リニア新幹線問題解決法〜その22024年04月04日 00:26

 昨年7月に以下のブログを書いた。
ここで、ポイントは二軒小屋上流の田代ダムから発電のために大部分を富士川に横流ししている事である。

現知事はこれを知ってか知らずか県民を騙してJR東海に嫌がらせをしたのである。
下記の静岡県出身者も某大学卒であったが、この問題を全くしらなかった。牛を飼ったり、野菜を作ったりした事はない人であるが。
現知事は選挙民を騙す事には長けているのだろう。
基本、大井川は、その下流でも畑薙第一、第二ダムや井川ダムといった巨大なダムを連ねているので、50年前から水無川だった。
これらを選挙民を騙して現知事は当選したという彼の政治手法の典型である。

以下は23年7月のブログの再掲である。

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静岡出身の知人によれば、リニア新幹線トンネル掘削工事による大井川水系への影響についての静岡県知事の問題提起は水利権に関わる歴史的経緯を考慮すれば、故無きものではないということである。

 しかし、JR東海による静岡県民心理の読み違えが問題の本質であろう。これを解決するのはある意味簡単である。

 それは、静岡県内にリニア新幹線の駅を設置することである。リニア新幹線の静岡南アルプス駅候補としては静岡工区の千石川非常口の北にある二軒小屋付近に設ければよい。
現計画では静岡工区の千石川非常口は事故時の非常口のようだが、これを駅のある正式出口にすればいよい。これは比較的簡単に設計変更できるはずである。
 この新駅設置をJR東海に静岡県から申し込むだけで殆どの問題は解決するし、静岡県の面子も立つ。
 二軒小屋には元々静岡県の関連林業企業などが設置した宿泊施設があり、南アの中核的登山基地である。昔、ここに泊まって、大井川のイワナ釣りを楽しんだことがあるが、上高地に雰囲気が似ている。
 畑薙ダムから歩きだと丸一日かかるが、ここに東京から1時間で行けるとなると、日本有数の観光スポットになる。

 首都圏の登山人口比率を1%としても毎年少なくとも十万人がリニア新幹線の二軒小屋駅を訪れる。
 また、二軒小屋は今は休業しているが。上高地のように帝国ホテルなどを呼べば、南アルプスの屈指の観光地になる。
 更に、荒川岳にロープウエイなどを延ばせば、日本のグリンデルワルトにもなり得る。
地元では南アルプスの良さが分からないのかもしれないが、静岡県は県を挙げてこの新駅をJR東海に要求すればよい。

 大井川の水流問題などは、二軒小屋に隣接する田代ダムの水の富士川側への流量を減らせば簡単に解決する。富士川の発電所は東電所掌なのだから、JR東海にこの水利権交渉を任せれば簡単に解決する。

 ともかく、県知事も支持する県民も地元の観光資源の良さに気づいていない。JR東海は東京と名古屋しか頭にないので、更に悪い。スイス人の頭の良さを見習ってほしい。そして、最近の日本人の自然志向にちょっとは気づいてもらいたい。ビジネス客だけが乗客ではない。

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補足

二軒小屋に駅を作ると自然破壊だという意見があった。富士山であれだけ自然破壊をしている登山者からの意見である。単純に入山規制をすればいいだけである。いまでも畑薙ダムから二軒小屋まではディーゼルバスが大気汚染を広げながら登山者を運んでいるのである。

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ロシアの銃規制状況2024年03月24日 10:44

 ロシアの専門家ではないが、コロナ前にモスクワを訪れたとき、機会があってモスクワ近郊の観光市場に行ったことがある。
 そこにはいろいろな出店があったが、その中に様々な銃をそろえて展示している店があった。聞いた話では退役軍人や南部の紛争地域から戻ってきた戦闘員が様々な武器を横流ししているそうだ。

 もちろん非合法だと思うが、私が珍しいからスマホを向けて写真を撮ろうとしたら、大声で怒鳴られ、危なく銃撃されるところだった。

 そこの警察はどういう取り締まりをしているのかよくわからないが、裏では武器が流通しているように感じる。何しろ泊まったホテルには経済マフィアっぽい一団が高級ラウンジでなにやら相談しているのを目撃した。

 真相は謎だが、国境の南には多くの紛争地帯がある。警察国家であっても、テロ集団が活躍する素地は十分あるように感じた。

調査研究費に多額の書籍代が含まれる謎2024年02月14日 20:38

 報道によれば、某派閥の首領の政治資金報告書に約3500万円の書籍代が含まれており、各マスコミのニュースショーではそれは出版社から同じ書籍を多数購入して関係者に配布したものだという解説になっている。それで、各局のコメンテーターは一応納得したように見える。

