核保有で軍事費を安くできるという幻想 ― 2025年08月02日 16:24
何処かの政党が核保有で軍事費が安上がりになると言っているが、本当なのか。
まず、ChatGPTにマンハッタン計画の総予算を現在換算で聞いてみた。
下のChatGPT#A1に書いてあるように200億~250憶ドル(2~2.5兆円)だそうだ。これだけ見ると安いようにも思える。
しかし、これは実質広島・長崎原爆2発の開発費用である。そんな旧式原爆は何発持っていても意味はない。というより、自国のほうが危ない。他国への輸送手段がないのである。これらの重量は1トンレベルであり、現在でも大型輸送機でしか運べない。そんな輸送機をどこかの基地から離陸させても、仮想敵国から探知されて国境を超える前に撃ち落されるだろう。
即ち、米ソ冷戦では、核兵器の小型化とICBM、原子力潜水艦の開発が同時並行で軍事費を増大させた。そして、その軍事費負担に耐えられなかったソ連が破綻したのである。
ソ連の軍事費負担は下のChatGPT#A2に示されているように、当時1985年の価値で
1000憶ドル~1500憶ドル/年(10兆円~15兆円)
と推定されている。現在価値に換算すればその2倍以上になる。
今年度の防衛費予算は約9兆円だから、どちらが安いか小学生でも理解できる。
仮に核兵器を所有し、米国との同盟関係を離れて、米国やロシア、中国と対抗するために実効性のある核兵器体系を整備しようとしたら、ソ連の崩壊の二の舞になることはほぼ確実だろう。
では、なぜ、北朝鮮は核兵器を所有できたか。(経済状況の厳しさは別に置くとして)
それは、米国の核兵器小型化技術を盗んだからである。これはオッペンハイマーと冷戦対応で対立関係にあったエドワード・テラーが開発した核融合反応を利用した核弾頭小型化技術だが、これと、設計手法のセットを、北朝鮮のスパイが米国国立研究所から手に入れ、金正恩に上納したと思われる。あるニュース画像で金正恩が手にしていた核弾頭(レプリカかもしれないが)はテラーが開発した小型核弾頭とそっくりの形状であった。この複雑な核反応装置と、マイクロ秒単位でその制御ができる制御装置を組み合わせて設計できるような天才的科学技術者は日本にも北朝鮮にもいないが、まねることはできるだろう。しかし、日本に北朝鮮のようなインテリジェンス能力はない。もちろん米国がそのような技術を開示するはずもない。
したがって、自主開発をすることになるが、旧ソ連以上の費用と時間がかかることになるだろう。
核兵器保有で国防費が安くなるという主張の根拠は何なのだろうか。
彼らの中にテラー並みの天才が一人もいないことは理解できるが。
ChatGPT#A1
****************************
マンハッタン計画の総費用は、当時の価格(1940年代)で約20億ドルとされています。これはアメリカ政府の戦時支出の中でも非常に大きなプロジェクトでした。
現在価格への換算(2025年基準)
インフレ率を考慮して現在(2025年)の価格に換算すると:
約200億〜250億ドル(2〜2.5兆円)程度と推定されます。
これは使う換算方法によって異なります。以下に代表的な手法を挙げます:
換算の根拠(概算):
方法 換算結果(2025年) 備考
消費者物価指数(CPI)で換算 約250億ドル インフレ調整として最も一般的
GDP比での経済規模換算 数千億ドル規模 当時のGDP比から見ると、戦時国家プロジェクトとしては極めて大規模
金価格で換算 数百億〜千億ドル 金の価値をベースにした資産換算ではより高額に
参考比較:
アポロ計画(1960〜70年代)も約250億ドル(当時)→ 現在価格で約1600億ドル
国際宇宙ステーション:総計で約1500億ドル
つまり、マンハッタン計画は現代の大型科学プロジェクトと同等、もしくはそれ以上の国家的投資だったことが分かります。
ChatGPT#A2
****************************
米ソ冷戦時代(1947〜1991年)におけるアメリカとソ連の軍事予算(国防費)は、国家財政や世界情勢を大きく左右する巨額の支出でした。以下に年代別で概観します。
🇺🇸 アメリカの軍事予算(冷戦時)
時期 年間国防予算(当時のドル) 備考
1950年(朝鮮戦争前) 約135億ドル 国防費はGDPの5%未満
1953年(朝鮮戦争) 約500億ドル GDP比 約14%
1968年(ベトナム戦争) 約770億ドル GDP比 約9.5%
1985年(レーガン政権・軍拡ピーク) 約3000億ドル GDP比 約6.5%
1991年(冷戦終結時) 約2700億ドル 軍縮へ転換中
👉 冷戦期平均:約2000億ドル前後(当時ドル)/GDP比 5〜8%
🇷🇺 ソ連の軍事予算(推定)
ソ連は正確な数字を公開していませんでしたが、西側の推定によると:
1980年代中盤(ピーク時):GDPの15〜20%(軍関連支出含む)
当時のルーブル換算で年間約1000億〜1500億ドル相当
経済規模に比して極めて高い軍事負担が国家の疲弊を招いた要因とされる
💰現在価値で換算(概算)
インフレを加味すると、冷戦時の支出は以下のように現在価値に換算されます:
年代 アメリカ当時の軍事費 2025年のドル価値(目安)
1953年 約500億ドル 約5500〜6000億ドル
1985年 約3000億ドル 約8000億ドル
🎯 特記事項
冷戦軍拡競争は核兵器、ミサイル、防空網、空母・潜水艦など広範囲に及ぶ
アメリカの「スターウォーズ計画」(SDI)は1980年代の軍事予算を押し上げた
ソ連崩壊の一因には過剰な軍事支出による経済疲弊があると広く分析されている
