「言った、言わない」議論を止める方法2024年12月06日 07:02

 過去に行った他人又は自分の言質に関し、「言った、言わない」という議論になることは多い。

 これを止めさせるには、記録でもあればいいがすべての話を録音することは困難である。第三者が何か言っても、証拠はない。聞き違いということもある。ではどうすればいいか。

 結局、その場に議論している二人はいたのだから、あとで困らないようにその場で記録を取っておくことである。特にその議論で困るほうが記録を取ることである。一般の会議でも、だれが議事録を書くかという話と同じで、のちのち困るほうが記録を残すべきなのである。それもメモ帳など偽造不可能な形にするか、確認印をもらえれば、録音よりも強力である。

 では、記録がない場合はどうすればいいか。
これは、「言った、言わない」の議論を始めた者の負けであるーと決めればよい。後から、その議論を始めたのだから、それはその議論を始めた者にとっては重要であり、言われた方はどちらでもよいから記憶にもない話なのである。

 それを蒸し返されたのだから、「言った、言わない」の議論になるのである。証拠がないのだから、どちらが正しいかは永久にわからない。(タイムマシンや隠しマイクでもない限り。)即ち、時間の無駄である。

 「言った、言わない」という議論を始めた者は、現状に不満なのに、その話題が最初に出たときに、記録を取っていなかったか、又は、その議論を黙認したことになる。即ち、その議論が重要ならば、記録を残しておくことである。それを蒸し返したのだから、「言った、言わない」の議論になる。

 この「言った、言わない」議論を始めた者が、負けであるというルールが浸透し社会的常識にできれば世の中のトラブルは多少は減るだろう。

長崎被ばく者の歯の線量によるしきい値問題2024年12月06日 07:42

長崎原爆被ばく者の発がん情報に関し、長崎大学関係の下記サイトのP.27のAに発がん影響の図があった。
 https://www.genken.nagasaki-u.ac.jp/abomb/data/panf.pdf
 
 横軸は、11月21日の本ブログでも記載したNHKスペシャル拓洋の白血病死亡船員の歯の測定と同じく、被ばく者の歯を測定した被ばく線量で、長崎大学での測定法は、歯の被ばく量を電子スピン共鳴法で測定したものである。
 縦軸はがんによる死亡相対リスクで、男性では50cGy(500mGy)程度に閾値があり、女性ではしきい値がないことになってる。

 がん死亡リスクにおいて、男性でしきい値があり、女性ではしきい値がないという結果は本ブログ8月8日や10月18日での男女差解析と似ている。


8月8日、10月18日のブログで解析で用いたデータは、広島の放射線影響研究所(RERF)の広島・長崎をまとめた両市共通データであり、被ばく線量は結腸線量の評価値で表示されている。

歯の線量と結腸線量では、歯の方が体表面に近いので、定性的には整合している。
8月8日の解析では広島では男女ともしきい値が現れ、広島男性では350mGy、広島女性の場合は男性よりもかなり低い150mGy付近になっている。一方、長崎女性ではしきい値が現れていない。

 線量とがん発症リスクの関係が両市間で異なるのは本来あってはならないことである。ガンマ線の特性がプルトニウム爆弾とウラン爆弾で異なるとすれば、線量換算の時に考慮すべきであるが、即発ガンマ線スペクトルに大きな差はない。また、ウランとプルトニウムの即発中性子の線量影響がガンマ線に比べ十分小さいことはRERF自身が報告している。

 では何が両市のこの特性差の原因なのだろうか。

 実態は不明だが、長崎大学のこのデータをRERFが採用していたと仮定すると(採用したかどうかはわからないが)、結腸線量に換算する際に何らかの問題が生じたか、或いは換算評価誤差が入り、広島と長崎で線量評価値に不整合が生じたのではないかと推定される。

 更に深堀すれば、これも真相は不明だが、トルーマン大統領がトリニティ実験で兵士たちに対し行った人体実験が兵士の配置位置が遠すぎて失敗したので、長崎で実験した際に原爆の出力を同じにしろとめいれいしたため、長崎の線量が実際の線量よりも小さめに評価されて報告書に残っているとも考えられる。いずれにせよこれは冷戦時のプルトニウム爆弾実験の軍事機密に関わることなので、なかなか真相にはたどり着けないままである。RERFも線源データの評価は米国側の値をそのまま使用しているのである。

