天皇制の意義は宗教と一寸異なる2026年07月01日 09:45

2021年にモスクワを訪れた際、ある日曜の朝、衝撃的な光景を見た。

宗教は麻薬だという共産主義のソ連が100年近くも続いた後にもかかわらず、市の中心部にあるロシア正教のモスクワ大聖堂には数千人の信者がモスクワ川の堤防沿いに列を作って並んでいたのである。ところどころには臨時トイレも置かれているのだから、数時間待つのは普通のことなのだろう。

ソ連崩壊にも関わらず、ロシアが国としてまとまっていたのは実は民衆が信じていた宗教の力だと思い知ったのである。

では、日本はどんな宗教が国民をまとめているのかといえば、仏教か神道なのかもしれないが、その根底には天皇がおられる。日本を統一し、どんな時代も為政者ですらその権威の認証を形式的であっても天皇から得ていたのだから、日本の統一の象徴であることに間違いはない。

ただ、諸外国の宗教と異なり、天皇は物理的に存在しているヒトでもある。一般的な宗教では神は物理的な存在ではないので神の生存の心配はする必要がない。スピノザは神はすべての事物の原因と位置付けていたそうだから、何物にも影響されない存在、即ち、物理的な実在の上位に存在するものである。

しかし、天皇はヒトでもあるので、その継続性を物理的にも保証できなければ、日本の統一の象徴が消えるのである。

終戦後まもなく公布された日本国憲法は昭和天皇のことしか考えなかったように思える。基本的人権が保障されていないように見える天皇の位置づけが日本の法律の離島と言われるのであろう。

現在、皇室典範の変更が現政権の一部の思惑で優先課題にされているが、その前にこの日本国憲法の矛盾を解決することこそ議論の最優先課題にすべきことだろう。

そして、皇室の人々の基本的人権をどう守るのかから後継論議を始めないと数十年後には皇室は消えてしまう可能性も十分にあるだろう。現在皇室典範の変更を急いでいる一部の権力者はこの基本的人権の問題をどう考えているのか、答えてもらいたいものだ。

また、皇室典範を変更しなければならないとするならそれは天皇家の意向に沿ったものでなければならない。それが現憲法の趣旨に沿ったものであるはずだ。それを保証し、推進するのが国事行為をお願いしている政府の義務でもある。現時点の政府の行動はそれとはまったく反対の方向にあるように見える。

仙台とクマとウマとヒトの意外な関係2026年05月26日 03:59

報道によれば、女性騎手のG1制覇の影響で仙台の街が注目されているらしい。

その関係性は以下のとおりである。

仙台在住の作家 伊坂幸太郎氏の作品「重力ピエロ」は仙台を舞台にした優れたミステリーである。最近映画化もされている。

一方、G1で女性騎手が乗った馬の馬主はこの作品に感服し、馬の名前をジュウリョクピエロと名付けたらしい。

そこで、この作品も仙台の名所、風景も注目されるようになったということである。出版社も映画配給会社も思わぬお年玉に喜んでいるようだ。

仙台は伊達政宗が広瀬川の西岸の崖の上に築城し発展した町である。天守台の上には騎馬に跨った伊達政宗の像が広瀬川の対岸に広がる仙台の街を見下ろしている。

そして背後には青葉山の原生林のままの東北大学植物園が広がっている。その西北には広大な東北大学のキャンパスがある。

これらはいずれも映画のロケ地になっている。

わたしも幼いころ青葉城の天守台から広瀬川の河岸に落ちる崖を手作りのそりで滑りスリル満点の遊びをしていた。大手門の堀の一部は五色沼と呼ばれた池で、昔は氷結したので私もフィギュアスケートを楽しんだ。ここは日本フィギュアスケート発祥の地なので、羽生結弦選手、荒川静香選手、千葉百音選手がメダルを取っているのは偶然ではない。


ところで小説や映画にはクマが出てこないが、実は広瀬川が仙台とクマを結ぶキーである。

広瀬川は仙台の中心部を通り、下流は名取川に合流し仙台湾に流れ込むが、上流は蔵王の北部の奥羽山脈の1500メートル級の背稜が水源になっている。支流にはニッカ工場がある新川(にっかわ)がある。(単なる偶然)

