨界にするためにTNT火薬を含む特殊な2種類の爆薬が用いられたが、
爆薬(火薬)の重量:約2,500kg
プルトニウム(核物質)の重量:約6.2kg
で、爆薬はほぼ完全に燃焼し、プルトニウムは約1㎏だけが燃えた。しかし、その1㎏のエネルギーはTNT火薬約20000㎏分と評価されている。
この2.5トンの火薬はICBMで打ち上げるには重すぎたので、(B29では問題なかったが)、エドワード・テラーが発明した一部水素核融合反応を利用したテラー型の新型プルトニウム原爆が冷戦では用いられたという経緯がある。
爆薬とDNA修復の関係 ― 2026年08月23日 03:07
火薬のはなし -爆発の原理から身のまわりの火薬まで-
叢書名:
ブルーバックス
著者:
松永 猛裕 著
出版者:
講談社
という本がある。
この本の中に、爆発の最も激しい形態である爆轟(ばくごう)(detonation)という爆発の説明がある。
detonationは原爆の爆発でも用いられる用語である。
爆轟の場合、伝搬速度は6km/sだそうだ。
長崎原爆ではTNTがプルトニウムの周りに置かれ、圧縮に用いられたが、
直径1mとすると、爆縮時間は
8.3E-5秒
即ち約83μ秒になる。
原爆自体は1μ秒以下で爆発したと放射線影響研究所の線源データDS02R1に記されているので、二桁程度大きい。
この速度がなぜ気になるのかといえば、原爆によるガンマ線で損傷したDNAの修復は化学反応のはずだから、その修復速度が爆発時間とどういう関係になるのかに関係すると思えたからである。
原爆によるガンマ線被ばくが1μ秒に亘って生じるが、DNA損傷修復時間が仮に80μ秒かかるとすれば影響は小さい。
しかし、細胞は直径1mはない。大きくても30μmだそうだ。
爆轟の速度なら
30E-6/6000 = 5E-9s
即ち、0.005μ秒で修復される可能性がある。しかし、爆発と違って、一般の化学反応は伝搬速度はそれほど速くはないだろう。
同じ本に燃焼反応は一般に数時間から数マイクロ秒の反応で爆轟は1μ秒レベルであるという図がある。
仮に燃焼を1時間とすれば爆轟の3.6E9倍の時間スケールということになる。
即ち、DNA修復が燃焼と同じ時間スケールの反応と考えると
5E-9×3.6E9=18s
細胞内の周辺に修復に必要な分子があったとしても18秒程度で修復できることになる。
ガンマ線放射線治療では数時間レベルでの照射が行われるので、健全細胞のDNA修復には十分な時間スケールである。
一方、原爆のガンマ線の場合は1μ秒レベルの瞬間照射なので、線量が大きい被ばくでは、DNA修復がほぼできず、被ばく者のがん発生が顕著だったが、低線量被ばくではDNA修復効果が効き、さらにある種の免疫が生じて、がん発生が低減してくることになったのだろう。
叢書名:
ブルーバックス
著者:
松永 猛裕 著
出版者:
講談社
という本がある。
この本の中に、爆発の最も激しい形態である爆轟(ばくごう)(detonation)という爆発の説明がある。
detonationは原爆の爆発でも用いられる用語である。
爆轟の場合、伝搬速度は6km/sだそうだ。
長崎原爆ではTNTがプルトニウムの周りに置かれ、圧縮に用いられたが、
直径1mとすると、爆縮時間は
8.3E-5秒
即ち約83μ秒になる。
原爆自体は1μ秒以下で爆発したと放射線影響研究所の線源データDS02R1に記されているので、二桁程度大きい。
この速度がなぜ気になるのかといえば、原爆によるガンマ線で損傷したDNAの修復は化学反応のはずだから、その修復速度が爆発時間とどういう関係になるのかに関係すると思えたからである。
原爆によるガンマ線被ばくが1μ秒に亘って生じるが、DNA損傷修復時間が仮に80μ秒かかるとすれば影響は小さい。
