周回コースでも飽きない方法2024年09月01日 07:47

 今年の24時間テレビマラソンは競技場の周回コースらしい。ネットでは、250週もすることが大変だという意見が多いようだ。
 知り合いの人がマラソンの練習をするのに自分の家の狭い庭を南洲もしていたので、一般人でも250週自体は無理でもないだろう。
 問題はその環境と時間である。この単調な環境と心理的な時間の長さのために、飽きて緊張が続かないために嫌になるのである。
 では、その環境と心理に飽きがこない方法は何か。例示してみる。

(1)環境(視覚的環境)
 トラックを変えて走る。
 逆向きに走る。
 スタンドを走る。
 場外を走る。
 観衆をある程度入れる。
 プロジェクトマッピングを利用する。
 VRグラスを付けて走る。
(2)環境(聴覚的環境)
 音楽を聴きながら走る。
 箱根駅伝の各監督の叱咤激励を聞きながら走る(NTVでは無料利用可)。
 武道館の歓声を聞きながら走る。
 各地の視聴者、関係者のコメントを聞きながら走る。
(3)心理
 飽きないためには目標が必要である。周回数ごとに門限を設ける。
 他のことをしながら走る。随伴者との漫才など。
 並んでいるスタッフなどと握手をしながら走る。
 犬とともに走る。
 チータとともに走る。(イモトのつもり、これもNTVか)
 競歩のつもりでどちらかの足がついていることを監視されながら走る(歩く)。ペナルティは募金の減額となる。

などなど、いろいろ考えられる。天候の悪化や寝不足さえなければ何とかなるだろう。

時差を勘違いしない方法2024年09月02日 07:36

 今朝のMBLは早く始まった。もう大谷選手は3打席目だ。

 これは時差が米国内でもあるためだが、ナイターとデーゲームの差もある。いつまでたっても時差の直感的理解ができない。

 これは時差という用語が良くないのである。時差とは時間や時刻のさではない。正確には角度差と呼ぶべきである。

 アリゾナと日本に時差はない。なぜなら今は今だからである。

 では、何が時差なのかといえば、地球の経度、即ち、角度の差である。

日本は東経135度、アリゾナは西経125度(よくわからないが、ハワイは日付変更線の向こうだから多分この程度)だから角度差は100度である。

 360度で24時間に相当するから
 10度当たり0.67時間である。

 100度なら約7時間となる。アメリカの方が先に暗くなるので、今9時ならアリゾナは16時のはずだ。

 実際にはアリゾナは2種類の時間があり、現時刻(日本で9時)だとすると、アリゾナ西部は17時、東部は18時である。日曜なのでデーゲームなら試合は終わっている。(ドジャースは負けたのと事)

 なぜ西部時間でも1時間のずれがあるのかと言えば、アメリカはサマータイム制なので、夏の間は1時間時計を早める。即ち、経度で決まる時刻よりも夏の間だけ時計の針を1時間進めて、夕方の明るい時間の有効利用をしている。それで、1時間プラスしなければならなかったのである。

 以上の説明で最後は余計混乱するかもしれないが、地理が特異なら、現地の経度は大体推定できるので、

 「経度10度で0.67時間差」

と考えておけば1時間の誤差で現在の現地の時間が推定できる。

 応用問題

 15時に成田からジェットで8時間乗って、ロサンジェルスに着いたら現地は何時か?

 冬ならば7時+8時間で日本の現在時刻の15時間後、夏ならば8時+8時間で16時間後になるので朝の6時か7時ということになる。(日付変更線があるので一日前になる。)

パリならば(0度のグリニッジから近いので)経度差は120度程度だろうから、ジェットで10時間かかるとすれば

 -8時+10時間で日本の現在時刻の2時間後に着く。
これは楽だ。時刻で考えるとあまり変わらない。
 これが西回りでは時差ボケがあまり気にならない理由かもしれない。

原爆被爆者の非喫煙者と喫煙者のがん発症リスク比較2024年09月03日 16:04

下記の表は、以前放射線影響研究所(放影研)より公開されていた各市毎の原爆男性生存者を対象に、被ばく線量と固形がん発生率の関係を統計解析コードRにより解析したものである。

