下りでスリップしたらハンドルとブレーキから手足を離せ ― 2025年02月20日 14:02
先日の旭山動物園近くの大型バスと軽自動車のスリップ追突事故の動画を見て思ったことである。
バスは下り坂で追突を避けようとハンドルを左に切ってブレーキをかけ続けたが、スリップは止まらず、軽自動車に追突し、更に押し続けながら別のバスに押し付けて止まっている。
追突を避けようとハンドルを左に一杯切っているので前車輪は車体の進行方向に対し、左に45度の方向を向いている。これで、前方方向へのタイヤの摩擦力はほぼない状態になるのである。
タイヤと氷面との間にできる水の膜を、タイヤ表面のサイプ(小さな細い溝)がタイヤの左右に排除することで、タイヤと氷の間の摩擦力を維持するのがスタッドレスタイヤの溝の役割である。
45度方向に向けるとサイプの方向が車の進行方向と同じになるので、この水排除ができなくなる。逆にタイヤの下に排除すべき水が入り込んだ状態を作ることになるのである。即ち、ハンドルを一杯に切ることで、サイプのないような普通タイヤ以上に路面とタイヤ間の摩擦がない状態を意図せずに作っている。
更に、このバスは何とか止めようとブレーキを一杯に踏んでいたようである。これは後輪の摩擦力を動摩擦状態にして下げているということである。(2月6日付け本ブログ)
この結果、前後の4つのタイヤの摩擦が効かなくなって、前方の軽自動車に追突し、そのまま押し続けて、前方の大型バスとの間に軽自動車を押し付けたのであろう。
即ち、ここで主張したいのは、下り坂でスリップしたらハンドルとブレーキから一旦手足を離すことで、ハンドルとブレーキのコントロールが回復するのを一瞬待つべきということである。その方がより確実に止める可能性が出てくる。
これは心理的には恐怖感から難しいことではあるが、追突まであれだけの時間があれば一度試してみる価値があった。 普段からタイヤの摩擦特性を意識し、雪道ではハンドルとブレーキに過度に頼らない運転に慣れておくことが重要だ。
バスは下り坂で追突を避けようとハンドルを左に切ってブレーキをかけ続けたが、スリップは止まらず、軽自動車に追突し、更に押し続けながら別のバスに押し付けて止まっている。
追突を避けようとハンドルを左に一杯切っているので前車輪は車体の進行方向に対し、左に45度の方向を向いている。これで、前方方向へのタイヤの摩擦力はほぼない状態になるのである。
タイヤと氷面との間にできる水の膜を、タイヤ表面のサイプ(小さな細い溝)がタイヤの左右に排除することで、タイヤと氷の間の摩擦力を維持するのがスタッドレスタイヤの溝の役割である。
45度方向に向けるとサイプの方向が車の進行方向と同じになるので、この水排除ができなくなる。逆にタイヤの下に排除すべき水が入り込んだ状態を作ることになるのである。即ち、ハンドルを一杯に切ることで、サイプのないような普通タイヤ以上に路面とタイヤ間の摩擦がない状態を意図せずに作っている。
更に、このバスは何とか止めようとブレーキを一杯に踏んでいたようである。これは後輪の摩擦力を動摩擦状態にして下げているということである。(2月6日付け本ブログ)
この結果、前後の4つのタイヤの摩擦が効かなくなって、前方の軽自動車に追突し、そのまま押し続けて、前方の大型バスとの間に軽自動車を押し付けたのであろう。
即ち、ここで主張したいのは、下り坂でスリップしたらハンドルとブレーキから一旦手足を離すことで、ハンドルとブレーキのコントロールが回復するのを一瞬待つべきということである。その方がより確実に止める可能性が出てくる。
これは心理的には恐怖感から難しいことではあるが、追突まであれだけの時間があれば一度試してみる価値があった。 普段からタイヤの摩擦特性を意識し、雪道ではハンドルとブレーキに過度に頼らない運転に慣れておくことが重要だ。
レアアースは核のゴミの中に大量にあるのだが ― 2025年02月16日 07:36
トランプ大統領がウクライナなどに要求しているレアアースは日本には殆どないことになっている。
しかし、実は、レアアースは下記リンクに示すように所謂核のゴミの中に大量に存在している。これが日本ではゴミと言われて嫌われているというのが現状である。
https://drive.google.com/file/d/1hv8dsQU3Wy-r9i2mtBvYK31k5FaDxy0e/view?usp=sharing
地殻に存在するレアアース自体が、太陽の祖先の中性子星の核爆発でできた宇宙塵の中に存在していたものなのだから、核のゴミの中にあることも当然である。
生物の発生は地球が生まれてから約1億年後(現在から35憶念前)で、その当時の放射線レベルは現在より数10倍は高かった。(下記ChatGPT回答参照)
このレアアースを分離・変換技術でレアアース金属として利用できるように使用というのがこのリンクした研究開発の主旨である。
なぜかこの方向の議論には電力は後ろ向きである。この国は他国がやることしかできない後追い国家になっているとよく言われるが、この使用済み燃料の処理についても同じような状況なのだろう。
***************************
ChatGPT:への質問
地球が生まれて1億年後の放射線レベルは現在に比べどの程度高いですか?
ChatGPT:
地球が誕生してから約1億年後(約45億年前の時点)の放射線レベルは、現在と比べて 数十倍から100倍以上 高かったと考えられています。
主な要因:
宇宙線の影響
地球の磁場や大気が未発達であったため、現在よりも多くの宇宙線が地表に到達していた。
放射性元素の崩壊
地球内部の カリウム40(K-40)、ウラン238(U-238)、トリウム232(Th-232) などの放射性同位体の存在量が現在よりも多かった。
これらの元素は時間とともに崩壊するため、現在よりも強い放射線を放出していた。
地殻の形成と大気の発達
まだ地殻が完全には形成されておらず、地表からのガス放出が活発であった。
地球の大気が薄く、宇宙線の遮蔽効果が低かった。
超新星やガンマ線バーストの影響
初期の太陽系は、比較的活発な星形成領域に存在していた可能性があり、近隣の超新星爆発の影響を受けた可能性がある。
どのくらい高かったか?
ウランやトリウムの半減期から推測すると、地球誕生直後の内部放射線量は 現在の約4~5倍 だったとされる。
しかし、大気や磁場が未発達だったため、宇宙線の影響も含めると 地表の放射線レベルは数十倍~100倍程度 だった可能性がある。
現在の地表の自然放射線量は 年間約2.4ミリシーベルト(mSv) だが、当時はこれが 100mSv以上 であった可能性も考えられます。
しかし、実は、レアアースは下記リンクに示すように所謂核のゴミの中に大量に存在している。これが日本ではゴミと言われて嫌われているというのが現状である。
https://drive.google.com/file/d/1hv8dsQU3Wy-r9i2mtBvYK31k5FaDxy0e/view?usp=sharing
地殻に存在するレアアース自体が、太陽の祖先の中性子星の核爆発でできた宇宙塵の中に存在していたものなのだから、核のゴミの中にあることも当然である。
生物の発生は地球が生まれてから約1億年後(現在から35憶念前)で、その当時の放射線レベルは現在より数10倍は高かった。(下記ChatGPT回答参照)
このレアアースを分離・変換技術でレアアース金属として利用できるように使用というのがこのリンクした研究開発の主旨である。
なぜかこの方向の議論には電力は後ろ向きである。この国は他国がやることしかできない後追い国家になっているとよく言われるが、この使用済み燃料の処理についても同じような状況なのだろう。
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ChatGPT:への質問
地球が生まれて1億年後の放射線レベルは現在に比べどの程度高いですか?
ChatGPT:
地球が誕生してから約1億年後(約45億年前の時点)の放射線レベルは、現在と比べて 数十倍から100倍以上 高かったと考えられています。
主な要因:
宇宙線の影響
地球の磁場や大気が未発達であったため、現在よりも多くの宇宙線が地表に到達していた。
放射性元素の崩壊
地球内部の カリウム40(K-40)、ウラン238(U-238)、トリウム232(Th-232) などの放射性同位体の存在量が現在よりも多かった。
これらの元素は時間とともに崩壊するため、現在よりも強い放射線を放出していた。
地殻の形成と大気の発達
まだ地殻が完全には形成されておらず、地表からのガス放出が活発であった。
地球の大気が薄く、宇宙線の遮蔽効果が低かった。
超新星やガンマ線バーストの影響
初期の太陽系は、比較的活発な星形成領域に存在していた可能性があり、近隣の超新星爆発の影響を受けた可能性がある。
どのくらい高かったか?