新川の奥、即ち奥新川にはその昔スキー場はあり、山形を結ぶ仙山線で汽車に乗ってスキーに行くのも冬の楽しみだった。

この仙山線には熊ヶ根駅という名前の駅があるのでクマは山奥には昔からいたのだろう。私も大東岳という仙山線近くの山で一人ビバークしていた際にクマの気配を感じたことがある。また、小学校のころ、先生や同級生と広瀬川の上流の大倉ダムまで熊ヶ根駅から歩いて見学に行ったこともある。当時は大倉ダムは仙台の水源として建設途中だったが、その道すがらクマとの遭遇のリスクを考なかったのだろう。先生も同級生も無警戒だった。クマもトラックの通る里まではおりてこなかったのである。

その源流には泉ヶ岳という現在の仙台市民の登山やスキーのメッカがあるが、そのスキー場である年の春先に一人で泉ヶ岳に登ろうとしていた時に私は親子熊を見かけた。大声を出したら逃げて行ったが当時はクマがヒトを避けていた時代だった。

仙台市街の北西部には、高度成長期に住宅地として開発された国見地区がある。ここも最近はクマが目撃され、自治会が早朝散歩自粛通知がでたそうだ。

しかし、この付近は昔国見峠と呼ばれ、小学校の時は市中心部からの遠足の定番であった。クマもヒトを避けていた時代である。

高校のころ、軽免許を取った私は国見峠から泉ヶ岳の麓に延びる林道を軽自動車で運転に慣れるために走っていたことがあった。峠を過ぎて森の中を走っていら、小学生が一人でランドセルを担いで歩いているのを見かけた。集落までは結構な距離があったので、声をかけて乗せたが、のどかな時代だった。襲われたり襲ったりというリスクなどヒトもクマも考えられなかったのである。

そののどかな時代から半世紀、世の中は交通機関が発達し、食料も豊富で便利になったが、その分、我々は森のクマの領分を侵食していった。中途半端な自然保護活動のためか、温暖化のためか、クマもヒトも環境の激変に対応できていない。

クマはシカなどの増加により森を追われて市街地に食料を求めるようになった。ヒトは車社会の恩恵とより広い居住空間を求めて郊外に住むようになった。この二つの波がぶつかってアーバンベアやヒトを襲うクマの問題が目立ってきたのだろう。

クマは賢く速い動物である。河川が山奥と市街地を障害物なく結ぶフリーウエーであることを熟知している。仙台ならば広瀬川に加え、泉ヶ岳を水源とする七北田(ななきた)川がある。

森を追われればこれらの川を通って食料豊富な市街地に来るのは自然の摂理でもある。

彼らは食料さえあれば森の中で暮らすことがリスクがいっぱいの市街地よりも安心なはずである。

早くヒトの知恵を絞って、クマにも優しい自然環境を取り戻すことが必要だがそれにはヒトの文化というものがある程度自然を改造して成立するという認識が必要だ。

ヒトによる文化的自然改造とクマの自然環境の回復の両立ができるモデル都市として、仙台市が成長していくことを期待したい。

そのためには、限られた国土での動物同士の生息域のバランスの確保とともに、ライフルなどによるヒトがリスクであるとクマ認識させるようなクマへの教育も必要だろう。

潜伏キリシタンと仏教徒の微妙な関係2026年05月13日 12:02

先日、五島列島を旅した。

吉永小百合と天海祐希の「最高の人生の見つけ方」のロケ地となった水ノ浦教会も訪れたが生き方は見つからなかった。

ただ、五島列島での社会と宗教の歴史をガイドさんから伺い、この最西端の島の特殊な位置について思いを新たにした。

ガイドさん

ガイドさんの話は以下のようなものである。



五島列島の北の大きな島、中通島は人口の4分の1がカソリックのキリスト教徒である。その多くは江戸時代に迫害を恐れ長崎の大村藩からこの島に渡ってきた潜伏キリシタンを祖先に持つ。

