横浜市最高峰は大丸山か大平山か?2021年10月13日 04:40

大平山山頂(柵の向こうはゴルフ場敷地)
 昨日、靴の履きならしに鎌倉アルプスまでハイキングした。
 横浜市の最高峰は、円海山(153.1m)だとばかり思っていたらそれは昔の話で、今はその少し南の大丸山とのことだ。確かに、山頂の標識には、「横浜市最高峰 大丸山156.8m」と書かれている。
 円海山の山頂は私有地でアンテナが立っているが、手前に柵があり立ち入りできない。最高峰の大丸山は立ち入りできるので誰も文句は言わないわけだ。
 天園から建長寺方向に歩くと今度は「鎌倉市最高地点 大平山 159.2m」の掲示がある。
 ちょっと待てよ。ここは横浜市栄区と鎌倉市の境界だから、横浜市の最高地点でもあるはずだ。
 そこで気が付いた。大平山の横浜市側はゴルフ場になっている。ここを横浜市最高峰とか、最高地点とか言い出したら、ハイカーや住民はゴルフ場側にその地点を解放してもらいたいと言い出すはずだ。その事態を予想して、横浜市は、大平山ではなく、大丸山の方を最高峰と表示しているのではないだろうか。
 
 似たようなパターンは富士山である。富士山頂は山梨県でも静岡県でもない。そこは浅間神社の私有地になっているので、どちらも所有権を主張できないことに最高裁で決まったそうだ。

 大平山の横浜市側は私有地(ゴルフ場)なので、ここを横浜市最高峰と称しないのは行政の知恵だろうか。大平山山頂にあった鎌倉市最高地点の掲示板はゴルフ場と登山道の境界の柵のロープにぶら下がっていた。ゴルフ場側には立ち入れないが、掲示板の裏側に”密かに”横浜市最高地点と書かれていたら面白いのだが。(裏側は見損なった。)この話は穿ち過ぎだろうか。

神のお告げはありうるか?2021年10月15日 10:10

 ある占い師が、直接知らない人の状況をその人の妻に告げたという。それは、
「あなたの夫は、最近、良く面倒をみている人がいるようだ」という内容である。
 その妻は家に帰り、夫に「あなたは最近面倒を見ている人がいるようね?」と尋ねた。
 夫は「その通り。最近知り合いの学生が、論文を出すそうなので、いろいろ助言している。」と冷静に回答した。

 しかし、この状況は微妙な問題を内包しているように思える。
 その占い師は、夫に面倒を見られている人が男性か女性かを明言していないのである。
 妻が夫に上のように尋ねたとき、夫がドギマギした応答をしたら、家庭争議になっていたであろう。
 夫が冷静に答えたので問題は生じなかったが、仮にその学生が女性だったら、どうなっていただろうか。

 その占い師は予言が良く当たることで多くの人の信頼を得ているらしい。確かに、男が知り合いの面倒を見るという状況はよくあることである。そのお告げは、本当に神のお告げだったのかもしれないし、偶然だったのかもしれない。結果的にはそのお告げは正しいのである。
 真相は神のみぞ知るである。