ウランやトリウムの半減期から推測すると、地球誕生直後の内部放射線量は 現在の約4~5倍 だったとされる。
しかし、大気や磁場が未発達だったため、宇宙線の影響も含めると 地表の放射線レベルは数十倍~100倍程度 だった可能性がある。
現在の地表の自然放射線量は 年間約2.4ミリシーベルト(mSv) だが、当時はこれが 100mSv以上 であった可能性も考えられます。
下水道管陥没対策用ミューオン宇宙線検出装置 ― 2025年02月08日 11:49
知人の土木工学専門家に聞いたところ、地下の空洞を検出するのはマイクロ波の反射波検出だそうである。
下水道の内部に潜って、マイクロ波を放出、空洞検出するのも可能かもしれないが、マイクロ波は一般にも使用されている電磁波なのでノイズで精度良い映像が撮れない場合も多いのではないだろうか。
一方、福島事故の燃料デブリの位置を検出する技術として開発されたミューオン(宇宙線の一種)検出装置を下水道管上部の空洞検出に応用するという案はどうだろうか。
福島で対応したような大型装置もあるが、下記リンクのような超小型のものもあるようだ。
https://engineer.fabcross.jp/archeive/171204_cosmicwatch.html
これなら、ドローンに載せて下水管上部の空洞を検出するのもそれほど難しくはない。東電も多額の予算を使った事故対応技術を多分野にも応用すれば、世間の批判も和らげられるかもしれない。
下水道の内部に潜って、マイクロ波を放出、空洞検出するのも可能かもしれないが、マイクロ波は一般にも使用されている電磁波なのでノイズで精度良い映像が撮れない場合も多いのではないだろうか。
一方、福島事故の燃料デブリの位置を検出する技術として開発されたミューオン(宇宙線の一種)検出装置を下水道管上部の空洞検出に応用するという案はどうだろうか。
福島で対応したような大型装置もあるが、下記リンクのような超小型のものもあるようだ。
https://engineer.fabcross.jp/archeive/171204_cosmicwatch.html
これなら、ドローンに載せて下水管上部の空洞を検出するのもそれほど難しくはない。東電も多額の予算を使った事故対応技術を多分野にも応用すれば、世間の批判も和らげられるかもしれない。
スタッドレスタイヤなのになぜスタックするのか ― 2025年02月06日 07:13
スタッドレスタイヤを履いて、しかも平地なのにスタックする車の映像が連日放送されている。
よく見ているとスタックする車はエンジンをふかして脱出しようとしている。実は、これが主たる原因である。昔はマニュアル車だったので、セカンドで発進せよと言われていた。車を静止状態からゆっくりと動かせばよいのである。しかし、最近の車はオートマなので車輪の摩擦が少ないと自動的に回転数が上がるようにできている。オートマでも下り坂で使うセカンドモードに入れれば回転数は減るので脱出しやすくなるはずである。
もう少し、物理的に分析すると、スタックには2つの要因がある。
(1)スタッドレスタイヤの水排除能力不足と回転数の相関
タイヤと接地面の間に水があると、水が潤滑油のような役割をして摩擦が減る。スタッドレスタイヤはその水を排除するために、細かい溝を表面につけて横方向に排泄するようにできている。しかし、下手な運転手はスタックしたとたんに回転数を上げるので、回転する摩擦熱で雪が解け更に接地面に大量の水を生み出す。このため水が排除できなくなる。
(2)静摩擦係数と動摩擦係数の相関
一般に、相対運動する物体との摩擦係数(動摩擦係数)は静止しているときの摩擦係数(静摩擦係数)より小さい。
相対運動というのは、空回りしているタイヤと静止している雪面の関係やスリップしているタイヤと静止している雪面では相対運動していることになり、動摩擦係数が適用される。
一方、タイヤが地面と相対運動していない場合、即ち、タイヤの回転による外周の距離が車の移動距離と同一である場合は、常に雪面とタイヤが密着しているので雪面とタイヤの相対運動がないことになり静摩擦係数が適用される。
ChatGPTによれば、
***************************
動摩擦係数が静摩擦係数より小さい理由は、以下のような物理的な要因によります。
1. 静止時の微視的な結合(接着効果)
物体が静止しているとき、接触面の凹凸が互いにかみ合ったり、分子間力(ファンデルワールス力や化学結合)による接着効果が働いたりします。このため、動かし始めるにはこれらの結合を断ち切るだけの力が必要になり、静摩擦力が大きくなります。
2. 動作中の接触点の減少
物体が動き始めると、接触面の微細な突起が滑り、接触点が一時的に減少します。これにより、面同士の引っかかりが減り、摩擦力が小さくなります。
3. 局所的な温度上昇と潤滑効果
動いている間に摩擦熱が発生し、接触面の微小な部分で温度が上昇することで、表面の分子構造がわずかに変化し、滑りやすくなる場合があります。これが一種の自己潤滑効果を生み、動摩擦係数が低くなります。
4. 動的効果による力の分散
物体が動いている間は、接触点が連続的に変化するため、静止時のように特定の点で強い摩擦力が働くことがなくなります。その結果、平均的な摩擦力が低下します。
これらの要因により、一般に 動摩擦係数(μ_k)は静摩擦係数(μ_s)より小さくなる のです。
*****************************
といくつかの理由を挙げている。動摩擦係数はこれらの理由から相対速度が速いほど一般には小さくなる。
エンジンを踏み込むほどタイヤが空回りして摩擦が小さくなるのである。これがタイヤをできるだけゆっくり動かすことの重要性を示している。
従って、スリップするような雪面では空回りによるスタックを防ぐためにも車輪をゆっくり回すように工夫する必要がある。
一旦、スタックしてしまったら、オートマ車ならエンジンブレーキモード(2とかBとか書かれている)、マニュアルモードが選べる車ならば低速ギア) に入れて、アクセルを踏んでもスリップして車輪の回転数が上がったりしないようなモードにすると、動摩擦係数は小さくなり、静摩擦係数に近くなる。即ち、スタックから脱出の可能性が増えるのである。
実際上は、前車の轍にはまり、抉れた溝に落ちて動かなくなって慌ててアクセルを踏み込む状態になるのがスタック状態の始まりであろう。このスタック状態になる前のアクセルワークが重要である。オートマならばエンジンブレーキモードに入れて置き不整地ではできるだけアクセルを踏まないように、すなわち、車輪を空回りさせないようにして凹凸を乗り越える必要がある。一旦凹地にはまっても、アクセルを踏んで空回り状態にすると上記のように摩擦が減る一方なので、その前にバックしてみる。そして、ゆっくり前進して凹凸を乗り越えられるかトライするほうが、アクセル全開するよりはスタックから抜け出せる可能性が増えることになる。
スタック穴が深くなって前後に動かなくなってしまった場合に、簡単に脱出する方法は、不要な毛布を積んで置き駆動輪の下に敷いて摩擦を増やすことだろう。
なお、雪道などでブレーキを強く踏んだ際の車のスリップを防ぐために、車体の速度と車の回転速度の不整合を検知して自動的にブレーキを緩めて静摩擦係数に近づけるようにした装置が、所謂ABS(アンチロックブレーキシステム)ということになる。
よく見ているとスタックする車はエンジンをふかして脱出しようとしている。実は、これが主たる原因である。昔はマニュアル車だったので、セカンドで発進せよと言われていた。車を静止状態からゆっくりと動かせばよいのである。しかし、最近の車はオートマなので車輪の摩擦が少ないと自動的に回転数が上がるようにできている。オートマでも下り坂で使うセカンドモードに入れれば回転数は減るので脱出しやすくなるはずである。
もう少し、物理的に分析すると、スタックには2つの要因がある。
(1)スタッドレスタイヤの水排除能力不足と回転数の相関
タイヤと接地面の間に水があると、水が潤滑油のような役割をして摩擦が減る。スタッドレスタイヤはその水を排除するために、細かい溝を表面につけて横方向に排泄するようにできている。しかし、下手な運転手はスタックしたとたんに回転数を上げるので、回転する摩擦熱で雪が解け更に接地面に大量の水を生み出す。このため水が排除できなくなる。
(2)静摩擦係数と動摩擦係数の相関
一般に、相対運動する物体との摩擦係数(動摩擦係数)は静止しているときの摩擦係数(静摩擦係数)より小さい。
相対運動というのは、空回りしているタイヤと静止している雪面の関係やスリップしているタイヤと静止している雪面では相対運動していることになり、動摩擦係数が適用される。
一方、タイヤが地面と相対運動していない場合、即ち、タイヤの回転による外周の距離が車の移動距離と同一である場合は、常に雪面とタイヤが密着しているので雪面とタイヤの相対運動がないことになり静摩擦係数が適用される。
ChatGPTによれば、
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動摩擦係数が静摩擦係数より小さい理由は、以下のような物理的な要因によります。
1. 静止時の微視的な結合(接着効果)
物体が静止しているとき、接触面の凹凸が互いにかみ合ったり、分子間力(ファンデルワールス力や化学結合)による接着効果が働いたりします。このため、動かし始めるにはこれらの結合を断ち切るだけの力が必要になり、静摩擦力が大きくなります。
2. 動作中の接触点の減少