当時、海岸沿いは仏教徒である帰住者の土地だった。大村藩からの逃亡者は漁の権利もなく、山の斜面を開墾し、細々と畑仕事で生きるしかなかった。そして彼らの守り神であるイエスを祭る生活を潜伏キリシタンとして明治の世になるまで続けてきた。

仏教徒は島の平地に住んでいたので、豊かな海の資源も手に入れられたので、比較的安定した生活ができたのである。

その交わりは比較的少なかったのだろう。今も姓を聞けばキリスト教徒か仏教徒とかが分かるという。

そのような貧しいキリスト教徒だが、今、島の最大の産業である観光産業を支えている150余りの境界は全て、明治以降に彼らが自力で建たてたのである。




そのガイドさんは町の中心部に住む仏教徒だが、彼らキリスト教徒の力に感心していた。仏教徒の住民は教会の建立には寄与していないそうである。

また、今現在でも隠れキリシタン(表面的には仏教徒だが家ではキリストを祭っている)住民もいるそうである。

米・イスラエルーイラン戦争の昨今、宗教の奥深さを感じる思いだ。

それは、中通島の北部にあるENEOSの石油備蓄施設も関係している。
島の唯一の大企業というENEOSの石油備蓄施設は7つの巨大な直方体のタンクからなる。日本の原油消費量の1日分が備蓄されているそうだ。

その7つのタンクのうちすでに6つのタンクは浮いてしまっているのが1キロ先からでも確認できるが、ガイドさんは原油の輸送タンカーが来て備蓄が減っていくのを町の有線放送でしることができたそうだ。

中東の複雑な紛争の影響が、極東の小さな隠れキリシタンの島にも及んでいる。

五島列島の最大の福江島は弘法大師が遣唐使船で中国から戻ってきたときに最初に上陸した島で、西の高野山とよばれる大宝寺もある。また、島には88個所の仏教関係の札所もある。一方、福江島には、前述の映画のロケ地となった水ノ浦教会もあるのだからこの島も仏教徒とキリスト教徒が共存してきたのであろう。

五島列島は日本の西端にあるがゆえに、世界の三大宗教がぶつかり合う土地にもなった。あの美しい碧色の海と複雑な海岸線、人工物が見えない山々と星空の夜。あの美しく静かな自然のなかに世界の文化の複雑な交わりの歴史も潜んでいるあの島にきかいがあればもう一度足を運びたい。

GO TO GOTO!

白物と色物の差2026年04月19日 09:14

家電業界には白物(洗濯機、冷蔵庫など大型で家電のメイン)と色物(その他雑多な小型家電製品)という区別がある。
 原子力業界にも同様に白物(現在の大型軽水炉発電プラント)と色物(その他雑多な原子力、放射線利用)という区別がある。
白物は分かりやすいかもしれないが、色物は色々である。

 それは白物の補完的役割を果たすかもしれないが、放射線利用としては小規模か、将来物で今後実用化されるものが大半である。

 その中には、放射能消滅システム開発、核兵器にならないプルトニウムの開発、新しい放射線がん治療開発、レアアース生産、核融合実用化などである。

 その多くは核変換技術という素粒子を利用した原子核を別の原子核に変換する技術の利用である。

 核変換のための素粒子としては中性子が最も利用しやすい。

 昔、米国でもクリンチリバープロジェクトという高速増殖炉の開発が行われており、更に大型の高速増殖炉の設計まで進んでいたが、日本でも米国企業と協力体制が敷かれていた。

 高速増殖炉では核分裂当たりの中性子発生数が軽水炉の1.5倍あり、連鎖反応以外に利用できる中性子数が50%多いので、それをこの色物技術に適用できるのである。

 放射能消滅では長半減期核分裂生成物に余剰中性子を吸収させて安定原子核に変換させる。

 核兵器にならないプルトニウム開発では、大量の中性子を発生する核種をプルトニウムに添加することで核爆発できないようにする技術である。
 
 放射線利用がん治療としてはがん細胞にホウ素薬剤を注入し、中性子を照射することで核反応を起こし、がん細胞のみを死滅させる技術や、中性子による核変換を利用し、短寿命放射性レニウムを製造し、がん細胞に注入することでがん細胞のみを死滅させる技術である。

