横浜市民向け連休散歩コース2023年05月01日 04:13

横浜の観光地といえば、桜木町から関内、石川町付近の海岸沿いがメインだろう。この地区は名所も多いが、人出も多くゆっくり散歩という気分にはなれない。

おすすめは、横浜市の西部を南北に流れる境川水系の川沿いの散歩道である。境川本流は八王子から江ノ島までの大きな川で、長いが、サイクリング族が煩い。散歩を楽しむなら、その支流の和泉川か、宇田川であろう。どちらも起点は湘南台駅だが、和泉川なら下飯田やいずみ中央駅、いずみ野駅から上流に向かい三ツ境までのコースが楽しい。
川沿いの公園はよく整備されており、ちょっと変わった橋や神社仏閣も点在する。天気が良ければ丹沢も望める。地元の人に独占されるのは勿体無いほどの休日が楽しめる。

東横線から相鉄線に直通運転ができたので、東京方面からも短時間で来れる。そのうちメディアで紹介され混雑する前に、尋ねてみたいスポットである。

副鼻腔の存在意義2023年05月01日 06:15

 副鼻腔という器官は、なぜ必要かまだ明確にはなっていないそうだ。
しかし、この器官は、鼻詰まりやアレルギー、副鼻腔炎の温床であり、耳鼻科医師のために存在しているのではないかと思えてくるー慢性鼻詰まり患者による被害妄想である。

 その存在意義を生物学的に検討した文献があった。
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwj7i8njxNL-AhUaVd4KHSAtCrgQFnoECA8QAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.jstage.jst.go.jp%2Farticle%2Forltokyo1958%2F24%2FSupplement4%2F24_Supplement4_347%2F_pdf%2F-char%2Fja&usg=AOvVaw083WbuUYwHZJpcN7iiohst

 「鼻副鼻腔の比較解剖学的研究―鼻副鼻腔の進化―」
東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室 佐久間正迪他(1981)
というもので、真の副鼻腔は,爬虫綱鰐目から成立し、その目的は嗅覚のためのものである可能性が強いとの結論と読める。
 確かにその可能性があるが、別の見方もできる。
 それは、脳の発達の過程で、頭部が重くなり、全体のバランスをとるために、頭部に空気をため込む部分が必要になったのではないかという仮説である。副鼻腔はヒトの場合、主鼻腔と顔面との間に配置された行き止まりの穴であり、その空腔の出入り口は主鼻腔側にのみ開かれている。従って、主鼻腔が仮に水で一杯になっても、副鼻腔には空気が満たされたままなので、水中では浮きの役割を果たす。即ち、頭部を水中から浮かせる方向に機能するはずである。

 なぜ、こんなことを考えたのかというと、私は昔から鼻詰まりがひどく、この出入り口が一か所しかないという副鼻腔の構造には恨みがある。(なお、左右4つずつ副鼻腔があるので合計では8か所の出入り口があるが、各々独立した副鼻腔に繋がっている。)
 その上、ボヤっとして頭が重いせいか(これは掛詞になっている)、水泳も下手で25メートルをやっと泳いで必死の思いで単位をとったといういやな思い出もある。
 
 従って、副鼻腔の本当の存在理由が明らかになったなら、多少は溜飲が下がるのである。(笑、涙)そういえば鼻と目は細い管でつながっているそうなので、その管が副鼻腔側に繋がっていれば、もう少しは溜飲が良く下がったのかもしれない。

蓄膿症がヒトで慢性化しやすいワケ2023年05月02日 08:24

 先日、岸田首相が蓄膿症の内視鏡手術を受けたとのニュースが流れた。健康管理に気を使っているはずの首相も蓄膿症になるということは理由があるはずだ。

 副鼻腔が魚類や哺乳類に共通の構造であるが、まだその存在意義は明確になっていない。嗅覚に関係するのは当然だが、ヒトで特に蓄膿症(慢性副鼻腔炎)になるのは何故なのだろうか。

 それは、ヒトの顔の構造に強く関係しているというのが個々での仮説である。

 昨日記したように、左右4つずつある副鼻腔(計8腔)と主鼻腔を繋ぐ出入り口は一か所(計8か所)だけである。即ち、各副鼻腔は喉に繋がる主鼻腔との連絡孔は一か所のみであるので、いずれかの副鼻腔に炎症があり、膿が溜まると、それは一か所の連絡口に殺到することになる。
それがスムーズに流れてくれれば、副鼻腔は空になり、免疫機能により炎症は抑えられるはずである。