 しかし、この政治資金報告書の詳細リストを見ると
項目が調査研究費で、
その使用目的が書籍代
という不思議な構成になっている。

 常識的には調査研究で同じ書籍を何百冊も購入する必要はない。それが必要なのは、正に多数の関係者に配布するときだけであろう。
 調査するなら同じ本は1冊だけで済むはずである。
 
 ある人物が、身内のものの著作物である同じ本を数百冊購入するのは、広報、宣伝目的の時だけである。調査研究するなら1冊だけで充分である。また、自分の本なら調査研究自体が不要である。

 各番組のコメンテーターは、そのような単純なことまで分からなくなったのだろうか。調査研究費の中に、書籍代という目的で同じ書籍が何百冊も購入されていることが如何におかしいか、政治家と同様、言葉のプロであるならば、すぐに気が付くべきであろう。

 故大宅壮一が予言した通り、テレビ界では一億総白痴化という現象が実現してしまっているとしか思えない。

北朝鮮での新しい原子炉臨界の意味2023年12月22日 19:51

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6485839

によれば、寧辺核施設の新しい軽水炉から温水が排出されているとのことで、これがプルトニウム生産炉となっているらしい。

 ここで、この軽水炉が何なのかという問題がある。単に温水が排出されているだけなら、これは発電炉即ち原発ではない。

 原発とプルトニウム生産炉には大きな相違がある。これをマスコミも評論家も誤解している。

 プルトニウムとは、原爆の材料であるプルトニウムと、原爆の材料にはならないプルトニウムの2種類がある。その相違は、米国エネルギー省の定義にあるように、プルトニウム同位体組成比の差にある。プルトニウム原子核には含まれる中性子の数によりいくつかの同位体がある。

 簡単に言えば、プルトニウム-239が98%以上でないと爆発しない。それは、残りの大部分を占めるプルトニウムー239が自発核分裂を起こす性質があるためである。原爆の原理は、十分に臨界超過になるようにプルトニウムを圧縮してから、中性子を投入することで、大きな爆発力を生じる。しかし、プルトニウムー240がプルトニウムの圧縮過程で自発核分裂を起こすと、臨界になる前に大量の核分裂が生じてしまうので、その熱により膨張して、未臨界になり、爆発が不完全になるためである。もちろん、これは確率の問題であるが、この確率をほぼ0%にするには、プルトニウムー239を98%以上にしないといけない。このために、原子炉内でウランから発生するプルトニウムー239をすぐに取り出さなければならない。

 通常の発電用原発でもプルトニウム-239は発生するが、発電を数日続けるだけで240に変換されてしまう。数か月運転するだけでプルトニウムー240比率は5%以上になってしまうので、原爆の材料にすることは困難である。この発電用原発と原爆用プルトニウム生産炉の相違をもう少し、マスコミや評論家は認識する必要があるだろう。

 数年前に、米国ロスアラモスが開発したプルトニウム-240比率が5%程度でも爆発可能な装置を金正恩が手にしている写真が報道されたが、今も日本などで用いられている発電用軽水炉の使用済み燃料のプルトニウム(プルトニウム-240組成比約20%)では、北朝鮮をもってしても原爆は作れないということである。

危険なウミツバメーブレヴェスニク2023年10月22日 09:44

 ブレヴェスニクとはロシア語でウミツバメのことである。

しかし、実態は空の原子力潜水艦といえるだろう。
ロシアはついにこれを実用化したようだ。
https://sputniknews.jp/20231011/17376005.html

 原子力潜水艦は動力に内燃機関を使わないため、長期間、海に潜ったままで行動できるのが最大のメリットである。

 原子力飛行機は米ソ冷戦初期に米国アイダホ州で開発が行われたが技術的な困難さから爆発事故を起こし、開発は中止された。
 米国はその後、細々と原子力ロケットの開発は続けているようだ。これは小型原子炉の宇宙版である。NASAの目的の一つは、地球最後の日に人類が宇宙に脱出することにあるのだから、太陽光も酸素もない宇宙空間では原子力を利用することは必然だろう。

 原子力飛行機については、ロシアも2019年にブレヴェニスクの試験機の爆発事故を起こしたが、ついに実用化に漕ぎつけたらしい。
https://www.bbc.com/japanese/49327600

