大都市部郊外でのストレス問題2023年03月26日 03:30

首都圏での多くの異常な事件の容疑者の出身地域は、都心でも地方でもなく、その中間に位置する、郊外地区の事が多い。
半世紀前に米国に留学した作家、小田実のベストセラー、「何でもみてやろう」でも、 当時の米国の社会的疎外者、ビートと呼ばれたものたちの多くは大都市の郊外地域の出身だったと書かれている。


これは、そのような地域が現代社会で最もストレスフルで疎外感を若者に与え易い地域であるためだろう。
都市の中心部に住んでいるのであれば、様々なイベントや商業施設から、日々、刺激を受け、ストレスも発散され、時代の先端にいると感じられるだろう。
逆に、地方では、豊かな自然の中でストレスフリーで健康的な生活を送ることができる。

しかし、その中間地域では、中途半端な都市化の中で、不自由な生活でのストレスとたまに行く都心の華やかさを見て、疎外感を深める事が多い。
これは競争社会である日米共通の現象なのであろう。

為政者は、郊外地区の若者たちがストレスを溜め込まないよう、重点的に様々な施策を施す必要がある。これを統一地方選での争点にしてもらえれば有り難い。

原発60年規制は安全性問題か?2023年02月16日 10:42

 報道によれば、原子力規制委員会が現有原発の60年超運転を多数決で決めたらしい。

 確かに、60年と言っても実際に稼働していたのは30年にも満たないものが多いのだろう。運転期間が安全性にどれだけ影響するのか、いろいろな考え方がある。ここで多数決というのは民主主義の一つの方策ではある。

 しかし、物理現象は完全には把握されていないし、当初の30年規制はそれだけの意味があったのであろう。物理現象というのは多数決にはなじまないものである。もう少し個々のプラントの経年劣化の分析を行い、一律に法規制を緩めるのではなく、過去の各プラントの経緯も含めて評価すべきだったのでなないだろうか。

 過去の経緯と言えば、プラント設計も安全設計もすべてが大きな影響を受ける放射線被ばく基準が実質米国製のICRP基準に従っているのを最初に見直すべきであろう。
 広島・長崎の被ばく者データをベースにICRP基準は作られているが、これは一瞬の被ばくデータの統計処理により得られたものであり、それを1年間(3か月規制もあるが)の規制に適用しているという物理的にも生物学的にも非科学的な規制である。
 即ち、時間的に高線量率で被ばくしても、年間線量が基準以内であれば、規制範囲内ということになる。一方、線量率が低い場合は極小線量でも規制に架かる。
 これが福島ではがん発生影響が不明で、一方、太陽フレアの瞬間被ばくを受けるCAや航空旅客の白血病の多さに繋がっているのではないだろうか。
 至急、この問題を規制委員会には検討してもらいたい。

統計用言語Rの問題2023年02月15日 09:56

 AIの活用の重要資産であるPythonやRでは、関数のパッケージ化が進んでおり、簡単に複雑な関数を利用できる。
 これは非常に便利で時間節約にもなり、通常は使い勝手が良い。

 ただ、計算時にエラーが出るとその原因追及が難しいことがある。
現在、Rによりある特殊で複雑な統計解析を行っているが、その際に原因不明なエラーがランダムに発生した。

 そのため、使用しているパッケージの解説を読むのだが、難解で悪名高いFACTOR関数や関連する説明部分の十分な分析ができない。どうやら対数関数の真が負になるためのエラーらしいと分かっても、そのデータがそうなっているか、データケースを系統的に作って何度か解析したが、エラーが発生するケースは系統性がないように見える。