 この解析では5mGy以下の被ばく者を被ばくの影響がなかったベースラインと仮定して、被ばく線量範囲の上限を20mGy~3400mGyまで拡大した場合のERR(Excess Relative Risk、即ち、がん発生率の相対値から1.0を引いたもの)を解析した。喫煙によるがん発症リスクと原爆における放射線被ばくによるがん発症リスクの比較のために、広島・長崎の被ばく者データがそろっている放影研の2009年データ公開を対象に、男性非喫煙者のみの場合と、非喫煙者、喫煙者、喫煙経験不明者を含む全男性の場合の固形がん発生リスクを、統計ソフトRにより比較した。

 結果は下記に示すとおりである。

 この表で、ERR/Gyとは、ExcessRelativeRisk/Gyの略であり、RelativeRisk(被ばくしていない者のがん発症リスクを1とした場合のリスクを1とした場合に対する超過分) を単位線量(1Gy)被ばくに換算して表示した値である。例えば、5~20mGyの範囲で被ばくした人々のがん発症リスクは、被ばくしていない人(5mSv以下を想定)に対し、単位線量の被ばく当たり-4.06倍となる。
 マイナスは被ばくすることによりがんが被ばくしていない人よりもがんになりにくいということなる。
 マイナス値のERRは、直感的には理解しにくいが、仮に平均がん発生率が1Gy当たり0.3回であれば、統計処理で得られた値は1Gy当たり‐1.2回という発生率になっているということである。
 一方、全男性は喫煙者を含んでいるので5~20mGy被ばくした人々のがん発症リスクが6倍程度大きいということを示している。

 非喫煙者の場合は、300mGy程度までの被ばく範囲でがん発症リスクは被ばくしていない人よりも小さいことを示す。

 一方、喫煙者を含む全男性では、一部の線量範囲を除きすべて正になっている。即ち、被ばくしている、していないに関わらず、がん発症リスクが増加している。これは、喫煙効果によるがん発症を分離せず、すべてが放射線被ばくによるものと仮定した解析だからである。
(全男性の場合でも一部、マイナス値のERRが生じているがこの範囲での解析精度(p値)は0.05より大きく信頼性はないことを示している。)



両市の男性被ばく生存者の固形がん発症リスクとERR線量偏回帰係数の関係

線量範囲   ERR線量偏回帰係数   解析精度
(mGy)      ERR /Gy          p-values
     非喫煙者  全男性  非喫煙者   全男性
5ー20  -4.0865   6.4615   0.2782   0.0466 
5-40  -5.8541  -0.7423   0.0002   0.5940 
5-60  -1.4084   1.2003   0.1763   0.1850 
5-80  -1.1919   0.6970   0.1215   0.2980 
5-100 -0.5038   1.0631   0.4326   0.0549 
5-125 -0.5271   0.5513   0.3089   0.2150 
5-150 -0.8928  -0.0217   0.0352   0.9530 
5-175 -0.8011   0.0262   0.0305   0.9350 
5-200 -0.4151   0.1673   0.2189   0.5620 
5-250 -0.4843   0.0778   0.0760   0.7410 
5-300 -0.0366   0.3338   0.8770   0.0989 
5-500  0.1260   0.2511   0.4230   0.0556 
5-750  0.2421   0.3008   0.0386   0.0020 
5-1000  0.3572  0.3623   0.0002   0.0000 
5-1250  0.3920  0.3900   0.0000   0.0000 
5-1500  0.3285  0.3300   0.0000   0.0000 
5-1750  0.3817  0.3769   0.0000   0.0000 
5-2000  0.4113  0.4081   0.0000   0.0000 
5-2500  0.4222  0.4208   0.0000   0.0000 
5-3000  0.4181  0.4063   0.0000   0.0000 
5-3400  0.4256  0.4128   0.0000   0.0000

これが、国際放射線防護委員会(ICRP)が主張し、各国の規制当局が採用しているLNT仮説(直線しきい値なし、低線量被ばくでも発がんリスクはあるという仮説)を否定するデータの重要な例である。

