両者の思い違いでは?2020年10月06日 07:42

菅首相が学術会議会員の任命拒否をした理由として、軍事研究を学術会議会員候補者が反対したためと報じられている。首相はこれで支持率を落とすだろうが、学術会議も公的機関としての位置づけについて批判を浴びている。
しかし、軍事研究とは何だろうか。研究に軍事と民事の差があるだろうか。それは、研究者個々人の感覚の問題なのだと思う。
最近テレビで見た例では犬型ロボットである。これは米国では地雷探査など軍事利用を主に開発されたものであるが、日本のテレビでは介護や災害対策の面が強調されている。要は応用方法なので、研究自体に軍事用とか民事用とかの区別をつけるのは困難なのである。
菅首相も、一部学者も軍事研究というものが明確にあるものと勘違いしている。これは、両者が、物を対象とした研究に携わったことがないためではないかと思う。
菅首相はこれで軍事研究がやりやすくなったと思うかもしれないが、逆に民事研究をやっていたつもりの理科系研究者が委縮することもありうる。学術会議も軍事研究という定義を明確にすることができないであろうから、反論がしにくいであろう。
精神論と国家予算の使い方を混同するとこの国の科学文化が衰退するという見本であろう。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yokoyamashindo.asablo.jp/blog/2020/10/06/9302726/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。