トリチウム生成量、放出量と太陽フレアの相関評価 ― 2024年05月17日 02:59
トリチウムは宇宙線に含まれる中性子が空気中の窒素、酸素と反応し、年間約7E16ベクレル生成される。
(E16は10の16乗を示す。)
環境省https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-02-05-18.html
これに核実験による過去の放出量約2E20ベクレル、全世界の原子力施設からの年間放出量約2E16ベクレルが加わり、一方、トリチウムは半減期12年で減衰するので放射平衡となり、現在の全世界のトリチウム存在量は約1E18ベクレルである。一方、福島サイトの全トリチウム量は約9E16ベクレルでこの海洋放出が問題にされている。数年かけて放出すれば全体への影響は少なくなるので、少量ずつ放出しようというのが日本政府の方針となっている。
(この図からは、核実験によるトリチウム放出量が圧倒的なので、中ロ首脳が福島のトリチウムを問題にする前に、核実験のトリチウムを何とかしてもらいたいと思うのが常識的だろう。)
ところで、年間宇宙線で7E16ベクレル生成されているということは、太陽フレアの頻発によりトリチウム生成量も増大するということになる。それが、どの程度のレベルなのか、ここで、検討してみる。
その前に、太陽では核融合反応により大量の中性子が発生してはいるが、それが4π方向に広がるので、地球に到達する中性子は比較的小さい。その値は、
X. X. Yu el.al"Detection of solar neutron events and their theoretical approach"New Astronomy
Volume 39, August 2015, Pages 25-35
記載のK.Watanabe等の5つの観測値によれば
平均約7E6neutron/m2、最大約3E7neutron/m2である。
即ち、この最大値は5つの観測値のひとつなので偶々の値かもしれないが、中性子到達数は平均よりも少なくとも約4倍程度は変動することになる。
太陽フレアの持続時間はどの程度かが問題になるが、オーロラが長時間観測されている現在、年間平均で10%飛来中性子数が増大すると想定すると、太陽からの中性子による年間トリチウム生成量も約10%増大する。
即ち、トリチウム生成量7E15ベクレル/年は自然変動の範囲となる。
現状では
https://mainichi.jp/articles/20230822/k00/00m/010/177000c
によれば放出には30年はかかるとのことなので、上記自然変動の年間生成量の半分以下の値となっている。
(E16は10の16乗を示す。)
環境省https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-02-05-18.html
これに核実験による過去の放出量約2E20ベクレル、全世界の原子力施設からの年間放出量約2E16ベクレルが加わり、一方、トリチウムは半減期12年で減衰するので放射平衡となり、現在の全世界のトリチウム存在量は約1E18ベクレルである。一方、福島サイトの全トリチウム量は約9E16ベクレルでこの海洋放出が問題にされている。数年かけて放出すれば全体への影響は少なくなるので、少量ずつ放出しようというのが日本政府の方針となっている。
(この図からは、核実験によるトリチウム放出量が圧倒的なので、中ロ首脳が福島のトリチウムを問題にする前に、核実験のトリチウムを何とかしてもらいたいと思うのが常識的だろう。)
ところで、年間宇宙線で7E16ベクレル生成されているということは、太陽フレアの頻発によりトリチウム生成量も増大するということになる。それが、どの程度のレベルなのか、ここで、検討してみる。
その前に、太陽では核融合反応により大量の中性子が発生してはいるが、それが4π方向に広がるので、地球に到達する中性子は比較的小さい。その値は、
X. X. Yu el.al"Detection of solar neutron events and their theoretical approach"New Astronomy
Volume 39, August 2015, Pages 25-35
記載のK.Watanabe等の5つの観測値によれば
平均約7E6neutron/m2、最大約3E7neutron/m2である。
即ち、この最大値は5つの観測値のひとつなので偶々の値かもしれないが、中性子到達数は平均よりも少なくとも約4倍程度は変動することになる。
太陽フレアの持続時間はどの程度かが問題になるが、オーロラが長時間観測されている現在、年間平均で10%飛来中性子数が増大すると想定すると、太陽からの中性子による年間トリチウム生成量も約10%増大する。
即ち、トリチウム生成量7E15ベクレル/年は自然変動の範囲となる。
現状では
https://mainichi.jp/articles/20230822/k00/00m/010/177000c
によれば放出には30年はかかるとのことなので、上記自然変動の年間生成量の半分以下の値となっている。
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