オリンピックのジェンダーと浴場の性別 ― 2024年08月05日 06:09
自由。平等、博愛がフランスの国旗の3色を示しているが、自由とは多様性を認めることでもある。
一方、オリンピックは個人を男か女かで区別し、その他のジェンダーは認めていないように見える。男女の判定の差が国際ボクシング連盟とIOCの間で摩擦を生み、騒動になっている。
福井県小浜市のある入浴施設を時たま利用するが、ある違和感を覚える。受付で料金を払うとロッカーのカギを渡してくれるのだが、男湯と女湯のどちらのロッカーのカギを渡すのかは、受付の女性が客の見かけだけで決めているのである。この施設でジェンダー騒動がこれまであったとは聞いたことがない。国際組織委員会以上の判定能力である。
ところで、男女の差はどこから来るのか。
二河成男「生物の進化と多様化の科学」、放送大学振興会(2007)第14章によれば、
無性生殖は突然変異以外新たな多様性は生じないが、動物の有性生殖では必ず異なる固体の配偶子(精子と卵子)が組み合わされるので多様性のある個体が生まれ、種全体の生存の維持がし易くなるのである。この精子と卵子への親の二対の染色体配分が偶然に左右されるだけでなく、配偶子ができる際に、対となっている染色体の部分的な置換も起こるので、多様性は高まる。これが次世代の子の多様性を生み出し、種の生存確率を上げる。
生存に有利な2つの変異が別の個体で生じた場合、無性生殖ではその変異をもつ個体はその子のみに留まるが、有性生殖なら、いつかは2つの変異を同時に持つ個体が生じ、ウイルスなど環境変化への適応が可能となるのである。
ヒトの場合、性が遺伝的に決まるが、それはX性染色体を二つ持つか(オス)、XとYの染色体を1本ずつ持つか(メス)である。但し、それは配偶子のどちらを作るかの遺伝子であって、体や脳の様々な形態はほかの遺伝子の変異がどうなっているかに関わるので、男らしい体格のXX染色体の持ち主や女らしい体格のXY染色体の持ち主も当然いることになる。ヒトの場合、性染色体は44本ある全染色体のうちの2本だけを占めているに過ぎない。
遺伝子の変異は要するに種の生存能力として備わったものなので人類共有の特性であり、別にトランスジェンダーだけが持っているものではない。
また、生物の中、特に、魚類や昆虫では性が食物で変わるものもある。ある魚はオス、メスという性別でなく、6種の性別を持ち、その中の2種の組み合わせで繁殖ができる。このような機能も環境の変化に対応するための生存能力の多様性の表れである。生物の進化の中で人もそのような染色体変化の影響を受けない訳がないので、典型的な男、女とは異なる人も一定程度生じるのは生物として当然と言える。
では、オリンピックでの性区別はどうすればいいのか。
IOCの区別の基準は現在、パスポートの性別だそうだが、パスポートは国によっては性別が無くなる、或いは、中間の性別が記載される例も出てくるだろう。すでにそのような傾向は出てきている。
小浜の入浴施設の受付の方に区分けてもらうの方が、ステロイドホルモンなどを調べるよりも良いのかもしれないが、もともと男と女の区別、定義はできないものなのである。ホルモンで調べても必ず個人的な差が、いわゆる性別差よりも大きいことがありうる。
しかし、どうしても区別したいというスポーツの要請があるならば、個人種目に関しては、自己申告しかないだろう。そういうものだと思って選手は参加するしかない。少なくとも現状ではまだ見かけで判断するほうが分かりやすいのである。
団体種目に関しては、男女の区別をなくし、すべて混合戦とすれば不公平感はなくなるだろう。それは、ヒトから成立している国、地域では、男、女、トランスジェンダーの比率は、生物学的にほぼ一定であると見込まれるのだから。
一方、オリンピックは個人を男か女かで区別し、その他のジェンダーは認めていないように見える。男女の判定の差が国際ボクシング連盟とIOCの間で摩擦を生み、騒動になっている。
福井県小浜市のある入浴施設を時たま利用するが、ある違和感を覚える。受付で料金を払うとロッカーのカギを渡してくれるのだが、男湯と女湯のどちらのロッカーのカギを渡すのかは、受付の女性が客の見かけだけで決めているのである。この施設でジェンダー騒動がこれまであったとは聞いたことがない。国際組織委員会以上の判定能力である。
ところで、男女の差はどこから来るのか。
二河成男「生物の進化と多様化の科学」、放送大学振興会(2007)第14章によれば、
無性生殖は突然変異以外新たな多様性は生じないが、動物の有性生殖では必ず異なる固体の配偶子(精子と卵子)が組み合わされるので多様性のある個体が生まれ、種全体の生存の維持がし易くなるのである。この精子と卵子への親の二対の染色体配分が偶然に左右されるだけでなく、配偶子ができる際に、対となっている染色体の部分的な置換も起こるので、多様性は高まる。これが次世代の子の多様性を生み出し、種の生存確率を上げる。
生存に有利な2つの変異が別の個体で生じた場合、無性生殖ではその変異をもつ個体はその子のみに留まるが、有性生殖なら、いつかは2つの変異を同時に持つ個体が生じ、ウイルスなど環境変化への適応が可能となるのである。
ヒトの場合、性が遺伝的に決まるが、それはX性染色体を二つ持つか(オス)、XとYの染色体を1本ずつ持つか(メス)である。但し、それは配偶子のどちらを作るかの遺伝子であって、体や脳の様々な形態はほかの遺伝子の変異がどうなっているかに関わるので、男らしい体格のXX染色体の持ち主や女らしい体格のXY染色体の持ち主も当然いることになる。ヒトの場合、性染色体は44本ある全染色体のうちの2本だけを占めているに過ぎない。
遺伝子の変異は要するに種の生存能力として備わったものなので人類共有の特性であり、別にトランスジェンダーだけが持っているものではない。
また、生物の中、特に、魚類や昆虫では性が食物で変わるものもある。ある魚はオス、メスという性別でなく、6種の性別を持ち、その中の2種の組み合わせで繁殖ができる。このような機能も環境の変化に対応するための生存能力の多様性の表れである。生物の進化の中で人もそのような染色体変化の影響を受けない訳がないので、典型的な男、女とは異なる人も一定程度生じるのは生物として当然と言える。
では、オリンピックでの性区別はどうすればいいのか。
IOCの区別の基準は現在、パスポートの性別だそうだが、パスポートは国によっては性別が無くなる、或いは、中間の性別が記載される例も出てくるだろう。すでにそのような傾向は出てきている。
小浜の入浴施設の受付の方に区分けてもらうの方が、ステロイドホルモンなどを調べるよりも良いのかもしれないが、もともと男と女の区別、定義はできないものなのである。ホルモンで調べても必ず個人的な差が、いわゆる性別差よりも大きいことがありうる。
しかし、どうしても区別したいというスポーツの要請があるならば、個人種目に関しては、自己申告しかないだろう。そういうものだと思って選手は参加するしかない。少なくとも現状ではまだ見かけで判断するほうが分かりやすいのである。
団体種目に関しては、男女の区別をなくし、すべて混合戦とすれば不公平感はなくなるだろう。それは、ヒトから成立している国、地域では、男、女、トランスジェンダーの比率は、生物学的にほぼ一定であると見込まれるのだから。
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