 いろいろトライしているうちに、実引数を一部削除するとエラーがでなくなることが分かったが、今度はこれまで結果が出ていたケースでの影響係数が微妙にシフトする。

 そのシフトがなぜ起こるのかもまだ分析ができていない。

 それもこれも、Rでは多くの関数を複雑に取り込み、短いスクリプト行で、非常に高度な分析ができるように言語文法とパッケージ群が作られているためである。即ち、エラーが発生するケースというのはパッケージ作成者も予想しなかった特殊なデータの組み合わせを対象とする場合に生じるということで、意外にも応用範囲が狭いということである。

 パッケージ作成者はボランティア的に整備しているので、解説書を更に詳細に整備するのは大変だろうが、もう少し素人でも解読、修正が容易なスクリプトとして公開していただけると有難い。また、当該パッケージの利用上のQ&Aにおいては、コンサルタント料をとっても良いようにも思う。
 勿論、これは贅沢な悩みであるが、AI技術進展のためにも配慮していただけると有難い。

統計用ソフトR及びRStudioの利用説明書2022年12月27日 05:21

 この本が詳細で且つ実用性が高く分かりやすかった。
Rクックブック 第2版
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873118857/

しかし、この本は電子本でも4K円近い。

英語版なら
https://rc2e.com/

で無料で読める。しかも目次のリンクスキップができる。どうしようか。

第5回目接種ワクチン(ニ価mRNAワクチン)とBQ株感染2022年12月26日 20:14

先日新聞で紹介された、コロンビア大学とミシガン大学の論文の概要は以下のようなものだった。

なお、これらの結果は全て試験管内での実験結果である。

SARS-CoV-2 の最近の BQ および XBB 亜変種は、二価mRNAワクチンを複数回受けた人または予防接種を受けており、以前にオミクロン感染症にかかったことがある人から採取されたものでも、中和抗体を回避した。
さらに、 BQと XBB はベブテロビマブに対し、完全に耐性が見られた。
以上の所見は、これらの変異株に対して有効な認可された治療用抗体はないということを意味している。

重要な点は、
• BQ.1、BQ.1.1、XBB、および XBB.1 は、これまでで最も耐性のある SARS-CoV-2 変異株である。
• 二価ワクチンのブースター接種者からのものを含め、血清中和度は著しく低下した。
• すべての臨床用モノクローナル抗体は、これらの変異ウイルスに対して不活性化された。
• これらの変異株の ACE2 親和性は、親株と同様だった。

―ーということは、今回のワクチンの対外試験では、感染予防効果が見られなかったということを意味している。

但し、臨床試験をする必要があること、従来、コロナワクチンにより、重症化や入院の事態を防いできたという事実は重要であるとも強調している。

即ち、今後、感染は拡大するが、ワクチン接種による重症化防止効果はこれらの変異株に対しても期待できるということである。

感染者数を抑制するには、新しい変異株に対するワクチン開発が望ましいが、従来ワクチンのブースター接種も重症化予防上は重要ということである。

統計ソフト用言語Rの使用説明書2022年12月25日 07:22

 Rで書かれた関数を用いた統計処理の修正の必要に駆られ、添付されていたR言語のスクリプトを解読しようしてRのいろいろな日本語書籍を読んでみた。しかし、記載されているスクリプトのパターンに相当する記述が見つからない。ネットで英語の解説書も調べまくってみた。
 
 最近やっと、下記のサイトにあることが分かった。
https://cran.r-project.org/doc/manuals/r-release/R-intro.pdf

 そこの最初から20ページ目付近に詳細に懸案だったスクリプトの引数に関わる特殊パターンの説明が記載されていた。
 また、オブジェクトとクラス、メソッドの関係などR初心者が陥る混乱を回避できるような親切な解説もある。
 
 なんとそれは、Rのインストール後に表示されるGUI画面のヘルプの下にリンクされていた入門者用使用マニュアルの解説書と同じものなのである。そのヘルプは英語版なので内容は当然日本語で出版されているRの入門書に含まれているものと思い込んでいた。
 