まず、ChatGPTにマンハッタン計画の総予算を現在換算で聞いてみた。
下のChatGPT#A1に書いてあるように200億~250憶ドル(2~2.5兆円)だそうだ。これだけ見ると安いようにも思える。
しかし、これは実質広島・長崎原爆2発の開発費用である。そんな旧式原爆は何発持っていても意味はない。というより、自国のほうが危ない。他国への輸送手段がないのである。これらの重量は1トンレベルであり、現在でも大型輸送機でしか運べない。そんな輸送機をどこかの基地から離陸させても、仮想敵国から探知されて国境を超える前に撃ち落されるだろう。
即ち、米ソ冷戦では、核兵器の小型化とICBM、原子力潜水艦の開発が同時並行で軍事費を増大させた。そして、その軍事費負担に耐えられなかったソ連が破綻したのである。
ソ連の軍事費負担は下のChatGPT#A2に示されているように、当時1985年の価値で
1000憶ドル~1500憶ドル/年(10兆円~15兆円)
と推定されている。現在価値に換算すればその2倍以上になる。
今年度の防衛費予算は約9兆円だから、どちらが安いか小学生でも理解できる。
仮に核兵器を所有し、米国との同盟関係を離れて、米国やロシア、中国と対抗するために実効性のある核兵器体系を整備しようとしたら、ソ連の崩壊の二の舞になることはほぼ確実だろう。
では、なぜ、北朝鮮は核兵器を所有できたか。(経済状況の厳しさは別に置くとして)
それは、米国の核兵器小型化技術を盗んだからである。これはオッペンハイマーと冷戦対応で対立関係にあったエドワード・テラーが開発した核融合反応を利用した核弾頭小型化技術だが、これと、設計手法のセットを、北朝鮮のスパイが米国国立研究所から手に入れ、金正恩に上納したと思われる。あるニュース画像で金正恩が手にしていた核弾頭(レプリカかもしれないが)はテラーが開発した小型核弾頭とそっくりの形状であった。この複雑な核反応装置と、マイクロ秒単位でその制御ができる制御装置を組み合わせて設計できるような天才的科学技術者は日本にも北朝鮮にもいないが、まねることはできるだろう。しかし、日本に北朝鮮のようなインテリジェンス能力はない。もちろん米国がそのような技術を開示するはずもない。
したがって、自主開発をすることになるが、旧ソ連以上の費用と時間がかかることになるだろう。
核兵器保有で国防費が安くなるという主張の根拠は何なのだろうか。
彼らの中にテラー並みの天才が一人もいないことは理解できるが。
ChatGPT#A1
****************************
マンハッタン計画の総費用は、当時の価格(1940年代)で約20億ドルとされています。これはアメリカ政府の戦時支出の中でも非常に大きなプロジェクトでした。
現在価格への換算(2025年基準)
インフレ率を考慮して現在(2025年)の価格に換算すると:
約200億〜250億ドル(2〜2.5兆円)程度と推定されます。
これは使う換算方法によって異なります。以下に代表的な手法を挙げます:
換算の根拠(概算):
方法 換算結果(2025年) 備考
消費者物価指数(CPI)で換算 約250億ドル インフレ調整として最も一般的
GDP比での経済規模換算 数千億ドル規模 当時のGDP比から見ると、戦時国家プロジェクトとしては極めて大規模
金価格で換算 数百億〜千億ドル 金の価値をベースにした資産換算ではより高額に
参考比較:
アポロ計画(1960〜70年代)も約250億ドル(当時)→ 現在価格で約1600億ドル
国際宇宙ステーション:総計で約1500億ドル
つまり、マンハッタン計画は現代の大型科学プロジェクトと同等、もしくはそれ以上の国家的投資だったことが分かります。
ChatGPT#A2
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米ソ冷戦時代(1947〜1991年)におけるアメリカとソ連の軍事予算(国防費)は、国家財政や世界情勢を大きく左右する巨額の支出でした。以下に年代別で概観します。
🇺🇸 アメリカの軍事予算(冷戦時)
時期 年間国防予算(当時のドル) 備考
1950年(朝鮮戦争前) 約135億ドル 国防費はGDPの5%未満
1953年(朝鮮戦争) 約500億ドル GDP比 約14%
1968年(ベトナム戦争) 約770億ドル GDP比 約9.5%
1985年(レーガン政権・軍拡ピーク) 約3000億ドル GDP比 約6.5%
1991年(冷戦終結時) 約2700億ドル 軍縮へ転換中
👉 冷戦期平均:約2000億ドル前後(当時ドル)/GDP比 5〜8%
🇷🇺 ソ連の軍事予算(推定)
ソ連は正確な数字を公開していませんでしたが、西側の推定によると:
1980年代中盤(ピーク時):GDPの15〜20%(軍関連支出含む)
当時のルーブル換算で年間約1000億〜1500億ドル相当
経済規模に比して極めて高い軍事負担が国家の疲弊を招いた要因とされる
💰現在価値で換算(概算)
インフレを加味すると、冷戦時の支出は以下のように現在価値に換算されます:
年代 アメリカ当時の軍事費 2025年のドル価値(目安)
1953年 約500億ドル 約5500〜6000億ドル
1985年 約3000億ドル 約8000億ドル
🎯 特記事項
冷戦軍拡競争は核兵器、ミサイル、防空網、空母・潜水艦など広範囲に及ぶ
アメリカの「スターウォーズ計画」(SDI)は1980年代の軍事予算を押し上げた
ソ連崩壊の一因には過剰な軍事支出による経済疲弊があると広く分析されている
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