スタッドレスタイヤなのになぜスタックするのか ― 2025年02月06日 07:13
スタッドレスタイヤを履いて、しかも平地なのにスタックする車の映像が連日放送されている。
よく見ているとスタックする車はエンジンをふかして脱出しようとしている。実は、これが主たる原因である。昔はマニュアル車だったので、セカンドで発進せよと言われていた。車を静止状態からゆっくりと動かせばよいのである。しかし、最近の車はオートマなので車輪の摩擦が少ないと自動的に回転数が上がるようにできている。オートマでも下り坂で使うセカンドモードに入れれば回転数は減るので脱出しやすくなるはずである。
もう少し、物理的に分析すると、スタックには2つの要因がある。
(1)スタッドレスタイヤの水排除能力不足と回転数の相関
タイヤと接地面の間に水があると、水が潤滑油のような役割をして摩擦が減る。スタッドレスタイヤはその水を排除するために、細かい溝を表面につけて横方向に排泄するようにできている。しかし、下手な運転手はスタックしたとたんに回転数を上げるので、回転する摩擦熱で雪が解け更に接地面に大量の水を生み出す。このため水が排除できなくなる。
(2)静摩擦係数と動摩擦係数の相関
一般に、相対運動する物体との摩擦係数(動摩擦係数)は静止しているときの摩擦係数(静摩擦係数)より小さい。
相対運動というのは、空回りしているタイヤと静止している雪面の関係やスリップしているタイヤと静止している雪面では相対運動していることになり、動摩擦係数が適用される。
一方、タイヤが地面と相対運動していない場合、即ち、タイヤの回転による外周の距離が車の移動距離と同一である場合は、常に雪面とタイヤが密着しているので雪面とタイヤの相対運動がないことになり静摩擦係数が適用される。
ChatGPTによれば、
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動摩擦係数が静摩擦係数より小さい理由は、以下のような物理的な要因によります。
1. 静止時の微視的な結合(接着効果)
物体が静止しているとき、接触面の凹凸が互いにかみ合ったり、分子間力(ファンデルワールス力や化学結合)による接着効果が働いたりします。このため、動かし始めるにはこれらの結合を断ち切るだけの力が必要になり、静摩擦力が大きくなります。
2. 動作中の接触点の減少
物体が動き始めると、接触面の微細な突起が滑り、接触点が一時的に減少します。これにより、面同士の引っかかりが減り、摩擦力が小さくなります。
3. 局所的な温度上昇と潤滑効果
動いている間に摩擦熱が発生し、接触面の微小な部分で温度が上昇することで、表面の分子構造がわずかに変化し、滑りやすくなる場合があります。これが一種の自己潤滑効果を生み、動摩擦係数が低くなります。
4. 動的効果による力の分散
物体が動いている間は、接触点が連続的に変化するため、静止時のように特定の点で強い摩擦力が働くことがなくなります。その結果、平均的な摩擦力が低下します。
これらの要因により、一般に 動摩擦係数(μ_k)は静摩擦係数(μ_s)より小さくなる のです。
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といくつかの理由を挙げている。動摩擦係数はこれらの理由から相対速度が速いほど一般には小さくなる。
エンジンを踏み込むほどタイヤが空回りして摩擦が小さくなるのである。これがタイヤをできるだけゆっくり動かすことの重要性を示している。
従って、スリップするような雪面では空回りによるスタックを防ぐためにも車輪をゆっくり回すように工夫する必要がある。
一旦、スタックしてしまったら、オートマ車ならエンジンブレーキモード(2とかBとか書かれている)、マニュアルモードが選べる車ならば低速ギア) に入れて、アクセルを踏んでもスリップして車輪の回転数が上がったりしないようなモードにすると、動摩擦係数は小さくなり、静摩擦係数に近くなる。即ち、スタックから脱出の可能性が増えるのである。
実際上は、前車の轍にはまり、抉れた溝に落ちて動かなくなって慌ててアクセルを踏み込む状態になるのがスタック状態の始まりであろう。このスタック状態になる前のアクセルワークが重要である。オートマならばエンジンブレーキモードに入れて置き不整地ではできるだけアクセルを踏まないように、すなわち、車輪を空回りさせないようにして凹凸を乗り越える必要がある。一旦凹地にはまっても、アクセルを踏んで空回り状態にすると上記のように摩擦が減る一方なので、その前にバックしてみる。そして、ゆっくり前進して凹凸を乗り越えられるかトライするほうが、アクセル全開するよりはスタックから抜け出せる可能性が増えることになる。
スタック穴が深くなって前後に動かなくなってしまった場合に、簡単に脱出する方法は、不要な毛布を積んで置き駆動輪の下に敷いて摩擦を増やすことだろう。
なお、雪道などでブレーキを強く踏んだ際の車のスリップを防ぐために、車体の速度と車の回転速度の不整合を検知して自動的にブレーキを緩めて静摩擦係数に近づけるようにした装置が、所謂ABS(アンチロックブレーキシステム)ということになる。