 先入観が無駄な時間を生んでしまうという例だった。
RやPythonなどオブジェクト指向言語において、ちょっと特殊なパターンのスクリプトに出くわした場合には、英語版であってもヘルプを頼ったほうが早いということでる。おそらく、Rの日本での専門家はヘルプに出ているような説明を翻訳して出版するようなことをしなかったのであろう。理由はよくわからない。

WCアルゼンチン―フランスPK戦Rによる失敗確率計算結果2022年12月20日 10:29

18日の記事に記載したように、過去のWCデータから、アルゼンチンーフランス戦はPK戦になる確率が高いことはある程度予測できたが、では、PK戦ではどちらが勝つと予想できただろうか。
 すでに結果が出ているので面白みは無いが、ポアソン回帰分析を用いて、過去のWCデータから計算してみた。
 ただし、PK戦そのものの回数が少なく、また、あまり古いデータも使えないので、1982年以降2018年までの両国のWCでのPK戦データを用いた。
 出典はhttps://worldcdb.com/
である。
 
 ポアソン回帰分析では、生起確率の少ない事象を対象とするので、ここでは、PK失敗数を調査した。また、延長戦までの合計得点が選手疲労をよび失敗確率が上がるだろうことを仮定し、失敗数は合計得点の関数であると仮定した。

関連するデータを整理すると以下のようになる。

         本戦合計得点  PKシュート数 失敗数
         (point120m) 

アルゼンチン     0       9        0
              1       8        2
              2       4        0

フランス         0       4     1
1       4     1
3       4     1


データ数が少なすぎるので信頼性はないが、一応、統計ソフトRでは両国の失敗確率が計算できるので、上記データで計算してみた。

 結果は以下の通りである。

アルゼンチン

Coefficients:
    Estimate  Std. Error  z value  Pr(>|z|)
(Intercept) -2.7081 1.1547 -2.345 0.019 *
point120m 0.4055 0.9128 0.444 0.657


フランス

Coefficients:
   Estimate     Std. Error   z value Pr(>|z|)
(Intercept) -1.386e+00 9.129e-01 -1.519 0.129
point120m -1.923e-16 7.071e-01 0.000 1.000


(注)本データの意味等は11月23日記載テキスト参照。

本データより、両チームの本戦得点3点における4本シュート時の予測失敗数を計算すると、

アルゼンチン:0.900
フランス   :1.000(平均値と同じ)

となった。
もう少しデータ数が多ければ信頼性があがるだろうが、それでもWCの過去データの統計処理によりアルゼンチン優位という予測は出来たはずである。

WC2020フランス―アルゼンチン勝率計算予測2022年12月18日 15:22

 日本戦の勝率予測と同様の手法でフランスとアルゼンチンの勝率計算を行った。
 うすいよしき氏のWC情報データサイト
 https://note.com/yeahmen/n/n0e7b27f1a599
によれば、最近4回のワールドカップでの一試合当たり平均得点は

フランス    1.3575点
アルゼンチン 1.3675点

で、近接し、より最近の2大会では、

フランス    1.80点
アルゼンチン 1.335点

直近の2018年大会では

フランス    2.00点
アルゼンチン 1.50点

で差は拡大している。


あるサッカーチームの平均得点をλとすると、任意の1試合でx点入る確率P(x)は次式のポアソン分布で表されることが経験的に分かっている。(11月23日のブログ記事参照)

 P(x)=exp(-λ)*λ^x/x!

この式を用いて、フランスとアルゼンチンの勝敗確率を評価した。

 結果は、図にしめすように、最近4大会のデータを用いた場合、

フランスとアルゼンチンの勝率は共に約37%で、残りはポアソン分布上はドローの確率となり、PK戦の確率が高い。

 一方、最近2大会及び直近大会のデータを用いると、フランスの勝率は約約47%、アルゼンチンは約28%でフランス有利という結果になった。

 クロアチアに勝ったメッシのアルゼンチンを応援したいところだが、フランスにも知人がいる。どうなるか。寝ないで声援を送りたい。

コロナワクチン5回目接種で感染率が上がる?2022年12月15日 12:59

浦和神経サナトリウムの院長先生のブログ

https://urawasanatorium.com/%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3%e3%81%af%e5%8a%b9%e3%81%8f%e3%81%8b%ef%bc%9f/