 恐らく、原子炉の小型化により、アイダホで失敗した大型原子炉飛行機よりもコンパクトで制御性のよい機体の開発に成功したのであろう。

 これは、小型原子炉のエネルギーにより空気を加熱し、低空で地表表面を長時間飛ぶことができるので、従来のICBMと違い、レーダーに把握されずに地球を周回できる。そして、必要とあらば、敵の心臓部に核爆弾を投下できるという代物である。原子力潜水艦であれば、ミサイル発射によりレーダーに把握される可能性が強いが、このウミツバメのほうは密かに敵の心臓部のすぐ近くに接近できるので防衛は一層困難になる。

 ロシアは資源があるので、このような軍事費浪費を北朝鮮のようにすることができるのだろう。

 日本は防衛費をGDPの2%まで増加するなどといってもこのような代物に完全に対抗することは不可能である。まずは、科学技術予算の増加により、ロシアにも諸外国にもエネルギー依存する必要のない独自技術でエネルギー自立、食料生産自立を目指すべきだろう。それが世界の貧困と飢餓を減らし、平和な地球に繋がるということを信じるべきだろう。

基準値のからくりとICRP(国際放射線防護委員会)基準2023年10月19日 11:45

 2014年に出版された「基準値のからくり」村上道夫他著、講談社ブルーバックスには福島事故後の空間線量に関する避難区域区分(20mSv/年以下)、目標除染線量(1mSv/年以下)に関し、基となったICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基準の変遷に関する詳細な経緯が記されていて興味深い。

同書によれば、1mSv/年はICRP勧告による公衆被ばくの最大許容線量、20mSv/年は職業被ばくの最大許容線量をもとに日本政府か定めたものである。

簡単にICRP勧告の基準の変遷を整理すると以下のようになる。

1.ICRP1950年勧告:職業被ばくは最大許容線量150mSv/年
 
 この当時はICRPは、約3mSv/週以下では放射線影響がない、即ちこの付近に閾値があると考えていた。3mSv/週は150mSv/年に相当するので、現在の公衆被ばく制限の150倍まで許容していたことになる。


2.ICRP1954年勧告:公衆被ばく最大許容線量は職業被ばくの1/10

 なぜ1/10としたのか明確な根拠はない。


3.ICRP1958年勧告:職業被ばくは18歳以上50mSv/年(生殖腺、造血臓器、水晶体平均値)

 ICRPはLNT仮説の考え方を採用し、白血病の誘発には閾値があると仮定する考え方もあるが、最も控えめな方法としては、閾値も回復も仮定しないとする即ち、線量と発がんリスクは比例すると考える仮説による勧告を行うようになった。


4.ICRP1977年勧告:職業被ばく線量限度は50mSv/年
             公衆被ばく線量限度は1mSv/年

これらの根拠は以下のとおりである。

ICRPは1977年に、1958年勧告で決められた職業被曝に関する最大許容線量50mSv/年について、発がんによる死亡リスクに基づく判断を示した。このときから最大許容線量に代わって「線量当量限度」という言葉が用いられるようになり、1990年からは「線量限度」と呼ぶようになった。
 受け入れられるリスクのレベルは、ほかの職業での労働にともなう年問死亡率と比較して決められた。米国で安全水準が高い職業では、職業上の危険による平均年間死亡率が「1万人当たり1人(10の-4乗)」を超えない」と推定され、これが受け入れられるリスクのレベルとされた。
 次に、職業被曝において50mSv/年という実効線量限度を設定した場合の、発がんによる死亡リスクが計算された。「実効線量」とは全身の平均的な被曝線量のことであり、すべての組織の被曝による総リスクが評価できる指標である。
 ここでは線量限度を50mSv/年と設定すると、すべての作業者の線量の平均値はその10分の1の5mSv/年になると仮定している。当時は1000mSvの放射線被曝をしたときの発がん死亡リスクは1%(100人に1人)と考えられていた。これらの数字から、線量限度50mSv/年の場合の発がんによる死亡リスクは、1万人当たり0.5人となる。
 ICRPは安全な水準の職業での年間死亡率(1万人当たり1人)よりもこの数字は小さいので、線量限度50mSv/年は受け入れられるという判断した。
 
 1977年勧告では、公衆被曝において受け入れられるリスクについ
ても言及された。公衆の受け入れるリスクは職業上のリスクよりも1哘低いなどを理由として、公衆被曝において受け入れられる死亡リスクのレベルは、1年間で10万人に1人から100万人に1人の範囲であろうとされた。
 10万人に1人という年間死亡リスクは、当時の発がんリスク(1000mSv当たり1%)にもとづくと、実効線量としては1mSv/年に相当する。集団の平均線量を1mSv/年より低くするには、線量限度を5mSv/年とするのが妥当として、公衆被曝において受け入れられるリスクとした。
 