物体が動き始めると、接触面の微細な突起が滑り、接触点が一時的に減少します。これにより、面同士の引っかかりが減り、摩擦力が小さくなります。
3. 局所的な温度上昇と潤滑効果
動いている間に摩擦熱が発生し、接触面の微小な部分で温度が上昇することで、表面の分子構造がわずかに変化し、滑りやすくなる場合があります。これが一種の自己潤滑効果を生み、動摩擦係数が低くなります。
4. 動的効果による力の分散
物体が動いている間は、接触点が連続的に変化するため、静止時のように特定の点で強い摩擦力が働くことがなくなります。その結果、平均的な摩擦力が低下します。
これらの要因により、一般に 動摩擦係数(μ_k)は静摩擦係数(μ_s)より小さくなる のです。
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といくつかの理由を挙げている。動摩擦係数はこれらの理由から相対速度が速いほど一般には小さくなる。
エンジンを踏み込むほどタイヤが空回りして摩擦が小さくなるのである。これがタイヤをできるだけゆっくり動かすことの重要性を示している。
従って、スリップするような雪面では空回りによるスタックを防ぐためにも車輪をゆっくり回すように工夫する必要がある。
一旦、スタックしてしまったら、オートマ車ならエンジンブレーキモード(2とかBとか書かれている)、マニュアルモードが選べる車ならば低速ギア) に入れて、アクセルを踏んでもスリップして車輪の回転数が上がったりしないようなモードにすると、動摩擦係数は小さくなり、静摩擦係数に近くなる。即ち、スタックから脱出の可能性が増えるのである。
実際上は、前車の轍にはまり、抉れた溝に落ちて動かなくなって慌ててアクセルを踏み込む状態になるのがスタック状態の始まりであろう。このスタック状態になる前のアクセルワークが重要である。オートマならばエンジンブレーキモードに入れて置き不整地ではできるだけアクセルを踏まないように、すなわち、車輪を空回りさせないようにして凹凸を乗り越える必要がある。一旦凹地にはまっても、アクセルを踏んで空回り状態にすると上記のように摩擦が減る一方なので、その前にバックしてみる。そして、ゆっくり前進して凹凸を乗り越えられるかトライするほうが、アクセル全開するよりはスタックから抜け出せる可能性が増えることになる。
スタック穴が深くなって前後に動かなくなってしまった場合に、簡単に脱出する方法は、不要な毛布を積んで置き駆動輪の下に敷いて摩擦を増やすことだろう。
なお、雪道などでブレーキを強く踏んだ際の車のスリップを防ぐために、車体の速度と車の回転速度の不整合を検知して自動的にブレーキを緩めて静摩擦係数に近づけるようにした装置が、所謂ABS(アンチロックブレーキシステム)ということになる。
イノシシパラドックスがパラドックスでない理由 ― 2025年01月29日 03:24
欧州にはイノシシパラドックス(Wild bore pradox)なるイノシシ肉に関する話題があって、チェルノビル事故から40年も経つのにイノシシ肉の中のセシウムが減っていないことがおかしいということらしい。
イノシシはトリフが好物であることもグルメの間では気になっているとのこと。
セシウムにはよく知られているようにCs-134とCs-137があり、134は半減期2年、137は30年だが、イノシシ肉のセシウムはチェルノビルから40年たっても減少していないというのである。
しかし、話は単純で、230万年という長半減期のCs-135という核種もある。これを考慮すると途端に話は簡単になる。Cs-135 は核分裂時にはCs-134 やCs-137に比べると4桁程度生成量は小さい。しかし、核分裂でCs-137と同程度の量生成されるキセノンー135(Xe-135)という核種が半減期9時間でベータ崩壊すると、セシウムー135(Cs-135)に変化する。すなわち、Cs-135は時間とともに増加するのである。生成しても半減期が異常に長いので崩壊は無視できる。
チェルノビルのセシウム以外に、1950~60年代に米ソ冷戦でカザフスタンや太平洋など世界中で大気中核実験が行われ、欧州にもこれらの核種が大量に降り注いだ。従って、Cs-135も大量に生成され、チェルノビルからのCs各各種と混合した結果が、トリフやイノシシ肉に残存しているのである。チェルノビルと核実験のセシウム比率は欧州内でもばらついているが、基本的に長時間後にはCs-135が優位になるのでほぼ一定の平衡状態になる。これがチェルノビルから長時間経ってもセシウムが減少しない理由であり、パラドックスと言われるゆえんでもある。
しかし、安心してよい。半減期が長いということは、放射能も小さいということである。欧州まで行くジェット機内で浴びる宇宙線の被ばく特に太陽フレア時におけるX線の瞬間被ばく影響に比べれば、現地で食べるトリフやイノシシ肉からの内部被ばくは無視できるほど小さい。(がん発生確率は太陽フレア被ばくより3桁は小さいはずだ。)欧州に行くならば、宇宙からの放射線が大気で遮蔽される客船で半年掛けていく行くほうが健康にもよいだろう。ただしその場合は、船上で紫外線をあまり浴びないように気を付けなければならないが。
イノシシはトリフが好物であることもグルメの間では気になっているとのこと。
セシウムにはよく知られているようにCs-134とCs-137があり、134は半減期2年、137は30年だが、イノシシ肉のセシウムはチェルノビルから40年たっても減少していないというのである。
しかし、話は単純で、230万年という長半減期のCs-135という核種もある。これを考慮すると途端に話は簡単になる。Cs-135 は核分裂時にはCs-134 やCs-137に比べると4桁程度生成量は小さい。しかし、核分裂でCs-137と同程度の量生成されるキセノンー135(Xe-135)という核種が半減期9時間でベータ崩壊すると、セシウムー135(Cs-135)に変化する。すなわち、Cs-135は時間とともに増加するのである。生成しても半減期が異常に長いので崩壊は無視できる。
チェルノビルのセシウム以外に、1950~60年代に米ソ冷戦でカザフスタンや太平洋など世界中で大気中核実験が行われ、欧州にもこれらの核種が大量に降り注いだ。従って、Cs-135も大量に生成され、チェルノビルからのCs各各種と混合した結果が、トリフやイノシシ肉に残存しているのである。チェルノビルと核実験のセシウム比率は欧州内でもばらついているが、基本的に長時間後にはCs-135が優位になるのでほぼ一定の平衡状態になる。これがチェルノビルから長時間経ってもセシウムが減少しない理由であり、パラドックスと言われるゆえんでもある。
しかし、安心してよい。半減期が長いということは、放射能も小さいということである。欧州まで行くジェット機内で浴びる宇宙線の被ばく特に太陽フレア時におけるX線の瞬間被ばく影響に比べれば、現地で食べるトリフやイノシシ肉からの内部被ばくは無視できるほど小さい。(がん発生確率は太陽フレア被ばくより3桁は小さいはずだ。)欧州に行くならば、宇宙からの放射線が大気で遮蔽される客船で半年掛けていく行くほうが健康にもよいだろう。ただしその場合は、船上で紫外線をあまり浴びないように気を付けなければならないが。
オッペンハイマーと長崎原爆被ばく者データに関する疑惑 ― 2025年01月27日 11:26
映画オッペンハイマーでは、米国政府とオッペンハイマーの原爆開発の目的のずれが戦後の両者の対立になった経緯が描かれている。
その前提となるのが、広島に落とされた濃縮ウラン型原爆と長崎に落とされたプルトニウム原爆の物理、機械的相違である。
濃縮ウラン型は、臨界量未満の濃縮ウラン(ウラン235は90%以上)を円柱状にして置き、その中心に濃縮ウランの棒をピストルのように打ち込み十分な超臨界状態になったのちに、その棒の先端につけた中性子源から中性子を発生させて爆発させる。比較的簡単な構造である。
一方、オッペンハイマーが開発の主役となったプルトニウム型では、プルトニウム240という自発的に核分裂する核種が微量に含まれてしまうので、濃縮ウランのような単純構造では、超臨界状態になった瞬間にプルトニウム240からの中性子が発生すると核分裂による熱膨張で未臨界に戻ってしまう。そこで、映画にも出てきたエドワード・テラーが爆縮装置と呼ばれるプルトニウム球の周囲に配置し、ダイナマイトによる爆発力で周囲から圧力を加えることでこの熱膨張を抑制し、十分な爆発力を得る構造としたのである。
これは、原爆用濃縮ウランの製造には天然ウランの核分裂性核種ウラン235の比率0,7%を90%以上に濃縮する必要があり、複数段の濃縮装置に多大な電力と時間が必要だった一方で、プルトニウムは低燃焼度のウランとプルトニウムの化学分離の操作だけで製造できたからである。
しかし、プルトニウムの爆発には、混入するプルトニウム240がいつ中性子を発生するか、また、爆縮装置がうまくプルトニウムを圧縮してくれるかといった予測困難な問題があり、映画にもあるようにネバダの砂漠で、トリニティと呼ばれた実験を行い、核爆発力と兵士をモルモットにした実験が行われた。但し、この爆発力の見積もりは各研究所や大学機関で1桁以上の差があり、映画にもあるように兵士の配置が遠すぎて人体影響はほぼ見られなかった。
その一か月後、トリニティと同設計での長崎原爆が落とされたわけである。
米国政府としては、広島の原爆は構造が簡単なので確実に爆発することは分かっていたのだが、日本が降伏する前にこのプルトニウム型原爆を実験したかったのであろう。僅か、3日後に長崎に落とされた。