 しかし、他の哺乳類(犬や馬や猫等)や魚類と異なり、ヒトの鼻は低い。即ち、口や喉の位置に対し、前方に突き出ていない。この結果、副鼻腔は主鼻腔の前方に位置するため、連絡孔より下に溜まった膿は行き場を失い、上手く鼻をかんで(主鼻腔側を負圧にして)空気圧の差により排出しないと蓄積していく。鼻をかまないと蓄膿症多発の要因ともなる。

 寝ているときは、更に問題であり、その膿が連絡孔に落ちようとはするが、立っているときとは逆に各副鼻腔の上方に溜まり、連絡孔付近に滞留して息苦しくなる。これが不眠の原因にもなる。

 恐ろしい重力の影響である。

 昔、ゲーテのベッドを見たことがある。当時のヨーロッパはゆっくり横になって寝ることができない危険な時代だったそうだ。そのため、長座の形で寝るのが一般的で、上半身は鉛直方向で立っている場合と同様の姿勢で寝ていた。
 これならば、副鼻腔の連絡孔付近に膿が滞留せず、息苦しさは無かったかもしれない。ゲーテの詩のすばらしさの秘密がそこから生まれたとしたら、蓄膿症おそるべしである。

 匂いに頼らなくても生きていける未来人は副鼻腔が退化するのだろうか。

積極的な寝返りによる鼻詰まりの解消法2023年05月04日 04:32

 顔のすぐ裏側にあり、鼻の左右に縦に4つずつ、計8個並んでいる副鼻腔から主鼻腔に連通する孔は各々1か所しかない。
 従って、睡眠中に、副鼻腔内に溜まった膿を主鼻腔に排出するには、この連通孔の向きを鉛直方向に向けることが必要になる。
 そのためには、詰まったほうの鼻が上向きになるよう顔の角度を変える、即ち、寝返りをうつことである。

 実際、睡眠中に鼻詰まりを感じた場合、詰まったほうの鼻を上方にむけてしばらく経つと鼻が通るようになる。
 時間をかけずに、すぐに鼻を通すためには、反対側の鼻孔を塞ぎながら、その鼻をかむことである。詰まったほうの主鼻腔に気流が生じ、副鼻腔よりも負圧になるので、副鼻腔から膿が主鼻腔に流れやすくなる。(なお、鼻の周りを蒸しタオルなどで暖めたり、指圧により外側から副鼻腔を構成する軟骨部を押すことでも副鼻腔内の空気圧力が高まり、膿を排出する助けになる。)

 その状態でしばらく経つと副鼻腔内の膿が流れ出て鼻がつうじるようになる。

 以前、鼻呼吸は左右どちらかで行われており、数分ごとに変わると聞いたことがある。これは起きているときは有効だが、寝ているときは下向きの鼻腔では呼吸がしにくい。その結果、下向き方向の副鼻腔は膿が溜まりやすく鼻詰まりになり易い。

 これを解消するには、できるだけ自然に寝返りを打ちやすい枕にする必要がある。それでも鼻が詰まって目覚めてしまった場合には、上記のような意識的な寝返りにより、鼻詰まりの解消が期待できる。

 なお、流下した膿は咽頭付近に滞留するので、随時うがいをしたほうが良いだろう。

「絶望が虚妄であるのは、まさに希望と同じだ」2023年05月05日 06:13

 これは魯迅の言葉である。
 詳しくは下記のサイトに解説されている。

https://project.iss.u-tokyo.ac.jp/hope-archive/meigen/meigen_1.html

 中国と日本の関係、戦争と平和、革命と繁栄、その歴史が一個人の歴史と重なる。魯迅は医学を目指し仙台に来たが、中国の民衆の実体を知り、一瞬にして文学者としての道を志すことになる。医学よりも文学がより人々の幸福に寄与すると感じたのであろう。

 その魯迅が学んだ場所は今も東北大の中に一般無料公開されている。

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/profile/establishment/01/establishment0108/

 中国やロシアの現状を評価する前に一度は尋ねてみたい場所である。

チャールズ三世戴冠式と皇室の微妙な関係2023年05月07日 05:28

 チャールズ三世の戴冠式を見ながら考えた。

 イギリスも日本も立憲君主制ということになっている。表現の自由も建前上は保障されている。しかし、両国の王室はどうしてこんなに違うのか。

 思い出すのは、5年ほど前にモスクワに旅行した時のことである。クレムリン近くのホテルの窓から見えたモスクワ川に沿って並ぶ数千の人々の行列の光景を見て、国家とは、国民とは何かを考えさせられた。