5.ICRP1978年パリ声明:公衆被曝の線量限度は1mSv/年

 1977年の公衆被曝の線量限度5mSv/年は、1mSv/年に改められた。この変更の理由は明らかではない。



6.ICRP1990年勧告:職業被ばく線量限度は20mSv/年

 1999年の勧告では、1000mSv当たり発がん死亡率リスクは4%に見直され、また、英国学士院の死亡率評価をもとに、「年間死亡リスク1000人当たり1人は、まったく受け入れられないとはいえない」という考え方をもとに、発がんについての死亡リスクを計算したところ年間死亡リスクが65歳まで「1000人当たり1人」は、20mSv/年以下となったことから、職業被曝の実効線量限度は20mSv/年へと変更された。これが、日本政府が定めた避難の基準値20mSv/年のルーツとなっている。


7.ICRP1990年勧告:1885年公衆被ばく線量限度:1mSv/年の確認

5mSv/年浴び続けても寿命短縮効果は非常に小さいが、ラドンを除いた場合の住居による変動は1mSv/年程度はあるので、後者の変動は受け入れられるとして、1mSv/年とした。



 以上のように、許容線量をできるだけ小さくするようにICRPの基準は変動してきており、それは1950年勧告から150分の1になっているが、その根拠は常に曖昧なままである。

避難救援機アンケートと更問い問題の関係2023年10月17日 01:55

イスラエルからの邦人避難救援機に8人しか搭乗しなかったことに関し外務省の在留邦人へのアンケートの方法が問題になっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a6631cb8759ae4afe7976d8c0e454a1ff5abc5c

この報道では、外務省の実施した事前調査では200人は乗ると予測したが、実際には行き先がドバイで且つ有料だったのでこんな税金の無駄遣いになったらしい。一人3万円は形式的すぎる。

現地事務官の若さや組織の未熟さもあるだろうが、アベノマスク、マイナカードと続く巨額の無駄遣いである。日米路線で1フライト2億円と聞いたことがあるが、需要が逼迫した中東のチャーター便では同等以上だろう。

問題は事前調査での回答が200人だとしても、条件が常識とは異なるフライトでの希望者も同じ程度と判断した役人の非常識さだろう。
このような曖昧な条件でのアンケートを一度だけで済ませるのならしないほうがましだ。200人という人数に惑わされることはなかっただろう。韓国の避難便に後れを取った外務省の役人が焦って判断を間違った例である。

ジャニーズ事務所の第2回目の会見で、一社一問という制約が課され、回答に対してさらに質問するという更問いが許されなかった。これもコミュニケーションができていない典型例だ。

おそらく両者とも時間の制約やいろいろな思惑、忖度からこのような最悪の結果になったのだろう。素直に常識に従って進めれば結果はかなり違っただろう。それは、コミュニケーションでの紛糾を恐れないことである。

立場が違えば意見は必ず異なる。議論を予定通りの時間内で進めることのほうに無理がある。

民主主義とは時間がかかる非効率なプロセスなのだから、何事も焦らないで判断することが結局はうまく物事が進むと信じることである。

ガザ港に各国は大型船を集結すべきだ2023年10月14日 03:26

イスラエルは復讐のためにガザ地区の殲滅に向けて狂った行動に出る可能性が高い。米国も中国のウイグル人迫害を責めているくらいだから、ガザのパレスチナ人を助けるのは当然だろう。

その気があるなら良い方法がある。 地中海にあるべいぐんやたんかー、貨物船をガザ港周辺に集結させ、難民を早急に船に収容すべきだ。エジプトもイスラエルもパレスチナ人を受け入れないのなら、海に逃れざるを得ない。モーゼもいないのだから、大型船に収容するのが一番だろう。アメリカの同盟国も同じ行動を起こすべきだ。イスラエルがこれらの船を攻撃する可能性は低い。

80年前にノルマンジー上陸作戦を行なったのだから、今ではその10倍規模のガザ港からの民間人の撤退作戦も可能なはずだ。

ハマスもテロ組織だが、イスラエルも同じように狂った組織になりつつある。ロシアと同じようなものだ。ウクライナを支援するならがざのパレスチナ人も支援する人道的義務が各国にはある。多少のリスクは犯すべき時なのである。

アルメニアとプリゴジンの誇り2023年06月25日 05:13

 数年前、モスクワに滞在したときに、路上でアルメニアへの派兵への参加を呼び掛けるポスターをよく見かけた。これは、当時から続いていたアルメニア(ロシアが支援)とアゼルバイジャン(宗教的な繋がりからトルコも支援)の紛争における兵士募集のポスターだった。両国とも旧ソ連の共和国であり、両国の紛争を抑えることは、ロシアの義務と見なされていたのだから、派兵せざるを得ない。しかし、なぜか、そのポスターには、自衛隊のポスターとは異なり、連絡先の住所もない。電話番号だけなのである。アルメニアという大きな文字と兵士の姿だけが目立つデザインなのである。