 放影研はこの2009年データを用いて下記の論文を公開しているが、その基礎となる疫学データを昨年非公開にした。これは、まるで以前神戸の理研で起こったような論文は出したが、その基礎データは再現できなかったような事態と同様でる。
https://bioone.org/journals/radiation-research/volume-187/issue-5/RR14492.1/Solid-Cancer-Incidence-among-the-Life-Span-Study-of-Atomic/10.1667/RR14492.1.full
 なぜなら、この論文は検証のしようがない、ブラックボックス的論文になってしまったからである。
(なお、同じ元データによる上記の表の、第三者による検証も同様にできないのではある。)


 だが、本当に困るのは一般国民である。1998年データは公開し、一方、個人情報保護などという名目で2009年データは非公開にするというのは明らかに無理な論理である。放影研には日米政府が半分ずつ予算を提供しているようである。税金の無駄遣いを防ぐうえでも早く再公開してもらいたい。

古いビデオとPCで安くテレビを見る方法2024年09月04日 05:16

 廃棄しようとしていたビデオデッキとテレビのセットがあった。テレビは液晶ではなるが、置き場が狭く、邪魔になったのである。

 ただ、テレビにはたまに見たい番組がある。古い小さいノートパソコンがあるのでこの画面でテレビ番組をみることができれば最適である。

 ネットを調べたらビデオキャプチャーデバイスという装置があった。一番簡単で安いものの価格は900円である。本体長さは約10㎝、幅3㎝、厚さ1㎝の小さい装置でビデオ出力の3色の接続ケーブルとUSB出力がついている。

 安いので早速ネット購入し、ビデオ出力端子を繋いでみようとしたら端子が両方ともメスである。そこで、古い道具箱を探したら、オス―オスのビデオ接続用3色ケーブルが運良く残っていた。(新規購入したとしても1000円程度だろうが。)

 これで―ビデオービデオキャプチャーPCのUSBが繋がった。

 しかし、スイッチオンしても画像が出ない。ソフトが自動インストールされないのである。ChatGPTに聞いたら、OBS Studioというソフトをインストールすればいいとのこと、早速インストールした。しかしOBS Studio窓にテレビ画面がでないので、再度ChatGPTに聞いたところ、ビデオソースが選択されていないという。OBS Studioのビデオソースのプロパティの窓を見つけ、ビデオソースの選択タブと有効タブをクリックしたらテレビ画面が表示された。

 音声も同様にOBS Studio画面のサウンドコントロール窓のプロパティで有効化したら無事聞こえるようになった。

 古いPCなので画質は良くないが画質が問題にするほど良い番組は別部屋の大型のテレビで見ればよいのである。ながらで見るテレビにはこれで充分である。千円程度と安いし場所も取らないのが一番である。

右目が突然良くなったワケ2024年09月05日 13:31

 車を運転するときは、近眼鏡を掛けている。昨年末に何とか運転免許を更新し、遠くはある程度見えていた。

 ところが、このところ、メガネを掛けていて、左目は良く見えるのだが、右目がなぜかダブったように見えてはっきりしない。もともと裸眼では右目が悪かったのだが、左目の方が良く見えるようになった。

 これでは運転にも良くないので、先日眼鏡屋で検眼しなおしてもらった。その結果に驚いた。

 店員さんのはなしでは、左目はメガネを作った時と変わらないのだが、右目の視力は良くなっているということだ。即ち、現在の右目のレンズの度数が強すぎなのである。加齢で老眼になったためかというとどうもそうでもなく、単に、近視が治って正常に近くなっただけだというのである。但し、右目の乱視は残っているとのことだ。

 なぜ、そんなことが起こったのか。思い当たることは、本をあまり読まず、テレビやPCばかり見ていることだが、それは昔から変わっていない。

 ただ、もう一つ、目に関して思い当たることがあった。それは、4月に多型紅斑という全身性の蕁麻疹性疾患に罹患したことである。その時、手足や胴部だけでなく、最悪時には顔面も腫れてしまったことである。そして、目が開けにくくなり、瞼や下瞼にもステロイド軟こうを塗った。幸い、腫れは2~3日で治り、続いて、胴部や手足の腫れは一か月ほどして治ったのである。