よく見ているとスタックする車はエンジンをふかして脱出しようとしている。実は、これが主たる原因である。昔はマニュアル車だったので、セカンドで発進せよと言われていた。車を静止状態からゆっくりと動かせばよいのである。しかし、最近の車はオートマなので車輪の摩擦が少ないと自動的に回転数が上がるようにできている。オートマでも下り坂で使うセカンドモードに入れれば回転数は減るので脱出しやすくなるはずである。
もう少し、物理的に分析すると、スタックには2つの要因がある。
(1)スタッドレスタイヤの水排除能力不足と回転数の相関
タイヤと接地面の間に水があると、水が潤滑油のような役割をして摩擦が減る。スタッドレスタイヤはその水を排除するために、細かい溝を表面につけて横方向に排泄するようにできている。しかし、下手な運転手はスタックしたとたんに回転数を上げるので、回転する摩擦熱で雪が解け更に接地面に大量の水を生み出す。このため水が排除できなくなる。
(2)静摩擦係数と動摩擦係数の相関
一般に、相対運動する物体との摩擦係数(動摩擦係数)は静止しているときの摩擦係数(静摩擦係数)より小さい。
相対運動というのは、空回りしているタイヤと静止している雪面の関係やスリップしているタイヤと静止している雪面では相対運動していることになり、動摩擦係数が適用される。
一方、タイヤが地面と相対運動していない場合、即ち、タイヤの回転による外周の距離が車の移動距離と同一である場合は、常に雪面とタイヤが密着しているので雪面とタイヤの相対運動がないことになり静摩擦係数が適用される。
ChatGPTによれば、
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動摩擦係数が静摩擦係数より小さい理由は、以下のような物理的な要因によります。
1. 静止時の微視的な結合(接着効果)
物体が静止しているとき、接触面の凹凸が互いにかみ合ったり、分子間力(ファンデルワールス力や化学結合)による接着効果が働いたりします。このため、動かし始めるにはこれらの結合を断ち切るだけの力が必要になり、静摩擦力が大きくなります。
2. 動作中の接触点の減少
物体が動き始めると、接触面の微細な突起が滑り、接触点が一時的に減少します。これにより、面同士の引っかかりが減り、摩擦力が小さくなります。
3. 局所的な温度上昇と潤滑効果
動いている間に摩擦熱が発生し、接触面の微小な部分で温度が上昇することで、表面の分子構造がわずかに変化し、滑りやすくなる場合があります。これが一種の自己潤滑効果を生み、動摩擦係数が低くなります。
4. 動的効果による力の分散
物体が動いている間は、接触点が連続的に変化するため、静止時のように特定の点で強い摩擦力が働くことがなくなります。その結果、平均的な摩擦力が低下します。
これらの要因により、一般に 動摩擦係数(μ_k)は静摩擦係数(μ_s)より小さくなる のです。
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といくつかの理由を挙げている。動摩擦係数はこれらの理由から相対速度が速いほど一般には小さくなる。
エンジンを踏み込むほどタイヤが空回りして摩擦が小さくなるのである。これがタイヤをできるだけゆっくり動かすことの重要性を示している。
従って、スリップするような雪面では空回りによるスタックを防ぐためにも車輪をゆっくり回すように工夫する必要がある。
一旦、スタックしてしまったら、オートマ車ならエンジンブレーキモード(2とかBとか書かれている)、マニュアルモードが選べる車ならば低速ギア) に入れて、アクセルを踏んでもスリップして車輪の回転数が上がったりしないようなモードにすると、動摩擦係数は小さくなり、静摩擦係数に近くなる。即ち、スタックから脱出の可能性が増えるのである。
実際上は、前車の轍にはまり、抉れた溝に落ちて動かなくなって慌ててアクセルを踏み込む状態になるのがスタック状態の始まりであろう。このスタック状態になる前のアクセルワークが重要である。オートマならばエンジンブレーキモードに入れて置き不整地ではできるだけアクセルを踏まないように、すなわち、車輪を空回りさせないようにして凹凸を乗り越える必要がある。一旦凹地にはまっても、アクセルを踏んで空回り状態にすると上記のように摩擦が減る一方なので、その前にバックしてみる。そして、ゆっくり前進して凹凸を乗り越えられるかトライするほうが、アクセル全開するよりはスタックから抜け出せる可能性が増えることになる。
スタック穴が深くなって前後に動かなくなってしまった場合に、簡単に脱出する方法は、不要な毛布を積んで置き駆動輪の下に敷いて摩擦を増やすことだろう。
なお、雪道などでブレーキを強く踏んだ際の車のスリップを防ぐために、車体の速度と車の回転速度の不整合を検知して自動的にブレーキを緩めて静摩擦係数に近づけるようにした装置が、所謂ABS(アンチロックブレーキシステム)ということになる。
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