原爆は抑止力になりうるか(定量的評価)2026年08月02日 06:48

単純に考えれば、広島・長崎は数年で復興したのだから、日本は原爆は戦争を止める抑止力にはならなかった、単にそれほど早く米国がそれを開発できるとは予測できず驚いたためポツダム宣言を受諾したと解釈することもできる。

しかし、人的被害は莫大だった。

広島・長崎の被ばく者は概ね3つに分類される。
(1)直撃で即死した者
(2)重傷を負い、数か月で亡くなった又は後遺症に苦しんだ者
(3)長期的に被ばく影響でがんを発症した者

これら3分類の人数はChatGPTによれば、

***************************

現在最も信頼されている推計をまとめると次のようになります。

分類 広島 長崎 備考
(1) 爆風・熱線・高線量放射線でほぼ即死 約7~9万人 約3~4万人 当日死亡が中心
(2) 重傷・急性放射線障害で数か月以内に死亡、または後遺症に苦しんだ人 約2~7万人 約2~4万人 年末までの死亡者の多くが含まれる
(3) 長期間生存し、その後放射線の影響でがんを発症した人 数千人規模 数千人規模 生涯リスクとして推定
(1) 即死した人

広島では約34~35万人、長崎では約25~27万人が被爆したと推定されています。

そのうち、

広島:約7~9万人
長崎:約3~4万人

が爆風・熱線・極めて高い放射線により当日中に死亡したと考えられています。

(2) 数か月以内に死亡・急性放射線障害

年末頃までには

広島:約14万人
長崎:約7万4千人

が死亡したと推定されています。

したがって、当日死亡を除くと

広島:約5万人前後
長崎:約3~4万人前後

が、その後数週間~数か月の間に、重度熱傷、外傷、感染症、急性放射線症候群(ARS)などで亡くなったと考えられます。急性放射線障害から回復したものの、脱毛・白血球減少・白内障などの後遺症を抱えて生きた人も多数いました。

(3) 長期間生存し放射線影響でがんを発症

ここは意外に少ない数字になります。

RERF(放射線影響研究所)の寿命調査では、約12万人の追跡調査から、

放射線に起因すると推定される固形がん・白血病による死亡は約1,000~2,000人程度
がん発症者(死亡だけでなく発症)では数千人規模

と推定されています。

近年では、広島・長崎の生存被爆者全体約32万人を対象に外挿した研究でも、放射線起因のがん死亡は約3,100人程度と推定されています。

大まかなイメージ

非常に概略化すると、

(1) 即死:約10~13万人
(2) 数か月以内死亡・急性障害:約8~10万人
(3) 長期生存後に放射線起因のがん:約数千人

となります。

この数字から分かるように、原爆による犠牲者の大部分は爆風・熱線・急性放射線障害による早期死亡であり、数十年後の放射線起因がんは重要ではあるものの、人数としてはそれよりかなり少ないというのが、RERFなどの長期疫学研究から得られている結論です。

**************************

即ち、現在恐れられている発がんリスクは比較的小さく、私的な調査でも

相対過剰発がんリスクは1Sv被ばくあたり

0.6/Sv

即ち、被ばくしなかった人の発がん率に比べ約60%増である。

現在の一般人の被ばく基準が年間1ミリSvであることを考えると年間0.6%増に相当する。しかも、原爆被ばくは地球内の放射性物質など継続的で時間線量率の小さい慢性放射線とは異なり、人類史上浴びたことがなく免疫力もないと考えられる瞬間大量被ばく、即ち高線量率被ばくである。

広島・長崎での1Sv被ばくは全く遮蔽がない状態でも爆心から2キロ程度の地点である。

従って、直撃を避けられれば発がんも含め、原爆の人的影響は小さいとも考えられる。これがモスクワの地下鉄空間が巨大なシェルター機能を果たしている理由だろう。

通常兵器でも直撃を受ければ死亡、または、重い後遺症をともなう重症になる。生命を守るにはシェルターまたは高強度の建造物を一般化し、そこに逃げ込めるようにすることである。核抑止力に頼る必要はない。

ところで核抑止力を攻撃側からみるとどうなるだろうか。

多田将「核兵器」明幸堂(2019)によれば、2010年時点で米国は8900発、平均爆発エネルギーはTNT(トリニトロトルエン(ダイナマイト主成分)換算で210キロtTNTの核弾頭を所有している。ロシアもTREATにより同程度の保有量と考えられ、他の核保有国は一桁以上少ないとすれば、全世界で
核兵器は
約2万発、平均エネルギー200キロトン
といったところだろう。
(広島は15キロトンTNT,長崎は21キロトンTNT)

過去には超巨大な水爆や更に多数の原爆も製造されたが、自国も被害を受けるリスクやプルトニウムが放射性崩壊して十分な臨界が保てなくなるなどの点で現在はこの程度なのである。

この核兵器では長崎レベルの原爆で25平方キロメートルが壊滅したと仮定しても
全て使用した場合でも

25×200/21×20000=480万平方キロメートルである。
日本の面積は37万平方キロメートルなので日本13個分の面積が壊滅する程度である。

世界の陸地の表面積は

約1億5000万平方キロメートルなので3.2パーセントの面積しか壊滅できないことになる。

従って、敵地攻撃には重要都市や政治都市だけを精度よく狙わなければ核兵器といえど無駄球になる。米国やロシアが日本だけを狙うという想定をしない限り、日本が壊滅することはない。

逆に、日本が中途半端に数発の原爆を保有、または持ちこめば、ロシアなどから集中攻撃を受け、米国の反撃以前に壊滅の可能性が強くなる。

これでどこが抑止力と言えるのだろうか。

永井隆博士の白血病原因2026年08月03日 21:20

今日のNHK昭和の選択を見るまでは
永井博士は原爆で白血病になったと思っていたが、
長崎医科大で物理的療法科に所属し、X線を大量に浴びたためと放送されていた。

X線撮影は原爆と同様、瞬間被ばくである。これも20世紀になるまでは人類が経験したことのない被ばく形態である。

フィルム不足で直接X線透視をしていたとも語られていた。これでは白血病になるだろう。原爆を何度も受けたようなものである。

「長崎の鐘」は永井による原爆の記録だが、この番組で言うようにGHQによる検閲に2年かかったということは、被ばく者解析をしている立場からは米国、GHQが広島原爆とは異なる、対ソ連戦略上プルトニウム原爆の記録であり、GHQが気を使ったことは確かのようだ。

では被ばく者データにはGHQの干渉はなかったのだろうか。広島と長崎の被ばく者発がんデータの不整合の解析結果と、この「長崎の鐘」出版への対応と合わせ考えると、GHQ,米軍部によるかなりの編集がされたのではないだろうか。疑いが残るところだ。

その結果が、ICRPの勧告や各国の被ばく防護関連法規に反映され、現在の航空業界の従事者の発がんリスクまで影響しているとすれば、その基準の見直しを早急にすべきだろう。

司会者は原子力と核兵器の区別がつかないというがそれは放射線の線量率が8桁も違う、即ち、単位時間当たりの被ばく線量の違いにより区別できるのである。それを一緒にしたのが、被ばく者データを年間被ばく者線量基準に適用したICRPや各国の法規制値なのである。


このあ番組では浦上天主堂の上に原爆が落ちたのは神の意思だったっといった現実を認識できない発言が多かったType長崎は三菱の造船所があり広島には呉の造船所があるのは周知のはずだ、