 医者の話では、異型紅斑ははっきりした原因は分からないことが多いが、何らかの細菌やウイルスの感染が原因らしい。この時、目の付近の細胞も感染し、近視のもとになる水晶体付近の筋肉組織が変性してしまったのかもしれない。

 これは、ボツリヌス菌によるしわ改善治療を連想させる。この治療法では、ボツリヌス菌が産生するタンパク質の製剤を用い、しわのもとになる筋肉に注入してその筋肉をリラックスさせる働きを利用するするそうだ。
 
 今回の感染で、目に多型紅斑を生じた正体不明の細菌・ウイルスの産生物が、水晶体付近の筋肉組織の緊張を弛緩させてと視力が正常化したという仮説が成り立つはずだ(例数nは1だが)。

 調べてみるとボツリヌス菌治療は顔面けいれんや斜視など顔の周辺の不具合の治療にも使われている。この治療法が近視の治療にも応用され、そのうち保健適用になるのかもしれない。メガネを作るよりは安く済みそうだし、メガネを掛ける煩わしさもなくなる。ただ、ピントが合う範囲が狭くなる可能性はあるかもしれない。

 メガネザルや**メガネで治験できるのだろうか?

図面より文章の方が分かる場合とは?2024年09月06日 03:01

一般に、図面や画像の方が、文章で解説するより分かりやすいと思われている。(このブログでは図は後処理、保存の関係でできるだけ使わないようにしている。)

 最近はVRによる3次元画像の利用もできるようになったので、余計その傾向はあるのかもしれない。

 しかし、VRも3次元的に見えるのはある種の錯覚を利用しており、実際には2次元画像を見ているのである。それに表面だけが見えるような画像が多い。

 蓄膿症の対応法を調べるため、副鼻腔の構造をネットで見てみた。
例えば以下のような図である。

https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&q=%E5%89%AF%E9%BC%BB%E8%85%94%E3%80%80%E5%9B%B3%E9%9D%A2

https://www.jintai100.com/om002.html

断面図を見ても、立体的な切断図をみても、どこが副鼻腔と鼻腔の連結孔なのかなかなかわからない。また、副鼻腔の表面が皮膚なのか骨なのかもわからない。

これらの疑問に対し、下記のChatGPTによる解説の方が私には良く理解できた。

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ChatGPT3.5 副鼻腔の3次元構造?

副鼻腔は、鼻腔の周囲に存在する空洞で、骨の中に埋まっている4つの主な空洞から構成されています。これらの副鼻腔は、鼻腔とつながり、呼吸器系の一部を形成しています。それぞれの副鼻腔は以下のように配置されています:

前頭洞 (Frontal Sinus):
前頭骨(額の骨)の中にある副鼻腔です。
額の上部、眉の上に位置しています。
左右に一対存在し、鼻腔の上部とつながっています。

篩骨洞 (Ethmoid Sinus):
眼窩(目の後ろ)の内側、鼻の側面に位置しています。
多くの小さな空洞が蜂の巣状に集まっており、これが篩骨洞を形成します。
鼻腔の中央部に開口し、他の副鼻腔と比べて小さいですが、複雑な構造をしています。

蝶形骨洞 (Sphenoid Sinus):
頭蓋骨の中央部、蝶形骨の中に位置しています。
眼窩の奥、鼻腔の後ろに位置し、左右に一対存在します。
非常に深い位置にあり、頭蓋底に近い場所にあります。

上顎洞 (Maxillary Sinus):
頬骨(上顎骨)の中に位置し、最も大きな副鼻腔です。
左右に一対存在し、目の下から歯の上にかけて広がっています。
鼻腔の側壁に開口し、鼻腔とつながっています。

これらの副鼻腔は、鼻腔とともに空気を温め、湿らせ、また頭部の重量を軽減する役割を果たしています。副鼻腔はまた、声の共鳴を助け、音声に影響を与えることもあります。
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人によって図の方がいいのか、説明文の方がいいのか異なるのだろうが、3次元構造の細部を知りたい場合、図の方が分かりにくいことも往々にしてあるような気がする。スクリーンサイズや精細度にも依存するだろうが、パワポで分かったような気になるのだけは避けた方が良いと思う。