 レアアース生産は核分裂生成物から非放射性のレアアース核種を分離精製する技術やランタンなどの豊富な元素を中性子照射し、ネオジウムやツブリウムなどのレアアースを生産する技術である。

 核融合では、ベリリウムを核反応させて核融合炉の燃料であるトリチウムを効率よく生産するための核変換技術が必要になる。

高レベル放射性廃棄物地層処分のオーラルヒストリ―2026年03月12日 04:59

報道によれば、小笠原村に高レベル放射性廃棄物の処分場の立地調査依頼があったらしい。

諸外国(米国、スイスなど)でも高レベル廃棄物の処分場の研究開発や議論が長年行われてきたが、日本でも長い歴史がある。それを当時の関係者に聞き取り、分かりやすくまとめたオーラルヒストリー資料があった。関係者よりも一般住民に読んでもらいたい資料だ。

http://www.aesj.or.jp/~snw/img/ChisouShobun-oral-history1.pdf

なお、日本などが重視しているニアフィールドアプローチとは、放射性廃棄物の近くにある範囲(人工的に放射性廃棄物を隔離する領域)を重視した手法であり、候補地の自然条件(地層など)による隔離にはできるだけ依存しない方法をさし、米国などのファーフィールドアプローチの反意語である。

ニアフィールドアプローチは核燃料サイクル全体をカバーする基本的な手法になるべきだろう。
15年前の福島事故も1960年代にこの手法が取り入れられ、土光敏夫の主張に従って、東電や国が米国GEの配置設計を見直していたら起こらなかった事故だと思う。


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Q:地層処分でニアフィールドアプローチとは

ChatGPT:
**地層処分(高レベル放射性廃棄物処分)**でいう **ニアフィールドアプローチ(Near-field approach)**とは、
処分場のごく近い領域(人工バリア周辺)に注目して安全性を評価する考え方です。
1. ニアフィールドとは何か

地層処分の安全評価では、空間を大きく2つに分けます。
① ニアフィールド(Near field)

廃棄体の周囲数メートル~数十メートル程度の領域

ここには主に 人工バリア が含まれます。

主な構成

ガラス固化体

オーバーパック(鋼や銅の容器)

緩衝材(主にベントナイト)

処分孔周辺の岩盤

つまり
**「人が設計した処分システムの部分」**です。
② ファーフィールド(Far field)

天然の地層側(広い岩盤)

地下水の流れなどによる
長距離移行を扱います。
2. ニアフィールドアプローチの考え方

ニアフィールドアプローチでは

人工バリアが放射性核種の移動を強く抑える

ことを中心に安全評価をします。

評価する主な現象

オーバーパックの腐食

ガラス固化体の溶解

緩衝材(ベントナイト)の膨潤

核種の吸着・拡散

地下水の侵入

これらをモデル化して

核種がどれくらい外へ出るか(放出率)

を求めます。
3. なぜニアフィールドが重要か

理由はシンプルで

放射性物質の大部分はここで止まるからです。

例えば

オーバーパック寿命:数万年以上

ベントナイト:低透水で移動を抑制

吸着作用

そのため

ニアフィールドがボトルネック(律速段階)

になります。
4. 安全評価の流れ

一般的な評価は

ニアフィールド解析


核種放出率を計算


ファーフィールド地下水移行解析


人間への線量評価

という順番です。
5. 日本の地層処分でも使用

日本では
原子力発電環境整備機構(NUMO)

日本原子力研究開発機構(JAEA)

の安全評価でこの概念が使われています。
6. 非常に簡単なイメージ

[ガラス固化体]

[オーバーパック]

[ベントナイト]

----ここまでがニアフィールド----

[天然岩盤]

地下水移行

----ここからファーフィールド----

もしご関心があれば、次の少し専門的な話も説明できます。

ニアフィールドでの核種移行方程式(拡散方程式)