それは米ソ冷戦への備えとして落としたとしか思えない。オッペンハイマーは本来、戦争抑止のために開発したはずのプルトニウム原爆が長崎で一般市民に使われたため怒って戦後は核開発の反対論者になりスパイ容疑で裁判にかけられたという経緯が映画の後半の主題である。
なぜ、こんな歴史を今更と思うだろうが、最近、広島と長崎の被ばく者のがん発生率を分析したところ、長崎の被ばく者のデータに異常があることが分かったのである。下記は、統計ソフトRを用いて、広島と長崎の全被ばく生存者の被ばく量と固形がん発生リスクを分析した例の一部である。比較のため、400mGy以下の低線量範囲での比較結果のみ示すと以下のようになった。これは被ばく線量で比較したリスクであり本来広島と長崎で同傾向にならなければならない。
しかし、この発がんリスクの傾向には両市間で大きな相違がある。特に、低線量ほどリスクが大きいという結果になっている長崎市のデータには大きな問題点があると考えられる。
過剰相対リスク
線量範囲上限(mGy) 広島 長崎
400 0.800261919 1.074421
395 0.824506781 1.1539922
390 0.762176781 0.9001722
385 0.606536237 0.8074187
380 0.449953241 0.7136868
375 0.46056437 1.4629095
370 0.402776568 1.3920268
365 0.343500724 1.3379963
360 0.351151039 1.4072673
355 0.337969751 1.4299797
350 0.381182007 1.2312231
345 0.34177201 1.3835407
340 0.374849678 1.4768707
335 0.370562729 1.4780478
330 0.380518099 1.5373031
325 0.433673548 1.5516461
320 0.42436209 1.4702071
315 0.389640276 1.4744703
310 0.41947781 1.452396
305 0.387485792 1.5655033
300 0.394948014 1.5922935
295 0.357323841 1.5622991
290 0.274949467 1.5703467
285 0.281841652 1.4481003
280 0.191281463 1.4227193
275 0.04866446 1.324307
270 0.010104968 0.7065839
265 -0.039332547 0.6599728
260 -0.062113667 0.5607039
255 0.036832546 0.6496324
250 0.032308858 0.5364669
245 -0.027708853 0.5187721
240 -0.15646723 0.4587613
235 -0.024652604 0.6546835
230 -0.027032151 0.7043639
225 -0.196488201 0.9900249
220 -0.409485062 0.8853397
215 -0.400626553 1.3036376
210 -0.57532354 1.7205693
205 -0.50957413 1.8403411
200 -0.5731726 1.7960502
195 -0.432323911 1.6873863
190 -0.346773482 1.5683574
185 -0.4573594 1.7707782
180 -0.69571222 1.9248327
175 -0.77079978 1.8519268
170 -0.71257012 1.8313211
165 -0.60604274 1.8313416
160 -1.12293456 1.9668285
155 -1.04698777 2.1748121
150 -1.22083713 2.3757664
145 -1.26964591 2.4033531
140 -1.2604374 2.3091317
135 -1.29393523 2.9558068
130 -1.12734239 2.5811838
125 -1.17592585 2.6175639
120 -0.97255067 3.1983467
115 -0.7274648 2.81164
110 -1.25345566 3.391352
105 -0.90906343 3.6543439
100 -0.75480281 3.3584566
95 -0.87192938 3.6832095
90 -0.8670818 3.6731799
85 -2.07942782 2.8818158
80 -1.67384656 3.2677596
75 -1.49534276 3.3213478
70 -2.17616184 2.6867913
65 -3.18824079 2.2826986
60 -2.58641499 1.8196848
55 -1.96280793 2.1530867
50 -5.17692524 0.4978661
45 -10.03418265 -4.3050707
40 -11.4643578 -3.8941149
35 -11.88674029 -4.8044495
30 -12.87833898 -0.4475859
25 -17.91586969 2.9018796
20 -18.23896135 8.2770877
15 -20.20001794 12.8368038
10 -6.6801729 20.7522318
その前提となるのが、広島に落とされた濃縮ウラン型原爆と長崎に落とされたプルトニウム原爆の物理、機械的相違である。
濃縮ウラン型は、臨界量未満の濃縮ウラン(ウラン235は90%以上)を円柱状にして置き、その中心に濃縮ウランの棒をピストルのように打ち込み十分な超臨界状態になったのちに、その棒の先端につけた中性子源から中性子を発生させて爆発させる。比較的簡単な構造である。
一方、オッペンハイマーが開発の主役となったプルトニウム型では、プルトニウム240という自発的に核分裂する核種が微量に含まれてしまうので、濃縮ウランのような単純構造では、超臨界状態になった瞬間にプルトニウム240からの中性子が発生すると核分裂による熱膨張で未臨界に戻ってしまう。そこで、映画にも出てきたエドワード・テラーが爆縮装置と呼ばれるプルトニウム球の周囲に配置し、ダイナマイトによる爆発力で周囲から圧力を加えることでこの熱膨張を抑制し、十分な爆発力を得る構造としたのである。
これは、原爆用濃縮ウランの製造には天然ウランの核分裂性核種ウラン235の比率0,7%を90%以上に濃縮する必要があり、複数段の濃縮装置に多大な電力と時間が必要だった一方で、プルトニウムは低燃焼度のウランとプルトニウムの化学分離の操作だけで製造できたからである。
しかし、プルトニウムの爆発には、混入するプルトニウム240がいつ中性子を発生するか、また、爆縮装置がうまくプルトニウムを圧縮してくれるかといった予測困難な問題があり、映画にもあるようにネバダの砂漠で、トリニティと呼ばれた実験を行い、核爆発力と兵士をモルモットにした実験が行われた。但し、この爆発力の見積もりは各研究所や大学機関で1桁以上の差があり、映画にもあるように兵士の配置が遠すぎて人体影響はほぼ見られなかった。
その一か月後、トリニティと同設計での長崎原爆が落とされたわけである。
米国政府としては、広島の原爆は構造が簡単なので確実に爆発することは分かっていたのだが、日本が降伏する前にこのプルトニウム型原爆を実験したかったのであろう。僅か、3日後に長崎に落とされた。
それは米ソ冷戦への備えとして落としたとしか思えない。オッペンハイマーは本来、戦争抑止のために開発したはずのプルトニウム原爆が長崎で一般市民に使われたため怒って戦後は核開発の反対論者になりスパイ容疑で裁判にかけられたという経緯が映画の後半の主題である。
なぜ、こんな歴史を今更と思うだろうが、最近、広島と長崎の被ばく者のがん発生率を分析したところ、長崎の被ばく者のデータに異常があることが分かったのである。下記は、統計ソフトRを用いて、広島と長崎の全被ばく生存者の被ばく量と固形がん発生リスクを分析した例の一部である。比較のため、400mGy以下の低線量範囲での比較結果のみ示すと以下のようになった。これは被ばく線量で比較したリスクであり本来広島と長崎で同傾向にならなければならない。
しかし、この発がんリスクの傾向には両市間で大きな相違がある。特に、低線量ほどリスクが大きいという結果になっている長崎市のデータには大きな問題点があると考えられる。
過剰相対リスク
線量範囲上限(mGy) 広島 長崎
400 0.800261919 1.074421
395 0.824506781 1.1539922
390 0.762176781 0.9001722
385 0.606536237 0.8074187
380 0.449953241 0.7136868
375 0.46056437 1.4629095
370 0.402776568 1.3920268
365 0.343500724 1.3379963
360 0.351151039 1.4072673
355 0.337969751 1.4299797
350 0.381182007 1.2312231
345 0.34177201 1.3835407
340 0.374849678 1.4768707