皇室への”カスハラ”の結末2021年10月16日 04:30

 現在の皇室への多くの国民の態度は、はやりの言葉で言えば”カスハラ”である。税金というお金を払っているのだから、自分たちの言うことを聞けということである。或いは自分たちは意見を言う権利があるということである。
 実際には年代により様々な立場がある。
 分かりやすいのは多くの若者たちである。
「税金を払っている自分に比べ、楽をして良い暮らしをしているーこれは不公平だーまして、借金をしている親戚にその税金が流れるのは許せない。」という立場である。
 税金で食べているのは、皇室だけではない。殆どの公務員がそうである。皇室は国会解散などの重要な国事行為を天皇の親戚である。これを考えれば、これらの若者の主張がどういうカスハラであるかが理解できる。自分より良い暮らしをしているが、立場上反論できない皇族への思いやりのない発言というカスハラである。なぜ皇族は反論できないか。それは日本の象徴の一族であるので、常に節度ある態度をとることが暗黙の了解になっているからである。イギリスならばそうではないかもしれない。
 次にカスハラするのは、多くの熟年層の男性である。そこそこ良い暮らしをしているが、皇室へは厳しい態度をとる。その親の世代とは異なり、戦後民主主義の中で成長してきた。
 「人間宣言をした天皇一家は自分たちと同じ人間であるはずだが、良い暮らしをしているーそれは税金と憲法で保障されているーだから、品位ある人々であらねばならないーそれなのに、今回のお相手はとてもそうとは言えない」という立場である。
 『お客様は神様です』を信じてきた、そして、仕事上もそれを信条としてきた熟年世代は、皇室に対しても同じ態度で心無い言葉を吐くのである。但し、男性皇族へ直接吐くのは憚られている。なぜなら、天皇になる可能性があるからである。そのため、もともと民間人、又は、民間人になるであろう女性皇族へ過大な要求をするのである。こう考えれば、美智子妃、雅子妃と続いてきた女性皇族への様々な圧力を理解できる。また、彼らの女系天皇への反発も理解できる。
 最後にやや複雑なのは、皇室ファンと呼ばれてきたそれなりの年齢の女性たちである。この人々の多くは専業主婦、又は、それに近い人々であった。
 「憧れの皇室の方々ー自分も理想的にはそうなりたいー近づきがたい高貴な方々ー自分はなれそうもないけれど常に夢を与えてもらいたい」という立場である。
 ところが、若い一人の女性皇族が、自分たちと同じように一人の恋する女性としてふるまっているーそれは、理想的な人々のイメージではない、もっとお相手も含め理想の高貴な方々であってほしいーと言いたいのがこの人々である。

 これらの人々は、大きな勘違いをしていると考える。
それは、現代の日本は、皇室を含め、ほとんどの情報が公開されてしまっていることである。そのため、皇族も多くの日本人と同じ感覚を持った方々であり、決して江戸時代の大奥のお姫様のような世間知らずではないということである。
 また、資本主義のこの世の中で、自分たちよりも裕福で自由に生活している多くの富裕層がいることも知っている。なぜ、このように国民からカスハラを受けなければならないのかーそれは皇族ゆえならばーそれは離脱してもいいーと思うのが人情である。
 
 もっとも心配なのは、国外に行かれる姉君ではなく、弟君である。多くの親たち、先生たちの考えが生徒たちに影響して繰り広げられているだろう学校でのいじめは、週刊誌などの間接的カスハラとは異なり、直接的な心理的圧力であろう。そこに、一般的な姉弟関係であれば、もっとも頼りにしている姉君との長い別れが来る。現代日本で普通に育った若者であれば、家出をしたくなるような状況である。将来の国民の統合の象徴となるべき方が、多くの国民のカスハラにより、そのような状況に陥っていることに人々は思いを馳せるべきである。
 象徴天皇制ではなく、お隣の国のような共和制がよいというのであれば別のはなしになるが。

 なお、憲法論議からすれば、天皇は基本的人権を有する国民には含まれないかもしれないが、皇族は天皇になる可能性はあっても、天皇ではないので、基本的人権を有しないとまでは言えないというのが大方の憲法学者の見解であろう。従って、皇族のどなたかが結婚以外であっても皇室を離れる自由はあると解釈できる。
 イギリスでは実際に王位を捨てた例もあるので、同じような制度の日本でそれが起こらないと保証することはできない。

スマホが使いにくい訳2021年10月17日 02:10

 IT関連の大規模トラブルが続いている。
 銀行システム、SNSサーバーに続き、スマホの通信システムにまで拡大してきた。これでは益々スマホの使用に不安感を持つ人が増えるだろう。

 どんな新技術も、使い慣れない人にとっては出来れば使わないで済ませたいというのが本来保守的な人間の性であろう。しかし、使用によるメリット、ディメリットの差が大きければ、ほとんどの人は使用に踏み切る。かっての3種の神器と言われた家電やマイカーなど現在では普通に受け入れられている。

 では、スマホではどうか。ガラケーのままでいいという熟年の知人もいた。また、スマホを使いこなしてないと思われる人のほうが明らかに多い。
仕事などの関係で必要に駆られ、仕方なくアプリを追加しているだけである。
 でも、本人はできることなら、用件は電話で済ませたいーという声が中高年者には多い。

