潜伏キリシタンと仏教徒の微妙な関係2026年05月13日 12:02

先日、五島列島を旅した。

吉永小百合と天海祐希の「最高の人生の見つけ方」のロケ地となった水ノ浦教会も訪れたが生き方は見つからなかった。

ただ、五島列島での社会と宗教の歴史をガイドさんから伺い、この最西端の島の特殊な位置について思いを新たにした。

ガイドさん

ガイドさんの話は以下のようなものである。



五島列島の北の大きな島、中通島は人口の4分の1がカソリックのキリスト教徒である。その多くは江戸時代に迫害を恐れ長崎の大村藩からこの島に渡ってきた潜伏キリシタンを祖先に持つ。

当時、海岸沿いは仏教徒である帰住者の土地だった。大村藩からの逃亡者は漁の権利もなく、山の斜面を開墾し、細々と畑仕事で生きるしかなかった。そして彼らの守り神であるイエスを祭る生活を潜伏キリシタンとして明治の世になるまで続けてきた。

仏教徒は島の平地に住んでいたので、豊かな海の資源も手に入れられたので、比較的安定した生活ができたのである。

その交わりは比較的少なかったのだろう。今も姓を聞けばキリスト教徒か仏教徒とかが分かるという。

そのような貧しいキリスト教徒だが、今、島の最大の産業である観光産業を支えている150余りの境界は全て、明治以降に彼らが自力で建たてたのである。




そのガイドさんは町の中心部に住む仏教徒だが、彼らキリスト教徒の力に感心していた。仏教徒の住民は教会の建立には寄与していないそうである。

また、今現在でも隠れキリシタン(表面的には仏教徒だが家ではキリストを祭っている)住民もいるそうである。

米・イスラエルーイラン戦争の昨今、宗教の奥深さを感じる思いだ。

それは、中通島の北部にあるENEOSの石油備蓄施設も関係している。
島の唯一の大企業というENEOSの石油備蓄施設は7つの巨大な直方体のタンクからなる。日本の原油消費量の1日分が備蓄されているそうだ。

その7つのタンクのうちすでに6つのタンクは浮いてしまっているのが1キロ先からでも確認できるが、ガイドさんは原油の輸送タンカーが来て備蓄が減っていくのを町の有線放送でしることができたそうだ。

中東の複雑な紛争の影響が、極東の小さな隠れキリシタンの島にも及んでいる。

五島列島の最大の福江島は弘法大師が遣唐使船で中国から戻ってきたときに最初に上陸した島で、西の高野山とよばれる大宝寺もある。また、島には88個所の仏教関係の札所もある。一方、福江島には、前述の映画のロケ地となった水ノ浦教会もあるのだからこの島も仏教徒とキリスト教徒が共存してきたのであろう。

五島列島は日本の西端にあるがゆえに、世界の三大宗教がぶつかり合う土地にもなった。あの美しい碧色の海と複雑な海岸線、人工物が見えない山々と星空の夜。あの美しく静かな自然のなかに世界の文化の複雑な交わりの歴史も潜んでいるあの島にきかいがあればもう一度足を運びたい。

GO TO GOTO!

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