によると、最近(14日まで)の1週間の各県の感染率と5回目接種率には、正の相関があるかもしれないとの記載があった。
 即ち、ブログ内でも疑問を呈しているが、人口当たりの感染者数は、5回目接種率が高いほど増えるという話になる。

 ここでは、同じ厚労省とNHKのデータを用いて、何が問題なのか検討してみた。

 まず、5回目接種率計算では、11月までの各県接種率を用いた。12月の接種者はまだ免疫が十分ではないという前提とした。最近1週間の各県人口当たり感染率は上記ブログと同じデータから求めた。

 結果を図に示す。
(A)は47都道府県のすべてを対象にピアソン相関係数を計算した結果である。確かにこの図では接種率と人口当たりの感染率は正の相関を示している。
(B)は特殊な条件にあると考えられる沖縄県を除外し、46都道府県を対象にしたものである。このケースでは相関係数がほぼ0で感染率にワクチン接種率は関係していないということになる。
しかし、
(C)の太平洋岸にほぼ接した都市圏の10都府県(茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県)で同じ相関係数を求めると、負の値になる。

 即ち、比較的温暖な都市部では、やはり、ワクチン接種率が高いほど、感染率は低いという傾向があることが示されている。

 これは、寒冷地や農村部では、換気が十分でない家屋内で過ごすことが増え、感染機会が増加していると言われていることの反映なのかもしれない。

 なお、各ケースの正確なピアソン相関係数とそのP値は以下のとおりである。P値が大きいケースは信頼性が低いことに留意する必要がある。
               相関係数  回帰係数のP値
(A)47都道府県対象  0.005778   0.068
(B)46都道府県対象  0.000514  0.8764
(C)10都府県対象   -0.002229  0.6295

PK戦への対処について2022年12月07日 05:20

 今大会では、あのスペインもPK戦でモロッコに敗れた。
 PK戦の重要性が改めて認識できる。
 日本代表はそのスペインも撃破したのだから十分賞賛に値する。
 森保監督はPK戦の準備が十分でなかったとコメントしているようだが、そこまで要求するのは酷というものだろう。

 部外者としては、気楽に、再度PK戦について調査してみた。
https://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20180630/786746.html
によれば、ロシア大会のベスト16か国の中で、PK戦を経験したのは12か国である。即ち、ベスト16に入れば、75%はPK戦を戦うことになる。
 WCでのPK戦は1982年からスタートした比較的歴史の新しいシステムである。
 それでも、ブラジル、アルゼンチンなど強国であってもすべてがPK戦をWCで経験している。即ち、日本もこれからはPK戦の常連国になるということである。

 では、どのようにPK戦の練習をしていけばいいのだろうか。

 良くあるコメントは、PK戦とはメンタルの勝負だというあいまいな表現である。統計的には、キーパーに対するシュートの方向で成功確率は多少異なるが、それを裏読みする力の差で実際のPK戦の勝負がきまるようだ。

 では、キッカーとキーパーのそれぞれに対し、どのような戦略を立てて今後の4年間を過ごせばよいか。

 まず、キッカーについては、昨日記事の保仁選手の間を取れるような練習が第一だが、それができなければ、相手キーパーに対して心理が読まれないよう、顔を伏せながらポーカーフェイスで蹴ることができる練習をするべきだろう。

 キーパーについては、相手が蹴ってから動き出すというよりも、動いてから逆方向に動くといった、相手を惑わす心理戦についての様々なテクニックを持っていることが重要だろう。

 他にも多くの戦略があるだろうが、スポーツ心理学の点から、野球での投球データの分析が役に立つだろう。