ベントナイト拡散係数

ガラス固化体の溶解速度

NUMO安全評価の数値モデル

放射性廃棄物処分の議論では、この部分が一番技術的に重要な部分です。

仙台出身のスケーターがオリンピックでメダルを取る理由2026年02月18日 07:13

 ミラノ・コルティナ冬季五輪でも千葉百音選手が活躍しているが、荒川静香選手、羽生結弦選手も仙台出身である。

 彼女等の出身校である東北高校の近くに小松島池や与平沼という比較的大きな池塘がある。これらは昭和30年代には氷結しており、高校のスケート部の練習場でもあった。私も子供のころそれらの沼でスケートをしたこともある。与平沼では氷が割れて東北高校の生徒が亡くなったこともあった。

 当時の仙台の子供たちは、冬になると金物屋でゴムバンド付きの鉄製のフィギュアのスケートブレードを買ってきて、長靴に括りつけ、近くの池で遊んでいたのである。私の通った小学校では校庭に水を撒いてリンク代わりにしていた。

 なぜ仙台でこのようにスケートが流行っていたかと言えば、スキー場まで遠かったこともあるが、青葉城の外堀の一部である五色沼が日本のフィギュアスケート発祥の地だったことが大きい。戦前に仙台を訪れた外国人がこの池でスケートを広めたそうだ。

 五色沼も昭和30年代はスケートができたが、その後市内の池は完全氷結しなくなり、今は仙台の奥座敷と呼ばれる秋保温泉の近くにあった屋外のスケートリンクに、スケート好きはこれも廃線になった秋保電鉄というローカル電車で通うようになった。

 そのころには私も皮のスケート靴を買ってもらい、姉と秋保に何度も通うようになった。

 しかし、昭和40年代になると秋保でも氷結は難しくなり、市内の有名な酒造メーカーが当時の東北大農学部前に勝山スケートセンターという屋内のスケート場を開き、ここがスケーターの練習場になっていった。

 その後は、市内北部などにより大きな屋内スケート場が開設され、ご覧のような有名スケーターも多数現れるようになったのである。海外からの訪問者が仙台にスケートを紹介し、今や、仙台出身者が海外で活躍するようになった。

 海外との人的交流は重要であることに一例である。

勝敗と善悪は別か2026年02月09日 05:39

ケネディ家の遺訓にも佐藤優氏が言うように「勝ち負けと善悪は別のカテゴリーである」という趣旨の言葉がある。「常に正しいものが勝つとは限らない」という言葉である。

ミラノ・コルチナ冬季五輪では勝ったものが正しい選択をしたというところだろうが、社会はより複雑だ。

今回の衆院選では与党が圧勝し、中道は壊滅的敗戦だった。このようにして、日本は普通の国になっていくのだろうか。米国が普通の国ならば、戦後一貫してその後追いをしてきた日本はその通り普通の国になる選択をしたのかもしれない。

自分の信じる道を進むーそれしかない。そのためには、修業が必要だ。宇宙のあらゆる現象を勉強し、善悪とは何か、それを実践するには何が必要か修業を通して把握することが生き残る道だ。戦争が起こったら弱いものから死んでいく。

スキーモと歩くスキーによるスキー場の再興策2026年01月17日 15:49

 報道によれば、スキー場の閉鎖が続いている。新潟のあるスキー場では老朽化したリフトの架け替えに数億掛かるがその費用を回収できる見通しが得られないため、再興策に悩んでいるらしい。

 ところで、2月からのミラノ・コルチナ冬季五輪ではスキーモという新競技が採用されている。スキーとマウンテニアリング(登山)の合成語のようである。スキーを担いだり、シールという滑り止めをつけて登ったりして、頂上についたら滑り降りるという単純だがスリルのある競技である。

 これならば、リフトもゴンドラも不要である。

 ではスキー場はどうして運営するか。レストランと温泉である。特に山頂付近にレストランは絶対に欲しい。汗をかいて登ってきて一息ついて食事をする場所は冬山では必須である。温泉はスキーで疲れた体を休めるのに最適だ。今の日本なら主要スキー場には近場に温泉は多い。

 スキーモほど体力がない客のためには、スキー場周辺の既存の林道などを使った歩くスキーコースを用意して、ノルディックスキーが楽しめるようにする方法もある。これもコース整備に費用は掛からないだろう。