 彼らは、モスクワ川沿いに建つロシア正教会本部のミサに参列するため近郊から集まってきた民衆である。待ち時間が長いので、多くの仮設トイレが堤防上に設置されている。半世紀の共産主義政権の弾圧にも拘わらず、ロシア正教が民衆の心の中に生き延びていたということである。毎朝、クレムリン近くでは、教会からの大きな鐘の音が響き渡る。

 ソ連崩壊後は、その宗教を今度はプーチン政権が国家統一のための道具として利用しているという構図である。プーチンはロシア正教会との連携の上で、ウクライナに侵攻したのがニュースを見ていてよくわかる。

 もう一つ印象的だったのは、赤の広場を散歩しつつ、レーニン廟を見ていた時のことである。一人の青年が、観光客も多い中、レーニン廟の前でプラカードを掲示し始めた。その瞬間、どこからともなく、ミニパトが現れ、その青年をミニパトに押し込み連れ去った。その間、1分もかからない。青年は一言も発することなく、抵抗もしなかった。

 言論の自由が奪われているということはこのような状態なのだろう。
 中国では、経済発展の中で、国民の意見は政治にどう反映されているのだろうか。かつて、作家小田実は、「中国に自由は無くなったかもしれないが、飢餓も無くなった。」とベストセラーの中に記した。しかし、飢餓が無くなった状態では、政治に縛られない自由を求めるのが人間なのだろう。食料が豊富でも、精神的に抑圧された中で生活することは辛いことなのである。

 世界国家や国連が幻想である以上、我が日本もこのような国家と個人の関係をどうするかに無関心ではいられない。何らかの国民統合のシステムが必要なはずである。

 しかし、日本には、星条旗も、ロシア正教会のような宗教も、共産党独裁政権もない。それでどういう精神的な国民統合のための支柱がありうるのだろうか。
 
 日本には共和制に耐えられるだけの知性が育っているのだろうか。フランスのような共和制は、激しい混乱を生じかねない。彼らは数度の革命により、現在の個人の尊重による共和制と大統領制を獲得してきた歴史がある。多くの日本人はそのような個人主義社会に耐えられるだろうか。

 残念ながら、宗教心も薄く、個人主義にもなじめない現在のにほんでは、暫くは天皇制を国民統合のシステムとして政治利用をするしかないというのが私の結論である。

 少なくとも、半数以上の日本国民は天皇制に反対はしていない。それは、長い歴史と伝統の力もあるだろうが、歴代の天皇の人柄、行動が多くの日本人に尊敬され続けてきたということが非常に大きいと思う。

 イギリス王室の現状はその逆で、エリザベス女王はともかく、他の王族は一般民衆と同じレベルのように見えてしまう。それは情報化社会における民主主義制度の帰結だろう。

 我々はテレビを通し、イギリス王室の現状を対岸の火事のなかで荘厳な慈雨が降っているのを見るかのようにイベントとして楽しんでいる。しかし、参列された秋篠宮御夫妻は、ヘンリー王子の挙動をどうご覧になったのか、そして、チャールズ三世の様子をどう感じたのか。

 戴冠式のチャールズ三世の様子を見ると、上皇が、早期に引退し、今世天皇に引き継いだのは非常に良い判断だったと思う。そして、日本の皇室が、秋篠宮家に対する週刊誌記事などの影響を受け流し、少なくとも上手くやっているように見えるのは国民にとって大きな幸運である。
 
 今後も女性天皇など後継問題など、皇室存続における大きな壁が生じるだろうが、イギリスのような王室分裂状態にならないよう、皇室全体で国民の尊敬を獲得し続けられるよう知恵を出していただきたい。マスコミも、イギリスのタブロイド判の真似はせず、共和制に代わる唯一の方策である立憲君主制維持のための知恵を出してもらいたい。それが、80年近くも平和を維持してきた日本が分断されずに生き延びる唯一の方法なのだから。