 その理由を良く考えると、以下があげられる。
(1)キー入力が面倒
(2)使い方が分かりにくい
(3)詐欺まがいのアプリ、サブスク
(4)信頼できない

(1)については、音声入力も実用的になったが、すべてのアプリが対応できるわけではない。やはり、慣れるしかないか、せめて、安価で簡易な視線利用入力装置が開発されることを待つしかない。
(2)については、根本的には、オブジェクト指向という現在のソフト体系を見直し、ハード側に必要な動作機能を持たせるという方向にすればかなり改善される。タッチパネルで、必要な機能を選択していくのではなく、ボタン一つ一つに一貫した機能を持たせることで、最小限の入力で用件を済ませられるようなソフトとハードの組み合わせでできた装置の開発である。その代わり、機能は現在のスマホのOSへのアプリ組み込みのような万能性を失うが、多くの中高年にとってはそれで充分である。
 しかし、それはかなりの機能喪失をともなうので、実際には、アプリ開発者が、もっと人間工学的な視点でソフト自体の挙動を分かりやすく表示できるように見直すことが当面必要だ。
 同時に利用者も自分の常識が一般人の平均的期待値とどの程度乖離しているのかを常に認識しておく必要がある。個々人の過大な要求や、こうあってほしいという応答、機能をアプリに要求することはできない。

(3)が実用上もっとも不安に感じる点である。例えばあるアプリを便利そうだからといわれ、ストアからダウンロードする。表示される画面は複雑怪奇でよくわからない。そして、動かそうと触っているうちに、有料サブスクが自動契約されてしまう。そして多額の請求が一括引きされてしまうが、引き去り額の詳細を調べるのも大変なので知らない間に損をしてしまうーというパターンである。
 画面上からそのアプリを削除しても、サブスク契約を解除したことにはならないので、アプリを再インストールして、サブスク契約状況をアプリごとに確認するという面倒な手順を踏まなければならない。
 そして、この問題の苦情をどこにいえばいいのかもはっきりしない。パソコンのトラブルでもハード会社とソフト会社で電話のたらいまわしされることが良くあったが、スマホでは更に複雑な会社関係になっている。余計なアプリはインストールしないようにしたほうが良い。


(4)については、アプリよりもOS自体の問題が多い。OS自体にも多くの矛盾、バグが含まれており、それをバージョンアップと称して修正しているが、最初から、OSがそのような問題を含んでいる不完全品であることをメーカーは利用者に明示すべきである。しているつもりかもしれないが、日本の消費者は商品は完全なはずだと誤解しているのでその誤解を解くことから始めなければならない。

 デジタル庁ができるのであれば、上記のような消費者不安を煽るアプリやシステム構成を、きちんとチェックし指導してもらいたい。
 EUではGAFAなどに強力な指導をしているが、日本の官僚はそれだけの技術力と調査能力を有しているのだろうか。ともかく頑張ってもらいたい。

カルロス・ゴーン氏の逃亡手段の再考2021年10月18日 06:16

 昨日のサンデージャポンのデーブ・スペクター氏の話では、によれば、カルロス・ゴーン氏が楽器の箱に入って関空を通過した際の手口は、楽器のチューニングがX線で狂うので検査しないよう依頼したら、税関職員が検査せずに通過させたということである。ここが日本脱出計画での最大のポイントだったそうだ。
 これは初耳だった。
 当時のニュースでは、二つの同じ楽器箱を用意して、一方だけの検査で済ませてもらったという話だった。実際にはチューニングが狂うという点を持ち出していたのである。
 ところで、X線照射で物性が変わることはあるのか。
 通常、胸部X線検査での被ばく量は0.05ミリシーベルト程度である。
 関空のX線検査装置のデータはないがこの2倍程度であろう。
 即ち、0.1ミリシーベルトである。エネルギーとしては1kg当たり0.1ミリジュールを受けたことになる。

 ところで、航空機で日本からニューヨークに飛行した場合の宇宙線による被ばく量は0.1ミリシーベルトといわれている。

 即ち、X線検査でチューニングが狂うのならば、飛行機での大陸間の運搬は不可能である。この点だけでもゴーン氏の逃亡請負人の説明が嘘でだったことが分かるであろう。

 関空の税関職員だけでなく、日本人の平均的な放射線に対する無知さを元米軍グリーンベレーである請負人に逆手に取られたのである。

 ところで、1ジュールは1秒間1ワット/秒の熱エネルギーを受けた場合のエネルギーである。従って、0.1ミリシーベルトの照射は楽器1㎏あたりその10000分の1の熱エネルギーであり、それで楽器の物性が変わるか、常識的に考えれば疑わしいことが分かるであろう。