 日本のスキー場の多くは森林を切り開いて開設されているが、スキーモであれ、ノルディックスキーであれ、コース整備は比較的容易だ。

 都会ではウオーキングやジョギングが流行っている。冬の雪の中でのスキーモや歩くスキーはそれらの愛好者の冬のアクティビティとして、今後急成長が期待できる。それはイタリアなど欧州のスキーの発展傾向を観察していればよく分かると思う。アルペン種目とジャンプだけがスキーではない。

放射線に関わる宇宙と人類の歴史2026年01月08日 05:22

https://drive.google.com/file/d/1Ehn02gQ8vx_-s_vMdlkOvIFtxkHeE4Ke/view?usp=sharing

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ChatGPT:

この資料(「放射線に関わる宇宙の歴史と人類の歴史」2023.9.14)は、放射線を宇宙史・地球史・生物進化・近代史の流れの中で位置づけ、現行の放射線防護基準(ICRP)への問題提起と新基準案を示すことを目的とした講演資料です。要点を整理して要約します。
全体の主旨

放射線は本来、宇宙と地球の誕生以来存在してきた自然現象であり、生物はその中で進化してきた。

20世紀の**原爆による「瞬時・高線量率被ばく」**を基に作られた基準を、慢性・低線量率被ばくにも一律適用している点に問題がある。

「がん治療では高線量を許容するのに、低線量環境被ばくを過度に恐れる」というがんパラドックスが生じている。

時間線量率と総線量を同時に考慮した新しい放射線防護基準が必要だと提案している。

1. 地球になぜ放射線があるのか

地球の放射線の起源は

ビッグバン

超新星爆発

中性子星合体
などの宇宙現象に由来。

地球は超新星由来の重元素(ウラン・トリウムなど)から形成され、
地殻・マントル中の放射性元素の崩壊が現在も続いている。

地熱の約95%は放射性崩壊由来。

約20億年前には、ガボンのオクロ天然原子炉が実際に稼働していた。

世界には自然放射線量が高い地域(ケララ、ラムサールなど)が存在。

2. 生物はなぜ放射線の中で生存できたのか

放射線は水を分解し活性酸素を生む → DNA損傷の原因。

しかし生物は進化の過程で

DNA修復機構

がん抑制遺伝子(p53など)
を獲得。

重要な点:

修復は時間を要する化学反応。

瞬間的な高線量被ばく(原爆)には対応できないが、
低線量・低線量率の慢性被ばくには対応可能。

多数のがん抑制遺伝子の具体例が提示されている。

3. 20世紀になって人類の被ばくが変わった

原爆(広島・長崎)は

ミリ秒以下

数千ミリシーベルト
という極端な高線量率被ばく。

放射線影響研究所(RERF)のデータは、**軍事目的(兵士・民間人の被害評価)**として整備された。

そのデータが、後に

原子力施設

医療

福島事故対応
などの平和利用の基準に流用された。

ICRP設立の歴史的背景(米国資金、Atoms for Peace)にも言及。

4. がんパラドックスと問題提起

現実には:

放射線治療:数十Gy(=数万mSv相当)

一般被ばく規制:1mSv以上でリスクあり

同じ放射線なのに、扱いが矛盾している。

問題の核心:

瞬時被ばく基準を慢性被ばくに適用していること

時間線量率を考慮していないこと

太陽フレア問題

大気は通常、宇宙線・X線を遮蔽。

しかし:

航空機搭乗中

宇宙飛行
では遮蔽が弱く、太陽フレアの硬X線を直接被ばく。

太陽フレアの「インパルシブ相」は

予測不能

原爆ガンマ線と類似した被ばく形態。

CA(客室乗務員)の乳がんリスク増加報告に言及。

結論・提案

現行ICRP基準は
核戦争を想定した瞬時被ばく基準に強く依存。

福島のような慢性・低線量率被ばくに単純適用するのは不適切。

日本には放射線治療という長時間・高線量被ばくの豊富な医療データがある。

提案:

総線量 × 時間線量率を同時に考慮する新基準

活性酸素生成量と生体修復能力のバランスを基準化

太陽フレア頻発期(2025年前後)の航空被ばく対策にも有効。

一言まとめ

「放射線は本来、生命と共存してきた。問題は線量そのものではなく、“どれだけの速さで浴びたか”である」
という立場から、現行の放射線防護基準の再考を強く主張する資料です。