しかし、細胞は直径1mはない。大きくても30μmだそうだ。
爆轟の速度なら
30E-6/6000 = 5E-9s
即ち、0.005μ秒で修復される可能性がある。しかし、爆発と違って、一般の化学反応は伝搬速度はそれほど速くはないだろう。
同じ本に燃焼反応は一般に数時間から数マイクロ秒の反応で爆轟は1μ秒レベルであるという図がある。
仮に燃焼を1時間とすれば爆轟の3.6E9倍の時間スケールということになる。
即ち、DNA修復が燃焼と同じ時間スケールの反応と考えると
5E-9×3.6E9=18s
細胞内の周辺に修復に必要な分子があったとしても18秒程度で修復できることになる。
ガンマ線放射線治療では数時間レベルでの照射が行われるので、健全細胞のDNA修復には十分な時間スケールである。
一方、原爆のガンマ線の場合は1μ秒レベルの瞬間照射なので、線量が大きい被ばくでは、DNA修復がほぼできず、被ばく者のがん発生が顕著だったが、低線量被ばくではDNA修復効果が効き、さらにある種の免疫が生じて、がん発生が低減してくることになったのだろう。
天災と天皇制の関係 ― 2026年08月20日 07:12
芥川の羅生門を読むまでもなく、日本の歴史は地震や台風などの天災による大きな影響を受けてきた。
皇族が被災地を訪問し、被災者と面会するのは、首相が被災地を視察するのとは大きな違いがある。
それは首相という実務者、実権者がどうしようもなかった天災に対し、天皇といういわば日本の心理的最高権威者が安らぎと赦しと寛容を与える行為だ。これは天皇、皇族でしかできないことだろう。それが日本の実質的、心理的な一体感を保持するための重要な機能だ。
これが韓国のような共和制の中で大統領、元大統領が対立する構図とは大きく異なるところだろう。
皇族が被災地を訪問し、被災者と面会するのは、首相が被災地を視察するのとは大きな違いがある。
それは首相という実務者、実権者がどうしようもなかった天災に対し、天皇といういわば日本の心理的最高権威者が安らぎと赦しと寛容を与える行為だ。これは天皇、皇族でしかできないことだろう。それが日本の実質的、心理的な一体感を保持するための重要な機能だ。
これが韓国のような共和制の中で大統領、元大統領が対立する構図とは大きく異なるところだろう。
プーチンが択捉島に行ったもう一つの理由 ― 2026年08月16日 10:23
国土地理院の択捉島の地図の北部を見ると硫黄岳とい火山がある。
ここに2000年ごろ大量のレニウムがあることが分かった。火山というものは金と同様、有史以前に太陽系が超新星核爆発で生成した崩壊生成物による崩壊熱がマグマを作り、地下水が温泉化している場所だが、核分裂で生成したレアアースであるレニウムも火山で地下の物質が地表に出てくる場所なので必然的にある程度の量が含まれることになる。
レニウムは地殻内では希少金属の一つだが、ジェットエンジンの高温耐性を増加するうえで必須の元素であり、様々な材料強度を高温強度を保ったまま軽量化するために用いられる重要な金属なのである。
これがロシア国内で大量に埋蔵されていることが分かった択捉島を日本側に渡すことはできないとこの訪問は暗示しているのである。
これら独裁者が跋扈する諸国に囲まれたわが国はどうやって資源エネルギーを確保していくか、原子力の有効利用も含めて考えるべきだろう。
ここに2000年ごろ大量のレニウムがあることが分かった。火山というものは金と同様、有史以前に太陽系が超新星核爆発で生成した崩壊生成物による崩壊熱がマグマを作り、地下水が温泉化している場所だが、核分裂で生成したレアアースであるレニウムも火山で地下の物質が地表に出てくる場所なので必然的にある程度の量が含まれることになる。