楽な靴下の履き方2024年12月07日 12:42

 スケッチャーズなる足を入れるだけでスムーズに履ける靴を入手した。但し、日本人でも珍しく異常に甲高な足なので、踵よりも甲が引っ掛かり、スムーズに履けた靴は広い店内を探してもらっても一種類だけだった。

 確かにこの靴は楽に履けるが、特に重宝しているのは、ゴミ収集車が来たときである。このように一刻も猶予がないときに、はきかけのまま玄関から飛び出してもきちんと足が収まることである。

 しかし、問題は、靴を履く前に靴下を履かなければならない時である。靴下を履くのはスケッチャーズのようにスムーズにはいかない。

 普通に靴下を履こうとすると、まず、腰を屈めて足先に入れるのが大変である。たいていは靴下が中途半端に指に絡まり、履きなおそうとしていもがいていると、片足立ちの体勢が崩れてしまい。履きなおしとなる。そこでどうすればよいか考えた(考えるほどでもない話だが)。

 まず、靴下の上部を持ち、踵のあたりまでつま先側に裏返しで折り返す。

 このようにすると、靴下自体が楕円系の筒状になる。この形状を保ったまま、つま先をこの筒状の靴下に挿入する。

 こうすると、踵付近の靴下の口径は広いので、スムーズにつま先を挿入でき、踵付近まで靴下に足を入れることができる。

 次に、外側に折り返してあった靴下の上部を足の上部方向に巻きあげればそれで終わりである。

 この方法は、特に踵からふくらはぎを包むような形状をしている、長い山スキー用のストッキングタイプの靴下には有効である。上部裏返しの手間を考慮しても、時間短縮になることが統計的に証明されるだろう(未確認です-)。

来春のミラノ・コルチナダンペッツォ冬季オリンピックのスキーモ(山スキー競技)で実証されることを期待しています。日本チームがんばれ!!

スリップの恐怖2024年12月09日 19:58

 岡山で観光バスが雪でスリップし、横倒しになったそうだ。

 これまで、かなり雪道を走行したが、昔のスパイクタイヤは良かった。雪の東北道を夜中に120キロで走っても不安感はない。夏道よりも安定していた感じすらあった。問題は、雪でラインも見えず真っ暗なのでちゃんとレーンに沿って走っているのか確認できないことだった。

 しかし、その後、スパイクタイヤは粉じん公害などの問題で禁止され、スタッドレスタイヤの時代になった。

 その結果、何度かスリップ事故を起こした。最も危なかったのは、フルタイム四駆で富士山のふもとを走った時のことである。車の説明書にはこの車は自動で4つの車輪の回転速度を変えることで車体の向きを安定化できると書かれていた。それを信じて、凍った下りを平気で夏と同じようなスピードで降りていた。あいにく、道にわだちが残っており、その氷の山にスタッドレスタイヤの側面がかかり、左に270度回転したのである。

 車内から前方を見ているのだが、勝手に窓の外の景色が回転し、パノラマ写真を見せられているような状態となった。なにか映画をみているかのような不思議な感覚であった。

 ただ、運よく壁面には激突せず、前輪が側溝にはまって車は止まった。車体にも傷はつかず、ただ、側溝にはまった車を動かすことができない。JAFを呼んだが、その日の富士山周辺は、同じように凍った道でスリップ事故が多発し、しばらくはJAFは来られないという。

 道路幅の半分を横になった車体が塞いでいる。何とかジャッキアップで脱出できないかとひとり車体の周りをウロウロしていたら、うれしいことに、通りかかった車が数台停車し、車体を力を合わせて溝から引き上げてくれた。感謝感謝であった。

 これで何とか帰れるかなと思ったら、悲しいことに右前輪がパンクしていた。ジャッキアップをしてスペアタイヤに交換し、スリップしてから1時間半もたってからやっと富士山の凍った道から脱出することができた。スペアタイヤは夏タイヤだったのだから、ゆっくり走らざるを得なかった。


 これと同じような恐怖を更に昔、バブルのはじける前にFFの外車で味わったことがある。それは長野の山中の国道で、急に雪が強くなり、宿の時間も気になってスピードを出しすぎていたのである。下りなので、やや強くブレーキを踏んだら、スピンしてしまった。ここでも運よく対向車がなかったので、逆向きになってとまっただけで済んだ。
 
 この時は3人乗っていたので、左右のバランスが悪かったのかもしれない。

 ほかにも、凍った雪の下り坂で、4人乗ったうえ、トランクも荷物でいっぱいで、ブレーキが利かないまま交差点に進入したり、同じく4人乗って左折をしたが、雪が柔らいうえ、タイヤも柔らかいスタッドレスだったので、曲がり切れずに信号待ちの車に衝突寸前、ハンドルを右に戻して衝突を回避したりと、雪と氷の世界は思ったようには車をコントロールできないことが多い。