必要であれば

科学的主張と一般的コンセンサスとの差

ICRP批判の妥当性

LSS(被爆者データ)との関係整理
なども詳しく解説できます。


ChatGPT の回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。cookie の設定を参照してください。

小説国宝で読み解く長崎原爆被爆データの特異性2026年01月01日 21:20

 話題の映画「国宝」の原作、吉田修一著「国宝」朝日文庫のP.50 に主人公喜久雄の恋人春江とその母親との3人の会話が描かれている。喜久雄が母親に対し、「3人でスパスパ吸えば(タバコは)直ぐなくなるさ。」といっている。昭和40年ごろの長崎の花街での会話である。

 被ばく者データで疑問に思っていたのは女性の喫煙率の高さである。喫煙はがん発生の主要因のため、喫煙効果と被ばく効果が混在する被ばく者発がんデータでは喫煙履歴を詳細に調べ、非喫煙者の発がんデータとの比較から放射線被ばくの影響を分離するのだが、喫煙者割合が多ければ、同じ発がん率であっても放射線影響が大きいと分析されることになる。

 放射線影響協会の公表した被ばく者関連データLSS-14の中に両都市の女性被ばく者の喫煙分類データが含まれている。その値を集計すると
(1)人数
         喫煙状況不明者 非喫煙者 過去喫煙者 現在喫煙者
長崎女性   8615人      6048人   5331人   9954人
広島女性   11661人     7585人  12588人   51787人

(2)人数割合(%)
         喫煙状況不明者 非喫煙者 過去喫煙者 現在喫煙者
長崎女性   28.8%      20.2%   17.8%   33.2%
広島女性   22.5%      14.7%   24.3%   38.5%

となっている。

 即ち、長崎女性調査者のうち、喫煙経験者は約51%であるが
広島女性は約63%であり、10%以上大きい。

 そこで、小説「「国宝」の背景の話となるのだが、もともと長崎は工場が多く、花街も大規模だったので、女性喫煙者割合が多いのが自然だと思われる。この小説の喜久雄や春江などの会話の描写は納得できる。戦前は進歩的な女性ほど喫煙していたようなので、長崎のほうが一般的な都市よりも喫煙者比率が多いと思われる。

ではなぜ、長崎女性で喫煙データが不正確になったのか。

 それは、長崎の若年層の多さだと考えられる。未成年者が法律に違反しているという喫煙申告をするものだろうか。それも女性である。「国宝」の菊枝のように未成年者でも喫煙するものは実際には当時多かったが、その通り申告することは勇気がいる。上記の表で喫煙状況不明者が長崎のほうが約6%多いのは未成年者が多かったということの傍証でもある。

 同じRERFのデータを用いて、20歳未満の女性比率を比較すると

       20歳未満/全調査対象女性
長崎女性:15473人/29948人(51.7%)
広島女性:22459人/51787人(43.4%)
 
となり、長崎女性が約10%未成年者割合が大きい。

 喫煙者比率が、実際には、長崎の女性が多いのに、上記のような理由で広島より小さめになるようにLSS-14データができていたとすれば、がん発生に対する被ばくの寄与が大きくなり、詳細な統計解析の結果、広島女性に比べ、長崎女性のほうが被ばくによる発がんリスクが大きくでることになる。(下記参考記事1参照)

 更に、長崎と広島の原爆のガンマ線スペクトル特性差から女性特有の乳がん発症率の差も加わるのである。(下記参考記事2参照)

 その結果、ほとんど被ばくしていない女性も発がんリスクが大きくなり、放射線に対する発がんリスクの閾値が現れないという結果になったと考えられる。これが各国政府が採用している国際放射線防護委員会ICRPのベースデータになっているが、福島の事故被害者が有害無益な避難を強いられているとすれば、大きな問題だろう。

(参考記事1)
本ブログ2024年8月7日、8月8日、10月18日、12月6日、2025年6月5日記事
(参考記事2)
本ブログ2025年12月16日記事