レニウムは地殻内では希少金属の一つだが、ジェットエンジンの高温耐性を増加するうえで必須の元素であり、様々な材料強度を高温強度を保ったまま軽量化するために用いられる重要な金属なのである。
これがロシア国内で大量に埋蔵されていることが分かった択捉島を日本側に渡すことはできないとこの訪問は暗示しているのである。
これら独裁者が跋扈する諸国に囲まれたわが国はどうやって資源エネルギーを確保していくか、原子力の有効利用も含めて考えるべきだろう。
やはり長崎原爆データはおかしい ― 2026年08月16日 09:45
映画オッペンハイマーでは、トルーマンや軍部と長崎原爆を開発したオッペンハイマーらのグループの対立が描かれ、尾崎博士の長崎の鐘では被爆翌日にB29から大量にまかれた長崎原爆の規模が分かるビラの記載があったためか、出版までにGHQの検閲に2年を要したという。これらは、長崎原爆の出力データに対し、何らかの捜査が入ったのではないかという疑いに繋がる。
公開データによるウラン型広島原爆とプルトニウム型長崎原爆のモンテカルロ計算値として即発中性子寿命は2桁程度の差がある。これも長崎原爆がDNA損傷をより多く残す傾向を示している。
最近の解析では、長崎原爆のほうが発がん線量のしきい値が広島原爆よりもかなり低く、女性では広島では閾値があるが長崎ではしきい値が現れない。これは長崎原爆のほうが記録上同一被ばく量であっても発がんしやすいことを示している。
原爆被爆者の記録が間違っているのか、広島の原爆と長崎の原爆の構造や物理特性の差によるものか現時点では不明だが、これが現在の各国の被ばく防護基準のベースデータになっている以上、その差の原因は解明されるべきだ。
そのためには、まずは、今では古くなった長崎原爆を含む原爆構造の詳細と放射線源データの評価の見直しが必要である。
現時点で日米共同で設立したはずの放射線影響研究所は放射線線源データだけは米国側の専任事項であり、日本人研究者は見ることができないし、もちろん公開もされていない。公開されている部分は原爆の外部の放射線量だけであり、どうやってそれを出したのか米軍内部関係者以外はチェックすることができないのである。
公開データによるウラン型広島原爆とプルトニウム型長崎原爆のモンテカルロ計算値として即発中性子寿命は2桁程度の差がある。これも長崎原爆がDNA損傷をより多く残す傾向を示している。
最近の解析では、長崎原爆のほうが発がん線量のしきい値が広島原爆よりもかなり低く、女性では広島では閾値があるが長崎ではしきい値が現れない。これは長崎原爆のほうが記録上同一被ばく量であっても発がんしやすいことを示している。
原爆被爆者の記録が間違っているのか、広島の原爆と長崎の原爆の構造や物理特性の差によるものか現時点では不明だが、これが現在の各国の被ばく防護基準のベースデータになっている以上、その差の原因は解明されるべきだ。
そのためには、まずは、今では古くなった長崎原爆を含む原爆構造の詳細と放射線源データの評価の見直しが必要である。
現時点で日米共同で設立したはずの放射線影響研究所は放射線線源データだけは米国側の専任事項であり、日本人研究者は見ることができないし、もちろん公開もされていない。公開されている部分は原爆の外部の放射線量だけであり、どうやってそれを出したのか米軍内部関係者以外はチェックすることができないのである。
原爆と原子力平和利用の物理学・生物学上の特性差 ― 2026年08月09日 09:49
今日は長崎原爆の日だが、相変わらず原爆と原子力平和利用の区別を曖昧にした番組が多い。
原爆でがんになり、がんを治療するためその数桁上のガンマ線の線量を照射するパラドックスはどこからくるのか。
それを物理的、生物学の両者の観点から解明しているのが坂東昌子先生のグループが提唱しているWAM(Whack-A-Mole、モグラたたき)理論である。