 細部に神は宿るとはよく聞く言葉である。


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 ところでピカソは3次元構造を表現するためか、キュービズムと呼ばれているいろいろな方向から見た像を一枚の2次元像に合体させる手法を確立した。

 一方、マチスはそれに対し、敢えて遠近法を用いず、平面的に事物を並べ、輪郭の境界だけで3次元世界を2次元化する手法を選んだ。

 細部構造を見るにはピカソの方が優れているように思う。マチスの絵は細部の物体の相関が良くわからない

 しかし、美術館ならともかく、部屋に飾るにはマチスの絵の方を選びたい、(実際、印象派に挟まれて、壁に飾っているが)
やはり落ち着くのはマチスの絵のほうである。人は細部まで見えると落ち着きを失うのかもしれない。

大量の家庭段ボールゴミの効率的な縛り方2024年09月06日 14:48

 宅配便が増えると、段ボールゴミも比例して増える。大きさはさまざまである。

 これをポリエチレン紐で結んで縛るという作業が意外に面倒で骨が折れる。(折れたことはないが腰を痛めたことはある。)

 どうすべきか。一応、以下の方針で行えばかなり楽にできることが分かった。

ポイントは、
(1)大小の段ボール箱を分離して2つのグループごとに縛る。
(2)ポリエチレン紐の弛みをなくすために、
  ・足、脚と体重を有効利用する。
 ・小さい段ボールを隙間に押し込む。
という点である。

具体的には、

(1) まず、サイズであるが、長径50㎝以下のもとは最初に分離する。
  ここで2~3箱は後で大型団ポールを縛るときのために残しておく。
(2)小さいサイズの段ボールはできるだけ長方形に近い形になるよう耳などを切って落とす。
(3)その中で一番大きい段ボールを壁際の下に敷く。そこに小さい段ボールを重ねていき、横方向からポリエチレン紐で縛る。
(4)次に、この重ねた段ボールを壁に向かって反対側から蹴ってほぼ直方体になるように形を整える。
(5)このブロックを持ち上げ、直角方向からポリエチレン紐で縛り、十字型にする。
(6)切り落としてあった耳の段ボールをこの直方体のブロックの隙間に上から突っ込んで紐の弛みを無くす。

(7)次に、50㎝サイズ以上の大型段ボールであるが、これはほぼ大きい順に積み重ねていく。
(8)二つ折りにうまく畳めない場合は足で体重をかけて踏みつけできるだけ薄くなるようにする。
(9)これもまず横方向に縛ったら、次に直角方向から縛るために両足で段ボール重ねを挟みながら横倒しする。
(10)両足で段ボール重ねを挟みつけながら直角方向に、即ち十字型に縛る。
(11)隙間に(1)で残しておいた小型段ボールを押し込み、紐の弛みを無くす。

以上である。

病院の予約と紹介状の微妙な関係2024年09月09日 08:05

 図書館やネットで良い本を見つけると手元に置いておきたくなるものである。最近は消せるボールペンもあるので、気楽に書き込めるのも紙の本の良いところだ。なんか心に残る気になる。
松永正訓著「医者が患者の前で考えていること」(三笠書房)を購入した。
 ここまで本音が分かる本というものはどんな分野でもなかなか無い。日本では稀有な書籍である。

この松永先生の本にも出てくるが、クリニックから病院への紹介状とはかなり微妙なシステムである。

実は、半年前に、厄介な皮膚病になり、近くのクリニックから地域の大病院への紹介状を書いてもらったことがある。こちらから依頼したわけではなく、原因が不明で、病院でのステロイド治療が必要だと、そのクリニックの医師が判断したのである。

問題が起きたのは、その病院に予約電話をした後のことである。
新患の予約が一杯で、受診できるのは一週間後だという。その夜も全身痒く手眠れない。これを一週間続けたらおかしくなりそうだと、翌々日我慢できずに再度そのクリニックを受診した。