 一般の日本人に対し、放射線影響に対する常識レベルを上げる必要がある。
 但し、シーベルトという分かりにくい単位をいろいろな意味で今も用いている放射線関係者も反省すべきであろう。

通信障害時のための専用放送システム2021年10月20日 06:05

 1960年代、チリ地震津波の後に、有線の電話に代わり、防災無線という全国をカバーする無線網が整備された。
 先日のドコモのスマホ通信障害といった事象は今後も起こりうるスマホ使用者にとっては天災のようなものである。
 インターネット以外に通信手段がないと今後更に大混乱を引き起こすことになることが予想される。
 複数の会社のスマホを持っていればリスクは減るが、一般的にはインターネット以外の通信手段で情報が入手できれば大災害時でも問題はないだろう。
 そのためには、専用放送網を整備することである。例えば、NHKが、BSの一部をBSラジオ波として使用することが考えられる。この専用チャンネルで通信障害の発生を告知すればよい。
 スマホのスマホ運営会社側はそれに適応できるよう改良したスマホ、もしくは、BSラジオが受信できるアダプタを売り出し、インターネットに依存しない通信網を整備すれば、ほぼ、問題は解消できるであろう。
 NHKも、今回の総選挙で注目されている受信料問題で非難されるようなことも減り、両者にとってメリットがあると思う。総務省か、デジタル庁か所掌は知らないが、政府にはこのようなインターネットとは独立した全国ネットの通信システムの整備を検討してもらいたい。屋外にいる人々にとって災害時、非常時にも役立つはずである。

CAの白血病と太陽フレア2021年10月22日 06:40

 海外旅行を良くする知人から、C.A.の白血病が多いと聞いた。
文科省やATOMICAによれば実測ベースでのニューヨーク-成田の往復での放射線被ばく線量は0.1mSvであり、本邦航空会社の乗務員の場合、年間の実効線量は平均で2mSv前後、最大で4mSv強と推計されている。この程度であれば、白血病などの人体影響は考えられない。
 しかし、磁気嵐を起こす太陽フレア(太陽表面での核融合の異常爆発現象)が年に1回程度のレベルで起こっている。その場合には、米NOAAによれば、10MeV以上の高速粒子が10^3倍レベルで瞬間的に増大するようである。広島・長崎の原爆でも1μ秒レベルでの短時間被ばくであるがゆえに低線量でも放射線障害が多く発生したと考えられる。
 同様に、太陽フレアが生じた場合には、単位時間当たりの線量率が大幅に増加するので、白血病などの放射線障害が生じやすくなるのではないだろうか。
 C.A.やパイロットについては、単に、飛行時間だけでなく、太陽フレアが発生した時点での勤務回数と白血病発症例との相関を調査すれば、新たな知見がえられるだろう。
 もし、パイロットがC.A.よりも発症確率が低いのであれば、コクピット周りの計器類が遮へい機能を果たしているためかもしれない。金属製構造材が10㎝あれば1桁程度被ばく量は低減する。
 海外で活躍するアスリートも太陽フレアに注意しながらフライトを選ぶべきであろう。

天皇制を守ろうとして壊している人々2021年10月27日 06:01

 今回のご結婚に関し批判している人々の多くが女性皇族は女性皇族らしくあらねばならないとの観点で批判しているように思う。その前提として、15年前に男子皇族が生まれ、女系天皇の議論が先送りされた背景がある。
 その結果、女性皇族は皇族の一員であるからその行いは天皇の権威に相応しいものでなければならず、その配偶者も同様でなければならないということが批判の根底にある。
 しかし、その前提である男子皇族は、今回ご結婚される女性皇族のの15歳年下の弟君でもある。明治憲法下や戦国時代なら、姉弟でも離れて育てられたかもしれないが、現代では、家族は同じ家庭で育つ。それは皇族でも同じである。
 批判している人々は、この家族であるという点を無視しているか、思いが至らないのであろう。
 15歳年上で、幼い時から面倒を見てもらっていた姉君が批判されるということは、その弟君には母親を批判されているのと同じように感じるはずである。少なくともPTSDを生じるような悲しいできごとである。自分のやっている批判がこのような影響を生じることに気づかないとは、かなり鈍感な人々ということになる。
 まして、その弟君は将来、天皇にならなければならず、現時点では唯一天皇制の維持に欠かせない皇族なのである。そして、その皇族は感情を持つ人間でもある。将来の天皇がそのような人々を守りその象徴になりたいと思うであろうか。