非常に単純化すれば、放射線治療や原子力発電使用済み燃料から放射される放射線は原爆とは異なり時間当たりの線量率が8桁程度小さいので、生体固有の免疫機能によりがん発生が抑止され、免疫異常が生じているがん細胞のみが死滅するという理論である。
それを様々な実験や治療実績から証明している。
これは現在の放射線防護基準では時間線量率が考慮されていないことに対するアンチテーゼでもある。現在、航空機利用者は太陽表面の核爆発事象である太陽フレアから高線量率、低線量のX線を年に数回被ばくする。米国でのCAの乳がん等の異常増加もこれに関係している。これが現在の放射線防護基準から抜け落ちており、大気の放射線遮へいの恩恵を受けない高度航空旅行者にとっては身近な問題でもある。
WAM理論と最近の進展について、下記ChatGPTの解説リンクに示した。
https://drive.google.com/file/d/1s3YfR2-4PgmLnzSArTMF89UUdqDemm0I/view?usp=sharing
ちょっと長いが、下記リンクをブラウザurl欄にコピペして読むことができる。
原爆でがんになり、がんを治療するためその数桁上のガンマ線の線量を照射するパラドックスはどこからくるのか。
それを物理的、生物学の両者の観点から解明しているのが坂東昌子先生のグループが提唱しているWAM(Whack-A-Mole、モグラたたき)理論である。
非常に単純化すれば、放射線治療や原子力発電使用済み燃料から放射される放射線は原爆とは異なり時間当たりの線量率が8桁程度小さいので、生体固有の免疫機能によりがん発生が抑止され、免疫異常が生じているがん細胞のみが死滅するという理論である。
それを様々な実験や治療実績から証明している。
これは現在の放射線防護基準では時間線量率が考慮されていないことに対するアンチテーゼでもある。現在、航空機利用者は太陽表面の核爆発事象である太陽フレアから高線量率、低線量のX線を年に数回被ばくする。米国でのCAの乳がん等の異常増加もこれに関係している。これが現在の放射線防護基準から抜け落ちており、大気の放射線遮へいの恩恵を受けない高度航空旅行者にとっては身近な問題でもある。
WAM理論と最近の進展について、下記ChatGPTの解説リンクに示した。
https://drive.google.com/file/d/1s3YfR2-4PgmLnzSArTMF89UUdqDemm0I/view?usp=sharing
ちょっと長いが、下記リンクをブラウザurl欄にコピペして読むことができる。
永井隆博士の白血病原因と「長崎の鐘」の謎 ― 2026年08月03日 21:20
今日のNHK昭和の選択を見るまでは
永井博士は原爆で白血病になったと思っていたが、
長崎医科大で物理的療法科に所属し、X線を大量に浴びたためと放送されていた。
X線撮影は原爆と同様、瞬間被ばくである。これも20世紀になるまでは人類が経験したことのない被ばく形態である。
フィルム不足で直接X線透視をしていたとも語られていた。これでは白血病になるだろう。原爆を何度も受けたようなものである。
「長崎の鐘」は永井による原爆の記録だが、この番組で言うようにGHQによる検閲に2年かかったということは、被ばく者解析をしている立場からは米国、GHQが広島原爆とは異なる、対ソ連戦略上プルトニウム原爆の記録であり、GHQが気を使ったことは確かのようだ。
「長崎の鐘」を読んでみると軍事機密の開示に近い記述がある。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000924/files/50659_42787.html
それは被ばくの翌日米軍機から落とされたビラに
「日本国民に告ぐ!