 そこでの医師の言葉にちょっと驚いた。無理やりその大病院に押しかけても良かったのにーという趣旨の話である。それでは、風邪で救急車を呼ぶ悪徳患者と同じようなものではないかーと思ったのである。

 客観的に見れば、皮膚病で痒くて眠れないから救急車を呼ぶというのは救急隊員にとってはうれしいことではないだろう。

 ともかく、クリニックで痒み止めを再度処方してもらい、一週間我慢して予約通りに大病院の皮膚科を受診したのである。

 結果的に予後は良かった。(予後とは松永先生の本では病気の今後の予測のことらしいが、prognosisの直訳で経過診断とか、今後診断とかでは忙しい医師にとって長い単語なのだろうか。)

 この紹介状問題で、なにがいけなかったのか。結局のところ、紹介状は大病院のすべての新患が持っている。しかし、個々の患者の状況、その緊急性が電話では伝わらない。なぜなら、予約を受け付ける係が、事務的に次に空いている時間と医師を機械的に割り当てるだけなのだからである。

 従って、最も重要なのは、このような新患予約係に、ベテランの看護師など綜合医療の専門家とを充当し、電話で患者の状態を聞くことである。少なくとも、私の場合は、単に可能な受診日、時間を指定されただけで、病状については何の質問も受けなかった。

 別の案としては、紹介状にトリアージ的な緊急度区別を記載し、病院が患者に紹介状のトリアージ区別を聞いて、優先順位をつけて時間を割り当てるという方法もある。しかし、これはなかなか実現が難しそうだ。患者が上位のトリアージであると知ったら救急車を呼ぶかもしれない。トリアージ順位が紹介状の手紙の内部に書かれていてたら、紹介状は患者は開封できないので、予約においては意味は無い。どちらにせよ今の紹介状システムは問題だらけである。

例えば、クリニックと大病院のデジタル的な連携ができれば患者には知られること無くスムーズな新患対応が可能になるのかもしれない。

 この場合は封書の紹介状自体が不要になるだろう。デジタル庁が厚労省と連携してこのようなシステムを作れれば、マイナカードの普及にも役立つかもしれない。

 松永先生には、次回作として、素人向けの医療用語集というものを出版してもらいたい。文科省向けの研究提案では、審査する非専門家の先生向けに用語集を添付することが推奨されている。これは、その研究提案で用いている専門用語を10行程度で解説するもので、これがあると非専門家でも全体の狙いが良く理解できるようになる。このように、医療の素人むけの全般的な受診マニュアル用語集があれば患者は安心して医療関係者とコミュニケーションできる。

もちろん、用語集には予後、紹介状といった用語だけでなく、保健点数とか、薬剤師、薬局との関係とか、患者には謎だが関心が高い問題を、あいうえお順にできるだけ拾ってもらえたらありがたい。

 本のタイトルは、井上ひさしの私家版国語辞典に倣って、私家版医療用語辞典ではどうだろうか。医療関係者による細かいクレームもこのようなタイトルなら躱せるかもしれない。

黒い雨で区別するのは無理筋だろう2024年09月10日 10:29

 昨日、長崎地裁で認定範囲以遠での被ばく者からの被ばく者認定訴訟に対する判決公判があり、黒い雨の降った地域のみ被ばく者と認定するとの判決が示された。

 だが、黒い雨とは原爆の核分裂で生成された核分裂生成物の崩壊放射能を主体とした放射能雨である。
 核分裂生成物の放射線は、崩壊にともない放射されるので、短時間接触したくらいでは被ばく量の増加は無視できる。

 Weinberg&Wigner”The Physical Theory of Neutron Chain Reactors"(Chicago Press.)のp.138によれば、ウラン235核分裂における放射線ごとのエネルギ配分の最確値は

核分裂生成物の運動エネルギ   167MeV
即発ガンマ線            6MeV
即発中性子運動エネルギ      5MeV
核分裂生成物の崩壊エネルギ
  ガンマ線              6MeV
  ベータ線              8MeV
ニュートリノ            12MeV