 反省するに、スピードを出さない、急ハンドルは切らない、乗車人員には余裕を持ち、左右の重量バランスには注意する、スタビライザーは過信しないなど、当たり前のことを守っていれば良かったのである。

 雪道でスタックしている車はほとんど四駆だという説もある。青森のある町では、赤信号は進め、青信号は止まれ、という教訓もある。(注、赤信号になっても急ブレーキをかけないでそのまま進めということであり、交差する道路側では青信号になっても、横から車が出てくる恐れがあるので、すぐには発信せず、しばらく止まって左右を見てから発進せよという趣旨である。)

 ことしは、急な積雪が多いという予報である。下り坂に限らず、スピードに気を付けてタイヤのグリップを失わないよう、また、重量バランスにも気を配って、スピンしないよう、角運動量(カーブでの接線方向の運動量ベクトルとその直角方向の速度のベクトル積)、即ち遠心力を最小にするよう、カーブや急ハンドルには細心の注意が必要だ。何しろ、原子核や電子のような小さな素粒子でもスピンしていると考えられているのだから、マクロな物体である車がスピンするのは容易なのである。

シュレジンガー方程式でだまされた気分にならない方法2024年12月10日 10:43

 古典物理と量子論のつなぎの部分で必ず出てくるシュレジンガー方程式はどんなテキストでもいつの間にかシュレジンガー方程式が導出されていてだまされた気分になる。

 どこでそうなってしまうのか、だまされた気分がどこで生まれるのかを検証してみた。

 だまされる元凶は3つあった。

元凶(1)光に運動量があることを認識できていない。

(答え) ドブロイ波とは光と同様、粒子も波であることである。
粒子に運動量があるように、光子にも運動量があることを忘れている。
相対論から粒子が高速であれば、粒子のエネルギーEは
E=mc^2/√(1-(v/c)^2) (1)
運動量pも
p=mv/√(1-(v/c)^2)
となる。
∴cp=mvc/√(1-(v/c)^2)  (2)

(1)、(2)式の両辺を2乗して差し引くと
E^2-c^2p^2=m^2c^4
となるので粒子のエネルギーは

E=√(m^2c^4+c^2p^2)  (2)'
となる。光子ではmが0なので光子の場合の運動量とエネルギーは
E=cp (3)
となる。一方、光電効果の実験よりプランク定数をh、光の振動数をνとすると、
E=hν (4)
である。(4)は実験式である。

この(3)式と(4)式からシュレジンガー方程式で表れるプランク定数と波長と運動量の関係が得られる。即ち。
λは1秒間の光速を振動数で割ったものなので

λ=c/ν=h/p  (5)

となる。

元凶(2)シュレジンガー方程式で運動エネルギーTが
T=1/2m*(h/λ)^2  (6)
となることが分かりにくい。

(答え)これは1/2*mv^2が1/2m*p^2であることと、上記の(5)式からプランク定数とλで表せば理解できる。

元凶(3)波動関数の二階微分がどうしてシュレジンガー方程式に現れるのかわからない。

(答え)光波も物質波も波なのだから三角関数で表すのは適切だろう。定常波ならばsin関数でもよいだろう。波長がλとするとこの波動関数は

ψ=sin2π(x/λ)

で妥当だろう。これをxで二階微分してみると

d2ψ/dx2=-4π^2/λ^2*sin2π(x/λ) 
∴(d2ψ/dx2)/ψ=-4π^2/λ^2

この右辺のλ^2を(6)式に代入すれば

T=h^2/8π^2m*(d2ψ/dx2)/ψ (7)
が得られる。

一方、粒子の全エネルギーEは
運動エネルギーTとポテンシャルエネルギーVの和なので

E=V-T

Tに(7)式を代入して、ψを各項に乗じれば

Eψ=Vψ-h^2/8π^2m*(d2ψ/dx2)

