不連続連載小説 松尾大源(5) ― 2024年04月13日 12:36
常長ら遣欧使節一行は、アカプルコから陸路メキシコを横断する旅に発った。
スペインが植民地支配するメキシコとはいえ、当時の征服者に統治を任せるスペイン政府システムは現地で様々なトラブルを起こしていた。大きな問題もなくメキシコ湾岸に到着できたのは、日本から持参した大量の金銀の力とソテロの交渉能力のおかげであった。
常長一行は、多くの原住民が罹患した天然痘には誰も感染せずにメキシコを横断し、当時、世界を制覇していたスペイン艦船に乗ることができたのである。
大源は使節団一行の中では若手ではあったが、ソテロの言いつけは固く守り、現地人とのトラブルもなく出航までは順調な旅であった。しかし、メキシコ湾に出たとたん、暴風雨に見舞われ、再び、船底で必死に船酔いと戦う日々が続いた。
スペインが植民地支配するメキシコとはいえ、当時の征服者に統治を任せるスペイン政府システムは現地で様々なトラブルを起こしていた。大きな問題もなくメキシコ湾岸に到着できたのは、日本から持参した大量の金銀の力とソテロの交渉能力のおかげであった。
常長一行は、多くの原住民が罹患した天然痘には誰も感染せずにメキシコを横断し、当時、世界を制覇していたスペイン艦船に乗ることができたのである。
大源は使節団一行の中では若手ではあったが、ソテロの言いつけは固く守り、現地人とのトラブルもなく出航までは順調な旅であった。しかし、メキシコ湾に出たとたん、暴風雨に見舞われ、再び、船底で必死に船酔いと戦う日々が続いた。
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