335 0.370562729 1.4780478
330 0.380518099 1.5373031
325 0.433673548 1.5516461
320 0.42436209 1.4702071
315 0.389640276 1.4744703
310 0.41947781 1.452396
305 0.387485792 1.5655033
300 0.394948014 1.5922935
295 0.357323841 1.5622991
290 0.274949467 1.5703467
285 0.281841652 1.4481003
280 0.191281463 1.4227193
275 0.04866446 1.324307
270 0.010104968 0.7065839
265 -0.039332547 0.6599728
260 -0.062113667 0.5607039
255 0.036832546 0.6496324
250 0.032308858 0.5364669
245 -0.027708853 0.5187721
240 -0.15646723 0.4587613
235 -0.024652604 0.6546835
230 -0.027032151 0.7043639
225 -0.196488201 0.9900249
220 -0.409485062 0.8853397
215 -0.400626553 1.3036376
210 -0.57532354 1.7205693
205 -0.50957413 1.8403411
200 -0.5731726 1.7960502
195 -0.432323911 1.6873863
190 -0.346773482 1.5683574
185 -0.4573594 1.7707782
180 -0.69571222 1.9248327
175 -0.77079978 1.8519268
170 -0.71257012 1.8313211
165 -0.60604274 1.8313416
160 -1.12293456 1.9668285
155 -1.04698777 2.1748121
150 -1.22083713 2.3757664
145 -1.26964591 2.4033531
140 -1.2604374 2.3091317
135 -1.29393523 2.9558068
130 -1.12734239 2.5811838
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120 -0.97255067 3.1983467
115 -0.7274648 2.81164
110 -1.25345566 3.391352
105 -0.90906343 3.6543439
100 -0.75480281 3.3584566
95 -0.87192938 3.6832095
90 -0.8670818 3.6731799
85 -2.07942782 2.8818158
80 -1.67384656 3.2677596
75 -1.49534276 3.3213478
70 -2.17616184 2.6867913
65 -3.18824079 2.2826986
60 -2.58641499 1.8196848
55 -1.96280793 2.1530867
50 -5.17692524 0.4978661
45 -10.03418265 -4.3050707
40 -11.4643578 -3.8941149
35 -11.88674029 -4.8044495
30 -12.87833898 -0.4475859
25 -17.91586969 2.9018796
20 -18.23896135 8.2770877
15 -20.20001794 12.8368038
10 -6.6801729 20.7522318
毛糸の帽子が鼻づまりを防止できるワケ ― 2025年01月22日 04:40
ここ数年、就寝中に鼻づまりが悪化し、息苦しくて起きてしまうことが続いていた。もともと軽い副鼻腔炎と診断されており、ある耳鼻科ではアレルギー性鼻炎ともいわれたが、薬を飲むのをやめると鼻づまりを生じるのである。
そこで、鼻洗浄とか、マスクとか、鼻づまり防止用鼻スプレーとかいろいろ試してみたが、なかなか改善しない。
ところが、昨日記載したように床暖をやめ、代わりに毛糸の帽子を被って寝たところ鼻づまりが改善される結果となっている。
毛糸の帽子は目深に被って、頭や顔が寒くならないようにしているのである。これが改善の主要因ではないかと感じた。
では、なぜ、毛糸の帽子を目深に被ると鼻づまりが改善されるのか。
鼻づまりとは、副鼻腔と鼻腔の間の連絡孔が粘液でふさがり、粘性抵抗が生じるために呼吸がしづらくなるためと考えられる。副鼻腔とは顔の前面の皮膚の下部にあり、軟骨組織で構成された扁平形状の洞窟である。この洞窟は全部で6個あり、額下部に2個、ほほの内側の左右に2個づつ、鼻腔の左右に2個、計8個あり、これが細い孔でその内側にある鼻腔とつながっている。この連通孔(合計8か所)は直径が1~3㎜と細く、これらが粘液でふさがると鼻づまりの息苦しさの症状を呈する。
従って、この連通孔が粘液で塞がらないようにすることが鼻づまりの防止になる。漢方では、副鼻腔炎は呼吸の仕方に問題があるから発生する症状だとのことである。即ち、呼吸が正常に起こっていればこの連通孔は粘液で塞がることはなく、内部で炎症が生じることもないという考えである。
就寝時は、呼吸が浅いうえ、横になるので、炎症で副鼻腔内で生じた粘液(軽症の場合はこれが粘膜を感染から防ぐ役目もするのだが)がこれらの連通孔(計8個ある)のどれかに重力落下し、その付近に滞留するので息苦しく感じ、鼻づまりの症状を呈しやすくなる。
この粘液の連通孔での滞留を防ぐには、副鼻腔内の気圧を上げることが有効である。空気力学的に考えれば、気圧が上がった高気圧部(副鼻腔)から低気圧部(鼻腔)に気流が流れやすくなるはずである。粘液は気流のジェット噴射効果により、鼻づまりが緩和される。例えれば、ダイソンの扇風機がジェット気流で中心の空気が巻き込まれて風量をますのと同様のジェット効果が期待できる。即ち、呼吸時の空気の掃き出しにより、鼻腔の内圧が下がる。この時、副鼻腔の内圧が鼻腔の内圧より高ければ、空気のジェット噴射が連通孔内で生じる。この噴射により連通孔に粘りついていた粘液が巻き込まれて鼻腔に落ち、鼻の通りが良くなるというメカニズムである。
漢方ではこのようなメカニズムまで想定して、副鼻腔炎は呼吸に問題があるとしていたのだろう。
一方、毛糸の帽子を目深に被ることは、額やほほの前面を保温することになり、その付近の副鼻腔内の空気の温度を上昇させることになるはずである。即ち、副鼻腔内の空気圧力はボイル・シャルルの法則により上昇する。その結果、副鼻腔から鼻腔への空気の流れが生じやすくなり、連通孔での粘液の渋滞は生じにくくなって、鼻づまりが起こらなくなる。
これが毛糸の帽子が鼻づまりの防止に役立つのであるーという、「風が吹けば桶屋が儲かる」という話よりはかなり尤もらしい仮説である。この仮説をエビデンスレベルにどなたか実証していただけると夜に鼻づまりで苦労している睡眠不足に陥っている人への福音になるだろう。医療費や薬の削減にも多大の寄与をするし、光熱費の低下、環境へ好影響もある。
ところで、この副鼻腔という軟骨組織は、なぜ存在するのか、医学書を読んでもその存在理由は分かっていないようだ。想像するに、ヒトの祖先がまだ海の中で生活する魚の段階だったころ、泳いでいて物体に衝突したときに中枢神経系を守るための衝撃緩衝装置として発達したのか、或いは脳が重くなり、頭部に浮袋機能が必要となって発達した空洞かのどちらか、或いはその両方なのだろう。
毛糸の帽子よりも更に強力に顔面の温度を上昇させるものに、冬山用の赤い目出帽がある。かつて、ザ・デストロイヤーというプロレスラーが被っていた目と鼻と口だけが出ている頭部全体を覆う派手な色の帽子と同形状である。最近の冬山用の目出帽はもう少しスマートになって黒い化学繊維でできており、プロレスで使っても迫力はないが、夜就寝時に使うならどちらでも可である。なお、ザ・デストロイヤーが意識して赤の目出帽を使っていたのではなく、当時の冬山用の目出帽は、雪崩で埋もれたりしたときに白い雪山で目立つよう、一般に赤の毛糸でできていたのである。(これはエビデンスなしの余談です。)
そこで、鼻洗浄とか、マスクとか、鼻づまり防止用鼻スプレーとかいろいろ試してみたが、なかなか改善しない。
ところが、昨日記載したように床暖をやめ、代わりに毛糸の帽子を被って寝たところ鼻づまりが改善される結果となっている。
毛糸の帽子は目深に被って、頭や顔が寒くならないようにしているのである。これが改善の主要因ではないかと感じた。
では、なぜ、毛糸の帽子を目深に被ると鼻づまりが改善されるのか。
鼻づまりとは、副鼻腔と鼻腔の間の連絡孔が粘液でふさがり、粘性抵抗が生じるために呼吸がしづらくなるためと考えられる。副鼻腔とは顔の前面の皮膚の下部にあり、軟骨組織で構成された扁平形状の洞窟である。この洞窟は全部で6個あり、額下部に2個、ほほの内側の左右に2個づつ、鼻腔の左右に2個、計8個あり、これが細い孔でその内側にある鼻腔とつながっている。この連通孔(合計8か所)は直径が1~3㎜と細く、これらが粘液でふさがると鼻づまりの息苦しさの症状を呈する。