となってシュレジンガー方程式が得られる。


やはり、どこかだまされた気分が残るが諦めるかなー。

と思っていたが、どこでだまされたのか考えたら分かった。

それは、(3)式の導出において第1項ではm=0としておきながら、
pはmが表に現れていないので生き延びているのである。

それでE=cpなる式が残っている。
p=mvなのだからこれも0になるはずであるのに残っている。

これはある近似を仮定していると考えざるを得ない。(2)'式で
m^2c^4<<c^2p^2
という近似である。

しかし、これは、粒子ならばvはcより小さいはずなので
m^2c^4>c^2m^2v^2
となり成立しない。

即ち、(2)’式はE=cpを示すための方便なのである。
E=cp
は運動エネルギーの次元を持っている。
E=mc2
は質量とエネルギーの換算式だが、これが光では光電効果の実験からE=hν
となる。光が波長を有しているのだから、Eと運動量との関係式さえわかればmvと波長の関係もでてくる。そのために、ドブロイは敢えて光の運動量pなる変数を導入し(3)式を生成したのだろう。即ち、光の運動量はmvではなく、pという、量子力学でしか通用しない新物理量なのだと了解すれば、以上のジュレジンガー方程式の導出は、腑に落ちるのかもしれない。
ただし、光の運動量はコンプトン実験で証明されている。光の運動量と粒子の運動量が散乱前後で保存されるという前提では実験事実として(3)式を受け入れなければならない。

光電効果であれ、コンプトン散乱実験であれ、最近の量子もつれ実験であれ、実験事実を突きつけられれば、如何におかしい仮定であっても受け入れざるを得ない。それがヒトの想像力の限界だろう。



参考資料
(1)橋本健朗、安池智一「量子化学」放送大学出版
(2)齋藤勝裕「わかる×分かった!量子化学」オーム社
(3)中田宗孝「量子化学基本の考え方16章」東京化学同人

新スパイクタイヤを開発すべきだ2024年12月11日 02:17

地球温暖化で日本海の海水の蒸発量が増え逆にドカ雪が増えるそうだ。

スリップ事故が多発するのも間違いない。

スタッドレスタイヤではスリップ事故は避けられないのが最近のバス横倒しやトラック脱輪のニュースでよくわかる。

スパイクタイヤがスリップ事故を防ぐために非常に有効なのだが、無雪状態では、粉塵被害が酷くて禁止された経緯がある。

しかし、30年ほど前、スイスでスパイクを出し入れできるタイヤの開発が試みられた。その原理はタイヤのゴムを二重構造とし、内側の層にスパイクを付けておき、その内圧を変化させることでスパイクピンを外側のゴム層の孔へ出し入れするというものだった。しかし、空気圧調整配管の複雑さ故か、実用化出来なかった。

現代は電気自動車と新材料の時代である。強磁性スパイクピン、形状記憶合金、非接触型電極、路面監視装置などの組み合わせで、雪面、氷面の場合のみスパイクが出る新スパイクタイヤを日本のメーカー群が開発すれば、世界中で大ヒットするだろう。

日本海温暖化防止大作戦2024年12月12日 02:26

地球温暖化で日本海の海水温が上がり、ドカ雪の原因となっている。

 日本海の温暖化防止程度なら、日本のみの努力で防止できる。

 それがこの大作戦の主旨である。(明治時代の日本海海戦とは全く異なる平和的、SGD的、世界平和に貢献する作戦でもある。)

 その方法は単純である。すでに小樽運河などでは部分的に実施している。

 即ち、降った雪を集め、海に戻し、海水を冷却するのである。

 これでどの程度温度が下がるか、下記条件で計算してみる。

 氷の潜熱:1g80cal

日本海面積:978000平方キロメートル
 日本面積 :378000平方キロメートル

 これらの値から日本全体に1m雪が積もった時に、すべて日本海に戻すことができれば、

 80×378000×100/(978000*100)=30.9

即ち、日本海の表面1m分の温度を約30度低下できる。

 今、日本海の温度は温暖化の影響で平均2℃上昇しているらしい。

即ち、日本の面積の

   2/30=1/15(24200平方キロメートル)

面積の雪を1m日本海に捨てれば、この温度上昇はキャンセルできる。
(表面1mの温度が主に蒸気発生量に効くという仮定ではあるが。)

 では、24200平方キロメートルとはどの程度なのか。

各主要河川の流域面積は
     
石狩川:14330平方キロメートル
最上川: 7040平方キロメートル     
阿賀野川 7710平方キロメートル
信濃川:11900平方キロメートル
神通川:2720平方キロメートル
九頭竜川:2930平方キロメートル

計 46630平方キロメートル

である。即ち、主要河川の流域の半分の面積の雪1m分を河川経由で日本海に運搬すれば、日本海の温度は2℃下がり、温暖化以前の温度に戻すことができる。雪の比重は1以下なので放流も可能だが、いかだとタグボートの組み合わせのほうが効果的だろう。