コロナワクチン接種を受けるべきか?2023年05月08日 17:26

 免疫機構の複雑さは勉強すればするほど悩ましい問題となる。
 ここでは仕方なく直感で現状でのコロナワクチン接種の可否を判断してみる。
 
 結論は、誠に申し訳ないが、接種してもしなくても大差ないのでどちらでもよいという無責任なものである。

 なぜなら、ワクチンが新たなオミクロン株に有効なのかどうかエビデンスが見つからないという点にある。

 多分、従来のワクチン接種の常識からは、免疫機能強化(オミクロン株感染時の抗体反応強化)のためには有効なのだろう。しかし、今回は、定量的なデータが見つからないし、テレビで見るワクチンメーカのCMは無責任すぎるものである。
 ワクチンの接種効果に関する評価ではネガティブな例もある。
https://urawasanatorium.com/seisitu/

 従って、実務的な対応としては、もし、現時点で体調に異常が無く、副反応の恐れが小さいならば接種しておいた方が良いだろうが、副反応の影響が大きい、或いは体調がすぐれないならば、接種は延期したほうがよいだろう。

高齢者の幻聴とプーチンの幻覚の関係性2023年05月11日 03:42

私も立派な高齢者である。但し、人格が立派という訳ではなく、厚労省の高齢者の定義を十二分に満足しているというだけの意味である。
従って、下記の論説は、わたしが幻聴と幻覚の影響を受けていない場合のみ成立することに留意する必要がある。

ある知り合いの高齢者から、突然電話があり、「先日、依頼のあった新規の投資話には乗る事は出来ない.」と言い出した。

私はそんな話をした覚えがないので、何かの感違いではないかというような話をしたら、怒りだした。それで、私は酔っていてそんな事を言ったのかも知れない、と言ってその場を収めた。

前回電話したのは日中なので、酔っているはずはないし、相手の聴力はかなり悪い事は分かっていたのではあるが、方便をついてしまった。

その人は自分がまだ補聴器をつけるほど老いてはいないというプライドがあるのである。自分が聴いた事は真実だと思うのである。
(こちらもそんな事は言ってないという事が真実だと思っているのだが。)

プーチン大統領の戦勝記念日の演説も、欧米にロシアが潰されるという幻覚の中で作られたもののように思う。プーチン大統領もまたプライドの固まりのような人物である。クレムリン近くのプレジデントホテルには彼の肖像写真がいたるところに飾ってあった。このホテルは地下で大統領府と繋がっているらしい。

精神科医によれば、脳の病変には、生理学的に観察できる器質性異常と、そうでは無い内因性異常の二つがある。

同じプライドの問題のように見えても、ある場合は聴力における器質性異常だし、ある場合は原因不明の内因性異常なのかも知れない。

但し、両方とも、新型コロナなどによるコミュニケーションが難しい生活状況と環境の異常さが影響しているのは間違いない。

花粉症、ディーゼル排気とホルミシスの関係性2023年05月13日 11:40

 嵯峨井勝著「PM2.5,危惧される健康への影響」本の泉社(2014)によれば、
 国立環境研究所での動物実験で分かった健康影響とその作用メカニズムとして、以下の話が出ている。 いわゆる点鼻投与実験で、アレルゲン (OA、 卵の白身のタンパク質) 単独投与あるいは DEP(ディーゼル排気粒子) 単独投与ではアレルギー反応の指標である IgE抗体価は検出限界 以下だったが、両者を併用投与するとほぼ100 倍にも増えたと報告されている。
 マクロファージはアレルゲンとして受け取った情報をT細胞を介してB細胞 (B リンパ球)に伝え、直ちに異物と特異的に反応するIgE抗体を大量に作れと命令する。 IgE抗体は、肥満細胞の表面にある受容体に結合します。 この状態のところへ2度目に入ってきた抗原がアレルゲン IgE の頭の部分に結合すると肥満細胞は活性化され、 PAF、 LTB4、 ECF-A などの化学物質が放出されクシャ ミ、鼻水、鼻詰まりなどのアレルギー反応を引き起こす。
 さらに、 PAF、 LTB4、 ECF-Aなどは白血球の一種である好酸球にも作用し、 より多くのアレルギー反応 を引き起こします。スギなどの花粉は30~50μm と非常に大きいので鼻腔で引っか かり、気道や肺には入らない。 そのため、 症状は目や鼻の粘膜に限ら れるのです。 一方、カビやダニの死骸などはPM2.5なみの大きさなの で気道の奥まで侵入して気管支喘息を引き起こす。

 ということである。かなり複雑な機序だが、DEPとスギ花粉が同時に取り込まれることで、花粉症が発症し、DEPとPM2.5物質が同時に吸入されると気管支喘息が発症することになる。

