西谷と鶴ヶ峰が隣接しているワケ2023年04月13日 10:55

 横浜近辺の方はご存じでしょうが、相鉄線が東横線と繋がり、神奈川県内陸部の交通の便が大幅に改善された。その接続駅が西谷である。ここは横浜港に河口を持つ帷子川が流れており、谷に地形なので西谷と呼ばれるのだろう。しかし、その一つ先の駅名は鶴ヶ峰である。国道16号を西谷から鶴ヶ峰方向に走っても殆ど勾配は感じられない。なぜ、鶴ヶ峰などという険しい山を想起するような地名になったのだろうか。
 その謎が、旭区役所に行く道沿いで解けた。
ここは、東海道が保土ヶ谷宿手前で分岐し、八王子に向かう八王子街道沿いにある。電車も車のなかった江戸時代、旅人は帷子川沿いにそって開かれた八王子街道を辿っていく以外になかった。その街道は西谷の先で川沿いから外れ、右側の山の方に登るのである。その登りが帷子川を起点にすると鶴ヶ峰の最高時点までおよそ70メートル近くになる八王子街道最大の難所だったのである。今は国道16号が横浜方面から帷子川の水面より20メートル以上高い台地部を通っているので、旧八王子街道の鶴ヶ峰付近での厳しさが分からないが、川沿いに歩いてきた旅人がここで峠を見上げたら、鶴が渡るほどの峰に見えたのではないだろうか。或いは、峠付近が鶴の形をしていたのかもしれない。いずれにせよ、峰のように感じられたのであろう。
 
 神奈川県内の東海道はほぼ歩きつくしたので、今度は八王子街道をチャレンジしようと思う。(交通費も宿泊費も無視できるので)