 もちろん夜間の新幹線利用やダンプカーなどでの輸送も可能である。

これは国家的事業だが、三陸に高さ15メートルの防潮堤を張り巡らす費用よりは安くできるのではないだろうか。

ぜひ、国土交通省関係者に検討してもらいたい。(確か、気象庁も国土交通省所属だったはず)

飽きずに記憶に残る読書法2024年12月21日 11:44

 多分どこかの本には書いてあるかもしれないが、簡単で、飽きずに、記憶にも残る読書法というものがある。

 それは、単純だが、

「音読」

をすることである。

 記憶のためには、本当はノートに要点を書いたりするのがいいのだが、それは意外に時間がかかる。次善の策として、音読がよい。ノートをとるというのはスペースも必要だし、抜けがあると心理的なストレスも生じる。音読はその辺の自由度がある。疲れたら黙読に変えても良い。特に重要でないような部分は黙読で十分だろう。

 音読を強化する方法に、マイクとイヤホンの併用がある。マイクで話した自分の声を耳で聞くので印象は2倍になる。

 ともかく能動的に何かをすれば記憶に残る。読書も同じである。

乱視でもピントの合う本の読み方2024年12月21日 11:52

 左右の視力が異なり、乱視が強いと、どんなメガネを付けても本がぼやけて見える。文字が2重に見えるのである。

 試しに本を机の上に置かず、小学生の朗読宜しく、本を立ててみてみた。なぜか2重に文字が見えることがなくなった。

 これは要するに水晶体と硝子体の曲率が年齢とともに不整合となるために、下方向に視線を向けると焦点がうまく網膜に合わないためだろう。

 網膜中心付近で見る分には、これらの曲率のずれがあまり問題にならず、焦点が合わせやすいのだろうと思う。

 焦点が合えば、読書の際のストレスはほぼなくなる。問題は、その立てた本をどうやって支えるかである。書見台という専用の装置もあるが、ここでは、100円ショップで買った品々の組み合わせで私用書見台を作ってみた。

 まずベースは、木製で三脚の写真立てである。(330円)そのベースの隙間に2㎝×2㎝×45㎝の角材を挟む。(110円)あとは角材の上に本を開いて本の両下端を模型固定用の金属クリップ2個で挟む。(220円)これで十分書見台になる。本の厚さに合わせクリップを変えればよい。すべて含めても1000円以下で作ることができる。

人を刺せない包丁の開発2024年12月22日 06:27

 最近の日本の通り魔的殺人事件の多くは包丁によるものだろう。拳銃や刀剣は規制が厳しいためもある。絞め殺すのには時間がかかるので通り魔的な事件にはならない。

 精神障害を無くす努力も重要だが、今後もストレスの増加や格差拡大で米国化の影響を脱するのは難しそうだ。次善の策として包丁構造の改良を考えてみた。

 基本的な考え方として、人体は周囲の環境よりも約10℃高温になっているので、その温度差を利用する。温度が高いものに対しては包丁の刃先が向かないようにする。従って、温度センサーと刃先の変動構造が必要になる。

 温度センサーは簡単な工業用温度センサーが利用できる。2千円程度で購入できる。寸法は5㎜φ×50㎜L程度である。これはグリップに内蔵できる。
 刃先の変動構造はやや面倒だが、グリップの直線方向から直角に折れ曲がる構造が簡単だろう。センサーが一定温度以上になると刃先を直線方向に支えていたピンの支持部が外れ、グリップと直角方向(下向き)になる。この構造だと簡単には刺さることはない。
 
 これなら、現在の一般的な包丁の価格の2倍以下で製造が可能だろう。

 このような包丁の採用を強制することはできないだろうが、使用間違いによる傷害防止や、事件、事故が起こりそうな施設、家庭などでの安全対策として有効だろう。購入可能な価格帯に抑えることは無理ではない。

 温度センサーの高度化、感度向上、刃先収納構造の改良など開発項目は多そうだが、家庭用商品販売企業等で開発を検討する価値はあるのではないだろうか。

 問題は高温の揚げ物などを切る際に使用できなくなる可能性だが、それらの食材は美味しくするためにかなりの高温になっており、人体の温度範囲(40℃以下)よりは必ず高くなるので、センサーの稼働設定範囲を制御することで簡単に対応できるだろう。低温食材も同様、生きているヒトの温度(服のうえでも25℃以上)よりは必ず低いのでセンサー高度化で対応可能だろう。