 最近のクリーンディーゼルの排気ガス中のDEPは粒子が細かいので花粉症をより引き起こしているのかもしれない。数十年前は、奥多摩などの山林地帯でのスギ花粉症発症は少なかったとのことであるが、今は都会との差が小さくなっているようだ。車社会の進展や中国の大気汚染の影響なのかもしれない。

 ところで、この本の別の個所に、自動車研究所で行われた、DEPを薄めた場合の動物実験結果が示されている。
 
 この実験では、0.01μg という、 環境研究所で行った実験で用いたアレルゲンの100分の1と言う極めて微量のアレルゲンを2 年間に渡って繰り返し投与している。著者によれば、これは、 結果的に減感作療法 を行ったことになり、 喘息にならないようにする治療実験をしたことになる。 それに対し、環境研究所の実験は、 1μg と いう通常の実験で用いられている量のアレルゲンを投与する実験だったので、 喘息の基本病態が発現したとのことである。

 この自動車研究所の実験は、薄めた物質が逆に免疫機能を強める、ワクチンのような効果を示していると思われる。ある意味では、放射線ホルミシスのようなものとも共通している。ホルミシスは、生体に有害だと思われる物理化学的な作用を、微少量長期的に投与することで逆に免疫機能が強化されるもので、放射線ホルミシスに関しては、がんの発生確率が被ばくしていない場合よりも下がること可能性を示したものである。

 ICRP(国際放射線防護委員会)の被ばく防護基準では、放射線ホルミシス仮説とは逆に、閾値無し仮説を支持しているし、そのICRP基準で日本の放射線関係法規も作成されている。しかし、ICRP基準のベースは広島・長崎の一回きりの被ばくデータである。上記のような長時間低量被ばくとは状況が大きく異なる。このような被ばく状況での閾値やホルミシス効果の有無を早急に解明する必要がある。

客室乗務員の被ばくとがん発生の相関関係2023年05月14日 06:36

 米国での客室乗務員の被ばくやがん発生などの調査が下記のサイトにある。

 https://ehjournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12940-018-0396-8

 これによれば、米国のCAの乳がんや皮膚がんの発生率は、一般人の2倍近い有意な増加が認められている。

 一方、日本の場合、下記の保険物理学会サイトで航空機乗務員への被ばく基準として年間5mSv以下が推奨されているが、系統的な調査はされていないようである。この年間5mSvというのは、上記の米国での調査での平均被ばく線量と大差はない。

https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwik1Jn5ovP-AhXP4GEKHT0vCE0QFnoECAsQAQ&url=http%3A%2F%2Fwww.jhps.or.jp%2Fupimg%2Ffiles%2Faircraft-guideline.pdf&usg=AOvVaw2uJlhhrVM-xBafwbl6Qvbk

 なぜ、米国で一般人と有意な差が生じているのだろうか。

 私見だが、太陽フレア発生時のガンマ線被ばくが影響している可能性がある。上記の保険物理学会サイトでは、太陽フレアに対する注意の指摘はなされているが、規制方策は明確ではない。

 太陽フレアはコロナ内での爆発的な核融合反応発生であり、その瞬間にガンマ線も発生している。そのガンマ線は防護も正確な測定も不可能に近い。なぜなら、地球に到達していることを事前に感知することは不可能だからである。

 個人線量計を客室乗務員が装着していたとしても、長期のガンマ線線量にはカウントされるが、瞬間被ばく時の時間線量率は計測できないシステムである。

 しかし、生体のがん発生メカニズムを考えると、時間積分線量は小さくても瞬間的な高線量率被ばくが最も危険だと思われる。
 即ち、瞬間的高線量率被ばくでは、DNA損傷を修復するためのP53等の修復遺伝子の機能が働くための時間的余裕がないので、損傷が放置される可能性が低線量率被ばくに比べ増大すると考えられるからである。
 また、太陽フレア時には、大量の中性子、陽子などの粒子線も地球に到達する。

 これらの太陽フレアによる瞬間的ガンマ線、粒子線の高空における被ばくは、広島・長崎の原爆被ばく以外、人類は経験したことがない。即ち、免疫機能が働かない被ばくとなる。
 (なお、地上での太陽フレア被ばくは1万mの大気層による遮へいがあるので、高空より10桁程度小さくなる。)

 これは、客室乗務員だけでなく、乗客も同じ状況になる。2025年は太陽フレアが最も活発になる時期である。早急にこの問題の調査検討を行う必要がある。