 合計              204MeV

である。このうち、がん発生に関係する外部被ばくに寄与する放射線は

即発ガンマ線6MeVと核分裂生成物の崩壊ガンマ線6MeV

である。プルトニウム239もほぼ同じエネルギを放出する。

即発ガンマ線6MeVは被ばくしたすべての被ばく者が爆心からの距離などによる影響はあるが全員が瞬時に被ばくしている。
一方、黒い雨に含まれる核分裂生成物の崩壊ガンマ線は、同じ6MeVではあるが、長時間の崩壊で徐々に放出されるガンマ線である。

崩壊熱経験式でt時間後の崩壊エネルギを模擬すると

Q(t)=Q0​⋅(a・t^(−0.2))

Q(t) は時間 t後の崩壊熱出力(tの‐0.2乗に比例)
Q0​ は核分裂停止直後の崩壊熱
a はフィッティング係数(おおよそ6%)

となる。この式から黒い雨が爆発から1時間後に降り、その雨の中心にすべての核分裂生成物があったとして、その雨の中で36秒(100分の1時間)いたとしても6MeVの約0.3%分のエネルギの放出を受けるに過ぎない。即ち、即発ガンマ線による被ばくが遅発ガンマ線からの被ばくに比べ圧倒的に大きいのである。

 黒い雨を受けたかどうかで、被ばく者の区別をすることは科学的には意味がない。裁判では黒い雨による内部被ばくの可能性を主張しているが、それは上記のベータ線被ばくの可能性である。エネルギは全ガンマ線被ばくよりも小さく、且つ、吸入という経路が必要になるので、ガンマ線よりも直接的な影響は小さい。
 詳細な核分裂生成物による被ばく量は、多田将「核兵器」明光堂、2019のP.394に記載されているが、1Mt核兵器で爆心から20km位置でのFallOutにより一生被ばくしたとして約10Gyであり、21Kt核兵器ならその50分の1、即ち、一生で0.2Gy、毎年0.01Gy以下となり、即発ガンマ線の方が数ケタ大きいのである。

 ガンマ線は距離の2乗にほぼ反比例して減衰する。補償額が爆心からの距離の2乗に反比例するような被ばく被害補償システムのほうがずっと合理的であろう。

 ただ、終戦後、米国ABCCが長崎においても被ばく者の被爆状況を詳しく検討していたことは確かで、しかもそのデータは広島の放影研に渡されたが、日本に渡されたデータ自体が不完全なものであったと推定される。それでも、上記のような推定よりはよほど詳しいデータのはずである。日本政府は放影研所属の米国側線源評価担当者に対し、当時の詳細な評価データを日本側に提示するよう要求すべきである。それがこのような被ばく者認定裁判をより分かりやすくする最も望ましい方策である。
(本ブログ2024年8月7日記事参照)

やはりラジオ体操が良さそう2024年09月11日 17:08

 暑くならない早朝にウオーキングを毎日1時間ほど10日間続けていたら、なんと、時々感じていた踵の痛みが消えてきた。また、歩くのも早くなった気がする。上り坂でもそれほど息が上がらない。

 ただ、歩いた後、どうも腰が痛い。靴を脱ぐのに体が前に曲がらない。

 1時間も直立姿勢をたもっているのだから、体幹が硬くなってしまうのだろう。

 思い立って、ウオーキング経路の途中の公園で毎日開かれているラジオ体操の集まりに参加してみた。(といっても、端っこで適当にラジオに合わせるだけだが)

 最初の前屈で思いのほか曲がらない。それまで30分ほど速足・直立姿勢でウオーキングをしているのだから当然かもしれない。

 だが、体を回す体操など繰り返しているうちに次第に楽に上体が曲がるようになってきた。ラジオ体操第二ではそれほど痛みなく、体を動かせるようになった。

 公園から戻ってきて靴や靴下を脱ぐときも昨日に比べ、楽に脱げる。ウオーキングの途中の休息にもなる。明日からは毎日ラジオ体操を途中に挟むようにしよう。ちょっと離れた公園でも体操会をしているはずだから、ラジオ体操のはしごもできる。夜の酒場のはしごよりは相当健康的だろう。