 当時から、すでに、ロシアの徴兵制は破綻していたようだ。それがこのようなポスターに現れていた。想像するにあのプリゴジン率いる軍事民間会社ワグネルがとして、アルメニア紛争に対応していたのだろう。それが、プーチンのロシアが経済発展と旧ソ連の名主の地位を両立するための方法として選択したものだった。

 そして、ワグネルは上手くアルメニア-アゼルバイジャン紛争を鎮め、現在の一見平穏な状態に収めている。これはワグネルのトップであるプリゴジンの手柄ともいえる。

 ロシア人は特に名誉を大切にする国民である。その特性が、国民の間で、バッジ蒐集の趣味が一般的なことに現れていると以前ブログに書いた。しかし、プリゴジンがその手柄に対する褒賞として名誉ある褒賞、その印である徽章を得たというニュースはなかった。

 同じく、旧ソ連の構成国であったウクライナとロシアの紛争が今回の戦争である。プーチンはプリゴジンの助言を受けることなく、ショイグ国防相とその取り巻きだけと相談してウクライナに侵攻し、今回の膠着した状態を引き起こしてしまった。

 プリゴジンは愛国心からワグネルの派兵部隊を結成し、ウクライナに派兵したが、ロシア正規軍とぶつかるのは、誇り高き国民性から当然の成り行きだった。今回のワグネルのクーデター擬きは当然の帰結であり、今後もプーチンは枕を高くして眠ることはできないだろう。

 ロシアのあるホテルは地下通路でクレムリンと繋がっているらしい。今頃、プーチンはその通路の再点検を命じているのかもしれない。

福島処理水に対する日中韓の相違と対策2023年06月24日 05:32

 読売新聞によれば、福島原発事故に関わる処理水のトリチウム量に比べ、中国の原発の年間放出量は数倍以上になるそうだ。一方、NHKBSによれば、韓国では、福島での放出計画を前に、海産物の高騰と買い占めが混乱を生んでいる。
 
 今やIAEAが安全だと言ったとしても、まして、日本政府が何を言っても韓国国民の大多数はトリチウム水を恐れているということになる。

 これが、日韓関係の現実なのである。即ち、日本政府を韓国国民は信じていないということである。また、中国政府は、自国の現実を隠して、福島の事態を自国に有利になるよう世論を誘導し、国際問題にしようと動いている。

 これが国際的な問題の本質なのである。それを言っている当事者の信用性がなければ、国際的な基準も意味はない。まして、その当事者が過去に敵対関係にあったものであれば、何を言っても政治問題化されてしまう。更にその問題を自国に有利なように利用されてしまう。国民がそういう意見だということ自体を各国政府が外交において利用するのである。

 日本政府は、良く考えたほうが良い。各国民の多くはプーチンと同じく恐怖に怯えているのである。それが、現実の脅威なのかどうかは関係ない。心理的な問題が重要なのである。

 これを解決するには各国民の心理的な恐怖を取り除く以外にない。その方法は二つある。一つは現実的な教育とメディアの活用である。しかし、これには非常に長い時間が必要である。

 もう一つは外交上の対策である。日本政府が信用できることをあらゆる手段で各国民にアピールすることである。これが戦後の各政権に最も足りなかったことである。今、この問題だけは信用してくれと言っても無理な話なのではないだろうか。

 具体的な対策は、ふたつある。一つは大型タンカーに処理水を暫く貯蔵しておくことである。そして、技術が開発され次第、日本の地中深くにその水を注入することで諸外国からの非難は回避できるだろう。温泉とは地中の放射能による熱エネルギーが地下水を温めてできているものであるから、トリチウム水の放射能が温泉で問題になることはないのはラジウム温泉などの放射性温泉が日本中にあることを見れば理解できることである。正確に言えば、すべての温泉は放射能を含み、たまたま放射能濃度の高い温泉を放射能泉と言っているだけなのである。
(放射能線:1kg中にラドンを3ナノキュリー( = 8.25マッヘ単位 = 111ベクレル)以上含有。
ラドン含有量は、有馬銀泉 2250Bq/kg、三朝温泉 146.2Bq/kg、有馬金泉 10.6Bq/kg、二股温泉 5.6Bq/kg )
(放出水:放出水のトリチウムの濃度は、放出前のトリチウム濃度と希釈水量で評価し、1,500ベクレル/リットル未満)