従って、この連通孔が粘液で塞がらないようにすることが鼻づまりの防止になる。漢方では、副鼻腔炎は呼吸の仕方に問題があるから発生する症状だとのことである。即ち、呼吸が正常に起こっていればこの連通孔は粘液で塞がることはなく、内部で炎症が生じることもないという考えである。
就寝時は、呼吸が浅いうえ、横になるので、炎症で副鼻腔内で生じた粘液(軽症の場合はこれが粘膜を感染から防ぐ役目もするのだが)がこれらの連通孔(計8個ある)のどれかに重力落下し、その付近に滞留するので息苦しく感じ、鼻づまりの症状を呈しやすくなる。
この粘液の連通孔での滞留を防ぐには、副鼻腔内の気圧を上げることが有効である。空気力学的に考えれば、気圧が上がった高気圧部(副鼻腔)から低気圧部(鼻腔)に気流が流れやすくなるはずである。粘液は気流のジェット噴射効果により、鼻づまりが緩和される。例えれば、ダイソンの扇風機がジェット気流で中心の空気が巻き込まれて風量をますのと同様のジェット効果が期待できる。即ち、呼吸時の空気の掃き出しにより、鼻腔の内圧が下がる。この時、副鼻腔の内圧が鼻腔の内圧より高ければ、空気のジェット噴射が連通孔内で生じる。この噴射により連通孔に粘りついていた粘液が巻き込まれて鼻腔に落ち、鼻の通りが良くなるというメカニズムである。
漢方ではこのようなメカニズムまで想定して、副鼻腔炎は呼吸に問題があるとしていたのだろう。
一方、毛糸の帽子を目深に被ることは、額やほほの前面を保温することになり、その付近の副鼻腔内の空気の温度を上昇させることになるはずである。即ち、副鼻腔内の空気圧力はボイル・シャルルの法則により上昇する。その結果、副鼻腔から鼻腔への空気の流れが生じやすくなり、連通孔での粘液の渋滞は生じにくくなって、鼻づまりが起こらなくなる。
これが毛糸の帽子が鼻づまりの防止に役立つのであるーという、「風が吹けば桶屋が儲かる」という話よりはかなり尤もらしい仮説である。この仮説をエビデンスレベルにどなたか実証していただけると夜に鼻づまりで苦労している睡眠不足に陥っている人への福音になるだろう。医療費や薬の削減にも多大の寄与をするし、光熱費の低下、環境へ好影響もある。
ところで、この副鼻腔という軟骨組織は、なぜ存在するのか、医学書を読んでもその存在理由は分かっていないようだ。想像するに、ヒトの祖先がまだ海の中で生活する魚の段階だったころ、泳いでいて物体に衝突したときに中枢神経系を守るための衝撃緩衝装置として発達したのか、或いは脳が重くなり、頭部に浮袋機能が必要となって発達した空洞かのどちらか、或いはその両方なのだろう。
毛糸の帽子よりも更に強力に顔面の温度を上昇させるものに、冬山用の赤い目出帽がある。かつて、ザ・デストロイヤーというプロレスラーが被っていた目と鼻と口だけが出ている頭部全体を覆う派手な色の帽子と同形状である。最近の冬山用の目出帽はもう少しスマートになって黒い化学繊維でできており、プロレスで使っても迫力はないが、夜就寝時に使うならどちらでも可である。なお、ザ・デストロイヤーが意識して赤の目出帽を使っていたのではなく、当時の冬山用の目出帽は、雪崩で埋もれたりしたときに白い雪山で目立つよう、一般に赤の毛糸でできていたのである。(これはエビデンスなしの余談です。)
迷惑をかける山の歩き方 ― 2025年01月13日 04:56
昨日、日帰りでグループハイキングをしてきた。天気にも恵まれ、一日楽しく過ごせた。
その主要因は、コースが星二つで楽なこともあるが、いつもに比べ、全く体力的に楽で、疲れなかったことである。
それは、皆の最後についてマイペースで歩いたので、特に筋肉疲労が残らなかったことにある。他の要因としては、チェーンスパイクと称する爪の短いアイゼンを登山靴の底に装着したので、滑りやすい斜面での余計な踏ん張りが必要なく、脚に負担がかからなかったためでもある。
この結果、疲労も残らず、筋肉痛にもならなかった。これはこのグループの山行では初めてのことである。
ただ、その反動として、いくつかの迷惑をかけることとなった。
ひとつは、先行する他のメンバーを何度か待たせたことである。昔のグループ登山の本には、最も遅いメンバーに合わせるようにと書いてあった気がするが、このグループはリーダーが先頭を歩くことになっているため、大体が私より早い。
もう一つはチェーンスパイクで登山道を痛める可能性である。これは、木の根を避けて歩くことで大きな問題にはならないと思うが、スパイクタイヤと同じで、岩場などでは傷を残すことになる。しかし、これはアイゼンと同じ問題を孕んでいる。
ChatGPTによる関東周辺の岩/石との硬度比較では、
岩石/鉱物名 分類 モース硬度 鉄との比較
滑石 変成岩の鉱物 1 鉄よりはるかに柔らかい
方解石 堆積岩の主成分 3 鉄(4-5モース)より柔らかい
軽石 火山岩 3-6 含有鉱物次第で硬度が異なる
火打ち石 堆積岩(チャート) 7 鉄より硬く、鉄を引っ掻ける
大理石 変成岩 3-4 鉄より柔らかい
燐灰石 堆積岩/火成岩 5 鉄より硬い
角閃石 変成岩/火成岩 5-6 鉄と同程度またはやや硬い
長石 火成岩の主成分 6 鉄より硬く、鉄を引っ掻ける
緑柱石 火成岩/変成岩 7.5-8 鉄より非常に硬い
黄玉 火成岩の鉱物 8 鉄より遥かに硬い
従って、同行者からは石が鉄より硬いので傷つけることはないと聞いたが、必ずしもそうではないようだ。ざっと半々である。気を付けたい。
一方、他の人を待たせることについても、敢えてやりたくはないが、元々山行は個人の趣味であり、自分が楽しむものとして行う行為で、ある程度は迷惑をかけるのは仕方がないともいえる。迷惑がかかるのはお互い様なのである。他の一般的スポーツと異なり、歩く速度などのルールが明確に決まっているわけではなく、勝ち負けもないので(事故ったら負けだが)、無理に他人に合わせる必要もない。そこが自然相手の趣味の良いところともいえる。
終バスに遅れることなく、安全性に問題がない限り、マイペースで怪我しないよう楽しむことにしたい。
その主要因は、コースが星二つで楽なこともあるが、いつもに比べ、全く体力的に楽で、疲れなかったことである。
それは、皆の最後についてマイペースで歩いたので、特に筋肉疲労が残らなかったことにある。他の要因としては、チェーンスパイクと称する爪の短いアイゼンを登山靴の底に装着したので、滑りやすい斜面での余計な踏ん張りが必要なく、脚に負担がかからなかったためでもある。
この結果、疲労も残らず、筋肉痛にもならなかった。これはこのグループの山行では初めてのことである。
ただ、その反動として、いくつかの迷惑をかけることとなった。
ひとつは、先行する他のメンバーを何度か待たせたことである。昔のグループ登山の本には、最も遅いメンバーに合わせるようにと書いてあった気がするが、このグループはリーダーが先頭を歩くことになっているため、大体が私より早い。
もう一つはチェーンスパイクで登山道を痛める可能性である。これは、木の根を避けて歩くことで大きな問題にはならないと思うが、スパイクタイヤと同じで、岩場などでは傷を残すことになる。しかし、これはアイゼンと同じ問題を孕んでいる。
ChatGPTによる関東周辺の岩/石との硬度比較では、
岩石/鉱物名 分類 モース硬度 鉄との比較
滑石 変成岩の鉱物 1 鉄よりはるかに柔らかい
方解石 堆積岩の主成分 3 鉄(4-5モース)より柔らかい
軽石 火山岩 3-6 含有鉱物次第で硬度が異なる
火打ち石 堆積岩(チャート) 7 鉄より硬く、鉄を引っ掻ける
大理石 変成岩 3-4 鉄より柔らかい
燐灰石 堆積岩/火成岩 5 鉄より硬い
角閃石 変成岩/火成岩 5-6 鉄と同程度またはやや硬い
長石 火成岩の主成分 6 鉄より硬く、鉄を引っ掻ける
緑柱石 火成岩/変成岩 7.5-8 鉄より非常に硬い
黄玉 火成岩の鉱物 8 鉄より遥かに硬い
従って、同行者からは石が鉄より硬いので傷つけることはないと聞いたが、必ずしもそうではないようだ。ざっと半々である。気を付けたい。
一方、他の人を待たせることについても、敢えてやりたくはないが、元々山行は個人の趣味であり、自分が楽しむものとして行う行為で、ある程度は迷惑をかけるのは仕方がないともいえる。迷惑がかかるのはお互い様なのである。他の一般的スポーツと異なり、歩く速度などのルールが明確に決まっているわけではなく、勝ち負けもないので(事故ったら負けだが)、無理に他人に合わせる必要もない。そこが自然相手の趣味の良いところともいえる。
終バスに遅れることなく、安全性に問題がない限り、マイペースで怪我しないよう楽しむことにしたい。
日本にとってのグリーンランドである使用済み燃料はどの程度期待できるか ― 2025年01月09日 10:23
トランプ氏がグリーンランドを狙っている真の理由はレアアースらしい。地球上のレアアースは、太陽系が生成される前の宇宙塵に含まれていたもので、それは、中性子星の合体、即ち、核分裂で生じたのであり、核分裂生成物にレアアースが含まれるのは自然なことである。
(谷口義明、宇宙の誕生と進化、放送大学出版会、第1章)
日本では、レアアースが大量に含まれている使用済み燃料の貯蔵施設に対し、各地で反対運動が起きている。
では、どの程度のレアアースが使用済み燃料に含まれ、放射能はどの程度減衰するのか。ChatGPTの回答は以下のとおりである。
減衰時間と同位体分離技術、放射能消滅技術(技術的には核変換技術と呼ばれる)次第で、アメリカにも中国にも頼らない自国製のレアアース資源が足元で嫌われていることになる。マスコミは何か勘違いしているのである。
ChatGPT:への質問
核分裂生成物中のレアアース比率とその中の非放射能性のレアアースの比率は?