 その弟君が慕っている大事な家族を批判するということは、逆に天皇制を壊していると見なすことができよう。
 今回、批判している人々は自分の不明を早めに反省し、態度を改めるべきである。

 勿論、日本が隣国のように共和制でもよいという立場であれば話は別である。言論の自由は天皇制に関してもあるので、名誉棄損にならない範囲で発言は認められるべきであろうが。

山スキーでのこぶ斜面の滑り方2021年10月28日 04:44

 スキーでこぶ斜面を滑るのは疲れる。膝の曲げ伸ばしが多すぎるのである。そして、押し出しで足を突っ張るので更に疲れる。こぶ斜面はスキー場ではよくあることなので、山スキー帰りでも出会うことはありうる。
 SUGAWA SKI SPIRITというYOUTUBEでは、こぶにスキーをぶつけることでスピードを押さえるのがコツであるとのことであった。
 確かに有効そうだ。ただ、膝の曲げ伸ばしはどうしても生じるので、荷物を担いでいる場合はかなりつらい。こぶにぶつかった時の衝撃で加速度を受けるのである。
 では、どうするか。
 こぶにぶつかる前の速度をできるだけ抑えることである。
 そのために、そのこぶ(バンク)に対して、ぶつかる直前にダブルストックをつくことである。ストックで衝撃を受け止めることで、足だけで衝撃を受けるよりも大幅に衝撃による圧力を低減できる。こぶを乗り越えた際に抜重することも容易になる(はずだ)。
 問題は、ストックで受けた際に生じやすい後傾を如何に抑えるかである。そのため、ストックを平坦地よりかなり短めに持つことである。
 理論武装はできたので、実地でどうなるか今年は試してみよう。

不自由さを皇族に求める人々2021年10月28日 06:03

 かつて、皇室アルバムなる番組があった。その主な視聴者は一般庶民であった。皇族一家の幸せそうな様子を喜んで見ているわけである。やはりあの方々は素晴らしいと思いながら。
 しかし、単純に喜んでいたのだろうか。彼らは生まれながらに恵まれた生活と特権が保障されている。それは、あまりに不公平で、私たちがかわいそうになる。
 そこで思いつくのは、彼らには自由がないという点である。有名な映画スターと同様、彼らは自由に街を歩くことも、自由恋愛もかなわない。即ち、彼らの裕福な生活は不自由さの代償なのだーと思い込むことで、内心、彼らと我が身の違いの辻褄を合わせていたのである。

 しかし、今回の宮家の状況は、自由な一般庶民の振る舞いと同じではないかーそれは許せないーそのような自由と裕福な生活と特権が同時に何の代償もなく得られるなんておかしいーというのが、今回のバッシングする人々の心理の根底にある。

 戦前ならともかく、現在では、皇室以上に裕福でかつ自由な生活を送っている家庭は何万もある。皇室にだけ、裕福さと特権の代償としての不自由さや規律ある振る舞いを要求することは可能だろうか。
 皇族は何も悪いことはしていない。皇室に生まれ、税金を支給されているという理由だけで、一生自由のない生活を強制することは出来ないだろう。
 このままでは若い皇族はみな離脱したがるであろう。天皇制を維持したいのであれば、いまや国民は皇族にお願いをする立場になるべきである。現在雑誌やネットで行われているバッシングは、国家の存立という公共の福祉に反する行為であり、許されるべき自由ではないと思う。

 今回バッシングしている人々は、真の自由の価値を理解していないように思える。日本の民主主義は、自分で勝ち取ったものではなく、戦後、米国から与えられたものだという指摘がこの面でも当たっているのである。