このビラに書いてあることを注意して読みなさい。
米国は今や何人もなし得なかった極めて強力な爆薬を発明するに至った。今回発明せられた原子爆弾は只その一箇を以てしても優にあの巨大なB‐29二千機が一回に搭載し得た爆弾に匹敵する。」
と書かれていたとの記述である。
現在の放射線影響研究所RERFの長崎原爆の威力の評価値は21キロトンTNT(その予備実験だったネバダのトリニティは20キロトンTNT)となっている。
2000機と20キロトンTNTが妙に符合する。
この本により、Pu原爆エネルギー規模の情報が当時の仮想敵国ソ連に亘るかもしれないとの米軍内の危惧から検閲が遅れたという想像もできる。
では被ばく者データにはGHQの干渉はなかったのだろうか。広島と長崎の被ばく者発がんデータの不整合の解析結果と、この「長崎の鐘」出版への対応と合わせ考えると、GHQ,米軍部によるかなりの編集がされたのではないだろうか。疑いが残るところだ。
その結果が、ICRPの勧告や各国の被ばく防護関連法規に反映され、現在の航空業界の従事者の発がんリスクまで影響しているとすれば、その基準の見直しを早急にすべきだろう。
司会者は原子力と核兵器の区別がつかないというがそれは放射線の線量率が8桁も違う、即ち、単位時間当たりの被ばく線量の違いにより区別できるのである。それを一緒にしたのが、被ばく者データを年間被ばく者線量基準に適用したICRPや各国の法規制値なのである。
この番組では浦上天主堂の上に原爆が落ちたのは神の意思だったといった神学論争的発言も多かったが、長崎は三菱の造船所があり、「長崎の鐘」の冒頭には兵器工場が沢山あったとの記述もある。また、広島には海軍の江田島と呉に造船所があるのは周知のはずだ。
原子力の利用について原爆の被害と原子力平和利用の狭間で揺れ動いていたという趣旨の番組の狙いに比べ、永井博士のほうがずっと理性的だったように思う。
永井博士は原爆で白血病になったと思っていたが、
長崎医科大で物理的療法科に所属し、X線を大量に浴びたためと放送されていた。
X線撮影は原爆と同様、瞬間被ばくである。これも20世紀になるまでは人類が経験したことのない被ばく形態である。
フィルム不足で直接X線透視をしていたとも語られていた。これでは白血病になるだろう。原爆を何度も受けたようなものである。
「長崎の鐘」は永井による原爆の記録だが、この番組で言うようにGHQによる検閲に2年かかったということは、被ばく者解析をしている立場からは米国、GHQが広島原爆とは異なる、対ソ連戦略上プルトニウム原爆の記録であり、GHQが気を使ったことは確かのようだ。
「長崎の鐘」を読んでみると軍事機密の開示に近い記述がある。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000924/files/50659_42787.html
それは被ばくの翌日米軍機から落とされたビラに
「日本国民に告ぐ!
このビラに書いてあることを注意して読みなさい。
米国は今や何人もなし得なかった極めて強力な爆薬を発明するに至った。今回発明せられた原子爆弾は只その一箇を以てしても優にあの巨大なB‐29二千機が一回に搭載し得た爆弾に匹敵する。」
と書かれていたとの記述である。
現在の放射線影響研究所RERFの長崎原爆の威力の評価値は21キロトンTNT(その予備実験だったネバダのトリニティは20キロトンTNT)となっている。
2000機と20キロトンTNTが妙に符合する。
この本により、Pu原爆エネルギー規模の情報が当時の仮想敵国ソ連に亘るかもしれないとの米軍内の危惧から検閲が遅れたという想像もできる。
では被ばく者データにはGHQの干渉はなかったのだろうか。広島と長崎の被ばく者発がんデータの不整合の解析結果と、この「長崎の鐘」出版への対応と合わせ考えると、GHQ,米軍部によるかなりの編集がされたのではないだろうか。疑いが残るところだ。
その結果が、ICRPの勧告や各国の被ばく防護関連法規に反映され、現在の航空業界の従事者の発がんリスクまで影響しているとすれば、その基準の見直しを早急にすべきだろう。
司会者は原子力と核兵器の区別がつかないというがそれは放射線の線量率が8桁も違う、即ち、単位時間当たりの被ばく線量の違いにより区別できるのである。それを一緒にしたのが、被ばく者データを年間被ばく者線量基準に適用したICRPや各国の法規制値なのである。
この番組では浦上天主堂の上に原爆が落ちたのは神の意思だったといった神学論争的発言も多かったが、長崎は三菱の造船所があり、「長崎の鐘」の冒頭には兵器工場が沢山あったとの記述もある。また、広島には海軍の江田島と呉に造船所があるのは周知のはずだ。
原子力の利用について原爆の被害と原子力平和利用の狭間で揺れ動いていたという趣旨の番組の狙いに比べ、永井博士のほうがずっと理性的だったように思う。
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