ChatGPTの回答
*****************************
核分裂生成物(fission products)中に含まれるレアアース元素の比率は、核分裂を起こす核種(例えば、ウラン-235やプルトニウム-239)や分裂時の中性子エネルギーなどに依存します。以下にその概要を説明します。
核分裂生成物中のレアアース比率
レアアース元素の生成:
レアアース(希土類元素)は、核分裂生成物として比較的頻繁に現れます。代表的なレアアース元素には、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)などがあります。
比率:
核分裂生成物の質量分布は、核分裂時の2つの断片(軽いものと重いもの)の質量比(約95:140付近)を中心とした曲線に従います。レアアース元素は、主に**重い断片(A ≈ 140–160)**に集中しています。この範囲では、以下の元素が多く含まれます。
セリウム(Ce)
ネオジム(Nd)
プラセオジム(Pr)
サマリウム(Sm)
非放射性のレアアースの比率
非放射性レアアースの存在:
核分裂生成物として生成されるレアアースの中には、放射性同位体(例えば、プロメチウム-147)の他に、安定同位体も含まれます。特に、セリウム(Ce)やネオジム(Nd)は、比較的長寿命または安定な同位体を持つため、非放射性部分が多い傾向があります。
安定同位体の比率:
時間が経過するにつれ、放射性同位体は崩壊して非放射性同位体へと変化します。このため、長期間保存された核廃棄物の中では、非放射性レアアースの割合が増加します。
数値例
以下は概念的な割合であり、具体的な反応条件に依存します。
全レアアース中の比率:
レアアースは核分裂生成物全体の約10–20%程度を占める。
非放射性レアアースの割合: 時間経過後のレアアースの中では、安定な同位体が50%以上になる場合もあります(核分裂直後ではこの割合は低い)。
応用と重要性
希土類の再利用:
非放射性レアアースは、核廃棄物から回収して産業利用する可能性が検討されています(例: セリウムやネオジムを磁石や触媒に利用)。
長寿命放射性廃棄物の管理:
放射性レアアースは、崩壊特性や生成量を基に長期的な管理が必要です。
詳細な数値や生成物の同位体比は、核データベース(例: ENDF/B や JENDL)や具体的な反応モデルによる計算が必要です。
*****************************
ということなのだが、
中性子星合体によるレアアース生成なので、使用済み燃料中ではなく、地球上の天然レアアースにも放射能は含まれていることになる。
ChatGPTへの質問
天然資源における放射性同位体の内、レアアースに含まれる同位体は?
ChatGPT
****************************
レアアース(希土類元素)に含まれる放射性同位体は、主に以下のようなものがあります。これらの同位体は、天然のレアアース鉱石に微量に含まれることがあります。
主な放射性同位体
セリウム(Ce)
放射性同位体: Cerium-144
セリウム-144は崩壊する際に放射線を放出しますが、天然にはほとんど存在せず、主に人工的に生成されます。
プロメチウム(Pm)
放射性同位体: Promethium-147
プロメチウムはすべての同位体が放射性であり、自然界ではほとんど存在しません。ウランやトリウム鉱石の崩壊生成物として微量に生成されることがあります。
ネオジム(Nd)
放射性同位体: Neodymium-144
ネオジム-144は長い半減期を持つ放射性同位体で、天然のレアアース鉱石中に痕跡量存在する可能性があります。
サマリウム(Sm)
放射性同位体: Samarium-147
サマリウム-147は長い半減期(約1.06 × 10¹¹年)を持つため、天然に存在する放射性同位体の一つです。
テルビウム(Tb)
放射性同位体: Terbium-158
テルビウム-158は自然界で極めて稀な放射性同位体です。
ジスプロシウム(Dy)
放射性同位体: Dysprosium-154
自然界には微量しか存在しませんが、放射性崩壊が確認されています。
**************************
従って、同位体分離、核変換技術の定量的目標は、この天然レアアースの放射性同位体レベルまで落とすことにあり、一部は達成見通しがえられているものもある。
(谷口義明、宇宙の誕生と進化、放送大学出版会、第1章)
日本では、レアアースが大量に含まれている使用済み燃料の貯蔵施設に対し、各地で反対運動が起きている。
では、どの程度のレアアースが使用済み燃料に含まれ、放射能はどの程度減衰するのか。ChatGPTの回答は以下のとおりである。
減衰時間と同位体分離技術、放射能消滅技術(技術的には核変換技術と呼ばれる)次第で、アメリカにも中国にも頼らない自国製のレアアース資源が足元で嫌われていることになる。マスコミは何か勘違いしているのである。
ChatGPT:への質問
核分裂生成物中のレアアース比率とその中の非放射能性のレアアースの比率は?
ChatGPTの回答
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核分裂生成物(fission products)中に含まれるレアアース元素の比率は、核分裂を起こす核種(例えば、ウラン-235やプルトニウム-239)や分裂時の中性子エネルギーなどに依存します。以下にその概要を説明します。
核分裂生成物中のレアアース比率
レアアース元素の生成:
レアアース(希土類元素)は、核分裂生成物として比較的頻繁に現れます。代表的なレアアース元素には、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)などがあります。
比率:
核分裂生成物の質量分布は、核分裂時の2つの断片(軽いものと重いもの)の質量比(約95:140付近)を中心とした曲線に従います。レアアース元素は、主に**重い断片(A ≈ 140–160)**に集中しています。この範囲では、以下の元素が多く含まれます。
セリウム(Ce)
ネオジム(Nd)
プラセオジム(Pr)
サマリウム(Sm)
非放射性のレアアースの比率
非放射性レアアースの存在:
核分裂生成物として生成されるレアアースの中には、放射性同位体(例えば、プロメチウム-147)の他に、安定同位体も含まれます。特に、セリウム(Ce)やネオジム(Nd)は、比較的長寿命または安定な同位体を持つため、非放射性部分が多い傾向があります。
安定同位体の比率:
時間が経過するにつれ、放射性同位体は崩壊して非放射性同位体へと変化します。このため、長期間保存された核廃棄物の中では、非放射性レアアースの割合が増加します。
数値例
以下は概念的な割合であり、具体的な反応条件に依存します。
全レアアース中の比率:
レアアースは核分裂生成物全体の約10–20%程度を占める。
非放射性レアアースの割合: 時間経過後のレアアースの中では、安定な同位体が50%以上になる場合もあります(核分裂直後ではこの割合は低い)。
応用と重要性
希土類の再利用:
非放射性レアアースは、核廃棄物から回収して産業利用する可能性が検討されています(例: セリウムやネオジムを磁石や触媒に利用)。
長寿命放射性廃棄物の管理:
放射性レアアースは、崩壊特性や生成量を基に長期的な管理が必要です。
詳細な数値や生成物の同位体比は、核データベース(例: ENDF/B や JENDL)や具体的な反応モデルによる計算が必要です。
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ということなのだが、
中性子星合体によるレアアース生成なので、使用済み燃料中ではなく、地球上の天然レアアースにも放射能は含まれていることになる。
ChatGPTへの質問
天然資源における放射性同位体の内、レアアースに含まれる同位体は?
ChatGPT
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レアアース(希土類元素)に含まれる放射性同位体は、主に以下のようなものがあります。これらの同位体は、天然のレアアース鉱石に微量に含まれることがあります。
主な放射性同位体
セリウム(Ce)
放射性同位体: Cerium-144
セリウム-144は崩壊する際に放射線を放出しますが、天然にはほとんど存在せず、主に人工的に生成されます。
プロメチウム(Pm)
放射性同位体: Promethium-147
プロメチウムはすべての同位体が放射性であり、自然界ではほとんど存在しません。ウランやトリウム鉱石の崩壊生成物として微量に生成されることがあります。
ネオジム(Nd)
放射性同位体: Neodymium-144
ネオジム-144は長い半減期を持つ放射性同位体で、天然のレアアース鉱石中に痕跡量存在する可能性があります。
サマリウム(Sm)
放射性同位体: Samarium-147
サマリウム-147は長い半減期(約1.06 × 10¹¹年)を持つため、天然に存在する放射性同位体の一つです。
テルビウム(Tb)
放射性同位体: Terbium-158
テルビウム-158は自然界で極めて稀な放射性同位体です。
ジスプロシウム(Dy)
放射性同位体: Dysprosium-154
自然界には微量しか存在しませんが、放射性崩壊が確認されています。
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従って、同位体分離、核変換技術の定量的目標は、この天然レアアースの放射性同位体レベルまで落とすことにあり、一部は達成見通しがえられているものもある。
固形がん発症率の広島と長崎の差への疑問 ― 2025年01月09日 07:20
以前も広島と長崎の原爆について映画オッペンハイマーが混同していることを書いたが、現在の被ばく基準で用いているICRPやRERF(放射線影響研究所)も明確な区別をしていない。同じ被ばく量ならば、両市で同じ傾向になるはずだ。
(もし、放射線を放出する核種により、生体影響に差があるならば、グレーやシーベルトという単位で生体影響を定量化することはできず、ウラン型の広島とプルトニウム型の長崎で被ばく量と生体影響が異なることもありうるかもしれないが、そうなるとセシウム被ばくの福島にはそもそもICRP基準は適用できないことになる。)
実際にRERFのデータを用いて、男性被ばく生存者の固形がん被ばくの両市の差を統計ソフトRで被ばく線量ごとに解析してみると、以下のような大きな差がある。 広島では366mGyから365mGyの間で、リスクが正から負に変わっており、単純に言えば365mGy以下では、被ばくによりがんに掛かるリスクは減っているということになる。即ち、この付近にしきい値があるのである。しかし、長崎ではしきい値が現れていない。米軍やRERFの前身であるABCC(原爆傷害調査委員会)のまとめたデータベースのどこかに系統的なエラーがあるとしか考えられない。
なお、本検討では、1990年以前の解析とはことなり、がん発生要因の主要な項目である調査対象者の喫煙状況の影響が正しく反映されるよう、喫煙状況不明者を除いている。このような分析結果は、現在のICRPの基準、即ち、現在の日本を含む法令で定められた基準にも反映されないままであり、被ばく量と過剰相対リスクの関係は直線であり、被ばく線量とがん発生リスクの関係はほぼ比例すると仮定されている。
即ち、366mGy以上の高線量範囲(具体的には3400mGyの範囲での過剰相対リスクが低線量範囲まで線量に比例して低下するという直線しきい値なし仮定(LNT仮定)が使われているのである。その大きな根拠がRERF等による広島・長崎の被爆者データ解析であり、福島の避難区域設定にも使われている。即ち、映画オッペンハイマーで見られるように、日本は太平洋戦争、米ソ冷戦依頼、計3回、米国およびその影響下にあったABCC,RERFとICRPのいい加減なデータベースによる被害を受けたのである。
このようなデータが、ICRPの被ばく基準、即ち、我が国の法律で決まっている被ばく基準のベースなのである。統計精度がある程度確保されているはずの瞬時被ばくのデータベースでさえこのような矛盾に満ちた状況である。いかに不完全なデータベースのもとで我々は放射線影響を判断しているのかがわかる。
評価線量範囲の 1Gy当たりの固形がん発生過剰相対リス
直腸最大線量 (被ばくが0の場合に対するリスク増加比)
評価線量範囲の 1Gy当たりの固形がん発生過剰相対リス
直腸最大線量 (被ばくが0の場合に対するリスク増加比)
(mGy) 広島 長崎
評価線量範囲の 1Gy当たりの固形がん発生過剰相対リス
直腸最大線量 (被ばくが0の場合に対するリスク増加比)
(mGy) 広島 長崎
370 0.05014384 0.3218923
369 0.03921758 0.2621733
368 0.04399446 0.2840757
367 0.02078363 0.3266424
366 0.01600546 0.3311220
356 -0.07718261 0.4395684
355 -0.06092961 0.4501425
354 -0.06301736 0.4746947
353 -0.05270192 0.3870624
346 -0.05668218 0.3279153
345 -0.0513327 0.3279153
344 -0.04437882 0.2876345
343 -0.04190011 0.3298557
342 -0.0245894 0.3326452
338 -0.001502919 0.2797840
333 -0.09260494 0.3204773
332 -0.001612864 0.322535
331 -0.001573156 0.3709325
313 -0.002300576 0.2830735
311 -0.002165569 0.2907617
309 -0.002775812 0.2912475
282 -0.01406185 0.3043829
281 -0.013195 0.293223
278 -0.3014552 0.2179566
136 -0.6655109 1.2151276
135 -0.6341554 1.1515731
134 -0.002092768 1.1041003
133 -0.538726486 1.240648
132 -0.5913186 1.0453058
131 -0.53967183 0.7007727
130 -0.001779996 0.5850069
129 -0.52713219 0.6372332
128 -0.53059088 0.6372332
127 -0.4848428 0.538797
126 -0.003870772 0.5492105
115 -0.2554249 0.572928
113 -0.003052164 0.5577695
111 -0.005447146 0.6463547
107 -0.007178959 0.8934375
105 -0.002949315 0.4872323
102 -0.41597588 0.5872866
101 -0.002665859 0.4793594
90 -0.6632563 0.7595273
89 -0.9130388 0.8539176
88 -0.007943117 0.9064776
87 -0.9925226 0.7674534
(もし、放射線を放出する核種により、生体影響に差があるならば、グレーやシーベルトという単位で生体影響を定量化することはできず、ウラン型の広島とプルトニウム型の長崎で被ばく量と生体影響が異なることもありうるかもしれないが、そうなるとセシウム被ばくの福島にはそもそもICRP基準は適用できないことになる。)
実際にRERFのデータを用いて、男性被ばく生存者の固形がん被ばくの両市の差を統計ソフトRで被ばく線量ごとに解析してみると、以下のような大きな差がある。 広島では366mGyから365mGyの間で、リスクが正から負に変わっており、単純に言えば365mGy以下では、被ばくによりがんに掛かるリスクは減っているということになる。即ち、この付近にしきい値があるのである。しかし、長崎ではしきい値が現れていない。米軍やRERFの前身であるABCC(原爆傷害調査委員会)のまとめたデータベースのどこかに系統的なエラーがあるとしか考えられない。
なお、本検討では、1990年以前の解析とはことなり、がん発生要因の主要な項目である調査対象者の喫煙状況の影響が正しく反映されるよう、喫煙状況不明者を除いている。このような分析結果は、現在のICRPの基準、即ち、現在の日本を含む法令で定められた基準にも反映されないままであり、被ばく量と過剰相対リスクの関係は直線であり、被ばく線量とがん発生リスクの関係はほぼ比例すると仮定されている。
即ち、366mGy以上の高線量範囲(具体的には3400mGyの範囲での過剰相対リスクが低線量範囲まで線量に比例して低下するという直線しきい値なし仮定(LNT仮定)が使われているのである。その大きな根拠がRERF等による広島・長崎の被爆者データ解析であり、福島の避難区域設定にも使われている。即ち、映画オッペンハイマーで見られるように、日本は太平洋戦争、米ソ冷戦依頼、計3回、米国およびその影響下にあったABCC,RERFとICRPのいい加減なデータベースによる被害を受けたのである。
このようなデータが、ICRPの被ばく基準、即ち、我が国の法律で決まっている被ばく基準のベースなのである。統計精度がある程度確保されているはずの瞬時被ばくのデータベースでさえこのような矛盾に満ちた状況である。いかに不完全なデータベースのもとで我々は放射線影響を判断しているのかがわかる。
評価線量範囲の 1Gy当たりの固形がん発生過剰相対リス
直腸最大線量 (被ばくが0の場合に対するリスク増加比)
評価線量範囲の 1Gy当たりの固形がん発生過剰相対リス
直腸最大線量 (被ばくが0の場合に対するリスク増加比)
(mGy) 広島 長崎
評価線量範囲の 1Gy当たりの固形がん発生過剰相対リス
直腸最大線量 (被ばくが0の場合に対するリスク増加比)
(mGy) 広島 長崎
370 0.05014384 0.3218923
369 0.03921758 0.2621733
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105 -0.002949315 0.4872323
102 -0.41597588 0.5872866
101 -0.002665859 0.4793594
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89 -0.9130388 0.8539176
88 -0.007943117 0.9064776
87 -0.9925226 0.7674534
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